アクセスFSA 第121号(2013年3月)

アクセスFSA 第121号(2013年7月)

Contents

フォトギャラリー

写真1 写真2
第30回金融審議会総会・
第18回金融分科会合同会合にて
挨拶する麻生大臣(6月5日)
第30回金融審議会総会・
第18回金融分科会合同会合にて
挨拶する寺田副大臣(6月5日)
写真3
第30回金融審議会総会・
第18回金融分科会合同会合にて
挨拶する島尻大臣政務官(6月5日)

トピックス

(1)新規・成長企業等へのリスクマネー供給の促進について(第30回金融審議会総会・第18回金融分科会合同会合)

平成25年6月5日に、第30回金融審議会総会・第18回金融分科会合同会合を開催し、新規・成長企業等へのリスクマネー供給の促進についての検討に関する諮問、最近の金融行政の動向についての説明等を行いました。

  • ○新規・成長企業等へのリスクマネー供給の促進についての検討に関する諮問について

    新規・成長企業等に対するリスクマネー供給の促進に関し、

    • (1)新規・成長企業へのリスクマネー供給のあり方

    • (2)事務負担の軽減など新規上場の推進策

    • (3)上場企業等の機動的な資金調達を可能にするための開示制度の見直し

    • (4)その他、近年の金融資本市場の状況に鑑み、必要となる制度の整備

    について検討することが、諮問されました。

  • ○最近の金融行政の動向についての説明について

    最近の金融行政の動向として、官民ラウンドテーブルにおける議論の状況及び金融経済教育研究会報告書について、説明が行われました。

※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「審議会・研究会等」の中の「金融審議会」から「第30回金融審議会総会・第18回金融分科会合同会合議事次第」(平成25年6月5日)にアクセスして下さい。


(2)金融審議会「保険商品・サービスの提供等の在り方に関するワーキング・グループ」報告書の公表について

金融審議会「保険商品・サービスの提供等の在り方に関するワーキング・グループ」は、平成24年4月の諮問を受け、

  • (1)保険契約者の多様なニーズに応えるための保険商品やサービスの提供及び保険会社等の業務範囲の在り方

  • (2)必要な情報が簡潔で分かりやすく提供されるための保険募集・販売のあり方

について、16回にわたり議論を行い、平成25年6月に報告書を取りまとめました。

報告書においては、

  • (1)保険商品・サービスのあり方に係る内容として、

    • 保育所の運営業務など、保険会社やその子会社の業務範囲の拡大
    • 生命保険等における提携事業者への保険金直接支払いにおける監督上の着眼点
    • 不妊治療に係る保険の商品化に向けての留意点

    の3点などについて、

  • (2)保険募集・販売ルールのあり方については、

    • 意向把握、情報提供、意向確認といった保険募集の基本的ルールの創設
    • 保険募集人に対する体制整備義務や比較推奨販売を行う際の推奨理由の説明義務の導入
    • 募集規制の及ぶ範囲の明確化
    • 保険仲立人に係る規制の一部緩和

    の4点について、これまでの議論を踏まえて記載しております。

今後、本報告書を踏まえ、所要の制度改正を行って参ります。

※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「審議会・研究会等」の中の「金融審議会」から「金融審議会「保険商品・サービスの提供等の在り方に関するワーキング・グループ」報告書の公表について」(平成25年6月11日)にアクセスして下さい。


(3)「国際会計基準(IFRS)への対応のあり方に関する当面の方針」の公表について

日本における国際会計基準(IFRS)への対応については、これまで企業会計審議会において議論が行われきました。

企業会計審議会総会・企画調整部会合同会議は、平成25年6月20日、「国際会計基準(IFRS)への対応のあり方に関する当面の方針」を公表しました。

「当面の方針」では、IFRSの任意適用の積上げを図ることが重要である等の観点から、

  • IFRS任意適用要件の緩和
  • IFRSの一部を修正する会計基準の策定
  • 金融商品取引法における単体開示の簡素化

を行っていくこととされました。

また、IFRSの強制適用の是非等の判断は、当面見送ることとした上で、今回の措置の達成状況を検証・確認するとともに、国際的な情勢を見極めながら、議論を行っていくことが適当であるとされています。

※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「広報報道」の中の「報道発表資料」から「「国際会計基準(IFRS)への対応のあり方に関する当面の方針」の公表について」(平成25年6月20日)にアクセスして下さい。


(4)証券決済リスク削減に向けた市場関係者の取組の進捗状況について

「金融・資本市場に係る制度整備について」(平成22年1月21日金融庁、以下「制度整備」という。)では、先般の世界金融危機において認識された重要な課題の一つとして、「国債取引・貸株取引等の証券決済・清算態勢の強化」が盛り込まれました。これを受け、市場関係者において、証券決済リスク削減に向けた各取組の実施時期・実行期限等を定めた工程表の作成や、工程表に沿った検討・対応が進められてきたところです。

金融庁としては、市場関係者による、かかる工程表の作成や、工程表に沿った取組は、我が国市場全体の決済リスク削減の進展につながるとともに、ひいては、我が国金融システムの安定に資すると考え、今後も、工程表に沿った取組の実施を支援することとします。

工程表については、半年毎(平成22年12月、平成23年6月、平成23年12月、平成24年6月、平成24年12月)にアップデートしており、本年6月21日時点の進捗状況は以下のとおりです。

  • 1.国債取引

    • (1)経緯及び進捗状況

      「制度整備」による要請を踏まえ、平成22年6月29日、日本証券業協会、(株)日本国債清算機関(以下、「JGBCC」という。)及び信託協会により、「国債取引の決済リスク削減に関する工程表」(以下、「国債工程表」という。)が作成・公表されました。その後、上記3者をはじめとする市場関係者において検討が進められ、平成22年12月以降半年毎に検討結果が公表されているところです。

      昨年12月以降、更に検討を重ねた結果、今般、(2)の通り各種の対応・合意がなされてきたところであり、これを反映して更新された「国債工程表」が、本年6月21日に公表されました。

    • (2)検討結果

      • a.決済期間の短縮化

        • 日証協WGにおいて、国債アウトライト取引の決済期間のT+1化の検討を進め、GCレポの決済期間のT+0化を可能とする取引手法や今後の検討の方向性等を整理しました。
        • アウトライトT+1化に関し、課題の把握とその解決策等の取りまとめを外部コンサルティング・ファームへ委託しました。
      • b.JGBCCの態勢強化

        • 本年3月7日、JGBCCと日本証券クリアリング機構(以下、「JSCC」という。)が合併に向けた協議に入ることを公表し、その後、合併協議や合併後のガバナンス案を公表し、関係者と調整を開始しました。
        • 昨年11月の報告書に示した最低流動性資源所要額を満たすための調達方法等の検討を行うため、特別委員会による検討を開始しました。
      • c.清算機関の利用拡大

        • JGBCCと信託銀行は、JGBCCとJSCCが合併した場合のガバナンスの仕組みに関する検討の方向性について合意しました。
        • 平成26年前半を目途とする信託銀行の参加実現に向け、投資家への説明やシステム変更等の諸準備を行います。
  • 2.貸株取引

    「制度整備」による要請を踏まえ、平成22年12月に(株)証券保管振替機構、(株)ほふりクリアリング及び市場関係者(証券会社、日本証券金融、信託銀行)により構成される貸株取引専門部会より、「貸株取引に係る決済リスク削減に関する工程表」(以下、「貸株工程表」という。)が作成・公表されました。

    その後、平成26年1月の実施を目途にシステム対応を行うこととしている工程表の実現に向けて、検討が進められているところです。

    【参考】「国債工程表」及び「貸株工程表」の本体については、下記各機関のウェブサイトをご覧ください。

※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「広報報道」の中の「報道発表資料」から「証券決済リスク削減に向けた市場関係者の取組の進捗状況について」(平成25年6月21日)にアクセスして下さい。


(5)中小企業の業況等に関するアンケート調査結果の概要

中小企業金融の実態把握の一環として、平成25年5月に、全国の財務局等を通じて、各都道府県の商工会議所47先を対象に、会員企業の業況や資金繰りの現状と先行き等について聴き取り調査を実施したところ、その調査結果の概要は以下のとおりとなりました。

  • 1.中小企業の業況感は、現状D.I.のマイナス幅が前回調査に比べ僅かながら縮小しているものの、引き続き厳しい状況にあります。なお、先行きD.I.のマイナス幅は、現状D.I.に比べ8ポイント小さくなっています。

    悪いと判断した場合の要因としては、「売上げの低迷」の割合が最も大きく、次いで、「仕入原価の上昇等」となっています。

    中小企業の業況感
    (クリックすると拡大されます)

  • 2.中小企業の資金繰りは、現状D.I.のマイナス幅が前回調査に比べ僅かながら縮小しているものの、引き続き厳しい状況にあります。なお、先行きD.I.のマイナス幅は、現状D.I.に比べ5ポイント小さくなっています。

    悪いと判断した場合の要因としては、「販売不振・在庫の長期化等、中小企業の営業要因」の割合が最も大きくなっています。

    中小企業の資金繰り
    (クリックすると拡大されます)

※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「広報報道」の中の「報道発表資料」から「中小企業の業況等に関するアンケート調査結果の概要」(平成25年6月28日)にアクセスして下さい。


(6)「金融検査マニュアルに関するよくあるご質問(FAQ)別編≪ABL編≫」の一部改定について

「日本経済再生に向けた緊急経済対策」(平成25年1月11日閣議決定)において、中小企業等への経営改善、資金繰りの支援策として、「ABL(動産・売掛金担保融資)」の活用促進が盛り込まれました。

これを受けて、金融庁では、平成25年2月5日付で、金融機関がABLに取り組む場合、どのような担保管理を行えばよいかを明確にすること等を内容とする、「ABL(動産・売掛金担保融資)の積極的活用について」を公表し、金融機関等に対して全国で説明会を開催しました。

その際に出された質問事項等を踏まえて、平成25年6月4日、「金融検査マニュアルに関するよくあるご質問(FAQ)別編《ABL編》」に、新たな質問・回答の追加等を行い、公表しました。

今後とも、金融機関におけるABLの積極的な活用を推進し、中小企業等への経営改善、資金繰りの支援を図っていきたいと考えています。

※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「広報報道」の中の「報道発表資料」から「金融検査マニュアルに関するよくあるご質問(FAQ)別編≪ABL編≫」の一部改定について(平成25年6月4日)にアクセスして下さい。


(7)「企業内容等の開示に関する留意事項について(企業内容等開示ガイドライン)」の改正案に対するパブリックコメントの結果等について

金融庁では、「監査における不正リスク対応基準」の設定に伴う環境整備等のため、「企業内容等の開示に関する留意事項について(企業内容等開示ガイドライン)」を改正して、有価証券報告書等の提出期限の延長に係る承認(金融商品取引法第24条第1項等)の取扱いを明確化しました。

具体的には、おおむね下記の理由により有価証券報告書等を提出期限までに提出することができないと認められる場合には、提出期限延長の承認を行うこととします(平成25年6月11日適用)。

  • (1)天変地異、大規模なシステムダウン等の発生

  • (2)民事再生手続開始の申立て等

  • (3)過去に提出した有価証券報告書等に虚偽の記載が発見され、過年度の連結財務諸表等の訂正が必要であること(その旨を公表している場合に限る。)

  • (4)連結財務諸表等に虚偽表示の疑義が発見され、監査人がその内容を確認する必要があること(その旨を公表している場合に限る。)

  • (5)外国会社が、本国の法令等により、提出期限までに有価証券報告書等の提出ができないこと

承認申請時には、やむを得ない理由を証明する書面の添付が必要となりますが、これについては、上記(1)~(5)に関する報道や適時開示等、承認を必要とする理由が発生したことが客観的に明らかであり、提出期限の延長の必要性を判断するために必要な事項を明瞭に記載した書面であることを要します。

また、延長承認の理由が、虚偽記載に関するもの(上記(3)又は(4))である場合、追加の添付資料として、監査法人等の見解のほか、会社の代表者による延長申請を行うことについての認識および有価証券報告書を早期に提出するために実施する方策を書面で提出する必要があります。

新たに承認する提出期限の設定に当たっては、個々の事案を考慮し、公益又は投資者保護のため、必要かつ適当な期限を定めることとしています。

なお、延長期間の決定に当たっては、申請企業が有価証券報告書等を期限までに提出できなくなった理由やその後の対応策などを、適時開示等により明らかにしているかについても考慮することとしています。

万が一、提出期限に間に合わないという事情が生じた場合には、速やかにその内容等の開示をするようお願いします。


(8)「主要行等向けの総合的な監督指針」、「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」の一部改正(案)に対するパブリックコメントの結果等について

「国民の声」に、監督指針における「事業用不動産等の有効活用」に係る要件の見直し(緩和)要望が寄せられました。

これを受けて、金融庁では、「主要行等向けの総合的な監督指針」、「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」の一部改正(案)につき、平成25年3月29日から4月30日にかけて、広く意見の募集を行いました。そして、6月21日にパブリックコメントの結果を公表し、「主要行等向けの総合的な監督指針」及び「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」の改正を行い、事業用不動産の賃貸等を行う要件を明確化しました。具体的には、以下の点を明確化しております。

  • 事業用不動産の賃貸等を行わざるを得なかった場合における当該不動産に対する経費支出について、「必要最低限の改装」であれば許容されること。
  • 改正前における「公的な再開発事業に伴う建替え等」には、「地方公共団体等からの要請に伴う」場合も含まれること。また、「建替え」だけでなく「新設等」についても含まれること。
  • 賃貸等の規模については、賃料収入、経費支出、賃貸面積等を総合的に勘案して判断すること(一の項目の状況のみをもって機械的に賃貸出来ないと判断する必要はないこと)。

なお、改正後の監督指針は、パブリックコメントの結果公表日(6月21日)から適用されています。


次のページ

サイトマップ

ページの先頭に戻る