アクセスFSA 第153号(2016年3月)

アクセスFSA 第153号 (2016年3月)

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2月8日 第36回金融審議会総会にて、岩原会長より
報告書をお受け取りになる牧島政務官

トピックス

(1)振り込め詐欺救済法に基づく預保納付金事業の見直しについて

預保納付金事業については、第3次犯罪被害者等基本計画の策定に向けた議論等を通じて、その見直しを求める意見が寄せられていました。このような状況を踏まえ、平成27年11月に、内閣府大臣政務官(金融担当)・内閣府大臣政務官(犯罪被害者等施策担当)・財務大臣政務官をメンバーとする「振り込め詐欺救済法に定める預保納付金を巡る諸課題に関するプロジェクトチーム」が設置されました。同プロジェクトチームでは、預保納付金の取扱い等について、これまでの運用状況等を検証し、犯罪被害者等の支援の充実に向けた方策が議論され、平成28年3月17日に報告書がとりまとめられました。

預保納付金事業の見直しに関する報告書の主な内容は以下のとおりです。

  • (1)奨学金事業

    奨学金事業を貸与制から給付制に移行します。

    • 給付水準

      • arrow大学生について、国立大学の授業料を賄える水準

        大学生:月額5万円、大学院生:月額5万円

        高校生:月額2.5万円(私立)、1.7万円(国公立)

      • arrow入学時に一時金を支給(大学生は30万円)

    • 受給資格:犯罪被害者等の子供(高校生から大学院生)であって、学費の支弁が困難となった者

  • (2)団体助成事業

    団体助成事業において、従来、原則として人件費は助成対象とはしていませんでしたが、相談員の育成費(雇用経費)を助成対象に追加します。

詳しくは、金融庁ウェブサイトの「金融庁の政策一覧へ」の中の「犯罪被害者等の支援事業について」から「PDF「振り込め詐欺救済法に定める預保納付金を巡る諸課題に関するプロジェクトチーム」報告書の概要」・「PDF「振り込め詐欺救済法に定める預保納付金を巡る諸課題に関するプロジェクトチーム」報告書」にアクセスしてください。


(2)第36回金融審議会総会・第24回金融分科会合同会合について

平成28年2月8日に、第36回金融審議会総会・第24回金融分科会合同会合を開催し、諮問事項に対する報告、国際金融規制改革の最近の動向についての説明が行われました。

  • 1.諮問事項に対する報告について

    「金融グループを巡る制度のあり方に関するワーキング・グループ」および「決済業務等の高度化に関するワーキング・グループ」の検討結果について、それぞれ座長より報告がなされ、報告書が了承されました。

    「ディスクロージャーワーキング・グループ」の審議状況等について、事務局より報告されました。

  • 2.国際金融規制改革の最近の動向について

    国際金融規制改革の最近の動向について、事務局より説明されました。

詳しくは、金融庁ウェブサイトの「審議会・研究会等」の中の「金融審議会」から「第36回金融審議会総会・第24回金融分科会合同会合議事次第」(平成28年2月8日)及び議事録にアクセスして下さい。


(3)平成27年金融商品取引法改正等による「適格機関投資家等特例業務(いわゆるプロ向けファンド)」及び「特例投資運用業務」に関する新制度の導入について

通常、ファンド業務(ファンドの運用や販売勧誘)を行う場合には、金融商品取引法の厳格な登録が必要ですが、一定の要件を満たすことにより、簡易な届出のみでファンド業務が行える業者を、適格機関投資家等特例業者(「いわゆるプロ向けファンドの届出業者」)といいます。

届出業者については、悪質な業者により、

○届出は提出されているが、実際には適格機関投資家からほとんど出資を受けていない、詐欺的な勧誘が行われるなど、業者の人的・財産的基礎に問題が伺われる

○出資金が契約とは異なる投資、ファンドと無関係の会社経費・私費・他の顧客への配当・償還等に流用される

○投資経験の乏しい一般投資家や高齢者が被害にあっており、その被害回復は極めて困難であることが多い

といった投資者被害等がこれまで報告されておりました。

こうした状況を踏まえ、届出業者に対する規制を強化すること等を内容とする金融商品取引法の一部を改正する法律(「平成27年改正金商法」)が平成27年5月27日に成立し、同年6月3日に公布されました。なお、今回の法改正は、届出業者だけでなく、証券取引法等の一部を改正する法律(平成18年法律第65号)附則第48条第1項に規定する業務を行う業者(特例投資運用業者)にも適用されます。

金融庁では、今回の法改正に関連する政令・内閣府令案及び監督指針案を公表し、広く意見募集を行いました(パブリック・コメントの募集期間:平成27年11月20日~同年12月21日)。寄せられたご意見等を受けて、平成28年2月3日、パブリック・コメントに対する当庁の考え方を公表するとともに、同日付で政令・内閣府令案及び監督指針案の内容の一部を見直して公布を行い、政令により一部の経過措置が置かれているものを除いては、平成28年3月1日から施行されました。

平成27年改正金商法等の概要について
(クリックすると拡大されます)

詳しくは、金融庁ウェブサイトの「適格機関投資家等特例業務等を行うみなさまへ」や、「詐欺的な投資勧誘等にご注意ください!」の「適格機関投資家等特例業者に対する対応を強化!」にアクセスしてください。


(4)「金融仲介の改善に向けた検討会議」(第2回)の開催について

「金融仲介の改善に向けた検討会議」は平成27年12月21日に開催した第1回会合に続いて、28年2月22日(月)に第2回会合が開催されました。同会合では、地方創生に関する地域のグランドデザインづくりへの地域金融機関の参画状況や企業ヒアリングの中間結果報告に対して議論が行われました。

なお、会議は非公開ですが、会議後、議事要旨を金融庁ウェブサイトにて公表しています。

詳しくは、金融庁ウェブサイトの「審議会・研究会等」から「金融仲介の改善に向けた検討会議」にアクセスしてください。


(5)「会計監査の在り方に関する懇談会」(第4回)の開催及び「会計監査の在り方に関する懇談会」提言の公表について

本年3月8日に、第4回「会計監査の在り方に関する懇談会」を開催し、懇談会における会計監査の信頼性確保のための取組みについての議論を取りまとめ、提言を公表しました。

提言において、会計監査の信頼性確保のための取組みは、以下の5つの柱に整理されています。

(1)監査法人のマネジメントの強化

(2)会計監査に関する情報の株主等への提供の充実

(3)企業不正を見抜く力の向上

(4)「第三者の眼」による会計監査の品質のチェック

(5)高品質な会計監査を実施するための環境の整備

主なポイントとしては、まず、金融庁のリーダーシップのもと、「監査法人のガバナンス・コード」を策定し、監査法人のマネジメントの強化を図ることとされています。また、株主による監査人の選解任が適切に行われるよう、企業や監査法人等による会計監査に関する情報提供を充実させることも提言されています。監査法人のローテーション制度については、我が国においても有効な選択肢の一つであるとした上で、まずは諸外国の最近の動向も踏まえつつ、制度導入のメリット・デメリット等について、金融庁において調査・分析を行うべきであるとされています。

詳細は、金融庁ウェブサイトの「公表物」→「審議会・研究会等」→「会計監査の在り方に関する懇談会」にアクセスしてください。

なお、会議は非公開ですが、会議後、議事要旨を公表しています。


(6)「地域の成長マネー供給促進フォーラム」名古屋開催について

平成28年2月12日に、東海財務局(名古屋市)において、「地域の成長マネー供給促進フォーラム」が開催されました。

「地域の成長マネー供給促進フォーラム」は、最近上場した地元企業や、地元ベンチャー企業の経営者をはじめとし、取引所、証券会社、地域金融機関、ベンチャーキャピタル、行政当局等の関係者が一堂に会し、資本市場をめぐる現状や課題について幅広く意見交換を行うとともに、地域への成長マネー供給に係る取組事例の紹介・共有等を図るため、各地域で開催しています。過去には平成27年6月の福岡および大阪、同年12月に仙台で開催されました。

今回の名古屋開催では、東海地方のベンチャー企業など地元企業から企業の成長フェーズに応じた資金調達、ベンチャーキャピタルや地域金融機関等から地域のベンチャー企業等に対する成長マネー供給について、幅広い経験に基づく事例や課題が示され、活発な意見交換が行われました。例えば、「東海地方は、堅実だが保守的な地域性もあり、産業集積の高さに比して、ベンチャー企業やベンチャー投資が少ない」、「政府系金融機関が提供する資本性ローンや優先株式等のメザニンファイナンスはベンチャーにとって大変便利だった」、「前例のないビジネスで、創業時は金融機関や投資家の理解を得ることが難しかったが、事業計画を丁寧に説明して、志を共有してもらうことで、長く支えてもらった」などの意見が聞かれました。


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