【法令解説】 |
このコーナーでは、先に閉会した第163回特別国会で成立した金融庁関連の法律について、その経緯や内容を詳細に説明します。本郷は、「銀行法等の一部を改正する法律」についてです。 |
1 | .改正の経緯 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
「銀行法等の一部を改正する法律」(平成17年法律第106号。以下「改正法」という。)は、平成17年10月4日に内閣より第163回特別国会に提出され、原案のとおり、10月20日に衆議院において可決、10月26日に参議院において可決・成立し、11月2日に公布されました。 今回の法改正では、預金者等の利便性の向上と銀行経営の効率化を図ることを目的に、○銀行代理店制度の見直し(銀行代理業制度等の創設)、○銀行等の子会社規制・業務規制等の緩和、○銀行等の適切な業務運営確保のための措置を講ずることとしています。 |
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2 | .銀行代理業制度の創設 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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3 | .銀行代理業制度の概要 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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4 | .子会社規制、業務規制等の緩和 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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5 | .適切な業務運営確保のための措置 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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6 | .施行期日等 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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詳しくは、金融庁ホームページの「組織・制度について」内にあります「国会提出法案等」の「国会提出法案」第163回国会における金融庁関連法律案にアクセスしてください。 |
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このコーナーは、とかく専門的でわかりにくい金融に関する用語や様々な疑問について、わかりやすく解説するものです。 今月のキーワードは「会計士監査の品質管理」です。 |
監査法人や公認会計士は、一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って企業の財務諸表等の監査を実施し、その結果に基づいて財務諸表等に対する意見を表明することとされています。一般に公正妥当と認められる監査の基準には、企業会計審議会から公表されている監査基準があります。監査基準の中には、監査の品質管理のために遵守すべき基準が含まれています。 企業会計審議会は、監査法人の審査体制や内部管理体制等の監査の品質管理に関連する非違事例が発生したことなどに対応し、平成17年1月の総会において、監査の品質管理の具体化・厳格化等に関する審議を開始することを決定し、10月28日に監査基準を改訂するとともに、公認会計士による監査業務の質を合理的に確保するために、監査基準とは別に独立の「監査に関する品質管理基準」を設定しました。 改訂された監査基準では、「すべての監査が一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して適切に実施されるために必要な質の管理」のことを品質管理としています。また、「監査人は、自らの組織として、品質管理の方針と手続を定め、これらに従って監査が実施されていることを確かめなければならない。」とされています。 監査に関する品質管理基準では、品質管理には、監査事務所が遵守すべき品質管理と個々の監査業務を実施する監査実施者が遵守すべき品質管理があることから、項目ごとに監査事務所に適用される基準と監査実施者に適用される基準に分けて規定を設けています。監査に関する品質管理基準の主な項目は以下のようになっています。 |
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なお、監査基準を実務に適用するに当たって必要となる実務の指針については、日本公認会計士協会が作成しています。品質管理に関しては、日本公認会計士協会から監査基準委員会報告書第12号「監査の品質管理」等が公表されており、これらも監査法人や公認会計士が遵守すべき監査の基準となります。 また、監査の品質管理に関しては、平成11年より日本公認会計士協会による「品質管理レビュー」が実施されています。「品質管理レビュー」とは、監査事務所が行った監査の品質管理の状況等を協会の専任者がレビュー(調査)し、必要に応じて監査事務所に対して改善勧告する制度です。平成16年4月からは、「品質管理レビュー」の一層の機能向上、監査事務所における監査業務の充実・強化等を図るために、金融庁に設置された公認会計士・監査審査会が、「品質管理レビュー」の審査を行い、必要に応じて協会、監査事務所等に対する検査を実施しています。 |
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このコーナーは、大臣の記者会見における質疑・応答(Q&A)などの中から、時々の旬な情報をセレクトしてお届けするものです。 今号の「金融ここが聞きたい!」は、10月31日に就任されました与謝野馨金融・経済財政担当大臣の大臣就任会見より金融関係の部分を抜粋しました。 もっとたくさんご覧になりたい方は、是非、金融庁ホームページの「記者会見概要」のコーナーにアクセスしてください。 |
【就任記者会見冒頭:与謝野新大臣発言】 本日の内閣改造で、金融担当と経済財政担当に任命されました。与えられた職責を全力を挙げて全うしたいと思っております。 金融行政に関しましては、関係者の相当な努力によって不良債権比率も主要行で3%を切り、またその他の金融機関でも大体5%台になったということで、大変この間、苦しい思いをされた方がたくさんおられると思いますが、これからはいよいよ金融機関がリスクをとって、日本の経済発展のために金融活動を再スタートしなければならない時期が来ていると思っております。 金融行政そのものは、やはり非常に権力行政の側面があって、私は権力というのは抑制的に使わなければならないと思いますし、また権力は国民経済、あるいは国民一人一人のために使わなければならないと思っています。生損保の商品の銀行での窓口販売もできるようになりましたし、また、この国会では銀行の代理店に関する法改正もようやく実現をいたしました。そういう中で、これからは色々な新手の投資の商売と申しますか、そういうものが幾つも出てまいります。こういうものをどう国民の財産が安全に運用されるかという観点から、一定の法改正も必要になってくるのではないかと個人的には思っています。 また、企業買収等に関する法制に不備があるのかないのかというのは、やはり実際起きたこと、また学問的な研究も方々でされていますので、そういうことも法制的に必要かどうかということは、研究する必要があると思っています。
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A |
:金融機関の本来の任務と申しますか、業務は、リスクテイキングだと思っておりまして、それがない金融は、経済の活性化にはつながらないと思っています。 日本の金融システムは、私は極めてよくできているだろうということを前提にいつも物事を考えております。確かにオーバーバンキングとか、そういう問題はあるわけですけれども、これは自然の中で解消せざるを得ない問題だろうと思っています。 日本の金融システムの直近の課題ではありませんが、いずれシステムとして直面する一番大きな問題は、郵便銀行がどういう形で金融システムの中に入ってくるかということだろうと、私は想像しております。
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A |
:この問題は、相当この10年ぐらいで整理はされたと思っています。それは、合併によっても整理されましたし、また支店を閉鎖するとか、経営判断によっても相当支店の数などは整理されたと思っていますが、やはりまだまだ諸外国に比べて、多分金融機関の数は多いと思います。これは単純に外国に比べていいのかという問題があって、それはやはり日本の経済風土とか、今までの取引関係とか、色々なことによって決まってくると思います。それでもこれだけの金融機関を維持できる経済なのかという、そこの根本は考えなければいけないと私は思っています。
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A |
:日本の経済の規模に合ったものが金融機関の数に多分なるのだろうと思います。これはそれぞれの金融機関がこうした方がいいということで、御自分で決める話でして、金融庁が権力的にやめろとか、小さくなれとかという話ではないと私は思っています。
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A |
:金融行政は、やはり透明性が必要ですし、国民の金融資産を守るためには、やはり検査も適正に行われる必要があると思っています。一般の金融機関については余り心配をしておりませんが、金融行政の中で広い意味での金融行政としてはやはり新手の金融商品で善良な市民が、間違ったことに巻き込まれることをどう防ぐとか、或いは証券取引が透明性と公正性を持って行われるかどうかとか、そういうことはいつも金融庁としては見張っていなければならないと思っています。 プラス、これはそれぞれの金融機関の経営判断であるわけですが、リスクテイキングができるような物の考え方、あるいは審査体制、そういうものはやはりきちんとしていただかなければならないと思います。またこの政策金融機関の改革の中で、やはり心配しておりますのは、小企業や零細企業に対する今後の融資体制というのがどうなっていくのかということは、いわゆるマーケットメカニズムとは別に、やはり一定の社会政策的な意味で、政治としては心配しなければならないことだと私は思っています。 |