平成14年2月22日
金融庁

証券取引法施行令の一部を改正する政令(案)の概要に対するパブリックコメントの結果について

金融庁では、標記政令案の概要について、平成14年2月8日(金)から平成14年2月20日(水)にかけて公表し、広く意見の募集を行いました。ご意見をいただいた方には、政令案の検討にご協力いただきありがとうございました。

本件に関してお寄せいただいた主なコメントの概要及びそれに対する金融庁の考え方は下記のとおりです。

【内容についての照会先】

金融庁 Tel:03-3506-6000(代表)
総務企画局市場課関(内線3154)、佐藤(内線3620)


コメントの概要とコメントに対する金融庁の考え方

コメントの概要 金融庁の考え方

1.  信用取引の売りに空売りの価格規制をかけるべきではない。

 現在、信用取引は、空売りの価格規制の適用除外としております。今回の政令改正案は、信用取引についても空売りの価格規制を課すというものではありませんので、信用取引の売りはこれまでと同様、空売りの価格規制の適用除外です。

2.  空売りは取引手法の一つであり、市場に流動性を供給するほか、将来の株価上昇要因となるものであり、規制をかけるべきではない。

 市場は様々な投資目的を持った投資家が自由に参加できるようにすべきであり、極力規制すべきではないと考えます。しかし、今回の政令改正案は、一部証券会社が空売り規制を潜脱する方法で、作為的相場形成を行っていた事例が認められたこと等を踏まえ、このような不公正な相場操縦的行為を防止するとの観点から必要な規制であると考えております。

3.  改正の概要において、同値が連続した場合の取扱いが不明確であり、明確化すべきではないか。

 御指摘のとおりであり、証券取引法施行令第26条の4において、空売りを行う場合は証券取引所等が直近に公表した価格(「直近公表価格」という。)がそれ以前に公表された直近公表価格と異なる価格を下回る場合には直近公表価格以下の価格で行ってはならず、直近公表価格がそれ以前に公表された直近公表価格と異なる価格を上回る場合には直近公表価格未満で行ってはならないことといたします。

4.  施行時期については、空売り規制違反となる注文を排除する証券取引所等のシステム対応が完了してから本規制を導入すべきでないか。

 今回の政令改正案は、一部証券会社が空売り規制を潜脱する方法で、作為的相場形成を行っていた事例が認められたことから、このような不公正な相場操縦的行為を防止するとの観点から検討しているものであり、早急に施行する必要があると考えます。この点については投資家の方その他の関係者におかれましては、政令改正の趣旨をご理解いただき、ご協力をお願いします。

5.  今回の規制見直しに伴う証券取引所等におけるチェックシステム上の対応が行われるまでの間は、証券会社が法令に違反しないことを確認して注文を発注しているにもかかわらず、発注から証券取引所等で受け付けるまでのタイムラグにより値段の変更が生じるケースもあると思うが、このような場合はどのように考えればよいか。

 規制の基準となる直近公表価格については、取引の実態を踏まえ、証券取引所等におけるチェックシステム上の対応が完了するまでの間は、個別銘柄の価格をリアルタイムで入手し、かつ、当該価格を事後的に確認できる一定の体制の下で、証券会社が合理的な方法で確認しうる直近公表価格、チェックシステム上の対応が完了した後は、証券取引所等が注文を受け付けた時点における直近公表価格を基準として運用を行ってまいりたいと考えます。

6.  空売り規制違反の罰則を強化すべきではないか。

 空売りは、市場の厚みを増すという面を有し法律上その行為自体は禁止されておりませんが、相場の変動を激化させるおそれや意図的な相場操縦行為に利用されるおそれがあるため、空売りの明示・確認義務、価格の制限といった予防的規制が課されています。
 このような予防的義務に対する違反について、さらに罰則を強化するということに関しては、慎重な検討が必要であると考えます。

その他、信用取引制度、空売り規制のあり方等に関して、多数のご意見をいただいております。これらのご意見は、今後の証券取引制度の企画・立案等の参考にさせていただきます。

また、この空売り規制の改正に関しては、現行規制を潜脱する形での相場操縦的行為への対応を早急に講じる必要があることから、3月1日(金)公布、3月6日(水)施行の日程で行いたいと考えております。

ご参考までに、現時点での証券取引法施行令の改正案をPDF別紙のとおり添付いたします。

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