平成12年3月17日(金)

 
公認会計士審査会

第4回監査制度小委員会議事録


於 大蔵省第三特別会議室
(本庁舎4階)

大蔵省金融企画局市場課
  


午後2時0分開会

三原小委員長  予定の時間も参りましたので、ただいまから、「監査制度小委員会」の第4回会合を開催いたします。
 本日は、当小委員会の検討事項を大きく三つのグループに分けました二つ目のテーマであります「公認会計士の質の充実に向けて」ということにつきまして、事務局から簡単に概要及び考えられる論点について説明を行っていただいた後に、関係の方々から御報告・御意見を伺い、意見交換を行いたいと思います。
 それでは、最初に、「公認会計士の質の充実に向けて」の各検討事項につきまして、事務局から簡単に概要及び考えられる論点について説明をしていただきます。
 お願いいたします。


大藤大臣官房参事官  参事官の大藤でございますが、それでは、簡単に本日の議題に関します概要と考えられる論点について説明させていただきます。「資料1」をお願いいたします。「資料1」に沿いまして御説明させていただきます。
 まず、論点の第1でございますが、「公認会計士の登録制度のあり方」についてでございます。
 現在の制度の概要でございますが、(1)にございますように、公認会計士として業務を行うためには、公認会計士試験第3次試験に合格し、日本公認会計士協会に備える公認会計士名簿に登録を受けなければならないということとなっております。
 それから、公認会計士名簿に登録を受けている公認会計士は、一定の事項、例えば、業務の廃止、死亡、欠格条項に該当する場合以外には登録を抹消されないということになっているわけでございます。
 考えられる論点でございますが、公認会計士の登録を数年ごと(例えば、3年)の更新制にすべきというような考えがあるわけでございますけれども、これらについてどう考えるか。
 それから、監査・証明業務を行う公認会計士については、研修(例えば、日本公認会計士協会の継続的専門研修制度による研修)の履修を更新の要件として義務付けすべきではないかとの考えがあるが、このような考えについてどのように考えるか。
 あるいは、米国のように、資格の登録と業務を行うためのライセンスを分けるべきとの考えがあるが、このような考え方についてどう考えるかといったようなテーマがあるわけでございます。
 ちなみに、3ページに公認会計士法の登録に関連する条文をまとめているところでございます。
 それから、資料の10ページでございますけれども、本日のテーマに関連する国際的な比較ということで、表を付けてございます。
 次に、「継続的研修制度のあり方」でございます。
制度の概要でございますが、日本公認会計士協会によりまして、「継続的専門研修制度」というのが平成10年4月より開始されているわけでございます。同協会の監督下における各公認会計士の自発的参加を前提として履修の義務付けはなされていないということでございますので、現在のところ、任意の制度ということになっているわけでございます。
 当該研修の履修は、集合研修、自己学習等によりまして、年間40単位以上の取得を目標としているところでございます。
 考えられる論点でございますが、資料の10ページで御覧いただきますと、継続的研修制度(CPE)でございますが、各国では、日本を除きまして、強制的な制度となっておりますので、継続的専門研修制度による研修の履修を義務付けてはどうかという考えがあるわけでございますが、これについてどう考えるかという点が考えられるわけでございます。
 それから、継続的専門研修制度による研修の内容、カリキュラムでありますとか、取得単位数等につきまして、さらに充実すべきではないかとの考えがあるわけでございます。
 資料の4ページに継続的専門教育制度につきましての概要をまとめてございます。
 目的でございますが、職業専門家である公認会計士が、資格取得後も継続的な専門教育を受けることにより、その能力・識見を維持向上させ、社会経済環境の変化に適応できるようにするということでございます。
 運営組織でございますが、先ほど申しましたように、日本公認会計士協会でございまして、継続的専門研修制度協議会というのを設けておられるわけでございます。
 それから、参加方式でございますが、自発的参加方式ということになっております。
 研修の概要は、集合研修、自己学習、著書等執筆、研修会講師といったような内容になっております。
 それから、単位でございますけれども、集合研修1時間1単位というのを基準にしております。
 年間では40単位以上の取得を目標ということになっております。
 それから、会員は履修結果を年2回、協会に報告することになっておりまして、協会は会員及び所属法人に年1回通知するとともに、履修結果を記録して保管することになっておるわけでございます。
 実施時期は、先ほどお話ししましたように平成10年4月からということでございます。平成10年4月からの実施でございますが、実際の平成10年度の履修の結果等の調べができているようでございますので、後ほど、公認会計士協会の奥山副会長の方から、それにつきまして簡単に説明していただきたいと思っております。
 それから、3番目の論点でございますが、「日本公認会計士協会への強制入会制度のあり方」ということでございます。
 制度の概要でございますが、公認会計士は、公認会計士名簿への登録と同時に日本公認会計士協会の会員となり、登録を抹消されたときは同協会を退会することとなっておりまして、いわゆる強制入会制度がとられているわけでございます。
 強制入会制度につきましては、公認会計士協会以外にもこのような考え方をとっているところがあるわけでございますが、これにつきましては、資料の9ページ、行政改革推進本部規制改革委員会で、規制改革についての第2次見解というのが昨年の12月14日に出たところでございまして、強制入会制度につきましていろいろな問題提起がなされているところでございます。
 考えられる論点でございますが、「資格者団体に入会しなければ業務を行うことができないという制度の合理性、妥当性については疑問があり、強制入会制の下では、資格者間の自由競争が制限される等の弊害が生ずるおそれがあるなど、強制入会制のあり方を見直すべき」との考えがあるわけでございます。強制入会制度を見直すということについては、今お話し申し上げたような観点から問題提起がなされておるわけでございますが、これにつきましてどう考えるかという点が論点として考えられるかと思っております。
 私からの説明は、以上でございます。


三原小委員長  ありがとうございました。
 引き続きまして、本日は、山浦小委員長代理の方から、米国における公認会計士法統一化についての動きも御説明いただきながら、本日のテーマにつきまして御報告、御意見をいただきたいと存じます。
 山浦先生お願いいたします。


山浦小委員長代理  山浦でございます。本日、私の方で用意させていただいたのは、アメリカのUniform Accountancy Act、それから、Uniform Accountancy Act Rules、これを略してUAA、それから、UAARとされているんですけれども、1999年、昨年の11月に第3版が出まして、これがかなり今ここで検討している内容について関連がある、また、参考になるところも多いので、要約を兼ねて御紹介させていただきます。
 まず、UAAの性格なんですけれども、Uniform Business Lawと同じように、これは法律そのものではなくて、いわばモデル法ですね。会社本部は州ごとに設けられております。それから、公認会計士法あるいはAccountancy Actも州ごとに設けられておりまして、いわばその州間の差異をできるだけ小さくするという趣旨で編纂されたモデル法です。
 本日は、宮島先生あるいは岸田先生、法律のオーソリティーがいらっしゃる前で、私みたいなのがこういう法律を題材にした報告をさせていただくのはちょっと気が引けるんですけれども、よろしくお願いします。
 皆様のお手元には、「資料2-1」、それから、「資料2-2」、それから、「資料2-3」と三つの資料を用意させていただきまして、「資料2-1」はコンテンツです。大体どういう目次からなっているかということだけ、鳥瞰的に御理解いただきたいというのが趣旨です。それから、「資料2-2」が本日の私の報告の要点を記したものです。若干論文調になっておりまして、もう少し要領良くまとめればよかったかなと思っております。それから、「資料2-3」が、AICPAと州の公認会計士審査会の全国統一組織、それとの間で共同で作りましたCPEプログラムの基本原則を要点だけを訳しております。
 このUAAは、これはインターネットで出したんですけれども、AICPAのホームページでダウンロードできます。アペンデックス等を含めまして、約130ページぐらいの文章です。
 実は、先に弁解めいた話で恐縮なんですけれども、来月報告をする予定だったんですけれども、急遽、今日ということになりまして、少し私自身も用意が足りないところがありまして、法律の専門家もいらっしゃいますので、よろしければ、後ほど補足していただきたいと存じます。
 さて、中身に入らせていただきます。
 本日、この資料を報告の対象として選んで、先ほど言った参考になるということなんですけれども、少なくとも今の米国の監査ないし監査制度が世界標準となりつつあるのが現状です。特にビッグ・ファイブを中心に、職業会計士業界が再編をずっと重ねているわけでありまして、例えば、今の金融機関等と同じように、次第次第にこのグループが大きくなっております。
 我が国の会計士もこうしたビッグ・ファイブと関係を持たなければ、特に国際的に活躍する有力な企業の監査は実施できないというのが現状です。
 こういった米国の監査のあり方を支えます米国CPEの制度の内容を知ることがやはり不可欠ではないか。それから、米国CPE制度は非常に高い透明性があります。また、高度の専門性を維持するシステムが設けられておりまして、これは我が国のCPEの制度改革に非常に大きな参考となる点を提供してくれます。
 本日、私の用意させていただきました報告は、このUAAの中でも、一つは、CPEの資格認定制度。これは中には試験制度も含みます。それから、ライセンス発行の制度。これに関連して、CPE、それからピア・レビュー、こういった問題が関わってきます。本当に論文仕立てで恐縮なんですけれども、かいつまんで、以下、内容に入らせていただきます。
 まず最初に、「米国統一職業会計法の意義と性格」と名付けておりまして、このUAAの中身を理解していただくために、まず、その背景となる状況を御理解いただくのがいいのではないかと思いまして、簡単にまとめております。
 米国の公認会計士法というのは、一番最初は、1896年、ニューヨーク州で設けられました。その後、随時、各州に広がっておりまして、1921年に全米の州でこの公認会計士法が成立しております。現在では、全50州、それから、プエルト・リコをはじめとする行政管区でそれぞれCPA法が設けられております。
 このCPAの資格登録、これはサーティフケーションと言いますけれども、それと営業免許証の発行、ライセンシングですね、これは州の政府の管理下にあります。そのために、全ての州で職業会計審査会(Board of Accountancy)、State Board of Accountancy、これは州審査会と訳させていただきますけれども、その所管事項となっております。
 1ページの注1に、簡単にその州審査会の組織あるいは権限について述べておりますけれども、少なくとも州あるいは管轄区の首長がその委員を任命するということで、ここに書いてあるような中身の業務を担当しております。
 ただ、このCPA法というのは、州そのものが歴史的にそれぞれ変遷を異にするのと同じように、CPA法の内容も州によって異なります。そのために、例えば、CPA試験であるとか、あるいは資格認定の条件とか、あるいはCPEの問題であるとか、いろいろな面で州と州との間の差異があります。そうした差異というのは、質の高い方と質の低い方という、一概に言いますと、そういう言い方をしますと、質の低い方がありますと、どうしてもそちらの方に流れていく。
 例えば、日本の最近話題になっております米国CPAなども、ライセンシングが緩やかな州に受験生が集まるとか、受験資格が緩やかなところに集まるとか、そういういろいろな傾向を帯びておりますけれども、米国の中でもやはり同じようなことがあると聞いております。
 そのために、CPA資格を実質的な能力とともに維持するためには、全米での統一が必要があろうというのがこのUAAの基本的な編纂の背景となっております。
 さて、そこで2ページに移りますけれども、こうしたCPA制度が全米で共通化しようとする動きがかなり早い時期に始まっておりまして、私が調べた範囲では1916年に最初にこうしたモデル法ができているということでありまして、最近では1984年にAICPAと州の審査会の全国組織、これはNational Association of State Boards of Accountancy、NASBAと呼んでいるらしいんですけれども、このAICPAとNASBAが共同でモデル法を編纂し、これが第1版となりまして、本日は、先ほど御紹介いたしましたように1999年11月の第3版であります。
 ちなみに、これまでの経緯を辿りますと、第1版の1984年モデル法に従って多くの州が会計士法の制定をしているということで、その意味ではこのUAAの意味が全米的に浸透している。さらにこれに精緻化させたものが今回のUAA第3版と言うことができると思います。
 2ページの一番最後のパラグラフなんですけれども、ここは非常に大事なところで、UAAとUAARというのは、CPA資格登録、州間の資格相互承認、会計士実務などにおける州間の人為的な障壁を除去する。それから、CPAの州間の移動を高めることを目的とすると同時に、公共の利益に資すことを第一義にうたうに足る職業規律を擁し、同時に、米国CPAの国際的な業務展開のための各国の職業会計法のモデル法となることも意図しているということが明確にうたわれております。ある意味では、こういう米国CPA業界の世界戦略的な性格を持ったものであるという位置づけも可能かと存じます。
 このUAAを編纂する上で幾つかの基本原理が提示されております。これで九つの基本原則があります。実はこれは、本日、冒頭に事務局の方からお話がありました強制加入制度とか、そういったことをどうやって理屈付けるかという問題等も触れておりますので、やはりUAAを理解する上では重要ではないかと思います。
 まず最初に、第1の原則ですけれども、これは公認会計士に関わる法規制は公共的利益に照らしてのみ正当視される、こういう点です。パブリック・インタレスト、特に会計士の業務というのは、パブリック・ウエルフェアに係るということで、これが法規制の根拠となるということであります。
 それから、第2は、パブリック・ウエルフェアに資すということから、二つの面で、一つは、外的な面で、会計士個人並びに会計事務所の能力について合理的な保証を与える。
 それから、実質的な意味で、個々の会計士に合理的に期待される水準の能力について公衆を欺くことがないようにする。こういう二つの役割を果たさせるべきだ。
 それから、第3は、CPAの業務、何が何でも全てについてこういった法規制の網をかぶせるのかというと、そうではなくて、第3のところは、CPAが有する一定水準の能力についての期待が公共の利益に関わる程度並びにその期待の大きさの故に法規制をやむを得ないと判断される程度は、その業務の適切な遂行に要する技術水準、それから、不適切な業務遂行から引き起こされる不利益な結果の範囲ともたらされる災厄の程度に大きく影響される。
 ちょっと翻訳調で恐縮なんですけれども、要は、CPA業務がこういった独占的な法の制約の下に管理されるという意味ではなくて、その次のパラグラフにありますように、監査あるいはレビュー、それから、一定の標準式の報告書を出しますが、コンピレーション、調製ですね、この三つに限って公認会計士の業務についてライセンシングの根拠があるんだと、こういうことを明記しております。従いまして、もう少し言いますと、それ以外の業務は誰だってできるということであります。
 実は米国は、御案内のように判例法の国でありますので、4ページの注11に、今の考え方を裏付ける二つの判例が提示されております。
 この二つの判例、要点は、公認会計士の資格、そして、その資格者に対してのみ与えられる業務というのは、先ほど申しました監査あるいはレビュー、一定の調製等の証明業務でありまして、それ以外の業務は、誰にでも開放されるという考え方がこの判例で出されております。
 元に戻りまして第4に、会計士にライセンスを交付するための要件としましては、少なくともその相手となる会計士が最低水準の職業資格を有していること、こうした実質的な保証を与えるものでなければならないとしておりまして、この意味は、ライセンスの取得者だけが業務を実施できるようにするということ。
 それから、それと対応するように、ライセンスの交付の条件として、それ相応の技術と知識の保有を要求するということになります。いわばCPA業務の排他性あるいは独占性、それに対して、それを裏付けるための技術的あるいは知識的な能力水準の維持を要求していると言うことができます。
 それから、第5は、こういった公共の利益に係るCPAの業務については、無免許者を排除する必要があるという趣旨のようです。
 それから、第6ですけれども、会計士は証明業務以外にもいろいろ業務をするんですけれども、もし会計士がそうした証明業務以外の業務をするときでも、やはり公認会計士という資格が付されている以上、それなりの能力を公衆は期待するために、UAAはその業務についても規制をする、そうした根拠を持っているということであります。
 それから、第7は、CPEを要求している。それの十分な単位のCPEを少なくとも能力を維持するために受ける必要がある。そして、5ページにありますけれども、CPEは営業免許を更新する際の条件とされております。
 それから、8番目については、こうした規制については、できる限り全米で統一する必要があるということを言っております。
 最後に、全米での統一ということを実質的に保証する一つのメルクマールとして、「実質的同等性(substantial equivalency)」という言葉を使っておりますけれども、それを各州のアカウンタンシー・ローが満たしているかどうか、これを一つの目安としようということで結んでおります。
 いずれにしても、この九つの原則をUAAの全体の法体系の中に導入して法文化しているのが、このUAAの中身と言うことができます。
 そこで、本日のCPEの問題にかかってくるんですけれども、次の5ページの「資格の登録・更新と継続的専門教育」についてさらに触れていくことにします。
 何度も申し上げるようですけれども、このUAAというのは、公共の利益に資することを目的としてCPA資格を法規制の対象にする。そして、逆に言いますと、その業務へほかからの参入を排除する、こういった立場に立つのでありますけれども、その正当性というのは、医療とか法曹の業務と同じでありまして、やはり高度の専門的知識や技能がCPA業務に不可欠である。そのCPA資格者以外にこの業務を委ねれば公共の利益が著しく損なわれるおそれがあるんだという立場に立っております。
 その上で、1番目に、CPA資格登録証の発行、これはサーティフケートと言いますけれども、このサーティフケートの発行であります。このCPAであることの資格登録は、これはUAA、それから、UAARに定める教育、経験及び試験の各要件を満たしたgood moral characterを有する者に与えられる。これは特に犯罪歴がないとかいう、その程度のことを言っているようです。
 そして6ページへいきますけれども、教育要件は公認会計士試験の受験資格、それから、合格後の資格登録要件とがあるんですけれども、受験資格としては、特にUAAR、規則の方ですけれども、これによりますと、州審査会が承認する大学あるいはビジネス・スクール等での会計学専攻、あるいは学部で24単位、あるいは大学院での15単位の財務会計、監査論、管理会計を含む会計学コースの履修を求めている。
 実はこれはかなり今強化されつつありまして、実際に各州で施行されている法律によりますと、もっと要求する水準が強くなっております。次のパラグラフですけれども、現在一番多い州は、確か2002年からでしょうか、学士又はそれ以上の学歴資格を有する。それから、会計学専攻か、それに相当する教育を含めて150単位の履修を要求する、こういう教育要件を設けている州が多くなっております。
 そして、UAAがさらに明記しましたので、確か2002年だと思うんですけれども、全米の州で、あるいは管轄区でこの要件が入れられることになるというように聞いております。事実上150単位と申しますと、大学レベルで履修できるのは最大限127~128ぐらいでしょう。そうしますと、それ以降はいわばMBAクラスの単位でなければ、この150単位は満たせないということになりますので、これは事実上MBA資格を求めて、あるいはMBA資格を取らなくてもいいけれども、少なくとも大学院でのそうした科目の履修が必要であるということを要求しているという読み方で差し支えがないのではないかと思います。
 こうした教育要件を満たした上で、受験資格、あるいは受験はできるんだけれども、その後、登録資格を得るためには、こうした教育要件を満たさなければならないということであります。
 CPAの資格試験に合格しましても、資格登録証を受けるためには1年間の実務経験が要求されます。これは特に監査以外のものでも構わないんですけれども、少なくとも1年以上あるいは3年未満の期間に専業又はパートで少なくとも2,000時間の従事時間を要求しているということであります。
 次は、資格登録証の更新とCPEであります。
 冒頭にお話ししましたけれども、米国ではCPAの資格登録証の交付の際、そして、それに対して更新制度を設けております。この更新制度の一つの条件としてCPEを受けるということが求められております。資格登録証、サーティフケートの保持者だけが証明業務に従事し得るというところは、先ほど申しましたとおりなんですけれども、この資格登録証の更新は3年以内ということになっております。大体3年の州が多いんですけれども、カリフォルニアなど一部の州では2年という州もあるというように聞いております。
 それから、これはアメリカの事情なんでしょうけれども、州相互のCPAの移動については、幾つかの要件がまた別個に設けられております。
 それから、今のCPEなんですけれども、これについては、AICPAとNASBA、州審査会の全米協会がCPEの基準書に準拠した学習プログラムに従ってCPEをプログラム化し、そしてそれを受ける必要があるとされておりまして、基本的な要件としては、3年間で120単位以上、そして、年間最低20時間以上の受講を要求しております。ただし、開業していない会計士等については、一部の緩和策が設けられております。
 これに関連しまして、お手元の「資料2-3」ですけれども、これについて先ほどお話ししましたように、AICPAとNASBAとの間の合同委員会が設けましたCPEプログラム基準書であります。これは本文はかなり詳細なものでありますけれども、ここでは一応基本基準を訳して、そして関連して、重要なところについてコメントの部分を要約しております。
 一般基準、これは簡単に見ていただきたいんですけれども、学習プログラムに参加する必要がある。それから、第2は、CPE要件を満たすことは会計士自らの責任事項である。それから、CPEプログラムの主催者はこの基準に準拠する必要があるということ。
 それからプログラムの開発、デベロップメントという言葉を使うんですけれども、プログラム開発基準としては、学習目標、プログラム・レベルを明示する必要がある。それから、2番目に、プログラムに参加するに当たって、その前提条件として、どういった教育あるいは経験等が必要かということを条件を明記する必要がある。
 あと、時間もさほどありませんので、ざっと見ていただきたいんですけれども、一つだけ、後ほど会計士協会の方から御説明を伺うことになっていることにも関連しますので、「資料2-3」の2ページを見ていただきたいのです。プログラムの測定基準というところですけれども、この測定、メジャメントという言葉を使っております。
 この第1は、CPE単位、これは職業的能力維持、あるいはその増進させる学習プログラムに対してのみ認定されるべきだ。
 それから、第2です。これは細かい話ですけれども、50分の講義時間単位で測定される。その50分の講義時間単位を1講義時間としている。そしてこの1講義時間、これは50分のグループ・プログラム。これは公認会計士協会の言葉で言いますと「集合研修」という言葉を使っておりますけれども、それへの参加を言う。そしてこういうモニタリングの問題であるとか、時間数の計算等、細かく指示しております。
 特に今、日本で問題というか、日本の会計士協会の方のCPEプログラムは始まったばかりですので、まだなかなか要求できる水準が限られていると思うんですけれども、特に自習プログラムについて、かなり指示を明確なスタンダードを設けております。これについては、インタラクティブ型(interactive self-study)と非インタラクティブ型(non-interactive self-study)、この二つの型に分かれる。
 インタラクティブ型というのは、特にパソコン等での通信ネットワークを用いた双方向性の講義形式を言います。
 ちなみに、最近、日本にいながら、例えばオーストラリアの大学の単位を取れるとか、そういったことをしているんですけれども、実はそれもインターネットを利用して講義を受ける、そういった方式になっております。そして、要所要所で講師側が理解度を確かめるために質問を出したり、それに対して答えていくと、そういった双方向性の講義を指します。
 これに対して非インタラクティブ型、これはいわば教材を提供して、その教材に受講生が応じて、対応して学習を進めるというタイプでしょうか。
 今一つの参考事例としまして、ここにアシュアランスサービスという、最近アメリカの会計士協会で重点的に扱われている保証業務でテーマがあるんですけれども、これについての教材を私、手に入れておりまして、この中で、教材そのものはかなり分厚いものですけれども、中に往復書簡等を入れておりまして、単に自己申告で単位を取れるとか、そういったものではない。もっと、非インタラクティブといっても、チェックの方式としては、しっかりした教材が作られております。
 そのほか、大学でのCPE認定講義への参加とか、あるいは論文とか著書等に対するCPEの認定基準、こういったものが明示されております。
 最後に、今お話ししましたインタラクティブ型自習プログラムと非インタラクティブ型自習プログラム、これはこの基準書に掲載されている資料を私の方で日本語に書き直して作ったものですけれども、大体フィードバックを常にやりながら講義を進めている方式、これはインタラクティブ型ですね。そして、そうでなくて、受講結果を報告するという形での非インタラクティブ型、この二つの形態があるということであります。
 それから、「資料2-2」に戻りまして、7ページです。次は、営業免許とピア・レビューであります。
 先ほど申し上げましたように、全ての州で個人のCPA、それから、CPA事務所のライセンスに対しては更新制を採用しております。そのライセンスがなければ、CPAあるいはCPA事務所として名乗ることも、また、そういった業務を実施することもできないということであります。
 CPA事務所については、ライセンスという言葉ではなくて、むしろ営業許可(permit)という言葉使っておりますけれども、その要件として、幾つかありますけれども、ピア・レビュー、これが非常に大きな役割を果たします。
 さて、そこで、7ページの4の「(1)営業免許を要する業務」というところですけれども、この営業免許を要する業務としては、先ほど申しました各種の証明業務です。それから、標準式の報告書を発行するコンピュレーション業務、この二つの種類だけです。
 内容的には、その次のパラグラフですけれども、(a)(b)(c)の三つに分かれておりまして、ここで言う(a)証明業務というのは、AICPAの監査基準書に準拠して実施される監査、その他の関連業務、(b)AICPAの会計・レビュー業務基準書(SSARS)に準拠して実施される財務書類のレビュー、そして(c)は、AICPAの証明契約基準書(SSAE)に準拠して実施される予測財務情報の検査、エグザミネーション、この三つの種類の業務です。これについてはライセンスが必要とされるということであります。
 若干前後するようですけれども、先の1番目のパラグラフの真ん中あたりにあるんですけれども、税務業務、それから経営助言業務、報告書を伴わない財務諸表の調製、コンピレーション、こういった業務は誰でも実施できるという旨もやはり同時に規定しております。この点、やはり独占を認めるにしても、その独占業務の領域というのははっきりとさせるという一種の定義付けとして役割を果たしています。
 特にアシュアランスを提供する業務、これがパブリック・ウエルフェアに大きく影響するから、これに対して法律で独占を認めるんだと、こういったロジックの展開と認められます。
 細かいところで、もし飛ばしたところがありましたら、後ほどまた補足させていただくかも分かりません。
 それから、8ページですけれども、営業免許の条件ですけれども、こうした証明業務あるいは一部の調製業務、これを実施するために免許が必要であるということですけれども、この免許を認める部署は州のCPA審査会です。この州の審査会が営業免許を交付しなければCPAとして名乗ることも、また、CPA事務所の名称を使うこともできないし、もちろん証明業務等はできません。そして、3年以内にこれについては更新することが要求されております。
 そして、日本の制度と違うところで、この8ページの一番最後のパラグラフなんですけれども、このあたりはかなり重要ではないかと思うんですけれども、CPA事務所におけるパートナー、役員、株主、所員、あるいは支配人の財務的持分並びに議決権などによる所有権の単純過半数は、いずれかの州で営業免許を受けた資格登録書取得者に帰属する。その場合のパートナー、役員、株主、所員、あるいは支配人のうち営業の主たる場所を当該州とし、その州で職業的業務を実施する者はその州の資格登録書を有することを要する。これは逆に言いますと、CPAの非資格者でも、こうした事務所の所有権の、要するに参加することが可能であるということを言っております。
 それから、9ページですけれども、営業免許の非取得者を所有者に加えることができるための条件としては、三つが挙げられております。
 (a)は、事務所が当該州の営業免許取得者をその事務所の登録責任者として個人として指名する。それから、(b)は、営業免許非取得の所有者であっても、事務所の業務従事者であること。専従者であるということですね。それから、(c)は、当該事務所が州審査会が規則で課す他の要件に準拠。これについては州審査会がかなり詳しい要件を課しているということのようです。
 その次のパラグラフは、報告書の署名者はあくまでもCPAであるということで、そう申しましても、逆に言いますと、非CPA、CPAでない者も証明業務には参加することが可能であるということ。これは単に労働力というか、例えば、今のコンピュータとか、いろいろ専門的な能力を要求する領域もありますし、それから、CPAの試験に合格したんだけれども、まだサーティフケートをもらってないという人たちの研修の場としても、実務経験をつけさせるための役割はありますし、そのほかにいろいろの監査業務の中にも高度の専門的判断を伴う業務と単純な事務的な作業で済む場面がありますし、そういった場面には、むしろそういった非資格者を使った方が経済的あるいは効率的であろうと、こういったことも判断されているというふうに聞いております。
 そして、3番目として、営業免許更新条件としてのピア・レビューについて述べております。
 このUAAは、個人開業のCPA、それから、CPA事務所の営業免許証の更新の条件として、少なくとも3年に一度のピア・レビューを受けることを条件として課しております。このピア・レビュー、定義があるんですけれども、これはもう少し私自身時間を使って訳をはっきりさせたかったので、一応ここに書いた直訳ですけれども、こうした定義がなされております。
 このピア・レビューについては、いわば営業免許の更新条件であるんですけれども、このピア・レビューを誰がやるのかというのは、州の審査会が指定するという州が一番多いようで、そしてその上で、州審査会でオーバーサイト・ボデー、業務監視機構というのを別個に設けておりまして、この監視をピア・レビューそのものを受ける。つまり二重三重のレビュー・システムを作っております。非常に神経質といえば、そう言えるかも分かりませんけれども、やはりこのあたりが透明性の高さをうたう、我々が評価する一つの理由となっております。
 ただ、このピア・レビューに当たっては、秘密の保持がかなり厳格に守られておりまして、州審査会に対しても、やはりピア・レビューの中身については伏せて報告するということが認められております。
 それから、ピア・レビューについては、SECへの提出業務、つまり日本で言いますと証取法監査関係、それについてはもっと厳しい別個のピア・レビューの要件が課されておりまして、ここでのUAAでの州審査会が要求するピア・レビューというのは、いわば非公開会社、それから、政府機関等の非SEC関連業務というのでしょうか、それ一般についてのピア・レビュー。SEC関連の監査あるいはレビュー業務については、さらに一段の強力なピア・レビューが求められております。
 時間も経過してきましたので、10ページに進めさせていただきます。
 では、ピア・レビューとしては、どういう事項をレビュー対象とするのかということなんですけれども、10ページに(a)から(f)まで読んでみますと、(a)営業免許取得者が証明又は調製業務に関して報告した財務諸表とその報告書をレビューし、当該取得者が職業基準に準拠しているかを評価する。
 それから、(b)営業免許取得者に対し教育的あるいは業務矯正的な措置により報告業務の改善を求める。
 それから、(c)追加調査を求める事例について州審査会あるいはその指定人に上程する。ちょっと言葉が難しいでしょうけれども、上程すること。
 それから、(d)証明及び調製業務の監督責任者並びに事務所を代表して財務諸表に関する報告書に署名する者がその能力要件に関して該当する職業基準に適合しているか否かの検証。あと(e)と(f)ですね。こうした事項をピア・レビューの対象とするということであります。
 そして、次のパラグラフですけれども、資格登録の更新又は営業許可の更新に当たり、各申請者は申請直前12カ月間に発行した調製報告書、レビュー報告書、監査報告書並びに予測財務諸表検査報告書があれば、対象となった財務諸表とともに提出することを要するが、これらの書類は業務依頼人の住所とか名称が削除された形でもいいとされております。
 州の審査会がピア・レビューの最終的な監督に当たるんですけれども、いずれにしても、州審査会規則でピア・レビューについてはそれぞれの州がもう少しシステマティックに細かい規則を設けているということを聞いております。
 最後になりますけれども、そのほかにUAAは、例えば比例責任制(proportionate liability)とか、成功報酬の禁止規定、こういったものを設けております。いずれにしても、UAAそのものの中身は、今こちらの方で検討している事項について、非常に参考になるいろいろな規定を設けておりまして、こちらの小委員会での最終的な報告にこれをもう少し読み込む必要があるのではないかと思っております。
 最後になりますけれども、11ページの一番最後のところ、私としては、最近幾つか気になることがありまして、それがたまたまUAAの中に文章として盛り込まれておりますので、述べたいのですけれども、やはりUAAあるいはUAARというのは、米国のCPA業界のいわば情報サービス産業というのでしょうか、監査業務そのものを情報サービス産業として位置づけて、世界的な業務戦略を展開するためのツールという位置づけもされている。このあたりが最近のレジェンド問題とかそういったことを含めまして、我が国の監査制度あるいはCPA制度について、もう少し一歩踏み込んだ改革をして対応していかなくてはならない理由になるんじゃないかと思うんですけれども、このあたり、もしかしたら余計な話だったかも分かりません。
 長い時間で恐縮ですけれども、以上で報告を終わらせていただきます。


三原小委員長  ありがとうございました。
 ただいまの御説明、御意見に関しまして、御質問等をお伺いしたいと存じますが、その前に、日本公認会計士協会においては、協会内に専門のプロジェクトチームを設置して、当小委員会の検討事項に関しましても検討を行っておられると伺っておりますので、今回の「公認会計士の質の充実に向けて」のテーマに属する項目につきまして、公認会計士協会の御意見をお伺いしたいと存じます。
 日本公認会計士協会の常務理事でもいらっしゃいます富山委員からお願いしたいと思います。


富山委員  富山でございます。山浦先生のお話を前提にしながらお話ししていきたいと思います。まず、三つのテーマの中で「公認会計士の登録制度のあり方」については、基本的には更新制を導入するべきか、どうかというテーマだと思います。
 会計士協会は、今後、CPE制度を義務付けることを考えております。その義務付けについては、法律ではなく、協会の会則に基づいて義務付け、それを協会が自主的に管理していくということを考えております。先ほど話のあった品質管理レビュー制度に基づいて、全般的な品質管理状況をモニタリングしていきますが、CPE制度を守っているかどうかがチェック対象となります。CPEを履修していなければ資格要件を欠きますから、その人がやった監査自体には欠陥があることになります。会計士協会がそういうモニタリング制度の中で、CPEの履修状況をチェックしていくのであれば、更新制を法制化しなくても、本来の目的とするものが実現できるのではないかと考えております。
 それから、先ほどのピア・レビューの話の中でオーバーサイトというお話がございましたが、会計士協会の品質管理レビューの場合は品質管理審議会を設けて、会計士業界に属さない外部の方々の一種のオーバーサイトを受けるという形をとっております。この仕組みを、より強化しながら、外部から見てもちゃんと運用されているということが確認できる制度にもっていければいいと考えております。
 次に、「継続的研修制度のあり方」、これは先ほどお話ししましたとおり、平成10年4月以降、CPE制度を実施しております。この導入に当たりまして、アメリカ、カナダ等に制度の勉強にも行ってまいりました。当時アメリカでは、強制的制度として導入されておりましたが、同時期に行きましたカナダの場合には、あの時点では任意の制度になっており、制度はあるが、強制はしないという形でやっておりました。つい3年ほど前の話ですが、現在は強制されているようなので、そういう意味では非常に目まぐるしく制度が変わってきていると思います。
 継続的研修制度についてですが、経済社会が非常に急激に変化するとともに、いろいろな意味で経済事象がグローバル化をしてくる中で、会計監査の領域で制度の改革は目覚ましいものがあります。ここ1年の制度の動きを見ていますと、多分過去50年間の制度変革よりも激しいかもしれないというように考えております。
 そこで、会計士は新たな基準を全部理解しながらやっていかなければいけないということから、大変な状況の中にあります。会計士協会としまして、こういう状況の中で、公認会計士を制度の改革についていかせて、公認会計士制度自体の維持向上を図るためには、継続的研修制度を現行の自発的参加方式から、原則として全会員に義務化するという方向で今検討を進めております。つい2年ほど前に任意だよというように言いながら導入しましたので、非常に言い苦しい話なんですが、早目にこれを義務化していこうということで考えております。この場合に、例えば、最終的にはアメリカと同じように全ての人に例外なくCPEを履修させるということを考えておりますが、一番ニーズの高い証券取引法監査をやっている方、あるいは商法特例法の監査をやっている方については、先行して義務化するということも考えております。
 現在、任意参加という形になっておりますが、実態を申し上げますと、監査法人とその他に分けて考えた場合、大部分の証取法監査をやっている大手の監査法人について言えば、それぞれの事務所で研修制度を持っており、多分年40時間ではきかない程度の研修をやっていると思います。これはある意味で完全な強制でして、これを受けないで済ませることは現実にあり得ないので、そういう意味で、監査に従事している大半の方は実質的なCPEを受けているというように理解しております。こういうCPE制度を義務化するとすれば、一番影響を受けるのは大手ではない監査法人、あるいは中小の個人の事務所になると思います。現在のCPE制度の履修状況を見ていますと、中小の事務所の方々も熱心に履修しているようなので、実務的には余り抵抗がないという感じがしております。
 それから、義務化の方法としましては、協会が会則等によって自主的に行うということを現在考えております。履修義務違反については会則に基づいて処分を行う。先ほど申しましたように、品質管理レビューとリンクした形で履修管理を徹底することでやっていけるのではないかと考えています。
 次に、「公認会計士制度への強制入会制度のあり方」について述べます。
現在、公認会計士又は会計士補となる資格を有する者は、会計士協会に備えます公認会計士名簿あるいは会計士補名簿への登録を受けなければならない。登録を受けて初めて開業できるという形になっております。ただし、会計士補の場合は任意です。資格団体への強制入会制度につきましては、欧米諸国においても基本的には共通だと考えており、米国でも州での登録は強制されていると思います。その中で、必ずしも登録しないで会計士業務を行っている人も例外としてありますが、入会しているのが一般だと思われます。
 規制改革委員会では、「強制入会制の下では、資格者間の自由な競争が制限されることにより価格の高騰やサービスの質の低下等の弊害が生ずるおそれがある」と言っており、そういう観点から強制入会制度の是非を問うております。しかし、公認会計士が行う会計監査業務の公共性、すなわち監査証明業務であるとか、あるいは報告書を伴うコンピレーションとかの業務については公共性が高いということで、アメリカでも特別な扱いをしていますが、同様に日本でも公共性が高いわけですから、強制入会制を維持する必要があると考えています。それを維持して、自治統制機能を強化し、強制的な継続的専門研修を履修させることによって、一定の品質の維持・向上を図ることの方が重要ではないかと考えております。
 なお、現在、日本公認会計士協会への登録のほかに、公認会計士が税理士業務を行う場合には、別途、日本税理士連合会が備えます税理士名簿への登録が義務付けられております。また、地域の税理士会への入会が義務付けられております。これは弁護士法第3条第2項では、弁護士は当然税理士の事務を行うことができるとされており、シャウプ勧告におきましても、公認会計士は弁護士と並んで、税務代理業務を行うのに最もふさわしい資格者だというように認められております。
 また、ドイツ等では税理士制度がありますが、ここでも二つの団体に登録・入会する制度はございません。そういうことを考えた場合に、公認会計士が税理士業務を行うために税理士名簿への登録及び税理士会への入会をすることは必要ないのではないかと考えております。
 以上でございます。


三原小委員長  どうもありがとうございました。
 ただいまの公認会計士協会の方からの御意見も含めまして、今までの御報告・御意見に関しまして、これから質疑応答、意見交換を行うわけでございますが……


奥山委員  CPEの補足を。


三原小委員長  状況ですね。どうぞ、奥山委員。


奥山委員  先ほど大藤参事官から、後で会計士協会の方でCPEの履修結果あるいは状況について報告があるでしょうというお話がありましたので、今、富山常務理事の方から若干申し上げたんですけれども、もっと具体的に、折角資料がございますので、若干お時間いただいて御説明したいと思います。
 先ほどの事務局で作られた「資料1」の7ページを御覧いただきたいと思うんですけれども、これが私ども今把握しているCPE初年度の履修結果の状況でございます。(1)で全体とありますが、これは会計士補は対象としておりませんで、公認会計士を対象としておりますけれども、公認会計士全体で1万1,933人のうち、履修を届け出た者が8,244人、未提出者が3,689人ということで、概ねCPEという形で履修をした者が全体で69.1%と、約70%弱というようになっております。
 監査法人、これが監査を主としてやっている者と考えてもいいと思うんですけれども、それと個人事務所と分けて考えてみますと、そこに「事務所形態別」となっておりますが、個人の方は提出者が51.2%で、半分強のメンバーが履修しているという状況ですが、監査法人の場合は86.4%。つまり監査法人の研修も含めまして、CPEとしての履修の成果を上げている者が86.4%ということで、相当程度上げていると思います。
 この辺が先ほど私どもが提案しようとしている段階的な研修の強化と、強制研修と、あるいは義務化ということにつながっていることになっております。
 以上、簡単ですけれども、御説明させていただきました。


三原小委員長  どうもありがとうございました。
 それで、ちょっと私の方から確認的にお伺いしたいんですけれども、富山委員の御説明に対しまして、今、山浦先生からも御説明ありましたようにアメリカの場合には、公認会計士の業務のうち、監査に関係のある業務とそれ以外とで取扱いが違うようになっているようなんですが、これからこの公認会計士の登録あるいは研修制度を考えていく場合、研修の方は一応分けて取り扱うということを考えておられますね。それで、今の登録とか入会とか、この辺は、例えば公認会計士の監査業務をやらない人に対して別の扱いをするということは考えておられないんでしょうか。


富山委員  アメリカの事例でも出ていましたけど、監査業務をやる場合のほか、監査業務以外でも、公認会計士という名前を使って仕事をするという意味での重要性を考えて規制していますよね。日本の公認会計士の場合も監査業務以外でも、例えば財務諸表の調製業務でありますとか、あるいはコンサルティング業務について、公認会計士という名前を用いてやっていくとすれば、それなりの規制が必要ではないかと思われますし、CPE制度もその中で対応すべきだと思いますので、やはり入会制度は共通にすべきではないかと考えています。


三原小委員長  それと、もう一点確認したいんですけれども、税理士の協会への加入は必要ないんじゃないかということなんですが、税理士会への加入とか登録という話は、ここの「監査制度小委員会」で議論するにふさわしいかどうか、やや疑問があるんですけれども、それはそれとしまして、こちらの方は要らないということで、かつ、公認会計士協会は必要だという、その辺は何か論理的に整合性があるんでしょうか、ちょっとその辺が気になったものですのでお願いします。


奥山委員  すみません。多分余計なことを書いたと思われるかもしれませんが、これは規制改革委員会の方で会計士協会にアンケートが来まして、そのアンケートに書かせていただいたものですから、今回、規制改革の観点からもというお話がありましたので、私どもが外に書いたものですから、一応併せて書かせていただいたということで、確かにおっしゃるように当小委員会の論点からちょっとずれているかもしれません。そこはお許しいただきたいと思います。


三原小委員長  分かりました。
 それでは、どうぞ、質問等ございましたらお願いいたします。
 伊藤委員、どうぞ。


伊藤委員  いろいろ拝見していたんですけど、私は企業の立場で申し上げますと、日本の商法、それから証券取引法、税法のトライアングル体制というのが基本的にあって、その中でそれぞれの役割のパートナー、演じられている部分だと思うんですけど、今日のお話をずっと聞いていましたら、つまり公認会計士さんに関する基本的特徴は専門性と公共性。つまりその資格に伴って、それが必ず相内容として保証されていると、そういう下に保証業務が行われていると、こういうことですから、先ほど来聞いている強制入会とか、そういったことは私は納得性があり得ると個人的には思うわけですね。
 企業としてみれば、やはり御依頼する以上は、そういう専門的なものを絶えず維持していただかなくてはいけない。そういう点においては、絶えず教育をやって、その資格を維持しているということは大変いいことじゃないかと思うんですね。そういう点では、私は税理士についても基本的には、やる以上はその専門性を維持していただく。弁護士もそうだと思うんですよ。自動的にそうなるんじゃなくて、必ず登録をする以上は、その専門性が絶えず変化しているわけですから、ボーダーレス・エコノミーの中でそれは維持していかなければいけないだろうというように思うわけです。
 ですから、そういう納得性から言ったら、おっしゃるとおり、ここはちょっと相矛盾したことが書いてあるんですけど、このあたりは少し整合性をとった方がいいんじゃないか。私は委員長と同じ意見ですけど、そういうふうな感じを企業の立場からもいたします。
 以上です。


三原小委員長  ありがとうございました。
 白石委員、どうぞ。


白石委員  先ほどの御説明で、会計士協会の方では、更新制はとらない方向だと、こういうお話だったと思いますけれども、そのあたりとらない理由をもう少し。CPEで十分補足できるというか、それを中心にするんだと、こういうお話だったと思いますが、もう少し踏み込んで、更新制をとらない理由というか、そのあたりを御説明いただければと思います。


富山委員  基本的には、アメリカの仕組みでは、自分たちで規制しながら物事を進めていくという形で導入していっていると思います。
 確かに会計士法の中に強制的な規定がありますが、実質的にはAICPAが一つのルールを決めて、それでやらせているのが実態だと思うんですね。例えば更新制について、法律化してからやるというのも一つの方法であり、必ずしもこれに反対するわけではないのですが、段階を踏んで、まず第1段階においては、会計士協会の自主規制の中でやってみて、弊害があるのならば法制化すればいいのではないでしょうか。このような導入が、自由職業の世界を律する方法としては、より望ましいんではないかなということを申し上げたわけです。


白石委員  はい、分かりました。ありがとうございます。


三原小委員長  ほかにいかがでしょうか。
 岸田委員、どうぞ。


岸田委員  アメリカの実例について、山浦先生のお話を伺った感想でございますけれども、これは必ずしも会計士に限らず弁護士とかほかの自由職業もそうだろうと思うんですけれども、参入障壁が非常に低い。つまり、日本だと弁護士になるには100人に1人ぐらいですけれども、アメリカでは6割7割。会計士も多分同じように大学のビジネス・スクールを出れば、ほとんど全員が受かっているという状況ですので、特に先ほどお話がございましたように易しい州。例えばアラスカのような簡単な州で受かって、それがニューヨークで仕事するというように、各州で非常にレベルが違うから、それを統一するために先ほどお話がございましたような更新制ですとか、それから、その中でのいろんな厳しい要求も設けて、つまり入口は非常に簡単。その後選別していくと、これがアメリカの制度の特徴ではないかというふうに思うのでございまして、そのようなことは、やはりアメリカだからこそこういう制度が機能しているので、日本のように公認会計士試験が非常に難しい、入口が大変難しいところではちょっと事情が違うんじゃないかというような感想なんですけれども、いかがでございましょうか。


伊藤委員  それはもうちょっと議論があるんですけど、ちょっと私は岸田先生と違うんですけど、つまり大学入学試験と一緒であって、入学試験難しいから、もうあとはいいということではないんではないか。それはやっぱりどこか間違えているんであって、常にやはり整理があるべきであって、最初が難しかろうと、易しかろうと同じことなんじゃないか。質を絶えず保っていくことが重要だと思うんですよ。
 従って、今の難しいのをもっと広げたって私はいいと思うんですけど、絶えず質を維持していくということでないと企業としては困るわけですね。我々は現に、先生をお願いする以上は、それなりの実力を保証してもらう。試験が難しいから、もうあとはどうでもいいよなんて、非常に困るわけですよ。
 しかも、絶えず法律は変わっているし、世の中は激変しているわけですね。ですから、例えば日本の商法の問題にしたって、また宮島先生に叱られてしまいますけれど、基本的にはボーダーレス・エコノミーの中で連結経営が行われているので、海外と国内と一緒くたになってやっているときに、依然として商法が使える国内だけの監査制度でいいのかというような問題が厳然とあるわけですね。注意義務違反というのは監査に残っているわけですから、会計監査人としては当然そういうのを踏まえてやってもらわなければいけないので、私は税理士だって同じこと。先ほど申し上げたように絶えずやっぱり教育だ。全て絶えず教育をやるべきではないかという点では、規制改革委員会の人に怒られるかもしれませんけど、規制改革委員会の全てが何でも緩和すればいいというものとはちょっと違うというように思いますけどね。


三原小委員長  では、山浦委員どうぞ。


山浦小委員長代理  実は、伊藤委員がお話しになった前半について全く同じことを今岸田先生にお話ししようと思ったところなので、確かに入口が易しい。これはもう一つ背景がありまして、易しいという意味が、ここでは試験制度に直接に触れるような委員会ではないんですけれども、ただ、米国CPAの試験制度は、大学でのしっかりした単位認定制度が前提になっておりまして、実は我々大学人、これは岸田先生と違うかも分かりませんけれども、私の大学、あるいは過去いろいろ見聞きしている大学でも、単位ということに対する意味がアメリカのしっかりしたプログラムの中に出される単位制度と違いますし、その中でそういった教育要件等を満たして、それを受験資格とする。その場合にはアクレジットというか、クレジットの中身がやはりアメリカと日本ではかなり違いますね。ですから、先生のおっしゃる意味、分からないではないんですけれども、私としてはどうも納得できないということです。


岸田委員  私、ですから、先ほど意見と言わずに感想と言ったのは、アメリカはやっぱりそういう特色があるのではないか。それが大変著しく現れているのではないかと、そういう意味で申し上げたので、必ずしもそれがそのままだめだとか、いいとか言っているわけじゃないんです。
 それはそれとして、もう一つ別の問題ですけれども、一番最初に御説明ございました論点のところで、最後の規制緩和、強制加入制度のあり方ということと、最初の登録制度のあり方というのは必ずしも整合性がないのではないか。つまり、現在のところですと、研修制度は公認会計士協会がなさっているということですので、これを自由加入にいたしますと、公認会計士協会に入ってない人については、また別個の研修制度なり何かしなければいけないということになりますので、この前と後ろはやはり必ずしも一致してない気が私はいたしました。
 これも感想です。


三原小委員長  ほかにいかがでしょうか。
 中原委員、どうぞ。


中原委員  御質問と若干の意見といいますか、感じなんですけど、アメリカの制度の場合、結局のところは資格登録と免許登録というのを二重にしている理由は、それぞれCPEとピア・レビューを義務付けると、これが確実に行われる担保として登録・更新ということをやっているように御説明から窺えるんですが、特に営業免許の条件というのがUAA第7条とあるんですが、ピア・レビューを義務付けるがために営業免許更新を3年ごとにさせているというふうに理解してよろしいのかどうか。ほかにも営業免許を更新させるための何か理由がないのかどうかというところが一つ。
 それから、あと、公認会計士協会の方の御説明で、自主的に研修を義務付ける、品質管理レビューをしっかり行うということで実態的に同じものが担保されるというお考えは分かるんですけれども、CPAの方々が主体的に自分のイニシアチブで、こういう職業を継続する強い意思と能力について自信をもって登録という行為を改めて3年ごとにやるというのと、ただ研修を受けていれば自動的に資格が継続されるというのは、非常に表現しにくいんですけれども、ちょっと違うような感じもするんですけれども、その辺についてどうお考えなのか。2点をちょっと。


三原小委員長  どうぞ、お願いします。


山浦小委員長代理  ちょっとお答えにくい御質問で、少なくともピア・レビューだけが更新の条件ではないんですね。もちろん個人の場合にはCPEを受けているとか、あるいは業務に3年なら3年の間に、特にグッド・モラルキャラクターに該当するようなことがあればもちろんはねられますし、こういう御質問の趣旨というように理解していいかどうか分からないんですけど、ピア・レビュー制度を導入するが故の更新制という位置づけではないような気がします。
 やはり3年に一遍ぐらいは個人の資格、あるいは事務所としての要件等を満たしているかどうかをチェックするという趣旨ではないかと思われます。
 それから、もう一つについては、これは日本公認会計士協会の方の今のCPEに対する考え方ですね。先ほど奥山委員の方から実態調査の結果について、これは確か初年度ですね。ですから、今年はもう少し徹底が進むのかも分かりませんけれども、この数値がいい数値と見るか、悪い数値と見るかは、見方によって違いがあると思うんですね。できれば、もっと徹底させていただきたいというふうには思っておりまして、その意味で、中原委員の御質問に対して、私としてはどうも答えにくいというか、それが実情ですね。答えになったか分かりませんけれども。


中原委員  CPEを受けることを義務付けるその処分というのは、例えば公認会計士協会への登録を解消させると、そういうことまで含めた制裁を考えるということですか、義務付けるという意味で。だから、実質的にそこで少なくとも法律的な公認会計士としての登録ではないけれども、公認会計士を業とするためには公認会計士協会への加入を義務付け、CPEを受けない場合はその加入を取り消すと。実態的に法律上と同じ効果を民間でやっておると、こういうお考えと考えてよろしいんですか。


山浦小委員長代理  協会というよりは州の審査会の方でライセンス。


中原委員  それはアメリカの場合ですね。


山浦小委員長代理  ええ。日本の場合は、これを法律で義務付ける。となると、果たして協会の方が更新制をいわば管理するのがいいのか、あるいは今の大蔵省でこれを管理するのがいいのか、そういう幾つかの方法があると思うんですね。このあたりは制度の作り方次第ではないかと思うんですね。


三原小委員長  研修の義務付けを確実に履行させるためには、更新制が一番いいんじゃないかと思うんですけれども、それで、公認会計士協会の先ほど来の説明で、義務を履行させるには、今考えておられるやり方というのは、どんな方法を考えておられるのか。それで確実に履修が行われるのかどうかという点が一つ。
 それから、更新制には消極的なお考えのようですが、更新制がまずいという理由をもう少し具体的にお伺いできると議論しやすいと思うんです。


富山委員  更新制を否定している訳ではありませんが、今までは、会計士になってしまえば、一生会計士だったわけですが、そういう制度の中で急にルールを変えて、法律で3年に1回更新を義務づける方がいいのか、あるいは段階を置いて、まずは、自主規制の中でコントロールさせる。そこで問題なければ別にいいわけですが、問題が出てくるようであれば、今度は法律の下で強制させるという行き方があるのではないかと提案しているわけです。
 現在、会計士協会はいろいろな点で会員をコントロールをしています。綱紀事案では、問題を起こした会計士をチェックをして、どう処罰するかという審査をやっていますが、会計士協会には最終的な意味での権威はないと思います。最終的には大蔵省にお願いして処分してもらうという形になりますが、研修制度の履修であるとか、品質管理レビューであるとか、自主規制のルールの中で厳しく縛るような形がとれるなら、会計士協会としては相当強制的に実務を指導できますし、法律的に別に規定しなくても、結果は同じようなことを実現できるのではないでしょうか。法律で決めれば、効果的になるとは思っていません。現在、会計士協会が自主的に進めていることをより強化していく方法がいいのではないかという提案でございます。


三原小委員長  奥山委員、どうぞ。


奥山委員  ちょっと補足申し上げます。
 具体的にどういうふうにそれが縛ることができるかという点ですけれども、一つは、先ほどちょっと御案内したと思うんですが、品質管理レビューをする中で研修をしてないということになれば、その事務所については限定が付くわけですね。限定が付く場合には、そこで限定付きのその事務所に対しての品質管理の報告書が出ますから、ここで大きな歯止めがかかる。
 それから、二つ目は、やはり会則であろうといえども、ペナルティーがある。
 それから、三つ目は、やはり公表制度を、つまり会計士協会もそういうことについて自ら公表していく中で、当該監査人あるいは当該会計士は大きなペナルティーを受けるのではないか。そういう意味で、必ずしも協会だからできないということではないのではないかというように思っております。


三原小委員長  関委員、どうぞ。


関委員  冒頭からの御説明とか、今までの御議論で、つまり公認会計士の仕事というのが非常に公共の利益を目指して、また、目指す重要な仕事であって、それについて大事な仕事であるという認識がまずあって、そういった仕事を的確にやっていただくためには、これだけ変化が激しいときであるから、一旦試験に受かったから、ずっと一生やっているということではなくて、常に研鑽をして、新しい技術を磨き、情勢の変化に対応するように質を高めていかなきゃならないと、それはみんな共通の認識があるんだと思うんですね。
 今日、改めてUAAとかUAARを御説明いただきまして、見ますと、そういう目的のためにどういう枠組みを準備しているかということについては、これは統一法規だということでありますが、各州に全部落とされて、基本的にはこれに沿って動いているという御説明もあったわけです。
 私、そういうことで、そういった大目的を達成するため、どういう枠組みを設けて、それを誰が執行していくかという方法論の問題になっていくんだと思うんですが、そこで、実は山浦さんにちょっとお伺いしたいのは、UAA、UAARとこういう枠組みについて、アメリカの公認会計士の世界、あるいは公認会計士の世界だけでなくて、世論とか、政治の世界とか、学会とか、こういう枠組みについては、ものすごく不満がある。要するにこんなものを法律で縛るのはどうだろうかとか、そういうような状況は何かあるんだろうか、こういうことはどういう議論になっているんだろうかということを分かったら教えていただきたいと思うんですが、それはぜひお願いしたいんです。
 私は、公認会計士の仕事というのは公共の利益の追求で、非常に重要な仕事で、プロフェッションとして認知される重要な仕事であるということは間違いないわけですが、やはりそれぞれの業務はビジネスの要素がくっついているわけですね。ですから、公認会計士の皆さんもビジネスをやりながら、そういう仕事をやっていくという状況に置かれているんだと思うんです。
 そうすると、ビジネスの世界をやりながら、そういう公共の仕事、質の高い仕事をしていくということについて、それがやりやすいような枠組みをきちんと整備しておくと、そこが一つ大事なことであって、そのためにこういう枠組みを作って、それから、今の更新制とか、継続教育の義務とか、そういったものも、つまり、私はそういう理解でいいかどうか分かりませんが、仕事をする上に常に緊張関係というのですか、非常に厳しい環境の中でやっていくビジネスだということで、こういうことができているんじゃないか、こう思うんですね。
 ですから、こういう枠組みをきちっと設定しておくというのは、公認会計士の立場からお考えになったときに、自分たちが縛られるというのじゃなくて、自分たちのビジネスを社会の期待に、公共の利益に応えるようにやりやすい枠組みというか、支援を、仕組みができているんだと、こういうように理解すべきだと私は思うわけですね。それが第1点なんです。
 それから、第2点は、この前も二度ぐらい私は発言しているんですが、いろいろな御議論、特に公認会計士協会のいろいろな御意見を聞いていますと、私は公認会計士協会の方が、この頃、重要なお仕事で、どんどんそれを強めていらっしゃるということは正しく評価をしておるわけですけれども、何となく、やっぱり自分たちだけで、余り行政にあれこれ言われないでやっていきたいというような感じをちょっと私は感じるわけです。
 そういうことでないのかもしれませんが、例えば、今の更新制であれ、あるいは継続教育であれ、先ほど私が申しましたように枠組みを作って、それをサポートするということで理解をした場合に、何か法律の裏付けみたいのが、細かいところまで規制するんじゃないにしても、ここの部分は公認会計士協会にこういうふうにやってもらうけれども、原則としてこういうことであるという枠組みは法律で設けておくということも、少なくともどちらがいいかということはお考えいただいた方がいいんじゃないかなと思うんですね。
 私、これも前に申し上げたんですが、証券業協会は自主規制という仕事をさせていただいているわけですけれども、対象が違いますが、自主規制の意味はそうだと思うんですね。仲間の中でルールを決めて、それを適用していく。
 しかし、長年の証券業の自主規制については、業界の中でそれをやるということについては、それを上から行政がサポートしていくと、そういう枠組みでやっているんだと思うんですね。
 それで、また、自主規制の今までの議論は、それがある程度なければ、やっぱり自主性そのものも、いつも完全にうまくいくということではないと、こういう考え方でやっておりましたので、それがこういうプロフェッションの公認会計士と公認会計士協会ということに直接パラレルに議論できるかどうかというのはありますけれども、何かそういう感じがあった方がいいんじゃないかなという気がするんです。
 それで、初めからすぐ、先ほど更新制について法律でがちっとやるのがいいか、少し経過期間を置くかとか、これはちょっとまた別な問題じゃないかなという気がいたしますけれども、基本的な問題というのは私はそこにあるんじゃないか。
 大変長くなって恐縮であります。


三原小委員長  どうも御意見ありがとうございました。
 何か協会の方でありますか。いいですか。


富山委員  ちょっと整理しますので、どうぞ。


三原小委員長  では、伊藤委員、どうぞ。


伊藤委員  私もちょっと整理ができていませんけど、関さんの今のお話は、大変私は共鳴を覚えるわけですね。
 それで、今日は、経団連の中村さんも出ていますので、私は、多少一企業の立場の意見が匂うかもしれませんけれども、やはり我々企業の立場から見ると、確かにビジネスということを行う上において、企業会計を公認会計士さんにサポートしていただくという点においての、先ほど申し上げた専門的な少なくともある一定の基準のものを期待しているわけですね。
 ですから、そこは、私はビジネスという点において、しかし、それががんじがらめの何かじゃなくて、大きなフレームワークがあって、それはもう法律である程度セーフティネットがかかっているというところはやっぱりないと極めて不安ではないか。
 先ほど岸田先生に大変失礼なことを申し上げたんですけれども、つまり試験が通ったから、あとはいいよということでは困るから、それがまた公認会計士協会でピア・レビューもやっていらして、それなりに私は非常に立派にやっておられると思いますけれども、しかし、気持ちとして言えば、何年に一遍かは、ある試験があって、セーフティネットが絶えず保証されていっているということがあれば、企業としては非常に安心して任せられる。
 ちょうどお医者さんと患者のような関係で、ただ、専門分野は専門分野で、実はもう少しあって私はいいのではないかというように思うわけですね。だから、先ほどの税法の問題もそうなんですけれども、実際に公認会計士協会の例えばビッグ・ファイブを見ても、専門のタックスチームというものと監査チームが分かれてやっていますよね。そういう点では、それぞれもっと専門分野があって、税の登録している人としてないということがあって、何も全員が税ができなくてもいいと思うんです。しかし、税のプロフェッショナルのところは、より詳しい人がいてもらわないと困るし、先ほどの国際会計により詳しく国内のファームの方でも、海外のファーム以上に詳しい人がいてもいいし、それはまた我々の料金のはね返しに反映してもいいんじゃないかと思っていますので、ベースの要するにセーフティネットは、やはり作っていただく。あとは割と自由にやらせていただくという方が、企業のビジネスという立場においては大変ありがたい。
 それでは、上限が全然ないと、これまた大変我々としては負担になるわけですね。そういう意味では、何らかの大きなフレームワークは法律という形の中であるべきじゃないか。そういう点で行政というもの、あるいは官というものの役割は、私は極めて重要ではないかという感じがいたします。これは一企業の立場ということです。


三原小委員長  分かりました。
 富山委員、どうぞ。


富山委員  会計士協会がCPE制度とピア・レビュー制度を導入する前の年ですが、会計士協会は数名のメンバーを選定して、AICPAとカナダのCICAへ調査に行かせました。そこで伺った話が我々の原点になっておりまして、例えばアメリカのピア・レビュー制度というのは、法律ができて始まったのかといいますと、そうではないんですね。会計士協会自らが決めたんですね。最終的には今日の話のとおり法律になっていますが、法律が先か、自主的にやり出したのが先かといいますと、それは会計士協会が先にやり出したんです。その後に、これを各州共通にしようという話からこういうように法律に規定していこうという話が出てくる訳で、基本的にはいかに自分たちの業界を良くしていくかという観点から行動しているんですね。そういう考え方は、私達の専門職業の世界では非常に重要だと思うので、そういうことを強調しているわけでして、法律で縛られるのが嫌だと考えているわけではないんです。
 アメリカでも、カナダもそういうふうに導入しており、それでうまくいけば、法律として制度化すればいいわけですよ。ただ、その途中の過程では、自主規制の期間があっていいのではないかなということをお話しさせていただいたわけです。


三原小委員長  中原委員、どうぞ。


中原委員  かなりはっきりした議論をする必要がいずれ出てくるんだと思うんですけれども、結論から申しまして、私も先ほどちょっと御質問しましたけれども、会計士としての登録の更新制を法制化するのは、やはり私は問題があるんじゃないか。職業自由の問題、それから、規制緩和なり、行政の関与を最小にしているという問題から。
 会計士は公認会計士協会に入会が義務付けられているこの会計士法46条をうまく使えば、枠組みは作れるはずなんですね。ただ、何となく先ほどからの議論で若干気になっていますのは、やはり公認会計士法46条をきちっとベースに置いた上で、公認会計士協会で枠組みをしっかりお作りになれば、実態的には必要なことは担保されるんじゃないかという気がしていまして、そのためには、研修を受けた人が何%いて、何人ぐらいがだんだん上がっているとか、そういう問題の話じゃなくて、やはり移行過程を余りぐずぐずにせずに、移行過程、直ちに明日からというわけにいきませんでしょうけれども、最終着地をきちっと決めた上で、枠組みをしっかり作って、それに向かって進んでいけばよろしいんじゃないか。
 公認会計士としての大蔵省への登録の更新制まで私は必要ないだろうと、結論を申し上げれば、そう思います。


三原小委員長  今の46条の2の規定ですね。あれをうまく使えばというのは、例えばどんなことを頭に考えて言っておられるんですか。


中原委員  はっきり言えば、そういうCPEを受けない人とか、品質管理で問題であるところは、どんどん除名されればいいんじゃないかと思うんですけど、それはどうなんでしょうか。


三原小委員長  分かりました。
 ちょっとよろしいですか。私も一つ気になるのがあって、お伺いしたいんですけど、規制改革委員会の意見で、「強制入会制の下では、資格者間の自由な競争が制限されるなどの弊害が生ずるおそれがある」こういう言い方をしておりますけれども、この辺よく分からないんですが、これは協会としてはどういうふうに受け止めて、それに対する反論といいますか、何かあったらお聞かせいただきたいんです。


奥山委員  規制改革委員会が言っているこの趣旨は、私どもの理解では、一つの団体の中で全員が入るということになると、価格競争とか、あるいはサービスの制限とかということが、その団体の名の下に制限されるのではないかということで、その団体に属さないことでやってみたら、あるいは二つの団体にしてやってみたら、むしろそういう価格の制限とか、あるいはサービスの制限というものが撤廃されて、むしろ良くなるんではないかと、そんなような意味で捉えたんですね。
 ですから、これはいわば監査という立場からみますと、競争してやるという筋合いのものではなくて、やはり公共的な立場で、しっかりした一つの監査という業務を提供するという観点からすると、こういうことになじまないのではないかということで意見を申し上げているわけなんですね。ですから、団体によっては、あるいは業務によっては、こういうことが確かにあるのかなという思いでおります。


三原小委員長  分かりました。
 中村委員、どうぞ。


中村委員  前にもちょっと申し上げたかと思うんですが、今日の御議論を聞いていまして、やはり公共の利益というお話が大分出てきて、そのためのCPEというその質を維持するというお話があるんですが、そのベースになっているものがちょっとよく分からないんですけれども、公認会計士法を見ましても、その辺のところの条文がないということで、やはりベースになる公認会計士法の見直しも視野に入れておられるのか、その辺についてお聞きしたく思っています。


三原小委員長  分かりました。
 今の報酬の問題とか、広告の問題とか、それから、今の中村委員が言われた話とか、これは次の第3のグループのテーマに入っていると思いますので、そこでまたいろいろと御議論が出ると思いますので。


富山委員  ちょっとよろしいですか。


三原小委員長  はい、富山委員。


富山委員  この点については、公認会計士法は昭和23年にできた訳ですが、その当時の弁護士法とかでは目的規定が多分なかったんだと思うんですね。それ以降に目的規定を入れたため、公認会計士法だけが会計士の役割であるとか、高邁な主張の部分が抜けているということのようなので、これを入れていただかないと格好がつかないというふうに思っています。


三原小委員長  ほかにいかがでしょうか。
 宮島委員、どうぞ。


宮島委員  今の点がまさに重要で、最初から品質保証と、品質という言葉が気に入らないなんていうのは、ビジネスとして会計士の仕事を考えるのか、公共の問題として考えるのかという、それがきちんとすると、答えが割合それぞれ出てくるような気がしまして、それで、山浦先生にお聞きしたかったのは、アメリカで公共の福祉を大々的にうたっていると、それがまさにアメリカの法律のところにあらわれているのかどうかをお聞きしたい。ビジネスも少し入っているのかどうか。そんな点をちょっとお願いいたします。


三原小委員長  どうぞ、お願いします。


山浦小委員長代理  監査というビジネスは、いわば信用が売り物ですね。その信用を得るために、こうした法規制でディシプリンを決めていく。それから、業界自らもディシプリンをやっていく。そういった意味では、公共の目的に資すということがビジネスの目的となって、それがいわばそういったいろいろな規制なり、自己努力なりで信頼性を高めて、そして、相反するものという形では捉えていないような気がします。


大藤大臣官房参事官  ちょっとよろしいでしょうか。


三原小委員長  はい。


大藤大臣官房参事官  議論の過程で、事務局から申します目的規定がないといけないというようなお話がよくあるわけですけれども、これはやはりいろいろな経緯もあることでしょうし、単に抽象的な議論に止まらない話なんだろうと思いますね。ですから、どういうことで本当に目的が定義し得るのか、公認会計士の仕事ですね。それもほかのいろいろな資格がございますけれども、それときっちり書き分けた形で本当に書けるのかどうか。あるいはその書いたことがどういう経路と申しましょうか、どういうことで本当にその資格の重要性であるとか、業務の重要性、あるいは業務の品質を上げるということにどういう形で結び付いていくのかということで、やはりかなり具体的な議論を展開しませんと、なかなか判断できない問題だろうと思いますので、そういう観点から議論をしなければいけない問題ではないかというように思っております。


三原小委員長  今日既にそういう公認会計士の業務の範囲といいますか、あり方についての議論が出たのですが、次の会合のときにはそれが中心になると思いますが、何かそれについての資料を、この次また用意していただけたらなと思いますね。それに基づいてまた改めて議論したいと思います。
 岸田委員、どうぞ。


岸田委員  更新とか研修について、法制化する場合の細かい点で恐縮でございますが、ちょっとお教えいただきたいのですが、山浦先生のレジュメの6ページの下から5~6行目に「州の外国会計士に対する資格登録・更新業務も含まれる」というように書いてございますので、多分アメリカのある州に日本人の会計士がおれば、それについても同じような研修が行われると思うんですが、日本でも外国公認会計士というのが法律上認められておりますが、仮にこういう制度を設けた場合に、奥山先生、富山先生にお伺いしたいんですが、こういう外国公認会計士もこの研修を受けるのか。受けて更新するのか。それとも、それは全く関係ないのかということをお伺いしたいと思います。
 その問題は、最近、御存知のように若い学生など外国、特にアメリカで資格を取って日本で働くということもございますし、それから、外国人で日本語がほとんど分からない人が日本で働いているような場合に、研修を受けても実際にはほとんど言葉が分からないというのなら意味はないのではないか。だから、そういうのを資格要件にすれば、またいろいろ問題が出てくるのじゃないかという、ちょっと素朴な質問ですけど、一応お教えいただければ幸いでございます。


富山委員  まず、外国公認会計士について言いますと、昭和50年ぐらいから新登録全くないそうで、制度はあるけど、実体はないというのが事実でございます。日本国内には、アメリカのCPAの資格を持った、例えばビッグ・ファイブ等に会計士が大勢います。彼らは日本の制度の中で仕事をしているわけではなくて、あくまで向こうの資格でやっていますので、向こうのCPE制度を受けております。要するに、彼等はあくまでビッグ・ファイブの中での彼らの役割として動いているということでございます。


三原小委員長  外国公認会計士制度を適用して、日本で公認会計士の資格を取っている人もいるわけですね。


富山委員  はい。


三原小委員長  それは、今、岸田委員の御質問で、登録その他はどういうふうになっていますか。


富山委員  当然そうなれば、そういう方は非常に例外的ですけど、CPE制度の対象になってくるんだろうと思います。


山浦小委員長代理  ちょっとよろしいですか。


三原小委員長  はい、山浦委員。


山浦小委員長代理  ちょっと時間取って恐縮ですけれども、今の岸田先生の御質問とも関連してくるんですけれども、実は、企業会計の世界というのは、事実上の言語の世界競争が非常に進んでおりまして、単に日本語か英語かという、それくらいの差異でしかなくて、実際はインターネット等で同時的に世界中に情報が配信される。しかもそれは、英語で通常出されますね。
 そうしますと、そういった環境では、日本語ができる、できないというのは余り意味がなくなってきつつあるんですね。実はアメリカのAICPAあたりが盛んにこういったサービス産業の規制撤廃とか、そういうことを言っている理由は、ここにあるんですね。
 ですから、法律、弁護士等の業務は違うかも分かりませんけれども、少なくとも会計の特に証明業務に関しては、この種の言語、それから、知識の面での国によっての違いとか、そういうのは壁がほとんどなくなりつつあるというのが実情だと思うんですね。


三原小委員長  どうもありがとうございました。
 まだ御意見あろうかと思いますけれども、予定の時間が参りましたので、本日の会合は……


新原東証監理官  一つだけ、いいでしょうか。


三原小委員長  では、どうぞ。


新原東証監理官  ちょっと山浦先生に、これは今日のテーマじゃなくて次回のかもしれないんですが、7ページのところで、営業免許を要する業務で、証明業務の中身、(a)(b)(c)と三つ書いてある。これは法律で向こうで中身が定義されているんじゃないかと思うんですが、この中で監査基準書というのは日本にもありますけれども、この前もちょっと出たのですが、恐らくレビュー業務基準書というのは日本にはないと思います。それから、その次の証明契約基準書というのもないと思うんですが、そこに書いてある予測財務情報の検査(prospectiv financial infomation)のexaminationというのが会計士の独占業務というように書いてあるんですが、これは有価証券報告書などを出すときに付いてくる財務書類の中にあるものなんでしょうか。それとも、そうじゃなくて、それから外にあるものなんでしょうか。
 それと、こういうものが今の会計士法の第2条第1項の対象になっているのか、なってないのか、山浦先生と会計士協会とに簡単に、今後の議論の基礎ということだと思うんですが、世界中一つになっていますので、日本に余りこういう議論がないとすると、ちょっと心配なので教えていただきたいんです。


三原小委員長  どうぞ。


山浦小委員長代理  まず、前半についてですけれども、この7ページにあります(a)(b)(c)のうち、確かにおっしゃるように日本には監査基準、つまり企業会計審議会で設定した監査基準、それから、それに基づいて協会の方で業務指針等を出しております。恐らく(a)については、これが該当すると思われます。
 それから、(b)については、事実上これはありません。レビュー業務そのものが、つい最近、制度化の兆しが出てきた段階で、これについて協会の方の対応が遅れるというよりは、むしろその必要が今までなかったということの方が事実じゃないかと思うんです。
 ただ、やはり四半期報告書等のレビュー等も要求されようとしておりますので、早急に何らかの形でこの基準は出される必要があるのではないか。しかも、そのレビュー報告書そのものが社会的な機能としては、公共の利益に関連するという意味では監査の報告書と同じですので、従いまして、やはり早急に必要ではないかと考えております。
 それから、予測財務情報については、この中身は予測財務諸表ですけれども、その予測財務諸表を作る場合に幾つかの前提条件を出します。その前提条件が妥当かどうかということを検証する。これが向こうの公認会計士の業務の中に入っておりまして、しかもそれが非常に高い位置づけとなっております。
 ただ、この予測財務情報についてどういった使われ方か、もしかしたら関委員御存知かも分からないんですけれども、実際にこれが予測財務上、いろいろなところで見ますし、それから、10-Kの中にも予測について入っているかと思いますけれども、恐らくそういった、つまり過去の情報とは違う。検証の方法も過去の情報とは違う手続を踏む必要がありますので、そういった別個の証明報告書が必要とされるのではないかと思っておりますけれども、このあたり、実務に詳しい方の方が的確なお答えがいただけるのではないかと思うんですけれども。


三原小委員長  よろしいですか。


富山委員  協会の方で調べて御返事します。日本の制度と同じなので、基本的に予測財務情報はSECのレポートには入ってこないはずです。逆に今イギリス圈の財務諸表の中にそういう予測情報が入っていて、これについては会計士が証明しているようですね。SECへもって行く場合には、それを外してしまうらしいんですが、そのことが議論の対象になっているということらしいので、SECの問題じゃないと思います。独自の仕事としてそういうのがあるみたいなので、調べてみます。


三原小委員長  それでは、本日の会合はこの辺で終了させていただきたいと思います。
次回は、当小委員会の検討事項を大きく三つに分けました三つ目のテーマであります「環境の変化に適合した監査法人制度及び業務範囲等のあり方」につきまして、今回と同様に、事務局から簡単に概要説明を行っていただいた後に、各界の方々からの御意見を伺い、意見交換を行いたいと考えております。
 なお、次回会合は4月11日(火曜日)の午後3時から5時まで、隣の第四特別会議室で開催させていただきたいと思いますので、御出席くださいますようよろしくお願いいたします。
 また、皆様の席上に第3回会合の議事録(未定稿)をお配りさせていただいております。御覧いただきまして、お気づきの点がございましたら、お手数ですが、3月27日(月曜日)までに事務局までお知らせくださいますようお願いいたします。
 それでは、以上をもちまして、本日の小委員会を終了いたします。
 どうもありがとうございました。

午後4時5分閉会

サイトマップ

ページの先頭に戻る