III 会計士界と関係審議会・行政機関との連携のあり方について
会計士は、独立職業専門家として、何人からも中立であり、関係審議会 ・行政機関との関係においても適切な緊張関係が維持されるべきことは言 うまでもない。 会計士界は、職業専門家として会計・監査基準等に係る実務上の諸問題 を咀嚼し、ディスクロージャーの適正性を保証することにより市場機能を 支えるという責任ある立場に基づき、審議会等において、これまで以上に 積極的に意見表明を行い、企業会計・ディスクロージャー制度の充実に寄 与する必要がある。 こうした観点から、企業会計・ディスクロージャー制度の枠組みを担う 関係審議会・行政機関と実務面に責任をもつ会計士界との関係については、 下記のような連携が進められなければならない。企業会計審議会は、企業会計・ディスクロージャー制度の整備を進め ていく両者の連携の場である。会計士界は、企業会計審議会における会 計・監査基準等の作成過程において、ディスクロージャーの適正性を実 務上確保する観点から、基準の設定、改訂等に係る意見を表明し、企業 会計・ディスクロージャー制度の開かれた議論を推進する必要がある。 現在審議されている連結財務諸表制度の見直し、金融商品・企業年金 等に関する会計基準の検討は、実務面の要請に即応すべき喫緊の課題で あり、会計士監査の充実の基礎をなすものとして、審議の推進が必要で ある。
当審査会では、試験制度を通じた公認会計士に相応しい資質を持った 者の供給という機能と同時に、会計士制度が環境変化等に対応して不断 に改善されるよう、継続的に制度の調査審議を遂行する必要がある。こ のため、会計士協会の諸施策遂行状況等に関し、審査会委員との意見交 換等を通じて、常に市場の声が会計士制度に反映されるよう努めなけれ ばならない。