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平成20年5月19日
金融庁

「ベター・レギュレーションの進捗状況について」の公表について

金融庁では、本日、「ベター・レギュレーションの進捗状況について −平成19年7月〜平成20年4月−」を、以下のとおり取りまとめましたので、公表します。

金融庁では、昨年夏以来、金融規制のさらなる質的向上を目指した取組み、すなわち、ベター・レギュレーションへの取組みを進めてきました。

ベター・レギュレーションについては、大きく以下の4点をその柱と位置づけています。

  • 1. ルール・ベースの監督とプリンシプル・ベースの監督の最適な組合せ

  • 2. 優先課題の早期認識と効果的対応

  • 3. 金融機関の自助努力尊重と金融機関へのインセンティブの重視

  • 4. 行政対応の透明性・予測可能性の向上

また、こうしたベター・レギュレーションに関する4本の柱の下、以下の5つの具体的方策に取り組んできているところです。

  • 1. 金融機関等との対話の充実

  • 2. 情報発信の強化

  • 3. 海外当局との連携強化

  • 4. 調査機能の強化による市場動向の的確な把握

  • 5. 職員の資質向上

本資料は、ベター・レギュレーションの取組みについて、その進捗状況を取りまとめたものです(概要については、下記参考を参照して下さい)。今回は、第1回として、平成19年7月から平成20年4月までの進捗状況を中心に取りまとめています。また、今回は、初めての取組みであることから、取りまとめにあたって平成19年6月以前の取組みについても言及しています。さらに、取りまとめと並行して、金融庁におけるベター・レギュレーションの取組みについて、監督対象先に対してアンケート調査を実施しました。

進捗状況については、今後も、半年毎に公表していく予定です。

お問い合わせ先

金融庁 Tel:03-3506-6000(代表)
総務企画局政策課(内線3187、3181)


(参考)

ベター・レギュレーションの進捗状況について
― 平成19年7月〜平成20年4月 ―
<概 要>

I .ベター・レギュレーションの4つの柱について

1.ルール・ベースの監督とプリンシプル・ベースの監督の最適な組合せ

  • (1)プリンシプル・ベースの監督の基軸となる主要な14項目のプリンシプルについて、関係者との間で共有(平成20年4月)。

  • (2)ルールの解釈にプリンシプルから光をあて、実務が過度に萎縮することがないよう、制度の趣旨を明確に示す取組みを実施。質疑応答集「金融商品取引法の疑問に答えます」(平成20年2月)や「内部統制報告制度に関する11の誤解」(同3月)の公表など。

  • (3)ルール・ベースの監督とプリンシプル・ベースの監督の連携を図る官民共同の取組みも進展。金融庁「証券会社の市場仲介機能等に関する懇談会」の論点整理(平成18年6月公表)に応じ、日本証券業協会等において、12の自主規制ルールを改正・策定。

2.優先課題の早期認識と効果的対応

  • (1)サブプライムローン問題への対応

    • サブプライムローン問題の深さと広がりを認識した上で、重点的に行政資源を投入。
    • わが国金融システムへの影響を把握・分析(金融機関のサブプライム関連商品等の保有額等を公表)。わが国金融機関のリスク管理状況を注意深くフォロー。
    • グローバルな市場の動きをタイムリーかつ的確に把握するべく、庁内体制を強化(市場分析室の設置、平成20年2月)。
    • 「金融市場戦略チーム」による「第一次報告書」(平成19年11月)を踏まえ、今後の改善策等を検討
  • (2)年度当初に、フォワードルッキングにその年度の検査・監督方針の基本方針を策定、重点課題を明示。平成19事務年度においては、リスク管理の高度化等を重点課題として位置づけ。

  • (3)メリハリのついた検査を実施。○主要行担当主任検査官の複数年担当制(日本版Examiner in Charge)の導入、○特定のリスクやテーマに的を絞ったターゲット検査・特別検査の積極的活用などを実施。

  • (4)このほか、情勢変化にタイムリーに対応。○虚偽の大量保有報告書のEDINET掲載事案に対し、「EDINET運用改善検討チーム」を立ち上げ、論点整理を公表(平成20年2月)。

    また、フォワードルッキングな観点から、電子マネー等の決済に関する新しいサービスについて検討を行うとともに、決済システムの強化に向けた関係者の取組みを推進するため、「決済システム強化推進室」を設置(平成20年4月)。

3.金融機関の自助努力尊重と金融機関へのインセンティブの重視

  • (1)検査評定制度を全面施行(平成20年1月)。金融機関からも、概して、インセンティブとして機能との評価。

  • (2)世界に先駆けたバーゼル II の実施は、サブプライムローン問題にも見られるよう、わが国金融機関のリスク管理の高度化に効果があるとの評価がある。

4.行政対応の透明性・予測可能性の向上

  • (1)従来より、検査・監督の枠組みにおいて、透明性・予測可能性の向上に努力。業態別の監督指針や検査マニュアル、「金融上の行政処分について」等を策定・公表。

  • (2)その他、○事例集(検査指摘事例集、行政処分事例集)等の策定・公表、○ノーアクション・レター制度の利便性の向上に向けた見直し、○Q&Aを通じたルール解釈・適用に係る具体的事例の蓄積等、に努めている。

    また、○金融機関の経営に関する計数の集計・公表のほか、○パブリック・コメント手続を充実(英文でも2件実施)。

  • (3)金融機関等に実施したアンケート結果によれば、金融庁本庁の取組み全般における透明性・予見可能性について、8割近くが「改善した」、「やや改善した」との回答。

II .当面の5つの取組みについて

1.金融機関等との対話の充実

  • (1)事業者団体等との定期的な意見交換会を拡充。外資系事業者団体との対話も拡大(IBA(国際銀行協会)に加え、ACCJ(在日米国商工会議所)とも対話を定期化)。

  • (2)個別の金融機関等の経営陣と、金融上の重要課題や、各社の経営上の重点課題等についての意見交換の機会を充実。

    海外金融機関等の幹部との面会の機会も積極的に活用。

    (参考1) 海外金融機関等の幹部との面会実績(企画官以上)

    平成18事務年度 平成19事務年度
    (19.7月〜20.3月)
    うち18.7月〜19.3月
    海外金融機関等の幹部との面会実績 135件 100件 113件
  • (3)金融機関等に実施したアンケート結果によれば、金融庁本庁との対話全般に関して、6割近くが「改善した」、「やや改善した」との回答。

    対話の形態に関しては、実務者レベルの対話のさらなる充実を求める意見が多い。

2.情報発信の強化

  • (1)特定の重要テーマに関する講演・スピーチや報道機関のインタビュー、出版メディアへの寄稿を積極的に活用(渡辺金融担当大臣による燕・三条地域での中小企業金融に関する講演など)。英語による情報発信も強化。

    (参考2) 講演・寄稿・インタビュー等の取組み状況(平成19年7月〜平成20年3月)

    大臣・副大臣・
    政務官
    長官 監視委委員長・
    審査会会長ほか
    局長・
    審議官等
    課室長・
    企画官級
    講演・
    スピーチ
    寄稿・
    出版
    講演・
    スピーチ
    寄稿・
    出版
    講演・
    スピーチ
    寄稿・
    出版
    講演・
    スピーチ
    寄稿・
    出版
    講演・
    スピーチ
    寄稿・
    出版
    合計 10 5 11 5 21 3 54 5 78 44
    金融行政総論 - - 15
    ベター・レギュレーション - - - - 14 -
    金融・資本市場の 競争力強化 - - - - 11 16
    金融商品取引法関係 - - - - 10 11
    改正貸金業法関係(多重 債務問題関係を含む) - - - - - - 12
    企業会計・企業監査 - 12
    検査マニュアル改訂 - - - - - - -
    サブプライムローン問題 - - -
    地域密着型金融・ 中小企業金融 - - - - - 11 -
    市場監視行政の 基本方針 - - - 17 28
    その他 - - - -
    インタビュー等 32 23 11 26 31

    (注)情報発信の内容については、一部重複あり。

    (参考3) 上記取組み状況のうち、英語による情報発信の状況

    大臣・副大臣・
    政務官
    長官 監視委委員長・
    審査会会長ほか
    局長・
    審議官等
    課室長・
    企画官級
    講演・スピーチ - 14
    寄稿・出版 - - - - -
    インタビュー等 - -
  • (2)報道発表を通じたタイムリーな情報発信にも努力。金融行政の考え方を直接地域の事業者等に説明するため、全国各地で説明会を開催(金融検査マニュアル別冊のパンフレットを用いた中小企業向け説明会など)。

  • (3)ウェブサイトについては、より分かりやすく体系的に整理(平成19年8月、12月)。英語版ウェブサイトにおいても、随時、重要な施策の英訳版を公表するとともに、英文メールサービスを開始(平成20年1月)。

  • (4)金融機関等に実施したアンケート結果によれば、金融庁本庁からの情報発信全般の強化に関して、8割近くが「改善した」、「やや改善した」との回答(英語での情報発信については、6割以上)。

    アンケートに寄せられた意見の中では、( i )ウェブサイトの充実、( ii )説明会等の充実、( iii )分かりやすさの改善、を求めるものが多い。

3.海外当局との連携強化

  • (1)ダボス会議、FSF(金融安定化フォーラム)、IOSCO(証券監督者国際機構)等のサブプライムローン問題に関する国際的議論に貢献。主導的ポストも担いつつ、バーゼル銀行監督委等の国際会議に参加。多国間情報交換枠組みである、マルチMOUにも加盟(平成20年2月)。

  • (2)IOSCO東京コンファレンスを主催(平成19年11月)。世界46ヶ国・地域、5つの国際機関から総勢400名強の参加。

  • (3)各国監督当局とも、定期的な協議を拡大(マレーシア(平成19年9月)、中国(平成20年1月))。監督上の協力も拡大(中国(平成20年2月)、ドバイ(平成19年11月))。

    渡辺金融担当大臣の訪中(平成20年2月)など、海外当局との面会も充実。

    (参考4) 海外当局者等との面会・会合実績(企画官以上)

    平成18事務年度 平成19事務年度
    (19.7月〜20.3月)
    うち18.7月〜19.3月
    海外当局者等との面会実績 116件 82件 110件
    多国間会合出席実績 58件 43件 67件
    2国間会合開催実績 19件 14件 19件

4.調査機能の強化による市場動向の的確な把握

グローバルな経済情勢・市場状況が金融システムに与える影響が増大していることを踏まえ、継続的に情報収集・分析を行うため、市場分析室を設置(平成20年2月)。収集した情報を、庁内で情報共有、金融システムに内在するリスクを議論・特定し、検査・監督事務に活用。

5.職員の資質向上

  • (1)キャリアパスに関するアンケートを実施(平成20年1月)し、各職員の専門性(※)も意識した任用体制を確立していく(平成20年7月期異動以降)。

    (※) リスク管理、コンプライアンス、情報システム、会計基準、金融工学など

  • (2)理論研修の実施、内外大学院や在外公館への派遣等を通じた職員の専門性の強化に向けた取組みの実施。

  • (3)民間企業において業務を経験した人材や弁護士・公認会計士などを、中途採用及び官民人事交流法に基づく交流採用の形で積極的に採用。

III .今後の課題について

  • (1)ベター・レギュレーションの取組みについては、アンケート等外部からの評価を見ても、相応に進捗していると言える。

  • (2)今後の課題としては、以下の点が挙げられる。

    • ベター・レギュレーションの考え方についての職員への徹底

    • 実務者レベルでの対話の充実、自由に意見を交換できる機会の拡大

    • 情報発信の機会の拡充

      ― 説明会などの機会の拡大、ウェブサイトの利便性向上。

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