「振り込め詐欺救済法に定める預保納付金を巡る諸課題に関するプロジェクトチーム」第1回ヒアリング議事録

1.日時:

平成22年10月21日(木曜日)16時00分~17時05分

2.場所:

中央合同庁舎第7号館13階 金融庁共用第1特別会議室

○油布調査室長

それでは、時間でございますので開会させて頂きたいと思います。

私、本日の進行を仰せつかっております金融庁総務企画局企画課調査室長の油布と申します。よろしくお願いいたします。

それでは、開会に先立ちまして、メンバーのお三方に順次ごあいさつをお願いいたしたいと思います。まず、座長でございます和田金融庁担当大臣政務官、よろしくお願いいたします。

○和田内閣府大臣政務官

皆様、こんにちは。こちらの場面では初めてごあいさつ申し上げますが、9月下旬に菅内閣の改造がありました関係で内閣府の大臣政務官を拝任いたしました和田隆志と申します。よろしくお願いいたします。座ってお話しさせて頂きます。

今日は、この振り込め詐欺救済法に定める預保納付金を巡る諸課題に関するプロジェクトチーム、ようやくちゃんと読めましたが、こちらのほうに多数の皆様方がお集まり頂きまして、本当にありがとうございます。座長を務めさせて頂きますが、ぜひこれから先、ご議論頂きまして、この件はそもそも振り込め詐欺救済法に基づいて、被害者の方々へお返しできなかった残余金である預保納付金の使途について検討するため、9月9日に設置されたものでございます。このプロジェクトチームでは、金融機関から被害者の方々に対して返金が必ずしも十分に進んでいるとは言えない状況を踏まえて、返金を進めるために実態を踏まえて施策を検討することといたしております。

本日は皆様方からのご議論を進めていくに当たり、制度の概要や現状について関係者からお話を伺い、その後の議論で忌憚のないご意見をお聞かせ頂ければ幸いでございます。

なお、政策決定の透明性を確保し、また多くの方に現状を聞いて頂きたいという思いもありまして、ヒアリングを行う回につきましては、報道関係の皆様方や本件にご関心のある方々の傍聴を可能とさせて頂きたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。これから先、皆様方の活発なご議論をよろしくお願いします。ありがとうございました。

○油布調査室長

ありがとうございました。

引き続きまして、犯罪被害者等施策担当でいらっしゃいます末松義規内閣府副大臣から、ごあいさつをちょうだいしたいと思います。

○末松内閣府副大臣

内閣府副大臣の末松でございます。内閣府で犯罪被害者等の施策について担当しております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

国民のだれもが安心して暮らせる社会を実現するためには、犯罪を予防するにとどまらず被害を受けた方々が再び平和な生活を営むことができるようになるまでの間、必要な支援を途切れなく受けることが必要だと考えております。政府として犯罪被害者等基本法に基づく、犯罪被害者等基本計画により犯罪被害者等のための施策を推進していくことを私ども担当しております。振り込め詐欺救済法に定める預金保険機構納付金については、同法第20条に犯罪被害者等の支援の充実のために支出するものとすると規定されております。具体的な支出をどのようにするかがまさにこのPTのメインテーマになっているわけでございます。幅広く関係する方々のご意見を伺わせて頂き、和田政務官、吉田政務官とともにしっかり検討してまいりたいと思っております。どうか今後ともよろしくお願い申し上げます。

それで、すみません。今日はこれから国会質問の対応がございますので、ここで失礼させて頂きますが、どうかよろしくお願い申し上げます。

○油布調査室長

ありがとうございました。

引き続きまして、吉田泉財務大臣政務官、よろしくお願いいたします。

○吉田財務大臣政務官

財務政務官の吉田泉でございます。一言ごあいさつを申し上げます。

救済法が施行されて2年以上が経過いたしました。この法律により犯罪に利用された預金口座の失権手続が整備された、かつ、被害者の方々への返金が進められた。大変意義のあることだと思います。この間の金融機関、そして預金保険機構の皆様方のご努力を多としたいと思います。

一方で、被害者の方々へお返しすることができなかったというお金が、預金保険機構への納付金としてかなりの額になってきておることもご承知のとおりでございます。こうした中でこの納付金の使い道、さらには被害者の方々への返金率の向上、さまざまな課題についてこのPTで議論していくこと、大変重要だと思います。

このPTでは、今日からさまざまな関係者の方々のご意見をちょうだいしてまいりますが、最終目標は被害者の方々の真の救済ということでございます。真剣に検討してまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

○油布調査室長

ありがとうございました。

それでは、テレビカメラと、それからスチールカメラマンの方は、ここでご退席を頂くことにしております。ペン記者の方、一般傍聴の方は最後まで傍聴して頂いて結構でございます。

本日の議事の進め方のご説明をさせて頂きます。まず、私から本PTと、それから振り込め詐欺救済法の制度概要についてご説明をいたしまして、その後、お呼び申し上げております関係者の方からヒアリングを行いまして、順次ご説明を頂きたいと思っております。その後、最後にまとめて討議、意見交換の時間をとってございます。

それでは、早速でございますが、私からまず、メンバーのご紹介をさせて頂きます。お手元の資料にございますが、先ほどメンバーのお三方にはごあいさつを頂いたところでございますが、そのほかにオブザーバーといたしまして、法務省、警察庁、それから預金保険機構の方々に参加して頂くことになってございます。なお、このほかにも消費者庁につきましては、毎回ご出席を頂きまして、連絡を密にしてまいりたいと思っております。

それでは、早速でございますが、資料を使いまして私のほうから、本PTと振り込め詐欺救済法の概要についてご説明を申し上げたいと思います。

お手元の資料の資料2でございます。「振り込め詐欺救済法に定める預保納付金を巡る諸課題に関するプロジェクトチーム」の設置についてということでございますが、このプロジェクトチームは9月9日に設置されまして、設置を公表してございます。具体的な検討課題につきましては、これはこの法律の概要と密接に関係いたしますので、後ほどご説明いたします。9月9日に設置されましたときの構成メンバーはこの2.のところでございますが、その後、内閣改造がございまして、現在のメンバーは先ほど申し上げたとおりでございます。

それから、3.の今後の検討の進め方ということですが、これにつきましては、今後、有識者、犯罪被害者支援団体、金融機関等からヒアリングを行った上で、その結果を参考にしながら、本年度内を目途に取りまとめを行う予定とされております。

それでは、資料3の大きな横紙をお開き頂きまして、こちらで振り込め詐欺救済法の制度概要につきまして、私からご説明させて頂きます。多少複雑な仕組みになっておりますので、うまく説明できないかもしれませんので、ご容赦頂きたいと思います。

まず、この法律でございますが、通称振り込め詐欺救済法ということになっております。ただし、実は対象になっておりますのは、振り込め詐欺に限られませんで、預貯金口座を利用した財産犯一般が対象にされております。具体的に申し上げますと、架空請求詐欺、オレオレ詐欺などの振り込め詐欺のほかに、ヤミ金が一定程度含まれております。これは、出資法違反の高利で資金を貸したということでございますが、このヤミ金からお金をお借りになった方が、そういう高利でお借りになった方がヤミ金側が指定した口座に元利金を入金するという場合に、これもこの法律の対象になりまして、凍結、失権、それから被害救済手続ということが図られることになっております。

この法律は、実は与野党の議員立法でございます。具体的に申し上げますと、当時の与党でございました自民党から議員立法の提案がございまして、他方、民主党からも対案の提出がございました。その後、両者の提案が撤回されまして、一本化、調整が図られまして、19年12月に当時の財金委員長の委員長提案という形で提案され、成立しております。その後、約半年をおきまして、20年6月からこの法律が施行になっているということでございます。

この法律の定められました一つの背景といたしましては、当時は既に振り込め詐欺もろもろは一般に社会問題として大きく取り上げられておったわけでございますが、その当時は金融機関は、「これは犯罪利用口座ではないか」と思われる預金を約款に基づきまして、自主的に凍結をしておりました。凍結はしていたんですけれども、名義上はこれはその犯罪グループの名義の預金でございますので、これを勝手にどうこうするということができない状態でございましたので、そういう凍結したままの滞留預金が数十億円のオーダーでたまっていて、これをどうするべきかということが一つ背景にあったというふうに伺っております。

それから、この法律の具体的な中身について、ご説明申し上げます。左のほうに残高が1,000円以上の口座という枠組みがあると思います。この法律の大きな枠組みといたしましては、いろいろな警察、消費生活センターその他からの情報提供があって、金融機関が凍結、失権させた預金につきまして、それを原資にして一定の手続を踏んで、実際に振り込んでしまった被害者の方々にお返しするというのが大きなスキームでございます。

そこで、この1,000円以上の口座というのがございますが、こちらにつきましては、凍結させた残高が1,000円以上まだ残っている場合、犯人グループが引き出しをしていなくて、まだ1,000円以上残っている場合についての手続でございます。これにつきましては、金融機関のほうでこの預金を失権させるために、不正確ですけれどもわかりやすく申し上げますと、「没収」させるために預金保険機構に依頼しまして公告手続に付します。公の告で公告でございますが、ここで2カ月間公告を付しまして、預金者その他から何も異議申し立てがない場合には、その預金は犯罪利用口座であるということで、権利を失います、失権されるということになります。その後、振り込んでしまった方々への支払手続に移るわけでございます。それが、この中段やや下のほうに書いてあります支払手続(返金)と書いてございます。こちらにつきましても、基本的には、法の建前としましては、これは預金保険機構のほうに依頼をいたしまして公告をいたします。「こういう犯罪利用口座を凍結、失権させましたので、ここに振り込んだ方は被害を申し出てください」と。その申し出に従って、返金をすると、こういう建前になっております。ただ、現実にはなかなか預金保険機構のホームページをご覧になる方ばかりではございませんので、実際には金融機関側で、既に把握してはっきりわかっている振り込んだ被害者の方に連絡をとる、あるいは、はっきりわかっていなくても、ここが1つの悩ましいところではございますが、振り込みの履歴の記録、それと照合いたしまして、この方はその被害にあって振り込みをしてしまったのではないかと思われる方に、一定程度金融機関側からご連絡をすると。そうやって、被害申請を出して頂くという流れになってございます。そうやって2カ月の期間をおきまして、被害者の被害額の申請がございまして、そのトータルの金額、被害申請のあった金額が、この凍結、失権させた口座の残高より多い場合、これは全額はお返しできませんので、その振り込め被害の額に応じて、一番左の下でございますが、按分支払という形で、被害額に応じてお返しをするということになります。

他方、被害に遭った届け出のあった金額総額よりも、口座残高のほうが多かったという場合には、被害の申し出をなさった方には全額お返しするということでございます。ただ、申請がなかったということで、残った部分、残余金につきましては、これを預金保険機構に納付するという建前になってございます。それがこの右の矢印でございます。

ここで上のほうの残高が1円~999円の口座というところのご説明をいたしますが、ここにつきましては、残高が1,000円未満であるということで、失権手続の公告は行いますが、被害者への返金手続はとらないということに、法律上定められております。ですから、こちらのほうはストレートに預金保険機構に納付されます。その金額が約0.5億円程度でございます。この0.5億円と左側の総額約38億円弱でございますが、これをトータルいたしますと預保納付金の欄に総額約38億円強ということでございますが、そういう金額が法施行後、8月末までの累計で38億円預保に納付されているということでございます。

この納付金につきまして、預保はどうしなければならないかということでございますが、これも法律の規定がございまして、右の欄の点線で囲っている欄でございます。「留保した分」、「留保しなかった分」というふうに枝が2つに分かれておりますが、1つは預金保険機構が納付を受けたものの、「実は犯罪者、犯罪グループでも何でもないのに間違えて預金口座を失権、知らない間に預金口座を失権されてしまいました」という方が事後的に申し出てくる可能性があるということでございます。そういう方には、正当な預金者ですからお返しをしなければならないということで、一定割合を預金保険機構は留保しなければならないということになっております。これを口座名義人等が事後的に申し出てきた場合に使うということでございます。ただし、その支払の必要がなくなったとき、これは法律の文言上そのものでございますが、支払の必要がなくなったときには一番右の犯罪被害者等の支援ということに使うということになっております。

それから、最初の枝分かれしたところの下、「留保しなかった分」、これは留保しなかった部分についてはそのままストレートに矢印が右に流れまして、犯罪被害者等の支援の充実に使うということになっております。なお、この「留保した分」、「留保しなかった分」でございますが、これについては省令で定められておりまして、当時の法律施行時に定められた省令でございますけれども、これはどれだけ間違って失権された方が申し出るかわからないというようなこともありまして、現段階では100%すべてを一たん留保しなさいという規定になっております。ですから、現段階では預保納付金の全額がその「留保した分」というところに1回流れて、支払の必要がなくなったと判断されれば、犯罪被害者の支援の充実のために支出すると、こういう建前になってございます。

以上がこの法律の概要でございますが、このプロジェクトチームの具体的な検討課題につきまして、私から補足説明させて頂きます。

資料4でございます。資料4、検討課題でございますが、1から4まで書いてございます。1から3まではこれは主に使い道に関するものでございます。まず、留保割合というのは先ほどご説明申し上げました、現在のところ全額、とりあえず100%留保するという建前にしておりますが、これを今後どうするのかということでございます。

それから、2.でございますが、現在まで預保に納付されました38億円はすべて一たん留保して、事後的な預金者の救済のために取っておいて、ただし、支払の必要がなくなったと判断したときに、犯罪被害者等の支援の充実に使うということでございますので、この「支払の必要がなくなったとき」というのを、いつだというふうに判断するのかということでございます。

そして、3つ目が一番大きなお話でございますが、預保納付金の具体的使い道でございます。これは法律上、「主務省令の定めるところにより、犯罪被害者等の支援の充実のために支出しなければならない」というふうに規定されておりまして、この省令が現段階までまだ制定されておりませんので、主務省令でその具体的な使い道を定める必要があると。そのために具体的にどのような被害者を対象に、どのような使い道に用いるのかというのをこのPTでご議論頂くわけでございます。

そして、4つ目が、上の3つとはやや異なるお話でございますが、先ほどの大きな紙にも金額が書いてございましたけれども、本年8月末までの累計で、失権させた預金は73億円ございまして、そのうち被害者にお返しできたものが35億円でございます。これをパーセントで申し上げますと47%ということで、これについては、返金に向けた実効性のある取組をもうちょっと進めていく必要があるだろうというふうに考えておりますので、この点についてもこのプロジェクトチームでご議論を頂きたいと思っております。この4.につきましては、次回、第2回の会合で議論することが予定されております。

以上で私からのご説明は終了させて頂きます。ご質問等ございますでしょうか。

もし、ご質問ないようでございましたら、本日お呼びしております関係者、関係機関の方からのヒアリングに移らせて頂きたいと思います。

それでは、まず最初に内閣府の犯罪被害者等施策推進室、太田室長より現在策定中の犯罪被害者等基本計画など、政府における犯罪被害者等施策の概要あるいは犯罪被害者の現状等につきまして、ご説明をお願いしたいと思います。15分程度でよろしくお願いいたします。

○太田犯罪被害者等施策推進室長

ただいまご紹介頂きました内閣府の官房審議官で犯罪被害者等施策推進室長をしております太田でございます。よろしくお願いいたします。失礼して、座って説明させて頂きます。

まず、本日はこのような場にお呼び頂きましてありがとうございます。私の所属しております犯罪被害者等施策推進室でございますけれども、犯罪被害者等施策につきまして、政府全体の総合調整を行う役割を担っております。

お手元に資料5ということで、パワーポイントを転記したものがございます。その1ページ目に掲げておりますけれども、このPTで議論されます預保納付金の使途につきまして、後ほどご説明いたしますように、次期基本計画策定に向けた検討の場においても議論がされております。また、犯罪被害者支援団体からも団体の財政援助に充ててもらいたいとの強い要望が私どものほうに寄せられております。

そこで、本日は犯罪被害者等の置かれた状況や犯罪被害者等施策の発展の経緯につきまして、ご説明を申し上げた後、次期基本計画策定に向けた検討状況、特に預保納付金に関する犯罪被害者支援団体からの要望や会議におけます議論の状況についてご説明をしたいと思います。

まず、当室の役割について簡単にご説明いたしますが、この1ページにございますが、私どもの施策推進室は犯罪被害者等の権利・利益の保護が図られる社会の実現を目指しまして、犯罪被害者等施策の各省庁間の総合調整でございますとか、犯罪被害者等基本計画の推進などの業務を行っております。具体的には、官房長官を長とした関係閣僚及び有識者から構成されます犯罪被害者等施策推進会議の庶務や、犯罪被害者白書の作成、調査研究、また広報啓発活動などを行っております。

ここで、犯罪等、また、犯罪被害者等という言葉の定義についてご説明いたしますが、これは基本法の第2条にございます。それによりますと、犯罪等とは犯罪及びこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす行為であり、罪証を問うものではございません。また、犯罪被害者等とは、犯罪等により害をこうむった者及びその家族、または遺族というふうにされております。

それでは、そういう方々がどのくらいおられるのかということでございますけれども、これにつきましては、ご家族も含まれますことやら、また、警察に届けない、特に性犯罪等では暗数が多いと言われておりますが、そういう方々もおられますので、実数をここで申し上げるのは困難でございますけれども、参考といたしまして、これは警察庁の統計でございますが、この資料にあるような数字になっております。

次、2ページ目でございます。犯罪被害者等の置かれた状況について簡単にご説明いたします。犯罪等の被害に遭いますと、生命や家族を奪われたり、また傷害を負わされたり、財産を奪われるといった直接的な被害だけではなく、精神的ショック、身体の不調、また再び被害を受けるのではないかという不安や恐怖にさいなまれます。また、働き手の喪失や医療費等の負担によります経済的困窮に陥ることもございますし、周囲の配慮に欠けた対応により、いわゆる二次的被害ということを受けることもあります。当室では平成19年度から平成21年度に殺人・傷害事件、性犯罪、交通事故の被害者等を対象とした犯罪被害者累計別継続調査というものを実施しております。その結果につきましては、当室のホームページにも掲載しておりますが、この結果からご紹介申し上げますと、犯罪被害者等の精神健康状態につきましては、この上のほうのグラフでございますけれども、時間の経過とともに改善傾向が見られますものの、精神健康状態を示す心理的なテストでは、重症精神障害者の障害相当の方の割合というものは、犯罪被害者等の方々はそうでない方々に比べて10倍近くの数値を示しております。また、事件直後から現在までの経済状況としまして、悪化した、やや悪化したという回答は毎年度大体4割程度なっております。これら経済的状況が悪化した人のうち、事件に関連する問題によって悪化したと回答した人の割合は、この下のほうの右のグラフにありますようにかなり多くなっておりまして、事件による経済的打撃というのは、事件直後のみならず継続的にも続いていくものだということを示しております。

次に、3ページ目でございます。犯罪被害者等施策の発展の経緯についてご説明いたします。犯罪被害者等基本法は平成16年12月に制定されましたが、この基本法の制定以前からも犯罪被害者給付制度でありますとか、自賠責でありますとか、犯罪被害者等のための取組というのは、それぞれの各省庁においてなされてはきておりました。しかしながら、あくまでも各省庁単位ということでございましたので、一定の成果はあったものの犯罪被害者等の置かれた状況は、なお深刻でありさらなる施策の進展というものが求められておりました。そこで平成16年12月に犯罪被害者等の権利利益の保護を図ることを目的として、犯罪被害者等基本法が制定をされたのであります。この基本法は、犯罪被害者等のための施策に府省庁、横断的に取組、これらを総合的、計画的に推進していくという基本構想を示したもので平成17年4月に施行されました。また、同法の施行に伴いまして、内閣府に私の所属しております犯罪被害者等施策推進室が設置をされ、政府全体の犯罪被害者等施策の総合調整の役割を担うこととなったわけであります。

次、4ページであります。ここで1つ申し上げておきたいことは、この犯罪被害者等のための施策の進展というものは、犯罪被害者団体や犯罪被害者支援団体の方々の活動が大きく寄与しているということでございます。犯罪被害給付制度の創設には、通り魔の事件で子供さんを亡くされた方の活動がきっかけで始まりましたし、また、警察や民間被害者支援団体による支援の活発化というものは、交通犯罪で、子供さんを亡くされたご遺族の発言がきっかけとなってございます。また、基本法自体も犯罪被害者団体により署名活動や陳情が議員立法に結びついた状況でございます。

次に、5ページ目でございます。基本法におきましては、政府は犯罪被害者等施策の大綱であります犯罪被害者等基本計画を策定することとされております。平成17年12月に現在の基本計画が閣議決定をされております。計画策定時になかなか結論の出なかった問題につきましては、この資料の真ん中にございますけれども、経済的支援に関する検討会、支援のための連携に関する検討会、民間団体の援助に関する検討会の3つの検討会を設け、別途検討することとされました。それぞれの検討会の結果につきましては、取りまとめがなされ、平成19年11月に犯罪被害者等施策推進会議におきまして、そのそれぞれの取りまとめの結論に従った施策を推進していくことが決定されました。なお、現在の基本計画の策定に向けた会議や、また、この3つの検討会の議事録等も当室のホームページに載ってございますので、参考にして頂ければと思います。

次に6ページでございます。現在の犯罪被害者等基本計画はこの6ページの資料のとおり、4つの基本方針、尊厳にふさわしい処遇を権利として保障すること、以下の4つの基本方針のもと、5つの重点課題、損害回復・経済的支援等への取組、以下の5つでございますけれども、これらの課題にそれぞれの施策が体系的に位置づけられております。犯罪被害者等基本計画は、おおむね現在のところ順調に推進をされていると考えています。策定時に検討課題とされました施策、例えば犯罪被害給付制度の拡充や刑事裁判へ被害者が参加する制度についてなど、この下にございますが実現が図られているところでございます。

次に、次期基本計画策定に向けた検討状況、預保納付金の使途に関するご要望や基本計画策定推進専門委員等会議における議論の状況についてご説明いたします。現行計画の計画期間というものは、平成22年度までとされてございます。現在、次期計画の策定に向けた検討が進められているわけであります。

7ページにございますとおり、まず検討に当たりましては、昨年9月から全国7カ所で犯罪被害者団体及び犯罪被害者支援団体を対象とした要望聴取会を開催いたしました。

8ページでございますけれども、次にそこで把握をした要望につきましては、本年2月から犯罪被害者等施策推進会議のもとにおかれました基本計画策定推進専門委員等会議の場で検討を重ねてまいりました。現在、その骨子につきまして、国民からの意見募集、パブリックコメントをしているところでございます。

次に9ページでございます。今後の予定といたしましては、この検討結果を踏まえまして、来年1月下旬から2月ごろまでの間にできればということですが、新たな第二次基本計画を閣議決定して頂く予定としております。なお、これらの議事録につきましても、当室のホームページに載せてございます。

次に10ページでございます。今、申し上げました要望聴取会では、犯罪被害者団体や犯罪被害者支援団体から、公的資金による民間団体支援基金を創設して、経済的援助を行うべきであり、支援センターの維持にかかる基盤整備費用について補助をしてほしいなど、国に財政的、直接的な支援を求める要望が多数寄せられております。この資料の青枠でくくっている部分でございます。現状では警察でありますとか、地方公共団体によります事業費補助等の支援というものは、ある程度実施をされております。ただ、それだけでは不十分であるというご意見でございます。

一方で、民間団体に対する国による直接的な財政的な支援に関しましては、先ほど申し上げました3つの検討会のうちの1つであります民間団体への援助に関する検討会の場におきまして、民間団体は関係機関と連携しながら、独立した組織として自主的に活動していること、また、行政改革の流れの中で国から公益法人に支出される補助金、委託費等の見直しが行われている状況等にかんがみると、まずは各団体において可能な限り必要な経費を確保することが望まれる旨の結論となってございます。そのようなことから、犯罪被害者支援団体等からのこうした財政基盤充実への要望に対応するために、この一番下のほうでございますけれども、次期計画案の骨子では、民間団体による被害者支援募金、これは仮称でございますが、これの創設等への検討に協力するという施策が盛り込まれております。これは全国統一の被害者支援募金の創設に向けた検討の場を設けるに際しての調整でございますとか、募金活動で得られた寄附金を活用した基金創設に関する助言などの協力を想定しております。

ところで、犯罪被害者支援団体は、このPTで議論されております預保納付金に関しまして非常に注目をしております。先ほど申し上げました要望聴取会では、振り込め詐欺救済法に定める残余金をもとに被害者の民間基金、支援団体のための民間基金の両方の性格を備えた全国被害者支援基金を創設してほしいという具体的な要望も出ております。そして、専門委員会等の会議の検討の場におきましても、有識者委員から預保納付金を犯罪被害者等支援に活用すべきという意見が出されました。そのような観点から、先ほどご覧いただきました、この10ページの一番下の骨子の案の策定の作業の中でございますけれども、ここの中に警察庁以下、関係省庁の名前を載せておりますが、この協力省庁の中に金融庁を明記してほしいという意見も出されたところでございますが、預保納付金の使途につきましては、このPTの場で検討結果を受けて今後の対応を考えていくということで、骨子への記載は見送っていると、そういう経緯がございます。

次に11ページ目でございます。犯罪被害者支援団体は、財産犯以外の支援を主に行っているものが多いのでございますけれども、いずれも犯罪被害者等の権利・利益の保護が図られる社会づくりのために極めて重要な役割を担っているというふうに考えております。したがいまして、犯罪被害者等施策について政府全体の総合調整を行う役割を担っている当室といたしましては、預保納付金の使途について、生命や身体を傷つけられた被害者や遺族の被害の深刻さにも注目して頂き、犯罪被害者支援団体等からのヒアリングの際には、その財政状況や活動実態、要望についてお聞き頂きたいというふうに願っております。

また、当然のことながら、振り込め詐欺等の被害者の方の被害の回復は重要でございまして、金融機関等において返金率向上のための最大限の努力をしていただきたいと考えております。それでもなお、返金できなかった預保納付金につきましては、できるだけ早く犯罪被害者等の支援の充実に活用頂きますよう、ご検討を頂ければと考えております。

内閣府からの発表は以上でございます。どうもありがとうございました。

○油布調査室長

ありがとうございました。

ご質問につきましては、ヒアリング3つ全体が終わったところでまとめてということでよろしゅうございますでしょうか。

それでは、引き続きまして、本日は警察庁長官官房坂口総括審議官にお見えになって頂いております。被害者支援施策、振り込め詐欺やヤミ金被害の現状と対策等についてご説明をお願いいたしたいと思います。おおむね15分程度でお願いいたします。

○坂口長官官房総括審議官

警察庁の総括審議官の坂口でございます。それでは、座って失礼いたします。

警察庁からは大きく2つのテーマ、1つは私ども警察庁のほうで行っております主な被害者の支援施策についてご説明を申し上げます。これは、先ほど内閣府さんからありました説明と若干ダブるものもございますが、多少重複をいとわずご説明申し上げます。2つ目が振り込め詐欺事犯、ヤミ金融事犯の現状と対策についてご説明申し上げようと思います。

まず、私ども警察で行っております被害者支援施策についてご説明を申し上げます。資料6-1というパンフレットがございますので、これを見ながらお聞き頂ければと思います。先ほど、内閣府の説明にもございましたように、犯罪被害者あるいはそのご遺族の方が抱える問題というのは、大きく分けまして、やはり経済的な問題と精神的な心理的な問題、この2つに分けられると思います。まず、経済的な問題につきましては、例えば一家の大黒柱を失う、あるいは後遺障害によって収入が減少したり失職したりする、あるいは医療費の負担があるというような問題がございます。

こういった経済的な問題を救済するための中心的な施策としましては、犯罪被害給付制度というものがございます。これはパンフレットの9ページから13ページにその概要をお示ししております。この制度は、ご案内のように、昭和49年の三菱重工ビルの爆破事件がございまして、実は、あの事件の中で、被害者の中ではいわゆる労働災害補償で救済された方が多数おられたんですが、一方、仕事の途中ではない、単に通りかかったということでこの制度から漏れてしまった被害者の方が多数おられました。この方々は、当然加害者からも請求が取れない、国からも当時はそういった救済の制度がなかったという問題がございまして、こういった方々の声等々を中心にいろいろ議論がなされまして、ある意味ではほかの公的救済を得られない被害者の方を救済する最後のよりどころとしまして、昭和56年から施行されている制度でございます。

10ページ、11ページをご覧頂きますと犯罪の被害者遺族に支給されます遺族給付金、それと重症を負われた方に支給する重傷病給付金、それと後遺障害が残られた方に対して支給する障害給付金の3種類がございます。これも申請される方の便宜を図るために、犯罪の発生地ではなくて、それぞれ被害者がお住まいになっている地域の公安委員会で審査を受け付けて、給付金を支給するという仕組みになっております。

支給額につきましては、制度来、いろいろとご意見がございました。数次の改正を経まして、特に直近の平成20年の改正におきましては、生計維持関係にあるご遺族への遺族給付、重度後遺障害の方の障害給付の額をそれまでの約2倍以上に引き上げるなど、いろいろまだ課題はございますが、改善を図ってきたというのが現状でございます。

経済的な問題については、こういう形で一応、国の制度はあるわけですが、実はこれでも漏れる部分がございますので、その部分について民間団体の力が不可欠であります。例えば、海外で犯罪被害に遭われた方で、日本に戻られてもまだ悲惨な状況にある方というのもおられます。実はこれはこの制度の対象から外れておりまして、こういった部分につきましては、支給金を民間のほうで、額は大変低いんですが、やって頂いているような制度を設けております。さらには、こういったご遺族の中でも、お子さん方への奨学資金という問題もございまして、これにつきましてもやはりこの制度から漏れておりまして、この部分につきましても、民間団体でやって頂いているというのがございまして、この経済的な問題につきましても、まず国と民間が両輪で制度を進めているのが現状でございます。

それと、いわゆる心理的なケアの問題でございます。これにつきましては、やはり早急にカウンセリングを受けて頂くということが何といっても大事なことなんですが、このパンフレットの8ページにありますように、私どものほうもいろいろな窓口をつくっております。全国で臨床心理士の資格を持つ職員を採用したり、外部の精神科の医師に委託するなど、いろいろな施策を設けておりますが、これをとってもやはり中長期的になってまいりますとなかなか公だけでは手に負えない部分もございます。

こういう観点から、先ほど内閣府さんからご説明ありましたようないろいろな民間の支援団体、これがある意味では国の活動をフォローして頂いておりまして、特にこういった分野では、やはり特に民の力に多く頼っている部分がございます。そういう形である意味では、現在の我が国の被害者支援ということにつきましては、国や地方公共団体という公の部分と、そして民間団体の支援という、まさにその両者が両輪となって進めているというのが現状でございます。

そういう観点から、先ほど民間団体からのいろいろな声が、内閣府さんを通じて上がっているというのが現状ではないかというふうに思っております。被害者支援の関係は以上でございます。

次に、大きな2点目の振り込め詐欺事犯、それとヤミ金融事犯の現状と対策についてご説明申し上げます。資料の6-2という資料がございますので、これをご覧頂ければと思います。

まず、振り込め詐欺の現状でございますが、親族を装うなどして電話をかけてきて、動転した被害者に指定した金融口座に振り込ませるという、いわゆるオレオレ詐欺を初めとしました振り込め詐欺につきましては、このグラフにもありますように平成15年ごろから目立ち始めたんですが、16年には認知件数25,000件以上、被害総額約284億という大変深刻な状況になりました。犯行グループが、実は首都圏に集中しておりましたので、ここに捜査力を投入するということ等々で、いろいろな全庁を挙げた対策をとってまいりました。

さらには予防活動につきましても、マスコミ等関係機関のご協力を頂きながら、金融機関にもご協力を頂きながら、いろいろな予防活動についても展開してまいりました。その結果としまして、平成21年になりますと認知件数も7,300件余り、被害総額も96億円と、ピークであった平成16年の約3分の1になってまいりました。22年の上半期につきましても、認知件数が3,200件余り、被害総額も36億円となっております。また、このグラフに上げている数字は直近の1月~8月のものですが、引き続き減少傾向という状況ではございますが、これとてもまだ月平均約6億円の被害があるという現状でございます。最近また目立つのは、一時減ったいわゆるオレオレ詐欺が増えておりますのと、まだATMに振り込ませるタイプも多いのですが、最近はどうも警察官ですとか銀行協会職員等を名乗って、キャッシュカードをだましてとりに来るというタイプのものも散見されまして、まだまだ予断を許さない状況ではないかなというふうに思っております。詳しい認知・検挙記録の数字につきましては、この6-2の資料2枚目に載っておりますので、ここを参照頂ければと思います。

次に、ヤミ金融の事犯につきましては、各県警に設置しておりますヤミ金融事犯集中取締本部によります継続した取締体制を確立しております。この紙の3枚目をご覧ください。改正貸金業法の施行等のヤミ金融対策ですとか、それと私どもの取締り等によりまして、ヤミ金融事犯の被害につきましては、徐々に数も減少しておりますし、中身についても、要するに被害額についても小型化しているかなというふうに見ております。

この資料の一番最後ですね、ここにもうちょっと具体的な数字を挙げておりますが、平成21年の検挙事件数は442件、検挙人員は815人になります。これは前年比で事件数はほぼ横ばい、人員は減少ということであります。この442件におけます被害人員につきましては94,000人余りでございまして、被害額につきましては約198億円余りとなっております。これは前年比で特に減少いたしました。本年上半期というふうになりますと、検挙事件は230事件、検挙人員は386人ということになりまして、これも前年同期比で見ますと、事件数はほぼ横ばい、マイナス9件であります。人員は減少、マイナス69人と。この230事件におけます被害人員等は33,000人余り、被害額等は約64億円ということで、これも前年同期比でともに減少しております。そういうことで、減少・小型化ということでないかと思っております。改正貸金業法の完全施行が先日行われましたが、この後、ヤミ金融事犯に与える影響はどうなのかということについて、私どもの方も注視してまいりたいというふうに思っております。

次に、それぞれの事犯の犯罪被害防止対策ないし取締り、そしてまた、金融機関との連携状況でございますが、この振り込め詐欺事犯、それとヤミ金融事犯の被害の未然防止、拡大防止対策としまして、いわゆるこの振り込め詐欺救済法の第3条によります口座凍結というのが非常に有効でございます。被害届ですとか、相談、情報などによって、犯罪利用口座を認知した場合には、積極的に金融機関に対して口座凍結を依頼して実施しております。また、そういったための情報を広く届けるために、私どもでは相談の専用電話ですとか、ホームページの受付等々、いろいろな窓口を設けております。取締りにつきましては、やはりこの犯行には口座と携帯電話が必須のツールでありますので、ここに犯行グループが違法にアクセスできないようにするという対策が有効でございまして、金融機関ですとか、携帯電話会社などと連携しながら、身分確認を徹底しまして、口座の不正開設ですとか、譲り受けなどの犯罪収益移転防止法違反ですとか、携帯電話不正利用防止法違反といった、こういうような法令を駆使して取締りを強化しております。

また、ヤミ金融事犯では、無登録貸金業に係るインターネット上の違法広告の削除等も強化しておりまして、引き続きこれらの取組みを強化しております。検挙の手法につきましても、そういうことで実態を踏まえて、いろいろな取組みをしているところでございます。

やはりまだ、振り込め詐欺の被害金の多くがATMですとか、金融機関の窓口を利用して送金されているということでございますので、金融機関等々、さらにはコンビニエンスストアとのご協力を頂きながら、振り込め詐欺が疑われる場合の利用者への積極的な声かけ、これにつきましても、ある意味では被害の未然防止の最後のラインと、水際対策ということでご協力頂きながら積極的に進めております。加えまして、被害に遭った後の犯罪被害回復にも資するように、被害者の方々に対しましては、その凍結口座に滞留している被害金の還付手続につきまして、金融機関等とも連携しながら教示をさせて頂きまして、まさに被害回復に努めているところでございます。

ということで、まさに金融機関を初め、関係機関と連携しながらこういった振り込め詐欺、さらにはヤミ金対策については、今後とも進めてまいりたいと思っております。警察庁からの説明は以上でございます。

○油布調査室長

ありがとうございました。

それでは、最後でございますが、預金保険機構から大森財務部長にお越し頂いております。振り込め詐欺救済法に基づく公告の状況、預保納付金の推移等についてご説明をお願いいたします。

○大森財務部長

預金保険機構財務部長の大森でございます。座ってご説明させていただきます。

お手元の資料7-1とございます。「振り込め詐欺救済法」と預金保険機構の業務というタイトルでございます。これに沿ってご説明申し上げます。

まず、資料の2ページをご覧頂きたいと思います。先ほどの金融庁油布室長の説明と若干重複いたしますが、簡単にご説明させて頂きたいと思います。振り込め詐欺救済法におきます預金保険機構の主な役割でございますが、左側にございますように主として公告事務、それから納付金の管理、この2つに分けられます。

まず、公告事務の主な内容でございますけれども、1つ目のポチ、金融機関の求めに応じまして、犯罪に使われた口座の情報を公告すること。2つ目のポチですが、公告の対象は預金口座等への振り込みを利用して詐欺等の経済事犯に利用された口座の情報でございます。主な公告でございますけれども、現在、月に2回インターネットを利用して機構が開設いたしました公告専用のホームページに掲載しております。

それから、納付金の管理でございます。金融機関から預金保険機構に納付される金額は、大きく2種類ございまして、1つは金融機関が口座を凍結した際に、口座の残高が1,000円未満の場合、法律上、被害者への支払対象外となるということで消滅手続を経て、機構に納付されます。2つ目は分配金の支払手続終了後に預金債権が、例えば被害者があらわれなかった場合など残った場合、この場合残額が機構に納付されることになります。納付の時期でございますけれども、四半期ごとに3カ月分をまとめて納付することとしております。また、支出に関しましては誤って権利を失わされた預金者等に対する口座名義人の権利救済のための支出。それから、主務省令の定めるところによる犯罪被害者等の支援の充実のための支出がございます。これにつきましては、今回のプロジェクトチームの検討事項となっているところでございます。

1枚資料をおめくり頂きまして、3ページ目、公告の実施状況についてご説明いたします。このグラフ、被害者への分配金の支払手続に係ります公告につきまして、公告開始当初から公告された口座数、それから対象となった預金残高、それぞれの推移をあらわしたものでございます。公告につきましては、平成20年7月から開始したところでございますけれども、当初、初年度は法律制定以前に金融機関のほうで凍結ないし留保されていた口座が大量に出されたということから、平成20年度でございますと公告件数は45,000件、大体公告1回あたり平均4,000件強にも及んでおります。また、消滅した預金債権額は67億円でございました。平成21年度に入りますと、金融機関における留保分が減少したこと、それから関係者、警察の方々、金融機関の方々において、いろいろな詐欺防止活動が積極的に行われたということも相まわりまして、公告件数は前の年に比べてほぼ半分となっております。しかしながら、犯罪行為、なかなか後を絶たない状況でございまして、22年度に入りましても8月末までで4,777件、大体公告1回当たり平均500件前後が公告としてなされているところでございます。なお、これらの公告件数でございますけれども、預金口座の振り込みを利用して経済事犯に利用された口座が対象だということでございますので、犯罪件数とはリンクしないものであることは念のため申し上げておきます。

さらに、4ページ目をご覧頂きまして、これはこれまでに私どものほうで実施した支払開始手続の公告につきまして、金融機関からの「振込利用犯罪行為の概要」欄というのが私どもに資料としてまいりますので、それをもとに類計別に集計したものでございます。金融機関のこの記載内容を見ますと、1つの口座で複数の犯罪を記載しているものがある等、なかなか明確に分類することは難しいんですが、大きな傾向といたしまして大きく分けますと詐欺関連の事案が大体4分の3ぐらい、それからヤミ金融の関係が4分の1程度あるといった状況になっております。

最後のページでございますが、資料5ページ、納付金の状況でございます。この支払手続終了公告に基づきまして、消滅した預金債権の残高を原資として被害者に支払われた額、それから被害者に支払われずに機構に納付された額につきまして、8月の公告分までの推移を棒グラフと実績で示したものでございます。下の段の罫表の右から2番目の累計欄、ご覧頂きますと消滅預金等債権の額、総額は79億円でございます。そのうち、被害者への支払額が37億円、機構への納付予定額は42億円となっております。これは予定額でございまして、現在実際に機構に納付されている納付金の残高は右方の欄で38億円でございます。納付金につきましては、四半期ごとに金融機関から納付されますので、実際に機構に現在納付されているものは6月公告分まででございます。被害者への支出の割合、ざくっと見ますと、総じて見れば、上の左側のグラフのとおり5割を下回る状況になっておりますが、上段右側のグラフ、ご覧頂きまして、22年度に入りますと被害者への支払の割合が機構への納付額を若干上回る状況となっております。被害者への支払割合が、特に当初なかなか上がっていなかったことの背景につきましては、当機構のほうではなかなか詳細を把握することは困難でございますが、いろいろ金融機関から、あるいは被害者の方から預金保険機構へ照会等いろいろされている中で申し上げますと、当初は振り込め詐欺救済法が施行される以前に凍結された口座も対象になっておりまして、そうしたものにつきましては、なかなかそれぞれの口座にかわります被害者への連絡が取れないものがあるといったことがございました。また、法施行前後で警察あるいは金融機関において被害者への連絡体制というのが徐々に整備されてきておりますので、そうしたことで少し被害者への納付率が上がってきたというところがあると思います。

また、もう1点としては、公告制度を知らないために、この申請期間が過ぎてしまっていたために分配金を受けられなかったという声もございます。今後、納付金の具体的な使途を検討するということでございますが、例えばこうした分配金支払申請に漏れた被害者への対応というのも振り込め詐欺被害者に近いところに使っていくという検討もあわせて行って頂ければと思います。

注の一番下でございますけれども、口座名義人等の権利の救済ということで、支出実績でございますが、これはまだ1件の11,000円ということになっております。機構の公告事務に関する詳細につきましては、振り込め詐欺救済法に基づきまして、平成21年度実施した公告ということで機構として法律上報告することになっております。その資料を参考までに添付しております。後ほどご覧頂ければと思います。私のほうからの説明は以上でございます。

○油布調査室長

ありがとうございました。

それでは、ただいまのご説明に関します質問あるいはご意見、コメント等あればお願いいたしたいと思います。

ちょっと私のほうから、補足説明1つだけさせて頂きます。

ただいまの預金保険機構のご説明の中で、失権預金の総額100億円という数字が幾つか出てまいりました。私が冒頭申し上げた数字が73億円でございますが、この違いは何かということでございますけれども、これは73億円というのは手続が完全に終了したものが73億円でございます。この73億円と100億円の差額のものは、まだ途中の公告手続とかのパイプラインに残っているものを含めると100億円。この100億円の中からまた被害者に救済、お返しできたものを除いて、その差額が預金保険機構のほうに納付されてくるということになります。預保のご説明にもございましたけれども、施行直後のピークのころを除きまして、やや預保に納付される金額は安定してきておりますけれども、ざっと目の子で見て月単位で申し上げますと1億円前後の金額が納付されてきていると、今後も納付される可能性があると。これは返金率を上げるということであれば、この金額は減っていくということでございます。

○吉田財務大臣政務官

内閣府の太田室長にちょっと確認ですが、資料5の10ページ、預保納付金の使途に関して、今いろいろな要望がきているという中に民間団体からの要望ということでポツの2つ目ですか、被害者のための基金を創設してほしいという意見がきているわけですが、ここでいう被害者というのは振り込め詐欺関係の被害者団体なのか、それとも交通事故やらいろいろな幅広い被害者団体のためという趣旨なのか、その辺はいかがでしょう。

○太田犯罪被害者等施策推進室長

お答えします。後者のほうでございます、一般の事件全部を含めた。

○油布調査室長

それでは特によろしゅうございますでしょうか。

それでは、第1回のヒアリングにつきまして終了させて頂きますが、座長でございます和田政務官から閉会のごあいさつを賜りたいと思います。よろしくお願いいたします。

○和田内閣府大臣政務官

皆様、長時間ありがとうございました。

いろいろご説明を頂きましたが、我々が一番、まず心を届けなければいけないのが、このような犯罪の被害に遭われた方々でございます。そうしたことで、とにかくそういった方々にお返しできる分を最大化するという努力をしつつも、先ほど説明いたしましたように仕組みにのっとりまして、預金保険機構のほうに納付されたものについての取り扱いを考えていくと、この2つが大きなテーマであろうと思います。今日、いろいろとご説明頂きましたので、また次回からこうしたことを共通の題材にいたしまして、今申し上げた2つのテーマをどのように取り扱っていけばよいのか、忌憚ないご意見を頂ければというふうに考えております。

今日はどうもお忙しい中、本当にありがとうございました。

○油布調査室長

ありがとうございました。

次回の日程につきましては、また追ってご連絡させて頂きます。

本日はお忙しいところ、大変ありがとうございました。

以上

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局企画課調査室
(内線3647、3524)

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