平成24年1月31日
公認会計士・監査審査会常勤委員 廣本 敏郎
平成24年1月31日(火)に、長崎大学において、「公認会計士の使命と役割期待」をテーマとして講演を行い、多数の学生の方にご出席いただきました。
講演は冒頭、委員の自己紹介ではじまり、公認会計士試験の実施機関である公認会計士・監査審査会について紹介した上で、公認会計士の使命が“国民経済の健全な発展に寄与すること”にあるなど、公認会計士法の条文を引用しつつ、市場経済における会計・監査の意義について説明しました。
また、昭和24年から続く公認会計士試験の状況について触れ、特に、近年の合格者数の実績や待機合格者が発生している状況を紹介しつつ、職業的専門家として監査業界のみならず、広く経済界での活躍が期待されていることなど、活動領域拡大に向けたニーズの高まりに関する説明を行いました。
次に、市場経済における会計の重要性について、市場経済の制度は参加者の自由競争に基づくものであるが、そこには参加者全員のモラルがあって初めて機能するシステムであること、企業活動は会計によって透明性を確保したものでなければならないことなど、「会計なくして経済なし」といわれる所以をわかり易く解説しました。さらに、企業のトップにとって会計知識は必要不可欠であり、自らが作成した財務諸表の信頼性を確保するために会計上の諸基準や職業的専門家による監査が必要であるなど、会計・監査の意義についても再度強調しました。
その後、監査の信頼性確保、向上に向けた対応について、日本公認会計士協会による品質管理レビューの活動、公認会計士・監査審査会による審査・検査の活動について解説し、最後に、市場経済がローカル経済からグローバル経済へとダイナミックに進展しているなかで、公認会計士が国家の重要な使命を担い、様々な分野でその役割が期待されていることを改めて説明しつつ、受講生に対し、これから社会に出て活躍するためにも充実した学生生活を過ごされるようエールを送り、講演を締めくくりました。
(参考)公認会計士法
(公認会計士の使命)
第1条 公認会計士は、監査及び会計の専門家として、独立した立場において、財務書類その他の財務に関する情報の信頼性を確保することにより、会社等の公正な事業活動、投資者及び債権者の保護等を図り、もつて国民経済の健全な発展に寄与することを使命とする。
【講演での主な説明事項】
・公認会計士・監査審査会とは何か(監査監視機関・試験実施機関としての審査会)
・公認会計士試験の概要(合格者数、待機合格者問題、など)
・公認会計士の使命(市場経済における会計・監査の意義、など)
・公認会計士の活躍の場(公認会計士の活動領域、など)
(以上)
長崎大学での講演