改正信託業法が施行されました

  • 信託業法は、大正11年の制定以来、82年ぶりに全面改正され、平成16年12月30日に改正信託業法が施行されました。

    これにより、受託可能財産の制限が撤廃され、特許権や著作権などの知的財産権についても受託することが可能となりました。また、これまで金融機関に限定されていた信託業の担い手が拡大され、金融機関以外の方も信託業に参入することが可能となりました。

    さらに、信託契約代理店制度や信託受益権販売業者制度が設けられ、信託サービスの利用者の窓口が広がることになりました。

  • 新信託法の施行に伴う改正信託業法が、平成19年9月30日に施行されました。

    新信託法において、新しい信託類型として自己信託が創設されたことなどから、改正信託業法では、自己信託の受益権を多数の者が取得することができる場合は登録制とするほか、委託者や受託者の保護に支障を生ずることのない範囲内で受託者の義務等を見直しました。

    また同日、証券取引法等の一部を改正する法律の施行に伴う改正信託業法が施行されました。

    これにより、市場リスクにより信託の元本について損失が生じるおそれのある信託契約については、金融商品取引法の規制が準用されることになりました。また、金融商品取引法の施行により、信託受益権販売業者は、すべて金融商品取引法の規制対象である金融商品取引業者として取り扱われることとなりました。

1.信託業、特定の信託、信託契約代理業とは

(1)信託業

信託業とは、「信託の引受けを行う営業」と定義され、これを営む場合には内閣総理大臣の免許を受ける必要があります。ただし、営もうとする信託業が管理型信託業(注)である場合には、内閣総理大臣の登録(3年ごとの更新制)を受けて営むことができます。

(注) 管理型信託業とは、信託業のうち、次のいずれかに該当する信託のみの引受けを行う営業をいいます。

  • 委託者又は委託者から指図の権限の委託を受けた者(委託者又は委託者から指図の権限の委託を受けた者が受託者と密接な関係を有する者以外の者である場合に限ります。)のみの指図により信託財産の管理又は処分が行われる信託
  • 信託財産につき保存行為又は財産の性質を変えない範囲内の利用行為若しくは改良行為のみが行われる信託

(2)特定の信託

以下の信託については、特別の取扱いをすることとされています。

  • 自己信託(信託法第3条第3号に掲げる方法によってする信託)

    自己信託をしようとする者で、その信託の受益権を多数の者が取得することが出来る場合には、登録を受ける必要があります。

    なお、自己信託に関する規定は、信託法の施行日である平成19年9月30日から1年を経過した後に施行されます。

  • グループ企業内の信託業

    グループ企業内で行われる信託業(委託者、受託者及び受益者が同一の会社集団に属していることが必要です。)については、その信託の受託者が内閣総理大臣に届出を行うことにより、免許又は登録を受けることなく営むことができます。

    なお、グループ企業内で行われる信託業については、基本的には企業グループの私的自治に委ねることが適当であると考えられるため、特に必要があると認められる場合の報告の求めや立入検査を除き、規制は課されません。

  • 承認TLO(Technology Licensing Organization:技術移転機関)

    「大学等技術移転促進法」に基づき主務大臣の承認を受けた技術移転機関(承認TLO)については、内閣総理大臣の登録を受けることにより、免許を受けることなく信託業を営むことができます。

    なお、承認TLOの登録拒否要件は、管理型信託業の登録拒否要件に準じますが、組織形態を株式会社に限定しないなど、管理型信託業の登録拒否要件の一部が緩和されています。

(3)信託契約代理業

信託契約代理業とは、「信託契約(当該信託契約に基づく信託の受託者が当該信託の受益権の発行者とされる場合を除く)の締結の代理(信託会社又は外国信託会社を代理する場合に限ります。)又は媒介を行う営業」と定義され、内閣総理大臣の登録を受けて営むことができます。

なお、信託契約代理店は、所属信託会社又は所属信託兼営金融機関のために信託契約代理業を営むこととされています。

2.信託業、特定の信託、信託契約代理業の免許又は登録申請をご検討中の方へ

免許又は登録の申請書は、以下の参入区分ごとに金融庁、財務局又は財務事務所のいずれかに対して提出することになります。

  • 信託業の免許

    申請される方の本店の所在地を管轄する財務局(外国の法令に準拠して外国において信託業を営む方が国内に支店を設けて信託業を営む場合の免許申請については金融庁)

  • 管理型信託業、自己信託、承認TLO又は信託契約代理業の登録

    申請される方の主たる営業所等の所在地を管轄する財務局(主たる営業所等の所在地が財務事務所の管轄区域内にあるときは財務事務所)

  • グループ企業内信託業の届出

    届け出る方の主たる営業所等の所在地を管轄する財務局

申請に際しては、信託業法施行規則に規定されている様式に基づき申請書を作成することのほか、所要の添付書類が必要となります。また、最低資本金規制(信託業:1億円、管理型信託業:5千万円、自己信託を行う者:3千万円、信託契約代理業:規制なし)や、営業開始前の営業保証金の供託義務(信託業:2千5百万円、管理型信託業、自己信託及び承認TLO:1千万円、信託契約代理業:規制なし)等があります。詳しくは、信託業法、信託業法施行令、信託業法施行規則及び信託業法関連告示をご確認いただくほか(法令のご確認にあたっては、法令データ提供システム新しいウィンドウで開きますをご活用下さい。)、 信託会社等に関する総合的な監督指針(PDF:401K)にも留意する必要があります。

なお、信託契約代理業の登録申請に当たっては、信託会社又は信託兼営金融機関との間で信託契約代理業に係る業務委託契約を締結しておくことなどが必要となりますので、契約締結先となる信託会社又は信託兼営金融機関に事前にご相談されることをお勧めいたします。

【申請書様式のダウンロード】

信託業

管理型信託業

自己信託

承認TLO

信託契約代理業

【信託業法施行規則別紙様式のダウンロード

3.信託業法に関する金融庁の考え方について

信託業法は、信託法や民法との関わりが深く解釈に委ねられる規定が多いことや、平成16年以降、信託活用のニーズを踏まえた制度改正が行われていることなどから、多数の方々から条文の解釈に関する照会が金融庁及び財務局に寄せられているところです。

信託業法に関する金融庁の考え方については、信託業法施行令、信託業法施行規則、信託会社等に関する総合的な監督指針や、以下のパブリックコメントに対する金融庁の考え方をご参照いただくほか、多数の照会が寄せられている事項について金融庁の考え方を取りまとめた「信託業法Q&A(116K)」や法令適用事前確認手続に係る照会に対する回答もご参照下さい。なお、「信託業法Q&A」は、必要に応じて更新していきます。

(注)「信託業法Q&A」は、信託業法の施行に伴う広報の一環として公表するものであり、事業者や業界団体からの照会を受けて行う「一般的な法令解釈に係る書面照会手続」とは異なるものです。

パブリックコメントに対する金融庁の考え方

信託業法施行令、信託業法施行規則関係
公表日 案件
平成22年11月19日 「信託業法施行規則等の一部を改正する内閣府令案」のパブリックコメントに対する金融庁の考え方(PDF:92K)
平成20年6月13日 「信託業法施行規則等の一部を改正する内閣府令案」のパブリックコメントに対する金融庁の考え方(PDF:54K)
平成20年3月31日 「信託業法施行規則の一部を改正する内閣府令案」のパブリックコメントに対する金融庁の考え方(PDF:50K)
平成19年7月31日 「金融商品取引法制に関する政令案・内閣府令案等」に対するパブリックコメントの結果等について(PDF:4,753K)
平成19年7月13日 「信託法及び信託法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の施行に伴う金融庁関係政令の整備に関する政令(案)」及び「信託業法施行規則等の一部を改正する内閣府令等(案)」に対するパブリックコメントの結果について(PDF:286K)
平成16年12月27日 信託業法の施行に伴う政令・府省令の整備案のパブリックコメントに対する考え方(PDF:248K)

4.商号に「信託」という文字を使用することについて

信託業法は、信託会社に対してその商号中に「信託」という文字の使用を義務付ける一方、一般の皆さんの誤認防止のため、信託会社でない者に対しては、銀行や証券会社などと同様、その商号中に信託会社であると誤認させるおそれのある文字の使用を禁止しており、違反者には30万円以下の罰金が課せられます。

特に、違法な金融業者の中には、免許又は登録を受けた信託会社でないにもかかわらず、その商号中に「信託」などという文字を使用して顧客を信用させ、貸付けを行おうとする例も見受けられます。このような例をはじめ、商号に信託会社であると誤認させるおそれのある文字を使用している事実が判明した場合には、当局は、信託会社等に関する総合的な監督指針2-2に基づき、文書による警告や捜査当局への連絡などを行うことになります。

なお、このような無免許・無登録業者については、商号に「信託」等の文字を使用している無免許・無登録業者一覧(PDF:123K)に掲載しています。

5.投資家の皆様へ

  • (1) 信託商品への投資について

    信託業の担い手の拡大及び信託サービスの窓口の拡大に伴い、様々な業態から信託業、信託契約代理業、信託受益権販売業への参入が見込まれ、今後、多様な形態の信託会社、信託契約代理店(以下「信託会社等」といいます。)が投資家の皆様に対して信託商品を提供することになると考えられます。

    信託商品については、信託兼営金融機関が受託者となる一部の商品を除き、信託業法の規定により元本保証を行うことは禁じられているため、運用実績に基づき配当が支払われることになります。したがって、信託契約の締結又は信託受益権の購入に当たっては、信託会社等から十分な説明を受け、その商品の内容を理解したうえで契約を締結することが重要です。また、信託会社等は、信託契約又は信託受益権販売契約の締結前に商品内容の説明を行うとともに、契約締結時に契約内容を記載した書面を交付することが求められています。

  • (2) 無免許・無登録業者にご注意

    信託業、信託契約代理業は、信託業法に基づく免許(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律に基づく兼営の認可を含みます。)又は登録を受けた者でなければ営むことができません。また、信託契約代理店には、信託業法に基づき営業所に登録番号などを記載した標識(下記〔参考〕参照)を掲示することが求められているほか、信託契約代理店には、契約締結前に所属信託会社の商号等を明示することが義務付けられています。

    しかしながら、例えば、登録を受けていない業者が信託会社等の名を偽って、信託商品の購入の勧誘を行うことも想定されますので、投資家の皆様が、信託会社等と契約を締結される際には、その業者が免許又は登録を受けた業者であるかどうか確認されることが大切です。

    免許又は登録を受けている信託会社等については、当庁のホームページの免許・許可・登録を受けている業者一覧に掲載しておりますのでご参照下さい。また、管理型信託会社、信託契約代理店については、登録を行った財務局において商号、役員の氏名、営業所の所在地及び所属信託会社の名称等を記載した「登録簿」の縦覧ができます。

    また、上記4.のとおり、違法な金融業者がその商号中に「信託」などという文字を使用して顧客を信用させ、貸付けを行おうとする例も見受けられますので、このような業者にも十分にご注意下さい。なお、商号中に「信託」という文字を使用している金融業者が貸金業の登録を受けることはできません。

〔参考〕

信託契約代理店が営業所等に掲示する標識(PDF:64K)

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