平成26年11月21日
金融庁

IFRSの任意適用の積上げに関する取組み
−前回公表時からの追加的な取組み−

平成26年11月21日
IFRS対応方針協議会

平成25年6月に企業会計審議会より公表された「国際会計基準(IFRS)への対応のあり方に関する当面の方針」においては、IFRSの任意適用の積上げを図ることが重要であるとされており、これを受け、IFRS対応方針協議会は、平成25年11月8日にIFRSの任意適用の積上げに関する各団体の取組みを公表している。

その後、平成26年6月に閣議決定された「「日本再興戦略」改訂2014」においては、「2008年のG20首脳宣言において示された、会計における「単一で高品質な国際基準を策定する」との目標の実現に向け、IFRSの任意適用企業の拡大促進に努めるものとする。」との記載が盛り込まれた。

これらの状況を踏まえ、平成26年9月19日に開催された第3回IFRS対応方針協議会では、平成25年11月8日以後のIFRSの任意適用の積上げに向けた各団体の取組みについて、以下のとおり報告がなされ、議論が行われた。

【各団体の取組み】

(日本経済団体連合会)

  • IFRS適用企業及びIFRS適用予定企業から構成される「IFRS実務対応検討会」を組成し、平成24年7月から10回にわたり、IFRS適用上の主要な論点を議論し、その成果を「IFRS任意適用に関する実務対応参考事例」として公表している。

  • 国際的な意見発信として、IASB/FASBの共同プロジェクトの「リース」について、本年6月に、IASB及びFASB宛に意見書を提出している。

  • 企業会計基準委員会(ASBJ)の組成した「IFRSのエンドースメントに関する作業部会」に産業界の多数の委員が参加し、我が国のIFRSに関する議論に積極的に参画している。

(日本公認会計士協会)

  • 我が国の意見発信の強化の観点から、IFRS財団アジア・オセアニアオフィスの活性化を図るため、同オフィスへ本年7月より、2監査法人から1名ずつスタッフを派遣している。

  • IFRSの任意適用要件が緩和されたことにより、グローバル企業だけではなく、IPO企業の適用が増加することも踏まえ、以下のとおり、幾つかのパターンに分けてIFRSの研修を行っている。

    • (1)監査事務所の教育担当者やIFRS担当者、当協会の品質管理レビュアー等を対象に、IFRS財団が開発した「フレームワークに基づくIFRS教育」を利用し、当協会及びIFRS財団の主催により研修会を実施した。

    • (2)公認会計士試験合格者向けの実務補習所におけるIFRSの教育研修を増加させ、カリュキュラムの充実を図っている。

    • (3)IPO企業のIFRSの適用に備え、中小の監査事務所を中心とした連絡協議会を組成しており、研修を実施している。本年7月の研修会には、105の会計事務所、監査法人が参加した。

  • 平成26年7月に開催された日本経済新聞社主催のシンポジウム「IFRS〜高まる国際基準適用の必要性」に、当協会は特別協賛し参加している。

(東京証券取引所)

  • 新指数であるJPX日経インデックス400を開発し、定性基準の一つとしてIFRS採用または採用を決定という項目を加点要素とした。本年8月に銘柄の入替えを行ったが、8月末時点でJPX日経インデックス400のうちIFRS適用企業が予定を含めて34社となっている。

  • 平成25年度の企業行動表彰として、「IFRS 適用に向けた積極的な取組み」をテーマとし、昨年12月に、IFRS導入に関する参考事例となったIFRS適用企業4社を表彰した(日本たばこ産業、日本電波工業、HOYA、住友商事)。

  • 政府の「「日本再興戦略」改訂2014」において、上場企業に対して、会計基準の選択に関する基本的な考え方、例えばIFRSの適用を検討しているかなどについて投資家に説明するよう提言されており、決算短信に記載することを求めることとした(本年11月11日に上場企業に通知済)。

(日本証券アナリスト協会)

  • IFRSの会員向けの教育の一環として、会員向けの勉強会を開催している。勉強会に出席した利用者からのアンケート調査などをベースにIASBや企業会計基準委員会(ASBJ)に対するコメント・レターを提出している。

  • 資格試験事業の中で、平成22年度から独立した1冊の通信テキストとした「IFRSの財務諸表」については、毎年、内容を更新している。当協会編集の推奨図書「証券アナリストのための企業分析」を平成25年秋に改訂し、日本基準、米国基準、IFRSの基本財務諸表の実例を示して各基準の相違点を解説している。

  • 当協会は諸外国のアナリスト協会とも提携しており、アナリスト協会の国際的な連合組織であるACIIAの年次総会が、本年6月25日にブリュッセルで開催された。年次総会においては、IASB議長、EFRAG議長、欧州アナリスト協会連合会会長などにより、IFRSに関する公開討論会が開催された。

(企業会計基準委員会(ASBJ))

  • 国際的な意見発信として、平成25年11月以後、会計基準アドバイザリー・フォーラム(ASAF)が3回開催されており、我が国の意見を発信している。昨年12月のASAFでは、「純損益/その他の包括利益及び測定」を提出し、当期純利益に関する議論を喚起しており、関連して、本年5月に、ショート・ペーパー・シリーズ第1号「OCIは不要か?」を公表している。

    また、のれんの償却に関して、本年7月に、ディスカッション・ペーパー「のれんはなお償却しなくてよいかーのれんの会計処理及び開示」を欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)及びイタリアの会計基準設定主体(OIC)と共同で公表している。

  • 国際的な意見発信に関連して、「IFRSのエンドースメントに関する作業部会」を設置し議論を行い、本年7月31日に「修正国際基準(国際会計基準と企業会計基準委員会による修正会計基準によって構成される会計基準)」の公開草案を公表している。

(経済産業省)

  • IFRSを含む、会計基準上の課題等に関する認識の共有のために、企業財務委員会を設置し、企業のCFOを中心に議論を行っている。

    最近では、ASBJ初代委員長の斎藤氏や、IASBフーガーホースト議長を招き、我が国が対峙すべき企業会計の国際化や、会計制度・基準の方向性等について議論を行っている。

  • 経済産業省から各国に派遣している職員等を通じて、米国、EU等の関係者との意見交換を実施している。

(金融庁)

  • 平成25年6月に企業会計審議会から公表された「国際会計基準(IFRS)への対応のあり方に関する当面の方針」を受け、本年3月に財務諸表等規則等を改正し、金融商品取引法における単体財務諸表の開示の簡素化を行った。

  • 「「日本再興戦略」改訂2014」に盛り込まれた「IFRS任意適用企業の拡大促進」を受け、IFRSへの移行を検討している企業の参考とするため、年度内を目途に「IFRS適用レポート(仮称)」を作成・公表することを予定している。

  • IFRS財団評議員会プラダ議長、グラウバー副議長、IASBのフーガーホースト議長の来日時に、IFRSの任意適用拡大に向けた方針や、IFRSに関する日本の考え方等を伝達している。

(注) IFRS対応方針協議会は、IFRSに関連する我が国の市場関係者の意見の集約等を目的とし、一般社団法人日本経済団体連合会、日本公認会計士協会、公益社団法人日本証券アナリスト協会、東京証券取引所、企業会計基準委員会(ASBJ)、公益財団法人財務会計基準機構(FASF)(事務局)、経済産業省、法務省、金融庁(事務局)から構成される。

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