アクセスFSA 第137号(2014年11月)
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| 多重債務問題及び消費者向け金融等に関する 懇談会(第4回)にて挨拶する赤澤副大臣(11月11日) |
中小企業等の金融の円滑化に関する 意見交換会にて挨拶する麻生大臣(11月25日) |
(1)企業会計審議会総会の開催について
平成26年10月28日に企業会計審議会総会を開催し、金融庁及び企業会計基準委員会(ASBJ)から国際会計基準をめぐる最近の対応について報告が行われたほか、審議会の今後の運営について議論が行われました。
○国際会計基準をめぐる最近の対応について
昨年6月に企業会計審議会で取りまとめられた「国際会計基準(IFRS)への対応のあり方に関する当面の方針」では、IFRSの強制適用の是非については、未だその判断をすべき状況にないとした上で、まずは、IFRSの任意適用の積上げを図ること、日本が考える「あるべきIFRS」について、対外的に意見発信することが重要とされました。
「当面の方針」公表後の取組みとして、金融庁からは、IFRS任意適用要件の緩和(平成25年10月に内閣府令を改正)やIFRS任意適用企業数の推移について、ASBJからは、「修正国際基準」の策定(平成26年7月31日に公開草案を公表、10月31日まで意見募集)や「純損益」及び「のれんの償却」の重要性に関する意見発信について報告されました。
○会計部会の設置について
「国際会計基準の任意適用の拡大促進を図るとともに、あるべき国際会計基準の内容について我が国としての意見発信を強化するため、会計を巡る事項について必要な審議・検討を行う」との観点から、企業会計審議会総会の下に、新たに会計部会を設置することが決定されました。
※ 詳しくは、金融庁のウェブサイトの「審議会・研究会等」の中の「企業会計審議会」から「企業会計審議会総会 議事次第」(平成26年10月28日)にアクセスしてください。
(2)原材料費やエネルギー価格の上昇に係る中小企業・小規模事業者に対する金融の円滑化について
金融庁は、去る10月14日、原材料費やエネルギー価格の上昇により、中小企業・小規模事業者の資金繰りに重大な支障が生じないよう、中小企業・小規模事業者から相談があった場合は、その実情に応じてきめ細かく対応し、適切かつ円滑な金融仲介機能の発揮に努めるよう関係金融機関団体等に対し書面で要請しました。
<要請文発出先金融機関等>
全国銀行協会、全国地方銀行協会、第二地方銀行協会、信託協会、全国信用金庫協会、全国信用組合中央協会、農林中央金庫
※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「広報報道」の中の「報道発表資料」から「原材料費やエネルギー価格の上昇に係る中小企業・小規模事業者に対する金融の円滑化について(要請)」(平成26年10月14日)にアクセスしてください。
(3)平成25年金融商品取引法等改正(1年半以内施行)に係る銀行法施行令・銀行法施行規則等の改正案に対するパブリックコメントの結果等について
金融庁では、平成26月8月11日から平成26年9月11日にかけて、平成25年金融商品取引法等改正(1年半以内施行)に係る銀行法施行令・銀行法施行規則等の改正案を公表し、広く意見の募集を行い、その結果等を平成26年10月17日に公表しました。
本件の政令は平成26年10月17日に閣議決定され、内閣府令等と併せて、平成26年10月22日に公布されており、平成26年12月1日より施行されます。
本件の政令・内閣府令等の主な改正内容は、以下のとおりです。
1.銀行法施行令及び銀行法施行規則の改正
(1)大口信用供与等規制の見直し
- 信用供与等の範囲について、公募社債の追加など、規制対象となる信用供与等の範囲を拡大しました。
- 信用供与等の限度額について、信用供与等を受ける受信者グループに対する限度額を銀行等の自己資本の額の40%から25%に引き下げました。
- 信用供与等を受ける受信者グループの合算の範囲を議決権50%超の保有による形式基準に基づく子会社から、実質支配力基準に基づく子法人等、影響力基準に基づく関連法人等まで拡大しました。
(2)その他銀行法の改正に伴う所要の改正
銀行法において、銀行等の業務の再委託先(二以上の段階にわたる委託を含む)に対する報告徴求及び立入検査に係る規定が整備され、当該報告徴求等の権限が金融庁長官の権限とされたことに伴い、当該権限を業務の再委託を行う銀行等の監督権限を有する財務局長等へ委任する規定を整備しました。
2.長期信用銀行法施行令、信用金庫法施行令、労働金庫法施行令、協同組合による金融事業に関する法律施行令等については、上記(1)と同様の改正を行い、保険業法施行令、金融商品取引法施行令等については、上記(2)と同様の改正を行いました。
※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「広報報道」の中の「報道発表資料」から「平成25年金融商品取引法等改正(1年半以内施行)に係る銀行法施行令・銀行法施行規則等の改正案に対するパブリックコメントの結果等について」(平成26年10月17日)にアクセスしてください。
(4)ファンドモニタリング調査の集計結果について
金融庁では、ファンド(投資信託、投資法人及び集団投資スキームをいう。)に関する販売(新規の募集、私募、募集の取扱い及び私募の取扱いをいう。)・運用の実態を把握するため、金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針に基づき、調査を実施しています。
今般、調査結果の概要を取りまとめ、公表しました。
【調査結果のポイント】
1.調査対象ファンドの販売(新規募集等)状況(平成25年4月~平成26年3月)
販売本数
(本)販売金額
(億円)うち「ヘッジファンド」 販売本数
(本)販売金額
(億円)国内投資信託 24,005 982,560 23 545 国内投資法人 75 5,389 - - 外国投資信託・
外国投資法人875 44,856 49 2,160 集団投資スキーム 2,758 14,394 39 89 合計 27,713 1,047,199 111 2,794 (注)販売本数については、複数の販売業者が同一のファンドを販売している場合があるため、実際の本数とは異なります。
2.調査対象ファンドの運用状況(平成26年3月末時点)
運用本数
(本)運用財産額
(億円)うち「ヘッジファンド」 運用本数
(本)運用財産額
(億円)国内投資信託 10,052 1,752,751 151 8,642 国内投資法人 55 124,390 - - 外国投資信託・
外国投資法人662 266,672 79 13,859 集団投資スキーム 3,912 137,557 79 475 合計 14,681 2,281,370 309 22,976 (注)外国投資信託・外国投資法人の運用状況については、当該ファンドの代行協会員(設置されていない場合は販売業者)が回答しています。
※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「広報報道」の中の「報道発表資料」から「ファンドモニタリング調査の集計結果について」(平成26年10月7日)にアクセスしてください。
(5)「金融サービス利用者相談室」における相談等の受付状況等(期間:平成26年7月1日~同年9月30日)
金融サービス利用者相談室(以下、「相談室」という。)に寄せられた利用者からの相談件数や主な相談事例等のポイント等については、四半期毎に公表しています。平成26年7月1日から同年9月30日までの間(以下、「今期」という。)における相談等の受付状況及び特徴等は、以下のとおりです。
1.平成26年7月1日から同年9月30日までの間に、10,396件の相談等が寄せられています。1日当たりの受付件数は平均165件となっており、平成26年4月1日から同年6月30日までの間(以下、「前期」という。)の実績163件とほぼ同水準となっています。事前相談の受付件数は、上記10,396件のうち643件となっています。
2.分野別の受付件数としては、預金・融資等に関する相談等の受付件数3,022件(構成比29%)うち事前相談29件、保険商品等に関する相談等の受付件数3,209件(同31%)うち事前相談4件、投資商品等に関する相談等の受付件数2,656件(同26%) うち事前相談518件、貸金等に関する相談等の受付件数982件(同9%)うち事前相談90件、金融行政一般・その他に対する意見・要望等の受付件数527件(同5%)うち事前相談2件、となっています。
3.分野別の特徴等について
(1)預金・融資等については、前期の実績とほぼ同水準となっています。
(2)保険商品等については、個別取引・契約の結果に関する相談等が増加したことから、前期に比べて、やや増加しています。
(3)投資商品等については、前期の実績とほぼ同水準となっています。なお、詐欺的な投資勧誘に関するものが880件あり、そのうち340件が何らかの被害があったものとなっております。年齢がわかるもの(575件)のうち、70代が183件(32%)、80代以上が137件(24%)、60代が90件(16%)と高齢者についての相談が大部分を占めております。
(4)貸金等については、行政に対する要望等に関するもの等が増加したことから、前期に比べて、増加しています。
4.なお、利用者の皆様から寄せられた相談等は、利用者全体の保護や利便性向上の観点から検査・監督上の参考として活用しています。
今期に受け付けた情報提供のうち、以下のものなどについて、金融機関に対する検査における検証や監督におけるヒアリング等、金融行政を行う上での貴重な情報として活用しています。
(1)預金取扱金融機関によるリスク性商品等の販売時における顧客への説明態勢に関するもの
(2)預金取扱金融機関における不適切な顧客対応に関するもの
(3)預金取扱金融機関の融資業務における担保の取扱いに関するもの
(4)いわゆる貸し渋り・貸し剥がしや貸出条件変更に関するもの
(5)預金取扱金融機関の個人情報の取扱いに関するもの
(6)保険会社の保険金等の支払いに関するもの
(7)保険募集人等の不適正な行為(重要事項の不十分な説明、手続に関する不適切な案内・対応、不告知の教唆、無断契約、名義借り、保険料の立替等)に関するもの
(8)貸金業者による法令違反のおそれのある行為に関するもの
(9)貸金業者による顧客への不適切な説明に関するもの
(10)システム障害に関するもの
(11)外国為替証拠金取引業者の無断売買に関するもの
(12)無登録営業に関するもの
(13)金融商品取引業者の不適正な行為(ホームページを閉鎖し電話に出ない等、無断売買、口座開設拒否、高齢者に対する不適正な勧誘)に関するもの
(14)金融商品取引業者によるリスク性商品等の販売時における顧客への説明態勢に関するもの
(15)いわゆる集団投資スキームを利用した法令違反のおそれのある行為に関するもの
前期における情報の活用状況は以下のとおりです。
- 監督において行った金融機関等に対するヒアリング等に際して、187の金融機関等については相談室に寄せられた情報を参考としています。
- 金融庁が着手した金融機関等の検査等に際して、48の金融機関等については相談室に寄せられた情報を参考としています。
5.利用者からの相談事例等と相談室からのアドバイス等
寄せられた相談等のうち利用者の皆様に注意喚起する必要がある事例等について、以下のとおり「利用者からの相談事例等と相談室からのアドバイス等」として公表していますので、ご参照ください。
(1)預金・融資等に関する相談事例及びアドバイス等
「免許の確認、預金保険制度に関する相談等」
「本人確認に関する相談等」
「盗難・偽造キャッシュカードに関する相談等」
「振り込め詐欺救済制度に関する相談等」
「特約付定期預金等に関する相談等」
「融資に関する相談等」
(2)保険商品等に関する相談事例及びアドバイス等
「保険内容の顧客説明に関する相談等」
「告知義務に関する相談等」
「保険契約に関する相談等」
「保険金の支払に関する相談等」
「少額短期保険業者に関する相談等」
「保険契約者の保護に関する相談等」
(3)投資商品等に関する相談事例及びアドバイス等
「金融商品の購入に関する相談等」
「投資信託の購入に関する相談等」
「外国為替証拠金取引に関する相談等」
「未公開株式の取引に関する相談等」
「自社発行未公開株に関する相談等」
「ファンドに関する相談等」
「金融商品取引業者(旧証券取引法上の証券会社)との取引に関する相談等」
「金融商品取引業の登録に関する相談等」
「株券の電子化に関する相談等」
「投資者保護制度に関する相談等」
「社債に関する相談等」
(4)貸金等に関する相談事例及びアドバイス等
「違法な金融業者からの借入れに関する相談等」
「強引な取立てに関する相談等」
「取引履歴の開示に関する相談等」
「返済条件の変更に関する相談等」
「金利引下げに関する相談等」
「総量規制に関する相談等」
「都道府県登録業者に関する相談等」
「完済後の書面交付に関する相談等」
金融庁及び証券取引等監視委員会では、金融庁や証券取引等監視委員会又はこれらを連想させる組織を騙った業者等の情報収集をしています。もし、そのような業者から連絡等があった場合には、
- 金融庁金融サービス利用者相談室
0570-016811(ナビダイヤル)、IP 電話からは03-5251-6811 - 証券取引等監視委員会の情報受付窓口
0570-00-3581(ナビダイヤル)、IP 電話等からは03-3581-9909
に情報提供をお願いいたします。
その他、金融庁のウェブサイト(「金融の仕組みや金融商品などの解説」)では、金融サービスを利用する皆様にご注意いただきたい情報を掲載しています。
※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「広報報道」の中の「報道発表資料」から「金融サービス利用者相談室」における相談等の受付状況等(期間:平成26年7月1日~同年9月30日)(平成26年10月31日)にアクセスしてください。






