第2部  証券投資信託委託業者及び
 証券投資法人等の監督関係 
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1. 証券投資信託委託業の認可基準の審査に当たっての留意事項
 

 証券投資信託及び証券投資法人に関する法律(昭和26年法律第198号。以下「法」という。)第9条、証券投資信託及び証券投資法人に関する法律施行令(平成10年政令第370号。以下「令」という。)及び証券投資信託及び証券投資法人に関する法律施行規則(平成10年総理府・大蔵省令第30号。以下「規則」という。)の規定に基づく認可基準の審査に当たっては、次の事項に留意するものとする。
 

1−1  認可申請書等の審査
−1−1 認可申請書の添付書類の審査

 認可申請書の添付書類の審査に当たっては、以下の点に留意する。

(1)  国内に居住しない外国人が提出した本国の住民票に相当する書面の写し又はこれに準ずる書面は規則第9条第1項第2号の「これに代わる書面」に該当する。
 
(2)  規則第9条第1項第8号の「純資産額の見込み」は、業務の開始を予定する日の属する営業年度及び当該営業年度の翌営業年度から起算して3営業年度における証券投資信託委託業者としての業務の収支見込みに基づき算出されていること。
 
(3)  規則第9条第1項第8号の「業務の計画書」は、業務の開始を予定する日の属する営業年度及び当該営業年度の翌営業年度から起算して3営業年度における人員配置計画、支店その他の営業所の設置計画及び証券投資信託委託業に関する業務を行う部門の設置計画等、証券投資信託委託業に関する業務の計画が具体的に記載されていること。
 
(4)  規則第9条第1項第11号の書面には、国内の証券会社及び登録金融機関での募集の方策等(自ら設定する証券投資信託の受益証券の募集等(以下「直接募集」という。)を行う場合においては、その方策等を含む。)に加えて、規則第11条第1号ニの規定に鑑み、法第6条の認可を受けようとする日から6月以内に証券投資信託の委託者となり、かつ、受益証券の募集の取扱い等を行う証券会社又は登録金融機関が存在することが見込まれること(直接募集を行う場合には、直接募集の開始予定時期、設定予定年月日及び直接募集を行う証券投資信託の概要等)が具体的に記載されていること。
 
(5)  規則第9条第1項第12号の書面には、規則第11条第2号の規定に鑑み、下記の事項が記載され又は資料が添付されていること。
 
マル1  経営体制
 
 証券投資信託委託業における基本的な運営方針
 
 証券投資信託委託業の開始時における役職員の構成(役員については、各人ごとに有価証券の運用その他の有価証券に関する知識及び経験の記載を含む。)、組織図及び各組織が担当する業務の概略
 
マル2  信託財産の運用に係る業務運営体制
 
 信託財産の運用に係る投資方針の決定を行う社内組織に関する事項
 
 信託財産の運用の指図を行う部門における運用体制
 
 信託財産の運用の指図を外部委託する場合には、外部委託先の選定及び外部委託先との信託財産の運用の指図に関する事務連絡体制に関する事項
 
マル3  直接募集体制
 直接募集を担当する部門、受益者の管理に関する事項及び同業務の事務処理体制等細則に関する事項
 
マル4  人事管理
 人事に関する規程等その細則に関する事項
 
マル5  経営管理
 取締役会規則、組織規程及び経理規程等その細則に関する事項
 
マル6  社内管理体制
 信託財産に係る計算及びその審査並びに信託財産の運用の指図(信託財産の運用の指図を外部委託する場合にあっては当該外部委託先の指図を含む。)その他に関する内部検査等の体制
 
マル7  信託財産の運用の指図を行う者の有価証券の運用その他の有価証券に関する知識及び経験
 信託財産の運用の指図を行う者について、各人ごとに有価証券の運用その他の有価証券に関する知識及び経験が記載されていること。
 
マル8  直接募集を行う者の当該業務に関する知識及び経験
 直接募集を行う者について、各人ごとに当該業務に関する知識及び経験が記載されていること。
 
マル9  信託財産の計算の事務を行う者の当該業務に関する知識及び経験
 
 信託財産の計算の事務を行う者について、各人ごとに当該業務に関する知識及び経験が記載されていること。
 
 信託財産の計算事務を第三者に委託して行う場合にあっては、当該第三者の当該業務に関する知識及び経験が記載されていること。
 
マル10  規則第11条第2号ニの法人関係情報の管理体制
 
 管理責任者が社内規則等において定められており、当該者の記載があること。
 
管理体制が社内規則等において定められており、当該規則が充分に機能する体制となっていること。
 
−1−2 外国会社の認可申請書等の審査

 外国の法令に準拠して設立された株式会社と同種類の法人(以下「外国会社」という。)が提出する認可申請書等の審査に当たっては、以下の点に留意する。

(1)  法第8条第1項第2号の「支店その他の営業所の名称及び所在の場所」として、申請者の本邦における支店を含む全ての営業所について記載されていること。
 
(2)  法第8条第2項の「定款」は、申請者の本国で作成された正本が添付されていること。
 
(3)  法第8条第2項の「会社登記簿の謄本」は、申請者の会社登記簿の謄本で本国で作成された正本のほか、国内における主たる営業所の登記簿の謄本が添付されていること。
 
(4)  規則第9条第1項第8号の「証券投資信託委託業者としての業務の収支及び純資産額の見込み」は、申請者の国内における主たる営業所に係る部分が付記されていること。
 
(5)  規則第9条第1項第9号の「認可申請書を提出する日の直近の貸借対照表」及び同条第2項の「最近の三営業年度の財産目録、貸借対照表、損益計算書及び利益の処分又は損失の処理に関する書類」として、申請者に係る書類のほか国内における主たる営業所に係る書類が添付されていること。

 

1−2  証券投資信託委託業者となろうとする会社についての留意事項等
−2−1 兼業承認等の確認

 証券投資信託委託業以外の事業を現に営んでいる者が、法第6条の認可を受けようとする場合には、他の法令の規定に基づき証券投資信託委託業を営むことについて当該法令に基づく承認、認可、許可、届出又はこれらに相当するものが必要な場合には、当該法令に基づく承認、認可、許可及びこれらに相当するものを受けていること若しくは受ける見込みがあること又は当該法令に基づく届出及びこれに相当するものが行われていること若しくは行われる見込みがあることを確認する。
 

−2−2 本店、支店その他の営業所の所在の場所

 認可申請者が使用する本店、支店その他の営業所が、他の会社の営業所の一部である場合には、規則第11条の規定に鑑み、以下の点を確認すること。

(1)  当該認可申請者の組織と他の会社の組織が明確に分離されていること。
 
(2)  内部管理体制において、当該認可申請者の業務と他の会社の業務との間の利益相反行為等を防止する方策が定められていること。
 
(3)  他の会社の営業所の一部を使用することについて、社会的信用を失うおそれがないこと。

 

1−3  予備審査の結果通知
 規則第10条の規定に基づき行った予備審査の結果、認可を行うことが相当と認められた者については認可申請に向け具体的準備を進めるべきことを指示するものとする。
 

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