V. 監督上の評価項目と諸手続(第二種金融商品取引業)

V-1 経営管理(第二種金融商品取引業)

金融商品取引業者(第二種金融商品取引業を行う者に限る。V において同じ。)の経営管理に関しては、以下の点に留意して検証することとする。

V-1-1 金融商品取引業者の役員

  • (1)主な着眼点

    金融商品取引業者の役員の選任議案の決定プロセス等においては、以下の要素が適切に勘案されているか。

    • マル1欠格事由(金商法第29条の4第1項第2号イからリまで)のいずれかに該当すること又は登録当時既に該当していたことがないこと。

    • マル2金融商品取引業又はこれに付随する業務に関し法令又は法令に基づいてする行政官庁の処分に違反していないこと。

    • マル3投資助言・代理業又は投資運用業の運営に関し、投資者の利益を害する事実がないこと。

    • マル4金融商品取引業に関し、不正又は著しく不当な行為をし、その情状が特に重いと認められることがないこと。

  • (2)監督手法・対応

    金融商品取引業者の役員が、金商法第29条の4第1項第2号イからリまでのいずれかに該当することとなったとき、金商法第29条の登録当時既に同号イからリまでのいずれかに該当していたことが判明したとき又は金商法第52条第1項第6号、第8号若しくは第9号までのいずれかに該当することとなったときは、金商法第52条第2項の規定に基づき当該役員の解任命令等の処分を検討するものとする。

    併せて、当該金融商品取引業者の役員の選任議案の決定プロセス等について深度あるヒアリングを行い、必要な場合には金商法第56条の2第1項の規定に基づき報告を求め、更に、当該業者の経営管理態勢に重大な問題があると認められる場合であって、公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるときは、業務改善命令等の処分を検討するものとする。

V-1-2 金融商品取引業を適確に遂行するに足りる人的構成

  • (1)主な着眼点

    金融商品取引業者の役員又は使用人に関する以下の事項に照らし、金融商品取引業(第二種金融商品取引業に限る。V において同じ。)を適確に遂行するに足りる人的構成が確保されていると認められるか。

    • マル1金商法等の関連諸規制や監督指針で示している経営管理の着眼点の内容を理解し、実行するに足る知識・経験、並びに金融商品取引業の公正かつ的確な遂行に必要となるコンプライアンス及びリスク管理に関する十分な知識・経験を有している者を確保していること。

    • マル2暴力団員(過去に暴力団員であった場合を含む。)でないこと。

    • マル3暴力団と密接な関係を有していないこと。

    • マル4金商法等我が国の金融関連法令又はこれらに相当する外国の法令の規定に違反し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられたことがないこと。

    • マル5暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定(同法第32条の2第7項の規定を除く。)若しくはこれに相当する外国の法令の規定に違反し、又は刑法若しくは暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられたことがないこと。

    • マル6禁錮以上の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられたことがないこと(特に、刑法第246 条から第250 条まで(詐欺、電子計算機使用詐欺、背任、準詐欺、恐喝及びこれらの未遂)の罪に問われた場合に留意すること。)。

  • (2)監督手法・対応

    上記マル1からマル6までに掲げる要素は、金融商品取引業者が金融商品取引業を適確に遂行するに足りる人的構成を有しない者と認められるか否かを審査するために総合的に勘案する要素の一部であり、特定の要素への該当をもって直ちにその人的構成の適否を判断するものではない。まずは金融商品取引業者自身がその責任において、こうした要素を踏まえつつ、適切な人的構成の確保に努めるべきである。

    ただし、金融商品取引業者の役員又は使用人の選任プロセス等において、こうした要素が十分に勘案されていないと認められる場合であって、金融商品取引業者の業務の運営に関し公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるときは、当該人的構成に関する金融商品取引業者の認識、及び役員又は使用人の選任プロセス等について深度あるヒアリングを行い、必要な場合には金商法第56条の2第1項の規定に基づき報告を求めるものとする。

    報告徴求の結果、金融商品取引業者の経営管理態勢に重大な問題があると認められる場合であって、公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるときは、金商法第51条の規定に基づく業務改善命令等の処分を検討する。

    また、報告徴求の結果、金融商品取引業を適確に遂行するに足りる人的構成を有しないと認められる場合には、金商法第52条第1項の規定に基づく業務停止命令等の発出も含め、必要な対応を検討するものとする。

    なお、個人である金融商品取引業者の場合は、当該個人の資質について上記着眼点に照らして検証し、法人の場合と同様、金融商品取引業を適確に遂行するに足りる人的構成の有無を判断し、必要な監督対応を講じるものとする。

V-2 業務の適切性(第二種金融商品取引業)

V-2-1 みなし有価証券販売業等に係る業務の適切性

V-2-1-1 勧誘・説明態勢

  • (1)有価証券の受渡状況その他の必要情報の通知に係る留意事項

    みなし有価証券販売業者等(金商法第28条第2項第1号に規定する行為を業として行う者(以下「自己募集業者」という。)、同項第2号に規定する行為を業として行う者(以下「みなし有価証券販売業者」という。)、又は金商法第29条の5第2項の規定により第二種金融商品取引業とみなされる業務(以下「みなし第二種金融商品取引業」という。以下同じ。)を行う者をいう。)が、次に掲げる事項を顧客に適切に通知していない場合は、金商業等府令第123条第1項第8号の規定「顧客の有価証券の売買その他の取引等に関し、受渡状況その他の顧客に必要な情報を適切に通知していないと認められる状況」に該当するものとする。

    • マル1金商法第37条の4第1項に規定する契約締結時の書面に記載すべき事項

    • マル2金商業等府令第108条第1項各号に掲げる取引残高報告書に記載すべき事項

    • マル3上記マル1及びマル2に掲げるもののほか、金銭若しくは有価証券の受渡しに関する事項(ただし、金融機関を通じて金銭の受渡しを行う場合、振替決済により有価証券の受渡しを行う場合等、顧客との間で直接金銭又は有価証券の受渡しを行わない場合における当該受渡しに関する事項を除く。)

  • (2)投資信託の勧誘に係る留意事項

    投資信託は、専門知識や経験等が十分ではない一般顧客を含めて幅広い顧客層に対して勧誘・販売が行われる商品であることから、顧客のライフステージ、財産の状況、投資目的等を踏まえたニーズを把握し、これに見合った商品を提供するとともに、顧客の知識、経験、投資意向に応じて適切な勧誘を行うことが重要である。

    また、顧客の安定的な資産形成を支援する勧誘・販売態勢を構築し、投資信託の預り資産を拡大していくことは、顧客の資産形成はもとより、みなし有価証券販売業者等にとっても、市況に左右されづらい安定的な収益構造への転換につながるものと考えられる。

    以上の観点を踏まえ、投資信託の勧誘に関し、以下の点に留意して監督するものとする。

    • マル1投資信託の勧誘を行う際、販売手数料等の顧客(特定投資家を除く。マル2及びマル3において同じ。)が負担する費用について、次に掲げる事項を分かりやすく説明しているか。

      • イ.勧誘を行う投資信託の販売手数料の料率及び購入代金に応じた販売手数料の金額(勧誘時点で確定できない場合は概算額)

      • ロ.販売手数料は、投資信託の保有期間が長期に及ぶほど1年当たりの負担率が逓減していくこと(保有期間別(1年、3年、5年)の1年当たりの負担率の状況を例示する等)。

      • ハ.勧誘する投資信託の購入後、顧客が負担することになる費用(信託報酬(ファンド・オブ・ファンズ方式での運用を行う投資信託については投資対象とするファンドの運用管理費用を含めた実質的な負担率)、信託財産留保額等)

    • マル2投資信託の分配金に関して、分配金の一部又は全てが元本の一部払戻しに相当する場合があることを、顧客に分かり易く説明しているか。

    • マル3通貨選択型ファンドについては、投資対象資産の価格変動リスクに加えて複雑な為替変動リスクを伴うことから、通貨選択型ファンドへの投資経験が無い顧客との契約締結時において、顧客から、商品特性・リスク特性を理解した旨の確認書を受け入れ、これを保存するなどの措置をとっているか。

    • マル4高齢顧客への勧誘による販売に係る留意事項については、IV-3-1-2(3)に準ずる。

    • マル5NISA制度を利用する取引の勧誘に係る留意事項については、IV-3-1-2(8)に準ずる。

  • (3)投資信託の乗換えに関する重要事項の説明に係る留意事項

    投資信託の短期乗換え勧誘は、顧客にとっては販売手数料の負担が増加するほか、運用面においても設定後短期間で解約が増加することにより、効率的な運用が行えず、運用成果の低下を招くなど、必ずしも顧客の安定的かつ効率的な資産形成にはつながらない問題がある。このため、顧客の投資意向や市場動向等に鑑み、投資信託の乗換えに合理性があると判断される場合であっても、顧客に対し、当該乗換えに係る投資信託の特性や当該乗換えのメリット・デメリット等を丁寧に説明し、顧客がこうした点を十分理解したうえで取引の必要性の有無を判断できるようにする必要がある。

    こうした点を念頭に、みなし有価証券販売業者等が、乗換えに関する次に掲げる事項について説明を行っていない場合において、説明の実績について社内記録の作成及び保存並びにモニタリングを行う等の社内管理体制を構築していないと認められるときは、金商業等府令第123条第1項第9号の規定「投資信託受益証券等の乗換えを勧誘するに際し、顧客に対して、当該乗換えに関する重要な事項について説明を行っていない状況」に該当するものとする。

    • マル1投資信託等の形態及び状況(名称、性格等)

    • マル2解約する投資信託等の状況(概算損益等)

    • マル3乗換えに係る費用(解約手数料、販売手数料等)

      • (注)解約手数料、販売手数料等については、各料率並びに解約代金及び購入代金に応じた各手数料の金額(乗換え勧誘時点で確定できない場合は概算額)についても説明する必要があることに留意する。

    • マル4償還乗換優遇制度に関する事項

    • マル5その他投資信託等の性格、顧客のニーズ等を勘案し、顧客の投資判断に影響を及ぼすもの

  • (4)ファンドの販売に係る留意事項

    • マル1ファンドに関する説明義務に係る留意事項

      金商法第2条第2項第5号及び第6号では、集団投資スキーム(ファンド)及びその持分に係る権利を包括的に定義している。これら権利の販売・勧誘又は募集若しくは私募を行う者の中には、金商法施行以前には証券会社等として当局の監督対象となっていなかった者、透明性・流動性が低く、投資者にとってその実態把握や評価が極めて困難なファンドを取り扱う者があると考えられる。

      そうしたことを踏まえ、みなし有価証券販売業者又は自己募集業者がこれら権利を取り扱う際には、組合契約等の概要や、当該ファンドが現に行っている事業の概要、当該契約に基づく権利のリスクに関する説明が、出資者に対して十分になされているかについて留意するものとする。

      特に、業務の実態が特定商取引に関する法律第33条第1項に規定する連鎖販売業に該当する場合には、金商法及び同法に基づく適切な説明がなされているかに留意し、必要に応じ、経済産業省等関係機関との連携の下、適切な対応を図ることとする。また、業務の実態が無限連鎖講の防止に関する法律に該当することがないかについて留意し、そのおそれがあると認められる場合には、警察庁等関係機関に情報提供を行うなど、適切な対応を図ることとする。

    • マル2契約締結前の書面交付に係る留意事項

      金商業等府令第92条の2第1項第3号に規定する「事業型出資対象事業持分の売買その他の取引に係る契約の特性」としては、具体的には、(i)顧客が出資した金銭が充てられる出資対象事業の概要、(ii)顧客は出資した金銭の実際の使途や収支の状況等について、出資対象事業を行う者から相対で入手する情報に基づいて顧客自身で判断する必要があること、(iii)出資対象事業の収益性について保証等がされている訳ではないこと等について記載するものとする。

  • (5)証券化商品の販売に係る留意事項(証券化商品の追跡可能性(トレーサビリティ)の確保)

    みなし有価証券販売業者の中には、金商法第2条第2項第1号及び第2号に規定する信託受益権について金商法第28条第2項第2号に規定する行為を業として行う者(以下「信託受益権販売業者」という。)があるが、これらの者が取り扱う信託受益権のうち証券化商品と同様の性質を有するものについても、原資産の情報が投資者に適切に伝達されることが重要である。そのため、信託受益権販売業者がこのような信託受益権の販売等を行う場合においても、日本証券業協会自主規制規則「証券化商品の販売等に関する規則」に準じて、以下のような点に留意するものとする。

    なお、信託受益権販売業者が単なる売買の媒介しか行わないなど限定的な役割しか担わない場合であっても、投資者と接点を有する限りにおいては、実務上可能な範囲で協力をすることが望ましい。

    • マル1販売に先立ち、原資産の内容やオリジネーターのリスクの継続保有状況、リスクに関する情報を収集し、適切な説明が可能となるよう、分析を行っているか。

    • マル2販売の際に、格付けのみに依存することなく、原資産のリスク、格付けに反映されない流動性リスク等についても情報伝達を行うよう、社内手続き・ルールが定められており、必要な態勢が整備されているか。

    • マル3投資者である顧客からの要望があれば、当該顧客が原資産の内容やリスクに関する情報を適切にトレースすることができるよう、情報伝達のための社内手続き・ルールが定められており、必要な態勢が整備されているか。

    • マル4市場価格の特定が困難となった場合にも、理論価格等を評価・算定し、顧客に迅速かつ的確に提示することができる態勢が整備されているか。また、当該理論価格等の評価・算定に当たっては、情報利用者による意図的な特定の利用に資することを優先した恣意的な算定等がなされていないか。

  • (6)監督手法・対応

    日常の監督事務や、事故届出等を通じて把握されたみなし有価証券販売業者等の勧誘・説明態勢に関する課題については、深度あるヒアリングを行うことや、必要に応じて金商法第56条の2第1項の規定に基づく報告を求めることを通じて、みなし有価証券販売業者等における自主的な改善状況を把握することとする。また、公益又は投資者保護の観点から重大な問題があると認められる場合には、金商法第51条の規定に基づく業務改善命令を発出する等の対応を行うものとする。更に、重大・悪質な法令等違反行為が認められる等の場合には、金商法第52条第1項の規定に基づく業務停止命令等の発出も含め、必要な対応を検討するものとする。

V-2-1-2 取引一任契約等

  • (1)関係外国証券業者との取引一任契約に係る留意事項

    定義府令第16条第1項第8号ロの規定に基づく契約を締結しようとするときの届出の受理に関しては、以下の点に留意して行うものとする。

    • マル1当該契約に係る取引を執行する部門と他の委託取引を受託・執行する部門が明確に分離されていること。

    • マル2帳簿書類の作成において、当該契約に係る取引であることが判別可能な方法により処理されることとなっていること。

  • (2)みなし有価証券販売業者等の特定同意の範囲について

    金商業等府令第123条第1項第13号ロ及びハにおける特定同意は、次に掲げる同意を含む。

    • マル1特定の価格(あらかじめ定める方式により決定される価格を含む。)以上(売り注文の場合)又は以下(買い注文の場合)。

    • マル2特定の価格を基準値として適切な幅を特定したもの。

    • マル3みなし有価証券販売業者等に一日の取引の中で最良執行を要請した上で価格について当該みなし有価証券販売業者等が裁量で定めること(いわゆる「CD注文」)。

    • マル4一日の出来高加重平均価格等あらかじめ定める方式により決定される価格を目標とすること。(いわゆる「VWAPターゲット注文」が含まれる。)

  • (3)監督手法・対応

    日常の監督事務や、事故届出等を通じて把握されたみなし有価証券販売業者等の金商業等府令第123条第1項第13号イからホまでに掲げる取引に関する課題については、深度あるヒアリングを行うことや、必要に応じて金商法第56条の2第1項の規定に基づく報告を求めることを通じて、みなし有価証券販売業者等における自主的な改善状況を把握することとする。また、公益又は投資者保護の観点から重大な問題があると認められる場合には、金商法第51条の規定に基づく業務改善命令を発出する等の対応を行うものとする。更に、重大・悪質な法令等違反行為が認められる等の場合には、金商法第52条第1項の規定に基づく業務停止命令等の発出も含め、必要な対応を検討するものとする。

V-2-1-3 誤認防止措置

  • (1)他の金融機関との誤認防止措置に係る留意事項

    みなし有価証券販売業者等が、本店その他の営業所を他の金融機関と同一の建物に設置してその業務を行う場合には、顧客が当該みなし有価証券販売業者等を当該金融機関と誤認することを防止する観点から、以下の点について顧客に十分に説明しているかに留意して検証することとする。

    • マル1当該みなし有価証券販売業者等と当該金融機関は、別法人であること。

    • マル2当該みなし有価証券販売業者等が提供する有価証券関連業に係る商品・サービスは、当該金融機関が提供しているものではないこと。

  • (2)監督手法・対応

    日常の監督事務や、事故届出等を通じて把握されたみなし有価証券販売業者等の誤認防止措置に関する課題については、深度あるヒアリングを行うことや、必要に応じて金商法第56条の2第1項の規定に基づく報告を求めることを通じて、みなし有価証券販売業者等における自主的な業務改善状況を把握することとする。また、公益又は投資者保護の観点から重大な問題があると認められる場合には、金商法第51条の規定に基づく業務改善命令を発出する等の対応を行うものとする。更に、重大・悪質な法令等違反行為が認められる等の場合には、金商法第52条第1項の規定に基づく業務停止命令等の発出も含め、必要な対応を検討するものとする。

V-2-2 市場デリバティブ取引業に係る業務の適切性

V-2-2-1 法令等遵守態勢

市場デリバティブ取引業者(金商法第28条第2項第3号に規定する行為を業として行う者をいう。以下同じ。)が、デリバティブ取引市場の担い手としての自らの役割を十分に認識して、法令や業務上の諸規則を厳格に遵守し健全かつ適切な業務運営に努めることは、市場デリバティブ取引業者に対する投資者からの信頼を確立し、ひいてはデリバティブ取引市場の信頼を確保する上で需要である。

こうした市場デリバティブ取引業者のコンプライアンス態勢については、基本的には III-2-1における態勢整備の着眼点及び監督手法をもって対応することとするが、それ以外にも、自主規制機関の策定する自主規制ルールの遵守状況も含めた幅広い検証を行うこととする。

なお、市場デリバティブ取引業者が、通貨関連市場デリバティブ取引等(金商業等府令第143条第3項第1号及び第3号に掲げる行為をいう。以下同じ。)に関し顧客から金銭の預託を受ける場合には、当該行為が有価証券等管理業務に該当するため、第一種金融商品取引業の登録が必要であることに留意する。市場デリバティブ取引業者が通貨関連市場デリバティブ取引等に関し顧客から預託を受けた金銭を取引所に預託せずに管理する場合の法令等遵守態勢に係る留意事項及び監督手法は、IV-3-3-1に準ずるものとする。

V-2-2-2 勧誘・説明態勢

  • (1)広告等に係る留意事項

    • マル1取次ぎ等が行えるデリバティブ取引市場又は海外のデリバティブ取引市場等について誤解させるような表示をしていないか。

    • マル2ロスカットルールが設けられている場合であっても、相場の急激な変動により委託証拠金その他の保証金の額を上回る損失が生じることとなるおそれがある場合には、その旨が適切に表示されているか。

    • マル3セミナー等において、顧客がセミナー等の受講の継続を希望しない旨の意思表示を行ったにもかかわらず受講させていないか(事実上強制した場合も含む。)。この場合、金商法第38条第6号(いわゆる「再勧誘の禁止」)の規定に該当することに留意するものとする。

  • (2)説明書類に係る留意事項

    「内部管理の状況の概要」には、顧客からの相談及び苦情に対する具体的な取扱い方法並びに内部監査体制について、記載することとする。

  • (3)市場デリバティブ取引の勧誘方法等に関する注意喚起文書の配布に係る留意事項

    市場デリバティブ取引業者が、市場デリバティブ取引を行うときの顧客に対する注意喚起に係る留意事項は、IV-3-3-2(3)に準ずるものとする。

  • (4)契約締結前の書面交付に係る留意事項

    • マル1金商業等府令第82条第4号ロに規定する「元本超過損が生ずるおそれがある理由」には、ロスカットルールが設けられている場合であっても、相場の急激な変動により委託証拠金その他の保証金の額を上回る損失が生じることとなるおそれがある場合には、その旨を含む。

    • マル2金商業等府令第82条第8号に規定する「当該金融商品取引契約の終了の事由」には、ロスカットルールに関する事項を含むものとする。

    • マル3金商業等府令第93条第1項第4号に規定する「顧客が当該デリバティブ取引等に関し預託すべき委託証拠金その他の保証金の種類及び金額の計算方法」には、最低証拠金に関する事項を含むものとする。

    • マル4通貨に係る取引である場合、金商業等府令第93条第1項第7号に規定する「デリバティブ取引に関する主要な用語及びその他の基礎的な事項」には、金融商品等の価格等の決定方法に関する事項及びスワップポイントを含むものとする。なお、スワップポイントについては、顧客が受け取る場合と支払う場合の双方があり、また、結果として損失が生じることとなるおそれがある場合に、その旨が適切に表示されていること。

  • (5)通貨関連市場デリバティブ取引等業者の説明責任に係る留意事項

    通貨関連市場デリバティブ取引等業者が、顧客から預託を受けた金銭を取引所に預託せずに管理する場合の説明事項に係る留意事項は、IV-3-3-2(4)マル6に準ずるものとする。また、通貨関連市場デリバティブ取引等業者が行うロスカット取引に関する説明事項に係る留意事項は、IV-3-3-2(4)マル7に準ずるものとする。

  • (6)監督手法・対応

    日常の監督事務や、事故届出等を通じて把握された市場デリバティブ取引業者の勧誘・説明態勢に関する課題については、深度あるヒアリングを行うことや、必要に応じて金商法第56条の2第1項の規定に基づく報告を求めることを通じて、市場デリバティブ取引業者における自主的な業務改善状況を把握することとする。また、公益又は投資者保護の観点から重大な問題があると認められる場合には、金商法第51条の規定に基づく業務改善命令を発出する等の対応を行うものとする。更に、重大・悪質な法令等違反行為が認められる等の場合には、金商法第52条第1項の規定に基づく業務停止命令等の発出も含め、必要な対応を検討するものとする。

V-2-2-3 取引一任契約等

  • (1)関係外国金融先物取引業者との取引一任契約に係る留意事項

    定義府令第16条第1項第8号ロの規定に基づく契約を締結しようとするときの届出の受理に関しては、以下の点に留意して行うものとする。

    • マル1当該契約に係る取引を執行する部門と他の委託取引を受託・執行する部門が明確に分離されていること。

    • マル2帳簿書類の作成において、当該契約に係る取引であることが判別可能な方法により処理されることとなっていること。

  • (2)市場デリバティブ取引業者の特定同意の範囲について

    金商業等府令第123条第1項第13号ロ及びハにおける特定同意は、次に掲げる同意を含む。

    • マル1特定の対価の額又は約定数値(あらかじめ定める方式により決定される対価の額又は約定数値を含む。)以上又は以下。

    • マル2特定の対価の額又は約定数値を基準値として適切な幅を特定したもの。

    • マル3市場デリバティブ取引業者に一日の取引の中で最良執行を要請した上で対価の額又は約定数値について当該市場デリバティブ取引業者が裁量で定めること。

  • (3)監督手法・対応

    日常の監督事務や、事故報告等を通じて把握された、市場デリバティブ取引業者の金商業等府令第123条第1項第13号イからホまでに掲げる取引に関する課題については、上記の着眼点に基づきながら、深度あるヒアリングを行うことや、必要に応じて金商法第56条の2第1項の規定に基づく報告を求めることを通じて、市場デリバティブ取引業者における自主的な業務改善状況を把握することとする。また、公益又は投資者保護の観点から重大な問題があると認められる場合には、金商法第51条の規定に基づく業務改善命令を発出する等の対応を行うものとする。更に、重大・悪質な法令等違反行為が認められる等の場合には、金商法第52条第1項の規定に基づく業務停止命令等の発出も含め、必要な対応を検討するものとする。

V-2-2-4 通貨関連市場デリバティブ取引等に係るリスク管理態勢

顧客を相手方として行う通貨関連市場デリバティブ取引(金商業等府令第123条第3項に規定する通貨関連市場デリバティブ取引をいう。)及び通貨関連外国市場デリバティブ取引(同条第5項に規定する通貨関連外国市場デリバティブ取引という。)について、自己が負うリスクの管理が重要であることから、リスク管理態勢の整備及び業務運営の遂行については、IV-3-3-5(4)及び(7)マル2の各規定に準ずるものとする。

V-2-3 みなし第二種金融商品取引業に係る業務の適切性

みなし第二種金融商品取引業については、適格投資家を相手方として行う私募の取扱いであって、有価証券がその取得者から適格投資家以外の者に譲渡されるおそれが少ないものとして定められていることから、顧客の属性等の管理が重要となる。

このため、みなし第二種金融商品取引業については、以下の点に留意して顧客属性等の管理を行っているかを確認するものとする。

  • マル1顧客が適格投資家であることを確認しているか。

  • マル2取得勧誘が私募の範囲に留まることを確認しているか。

  • マル3確認内容についての社内記録の作成及び保存を行っているか。

  • マル4金商業等府令第16条の5各号に掲げる事項が有価証券の譲渡に係る契約に定められていることを確認しているか。

  • マル5上記マル4の契約内容の履行状況を確認しているか。

  • マル6上記マル1からマル5までの実施状況を内部監査等により検証することとしているか。

  • マル7上記マル1からマル6までの手続を社内規程として定めているか。

V-2-4 電子募集取扱業務を行う金融商品取引業者に係る業務の適切性

V-2-4-1 電子募集取扱業務を行う金融商品取引業者に対する基本的考え方

電子募集取扱業務を行う金融商品取引業者については、インターネット上の情報が投資者の投資判断に影響を及ぼすことが想定されることから、投資者保護の観点からインターネットを通じて適切な情報提供を行うことが求められる。当該業者に対しては、以下で示す留意点を踏まえて監督するものとする。

V-2-4-2 電子募集取扱業務の適切性

金融商品取引業者が、法第3条各号に掲げる有価証券又は金融商品取引所に上場されていない有価証券について、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法により募集若しくは売出しの取扱い又は私募若しくは特定投資家向け売付け勧誘等の取扱いを行う場合には、当該行為は電子募集取扱業務に該当する。電子募集取扱業務を行う金融商品取引業者の業務の適切性に関しては、以下の点に留意して検証することとする。

V-2-4-2-1 法令等遵守態勢

電子募集取扱業務を行う金融商品取引業者のコンプライアンス態勢については、基本的にはIII-2-1における態勢整備の着眼点及び監督手法をもって対応することとするが、それ以外にも、自主規制機関の策定する自主規制ルールの遵守状況も含めた幅広い検証を行うこととする。

V-2-4-2-2 勧誘・説明態勢

電子募集取扱業務を行う金融商品取引業者は、組合契約等の概要や、ファンドが現に行っている事業の概要、当該契約に基づく権利のリスクに関する説明が、投資者に対して十分になされているかについて留意するものとする。

V-2-4-2-3 投資者保護のための情報提供

電子募集取扱業務を行うにあたっては、投資者の投資判断に重要な影響を与える事項について、電子募集取扱業務を行う期間中、電子募集取扱業務を行う金融商品取引業者が作成するホームページで投資者が閲覧することができる状態に置くことが必要とされている。このため、電子募集取扱業務については、以下の点に留意する。

  • (1)商号等の表示

    電子募集取扱業務を行うにあたって、金商法第36条の2第1項の規定により同項の標識に表示されるべき事項をホームページ上の見やすい箇所に表示しているか。また、第二種少額電子募集取扱業者(金商法第29条の4の3第2項に規定する第二種少額電子募集取扱業者をいう。以下同じ。)にあっては金商法第29条の4の3第3項に規定する事項をホームページ上の見やすい箇所に表示しているか。

  • (2)投資者の判断に重要な影響を与える事項の表示

    電子募集取扱業務を行うときは、金商業等府令第146条の2第3項に規定する事項をホームページで投資者が閲覧できる状態に置く必要がある。当該事項の表示については、以下の点に留意するものとする。

    • マル1当該事項をホームページの見やすい箇所に明瞭かつ正確に表示しているか。また、投資者保護の観点から、適切かつ分かりやすい表示がなされているか。

    • マル2当該事項をホームページで表示する趣旨や当該事項の記載方法に関する規定の趣旨等を踏まえ、投資者の判断に影響を及ぼす重要な事項を先に表示するなど、投資者が理解をする意欲を失わないよう努めているか。

    • マル3当該事項をホームページに掲載する際には、電子募集取扱業務を行う期間中、投資者が容易に当該事項を記載した箇所にアクセスできるような表示がなされているか。

V-2-4-3 電子申込型電子募集取扱業務等の適切性

電子申込型電子募集取扱業務等を行う金融商品取引業者については、発行者の事業計画に対する適切な審査及びインターネットを通じた適切な情報提供のための体制整備、並びにインターネットを通じた発行者や金融商品取引業者自身に関する情報の提供が義務付けられている。電子申込型電子募集取扱業務等の適切性に関しては、V-2-4-2のほか、以下の点に留意して検証することとする。

V-2-4-3-1 業務管理体制

  • (1)発行者の事業計画等に係る適切な審査

    金商業等府令第70条の2第2項第3号に規定する事項の審査に関する適切な規程が整備され、実質的な審査が的確に行われているか。また、これらの審査結果を確実に検証できる体制が整備されているか。さらに、事業計画が合理的な根拠に基づいて作成されていること、及び、当該事業計画や発行者の財務状況に照らして、合理的な目標募集額が規定されているかについて適切な審査が行われる体制が整備されているか。

  • (2)目標募集額の設定及び応募額の取扱いに関する留意点

    • マル1金商業等府令第70条の2第2項第4号に規定する「目標募集額に到達しなかった場合及び目標募集額を超過した場合の当該応募額の取扱いの方法」について、投資者に誤解を生じさせることのないように、わかりやすく明示することとしているか。例えば以下のような点に留意して検証することとする。

      • イ.応募額が目標募集額に到達しなかった場合であっても有価証券を発行する場合には、発行者の事業計画の内容及び資金使途等との関係で有価証券を発行することが合理的と認められる理由を投資者に誤解を生じさせることのないように明示することとしているか。

      • ロ.応募額が目標募集額を超える場合に当該超過分についても有価証券を発行する場合には、目標募集額を上回る金額についての資金使途及び発行者の事業計画の内容に与える影響等について投資者に誤解を生じさせることのないように明示することとしているか。

    • マル2目標募集額に到達したときに限り当該有価証券が発行される方法を用いる場合において、例えば、応募額が目標募集額に到達した段階で応募代金の振込先口座を通知するなど、金商業等府令第70条の2第2項第5号に規定する「目標募集額に到達するまでの間、発行者が当該応募額の払込みを受けることがないことを確保するための措置」がとられているか。

  • (3)申込みの撤回等に関する留意点

    電子申込型電子募集取扱業務等において取り扱う有価証券の募集又は私募に関して、申込撤回期間において、相手方が申込みの撤回等を行うことができることを確認するための措置がとられているか。

    上記措置が十分に講じられているかを判断する際には、例えば、以下に掲げる事項に留意する必要がある。

    • マル1申込撤回期間内は申込者が無条件で申込みの撤回等を行えることとなっているか。例えば、申込みの撤回等があった場合において、電子申込型電子募集取扱業務等を行う金融商品取引業者又は発行者が、その申込みの撤回等に伴う違約金(損害賠償、手数料等の名目の如何を問わない。)の支払を請求することができることになっていないか。

    • マル2投資者に対して、申込撤回期間内は申込みの撤回等を行えること、及び、申込みの撤回等を行うために必要な事項(申込みの撤回等の方法、手続き、連絡先及び既に応募代金の払込みを受けている場合においてはその返金方法等)について明確に表示しているか。

  • (4)事業の状況についての情報提供の確保

    発行者の事業の状況についての情報を、発行者が顧客に対して定期的に提供できることを確認するための措置がとられているか(例えば、発行者の事業に係る報告書等を電子申込型電子募集取扱業務等を行う金融商品取引業者が受領し、当該金融商品取引業者のホームページ又は電子メールによる送付を通じて投資者に対する開示を行う方法が考えられる。)。

V-2-4-4 第二種少額電子募集取扱業務の適切性

第二種少額電子募集取扱業務(金商法第29条の4の3第4項に規定する第二種少額電子募集取扱業務をいう。以下同じ。)は、電子募集取扱業務のうち、有価証券(金商法第29条の4の3第4項に規定する有価証券をいう。V-2-4-4において同じ。)の発行価額が少額であること等の要件を満たすもののみを行う金融商品取引業者について、第二種金融商品取引業の登録要件が一部緩和されたものである。第二種少額電子募集取扱業務の適切性に関しては、V-2-4-2及びV-2-4-3に準ずるほか、以下の点に留意して検証することとする。

V-2-4-4-1 勧誘・説明態勢

  • (1)着眼点

    第二種少額電子募集取扱業者の行う有価証券の募集の取扱い又は私募の取扱いは、金商業等府令第6条の2各号に掲げる情報通信の技術を利用する方法によってのみ行われるものであるため、当該第二種少額電子募集取扱業者が当該方法以外の方法による有価証券の取得勧誘(例えば、電話や個別訪問による勧誘が該当する。)を行うことはできない。従って、第二種少額電子募集取扱業者が当該方法以外の方法による取得勧誘を行う場合には、金商法第29条の4の3の特例は適用されず、当該第二種少額電子募集取扱業者は金商法の登録を受けずに第二種金融商品取引業を行うことになることに留意する必要がある。

  • (2)監督手法・対応

    第二種少額電子募集取扱業者が金商業等府令第6条の2各号に掲げる情報通信の技術を利用する方法以外の方法により有価証券の募集又は私募の取扱いを行っていることが判明した場合には、深度あるヒアリングや、必要に応じて金商法第56条の2第1項の規定に基づく報告を求めることを通じて、第二種少額電子募集取扱業者における自主的な改善状況を把握することとする。また、公益又は投資者保護の観点から重大な問題があると認められる場合には、金商法第51条の規定に基づく業務改善命令を発出する等の対応を行うものとする。さらに、重大・悪質な法令等違反行為が認められる等の場合には、金商法第52条第1項の規定に基づく業務停止命令等の発出も含め、必要な対応を検討するものとする。

V-2-4-4-2 有価証券の発行価額の総額等に関する留意点

  • (1)基本的留意事項

    第二種少額電子募集取扱業者については、その取り扱う募集又は私募に係る有価証券の発行価額の総額が1億円以上となること及び当該有価証券を取得する者が払い込む額が50万円を超えることをそれぞれ防止するための必要かつ適切な措置がとられているか。

    上記措置が十分に講じられているかを判断する際には、例えば、以下に掲げる事項に留意する必要がある。

    • マル1金商業等府令第16条の3第1項の規定に基づく算定方法に関して、募集又は私募に係る有価証券の発行者が、当該募集又は私募を開始する日前1年以内に他の金融商品取引業者を通じて、又は金商法第2条第8項第7号に掲げる方法により当該有価証券と同一の種類の有価証券を発行していないか(発行している場合にはその具体的な発行価額)について、例えば計算書類等を確認するとともに、必要に応じヒアリングを行う等により、有価証券の取得勧誘を開始する前に当該事情の有無を適切な方法により確認しているか。

    • マル2金商業等府令第16条の3第2項の規定に基づく算定方法に関して、募集又は私募に係る有価証券の投資者が、当該募集又は私募を開始する日前1年以内に、同一の発行者により発行された当該有価証券と同一の種類の有価証券を取得していないか(取得している場合にその具体的な取得価額を確認できる場合についてはその額)について適切な方法により確認しているか。

  • (2)第二種少額電子募集取扱業務に該当しなくなった場合の留意点

    第二種少額電子募集取扱業者が取り扱う募集又は私募に係る有価証券の発行価額の総額が1億円以上となる場合又は当該有価証券を取得する者が払い込む額が50万円を超える場合には、金商法第29条の4の3の特例は適用されず、当該第二種少額電子募集取扱業者は金商法の登録を受けずに第二種金融商品取引業を行うことになることに留意する必要がある。

  • (3)監督手法・対応

    第二種少額電子募集取扱業者が取り扱う募集又は私募に係る有価証券の発行価額の総額が1億円以上となること又は当該有価証券を取得する者が払い込む額が50万円を超えることが判明した場合には、深度あるヒアリングや、必要に応じて金商法第56条の2第1項の規定に基づく報告を求めることを通じて、第二種少額電子募集取扱業者における自主的な改善状況を把握することとする。また、公益又は投資者保護の観点から重大な問題があると認められる場合には、金商法第51条の規定に基づく業務改善命令を発出する等の対応を行うものとする。さらに、重大・悪質な法令等違反行為が認められる等の場合には、金商法第52条第1項の規定に基づく業務停止命令等の発出も含め、必要な対応を検討するものとする。

V-2-5 継続性の問題に係る情報に接した場合の対応について

金融商品取引業者は、個人であっても参入が可能であるほか、財務上の規制も最低資本金規制(個人にあっては、営業保証金規制)のみであり、純財産額規制や自己資本規制比率に係るモニタリングの対象とはされていない。従って、監督部局がその財務状況を的確に把握するに至る段階までに、金融商品取引業者において破産手続・再生手続・更正手続の開始の申立て(以下「破産等手続開始の申立て」という。)を行うおそれに留意が必要である。また、例えば金融商品取引業者が債務超過状態にあり、支払い不能に陥るおそれがあることを把握した場合には、投資者保護の観点からの対応の必要性について十分に検証するため、事実確認等に努めていくことが必要である。

こうした点を踏まえ、監督当局において金融商品取引業者が債務超過等により支払い不能に陥るおそれがあることを把握した場合や、破産等手続開始の申立てに関する届出を受け、又は破産等手続開始の申立てに至るおそれを把握した場合等には、III-3-2に加えて以下のような対応を行うことにより、投資者保護の確保に努めるものとする。

なお、財務局においては、個別事案ごとに実態に即した対応に努めることとするほか、金融庁に対し、当該個別事案に係る事実関係及び対応方針を速やかに連絡し、対応方策について調整を行うこととする。

  • (1)金融商品取引業者に財務上の問題を把握した場合の対応

    • マル1対象業者の財務の状況、顧客との契約の状況(みなし有価証券販売業者等にあっては取り扱っているファンドが現に行っている事業の状況を、信託受益権販売業者にあっては取り扱っている信託受益権の原資産の状況を含む。)をヒアリングし、事実確認を行うとともに、支払い不能に陥るおそれを解消するための方策の策定を促す。

    • マル2ヒアリングの結果、投資者保護上問題が生じていることが判明した場合は、事実関係及び当該状況の解消策等について、速やかに、金商法第56条の2第1項の規定に基づく報告徴求命令を発出する。

    • マル3報告の受領後は、解消策の進捗状況についてフォローアップを行うとともに、改善が見られない場合には、金商法第51条の規定に基づく業務改善命令を発出する等の対応も検討するものとする。

  • (2)破産等手続開始の申立ての情報を把握した場合

    • マル1金商法第50 条第1項第7号の規定に基づく届出が行われているかを確認し、必要に応じ、速やかな対応を求めるものとする。

    • マル2金商法第56 条の2第1項の規定に基づく報告徴求命令を通じて、当該事案に係る事実関係のほか、当該金融商品取引業者の財務の状況、顧客との契約の状況(顧客からの預り金がある場合にはその具体的な内容)、顧客への対応状況及び業務の継続に関する方針等を速やかに把握するものとする。

    • マル3上記マル2の報告の内容についての履行状況をフォローアップするとともに、必要に応じ、業務の継続に関する方針の精査を求めるものとする。その際には、金商法第51 条の規定に基づく業務改善命令を発出する等の対応も検討するものとする。

  • (3)親会社等による破産等手続開始の申立ての情報を把握した場合

    破産等手続開始の申立てにより金融商品取引業者の経営に重大な影響を与え得る者(以下V-2-5において「親会社等」という。)が破産等手続開始の申立てを行った場合は、当該金融商品取引業者に対する金商法第56条の2第1項に基づく報告徴求命令を通じて、当該親会社等の直近の状況を踏まえた財務の状況、親会社等との間の取引関係、顧客との契約の状況(顧客からの預り金がある場合にはその具体的な内容)及び業務の継続に関する方針等を速やかに把握するものとする。

  • (4)破産手続開始の決定がされた場合

    • マル1金商法第50条の2第1項第4号の規定に基づく届出が行われているかを確認し、必要に応じ、速やかな対応を求めるものとする。

    • マル2投資者保護の観点から必要な場合には、破産管財人との連携に努めるものとする。

  • (5)営業所を確知できない場合

    金商法第52条第4項の規定に基づき、当該事実を公告し、当該公告の日から30日を経過しても当該金融商品取引業者から申出がないときは、当該金融商品取引業者の登録を取り消すものとする。

  • (6)その他金融商品取引業者又は親会社等の継続性の問題に発展する可能性のある情報を入手した場合

    • マル1任意のヒアリングを通じて、当該情報に関する事実関係のほか、当該金融商品取引業者の財務の状況、顧客との契約の状況(顧客からの預り金がある場合にはその具体的な内容)及び業務の継続に関する方針等を速やかに把握するものとする。

    • マル2当該金融商品取引業者が上記マル1のヒアリングに応じない場合や、上記マル1のヒアリングを通じて当該金融商品取引業者の業務の継続に懸念が認められる場合は、金商法第56条の2第1項の規定に基づく報告徴求命令を通じて、その事実関係を速やかに把握するものとする。また、投資者保護の観点から必要な場合には、金商法第51条の規定に基づく業務改善命令を発出する等の対応も検討するものとする。

V-2-6 協会未加入業者に関する監督上の留意点

  • (1)主な着眼点

    • マル1金融商品取引業協会に加入しない金融商品取引業者(個人である場合を除く。V-2-6において「協会未加入業者」という。)は、協会規則に準ずる内容の社内規則を適切に整備しているか。

    • マル2社内規則の適正な遵守を確保するための態勢整備(役職員への周知、従業員に対する研修等やその遵守状況の検証など)が図られているか。

    • マル3協会規則に改正等があった場合には、それに応じて直ちに社内規則の見直しを行うこととしているか。

  • (2)監督手法・対応

    協会未加入業者の社内規則の策定・改正・遵守状況等に関して問題が認められる場合には、深度あるヒアリングや、必要に応じて金商法第56条の2第1項の規定に基づく報告を求めることを通じて、金融商品取引業者における自主的な改善状況を把握することとする。また、公益又は投資者保護の観点から重大な問題があると認められる場合には、金商法第51条の規定に基づく業務改善命令を発出する等の対応を行うものとする。さらに、報告徴求の結果、協会規則に準ずる内容の社内規則を作成していると認められない場合又は当該社内規則を遵守するための体制を整備していないと認められる場合には、金商法第52条第1項の規定に基づく業務停止命令等の発出も含め、必要な対応を検討するものとする。

V-3 諸手続(第二種金融商品取引業)

V-3-1 登録

  • (1)体制審査の項目

    金商法第29条の4第1項第1号ホに規定する金融商品取引業を適確に遂行するに足りる人的構成を有しない者であるか否かの審査にあたっては、登録申請書、同添付書類及びヒアリングにより次の点を確認するものとする。

    • マル1その行う業務に関する十分な知識及び経験を有する役員又は使用人の確保の状況及び組織体制として、以下の事項に照らし、当該業務を適正に遂行することができると認められるか。

      • イ. 経営者が、その経歴及び能力等に照らして、金融商品取引業者としての業務を公正かつ的確に遂行することができる十分な資質を有していること。

      • ロ. 常務に従事する役員が、金商法等の関連諸規制や監督指針で示している経営管理の着眼点の内容を理解し、実行するに足る知識・経験、及び金融商品取引業の公正かつ的確な遂行に必要となるコンプライアンス及びリスク管理に関する十分な知識・経験を有すること。

      • ハ. 行おうとする業務の適確な遂行に必要な人員が各部門に配置され、内部管理等の責任者が適正に配置される組織体制、人員構成にあること。

      • ニ. 営業部門とは独立してコンプライアンス部門(担当者)が設置され、その担当者として知識及び経験を有する者が確保されていること。

      • ホ. 行おうとする業務について、次に掲げる体制整備が可能な要員の確保が図られていること。

        • a. 帳簿書類・報告書等の作成、管理

        • b. ディスクロージャー

        • c. リスク管理

        • d. 電算システム管理

        • e. 売買管理、顧客管理

        • f. 広告審査

        • g. 顧客情報管理

        • h. 苦情・トラブル処理

        • i. 内部監査

    • マル2暴力団又は暴力団員との関係その他の事情として、以下の事項を総合的に勘案した結果、役員又は使用人のうちに、業務運営に不適切な資質を有する者があることにより、金融商品取引業の信用を失墜させるおそれがあると認められることはないか。

      • イ. 本人が暴力団員であること(過去に暴力団員であった場合を含む。)。

      • ロ. 本人が暴力団と密接な関係を有すること。

      • ハ. 金商法等我が国の金融関連法令又はこれらに相当する外国の法令の規定に違反し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられたこと。

      • ニ. 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定(同法第32条の2第7項の規定を除く。)若しくはこれに相当する外国の法令の規定に違反し、又は刑法若しくは暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられたこと。

      • ホ. 禁錮以上の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられたこと(特に、刑法第246条から第250条まで(詐欺、電子計算機使用詐欺、背任、準詐欺、恐喝及びこれらの未遂)の罪に問われた場合に留意すること。)。

        • (注)個人である金融商品取引業者の場合は、当該個人の資質について上記マル1及びマル2に掲げる項目に照らし検証するものとする。

  • (2)金融商品取引業協会に加入する予定がない業者に係る留意事項

    登録申請時において金融商品取引業協会に加入する予定がない業者(個人である場合を除く。)に対しては、以下の事項を通知し、適切な対応を求めることとする。

    • マル1登録後に、協会規則に準ずる内容の社内規則を作成していない又は当該社内規則を遵守するための体制を整備していない場合はV-2-6に準じた監督上の対応がとられること。

    • マル2協会規則に改正等があった場合にそれに応じて社内規則の見直しを行わない場合には、上記マル1に該当する場合があること。

V-3-2 外務員登録

  • (1)登録対象となる外務員の範囲

    金融商品取引業者(市場デリバティブ取引業者に限る。V-3-2において同じ。)の店内業務(店頭業務を含む。)に従事する役員又は使用人のうち、金商法第64条第1項に規定する外務員登録原簿に登録を必要とする者は、以下のいずれかの業務を行う者とする。

    • マル1勧誘を目的とした金融商品取引等の内容説明

    • マル2金融商品取引等の勧誘

    • マル3注文の受注

    • マル4勧誘を目的とした情報の提供等(バックオフィス業務に関すること及び顧客の依頼に基づく客観的情報の提供を除く。)

    • マル5金商法第64条第1項第3号に掲げる行為を行う者

  • (2)届出事項

    金融商品取引業者内の人事異動に伴い一時的に外務員としての業務を行わなくなった場合は金商法第64条の4第3号には該当しないことに留意するものとする。

V-3-3 営業保証金の供託等に係る留意事項

  • (1)金融商品取引業者が既に供託している供託物の差し替えを行うため、新たに供託をした後、当該供託書正本を届け出てきた場合は、既に受理保管していた供託書正本について、別紙様式 V-1による供託書正本の下付証明を行うとともに、既に受理保管していた供託書正本を金融商品取引業者に返還する。

  • (2)金融商品取引業者が既に供託している有価証券の償還金の代供託を行うため、供託所に代供託・付属供託請求書を提出した後、その受入証書正本を届け出てきた場合は、下記(5)に準じ保管証書を交付するとともに、既に受理保管していた原供託書正本を金融商品取引業者に返還する。

  • (3)金融商品取引業者から営業保証金に代わる契約の内容の変更又は解除の承認申請があった場合において、投資者保護に欠けることがないと判断するときは、別紙様式 V-2による保証契約変更承認書又は別紙様式 V-3による保証契約解除承認書により、当該申請を承認する。

  • (4)営業保証金取戻し公告は、別紙様式 V-4により行う。

  • (5)供託書正本を受理した場合は、別紙様式 V-5による保管証書を交付する。

  • (6)登録申請者等に対して、金商法第31条の2第9項の規定に基づき国債により営業保証金を供託している場合、国債ニ関スル法律により一定期間経過後に消滅時効が完成し、供託が無効となることがある旨を周知する。

V-3-4 電子募集取扱業務に関する帳簿書類関係

金商業等府令第181条第1項第5号ロに規定する「第146条の2第1項の規定により電子計算機の映像面に表示されたものの記録」には、当該事項を表示したホームページを印刷したものを含み、当該書類を電磁的記録をもって作成する場合においては当該ホームページを電磁的方法で保存することを含むものとする。

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