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内部管理に関する業務の責任者((1) ト、(2) ハ、(3) ハ、(4) ハ、(5) ハ及び(6) ホの責任者をいう。)の独立性を審査する際には、証券会社等の一の責任者(個別業務を複数管理する責任者を含む。)が他の証券会社等の責任者(個別業務を複数管理する責任者を含む。)に対して具体的業務についての指揮命令権(法令等違反又は事前に策定されている明確な社内規則の違反の可能性のある取引、及び、リスク管理上重大な問題となる可能性がある取引の実行等に対する拒否権は除く)を有している場合には、当該他の責任者の独立性は損なわれていることに留意すること。 |
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証券会社等の一の内部管理に関する業務の責任者が同一の法人における他の内部管理に関する業務の責任者を兼ねようとする場合又は、一の証券会社等の内部管理に関する業務の責任者が他の証券会社等の当該業務の責任者を兼ねようとする場合には、当該業務の独立した責任者を置く必要があるが、当該独立した責任者は内部管理に関する業務を統括する責任者(以下、「管理部門統括責任者」という。)として当該業務それぞれの職員の職務を統括するとともに、証券会社等それぞれにおいて当該業務が的確に運営され、かつ、当該業務それぞれの営業部門に対する牽制機能が実効的に働くことの責任及び権限を明確に有することが必要であることに留意する。 |
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証券会社等の内部管理の強化を図る目的で、証券会社等の役職員(兼職者も含む)が出席する合議機関を置く場合には、当該合議機関において、非公開情報の授受が行なわれないことが不明確な場合には、法第45条に抵触するおそれがあり、また、証券会社と銀行(以下「銀行等」という。)の役職員が同席する場合は当該銀行等のレピュテーション・リスクの管理、法令等遵守又は企業倫理の確保を目的としていることが不明確である場合には、当該合議機関の開催は法第65条違反のおそれがあることに留意する。このような合議機関を設置している証券会社に対しては、少なくとも当該機関の設置の目的を明記した社内規則や当該会議の議事録等について適宜説明を求め、必要がある場合には法第59条第1項に基づく報告徴求を行うものとする。
ただし、証券会社等において当該合議機関が内部管理に関する業務を遂行する一環の会議として非公開情報の授受を行うために法第45条ただし書に基づく承認申請があった場合には、遂行しようとする当該業務の一環として当該業務の統合に係る承認条件に従って審査するものとする。この場合、当該業務一般について証券会社の行為規制等に関する命令第11条の3の規定に基づいて審査をした上で、当該合議機関についての審査にあたっては、同条第1号に規定する「内部管理に関する業務を公正かつ的確に遂行することができる業務運営体制」については、( i )十分な牽制機能と法令等遵守の責任を負っている等、上記(1)の基準を満たす法務コンプライアンス部門の責任者が必ず出席し、当該合議機関での議事が法令等違反とならないような具体的措置を講じているか、( ii )同合議機関においては、証券会社等のレピュテーション・リスクの管理、法令等遵守又は企業倫理の確保を目的としているかどうか、( iii )当該合議機関の設置について合理性があると認められるか、( iv )個別の営業部門若しくは個別の取引・案件等の担当者及び責任者(証券会社等の経営を担う地位にある者(外国証券会社等においては支店長を含む。)で実質的に営業に従事している者を含む。)が同席することはなく、承認を受けた内部管理に関する業務の責任者に加え証券会社等の経営責任者(外国証券会社については、その実質的な本店から当該適格性の確認書の提出を求める)のみが出席しているかどうか、について、また、同条第2号に規定する「内部管理に関する業務を遂行するための社内規則」としては、上記( i )〜( iv )を確保するとともに、当該合議機関の決定についての責任分担等を明確にした社内規則が規定されているかどうかについて、審査するものとする。また、同条第3号及び第4号に規定する「非公開情報の漏洩防止」及び「営業を行う部門からの独立」については、法令等違反、事前に策定されている明確な社内規則違反及びリスク管理上重大な問題となる可能性がある取引等に対して拒否するための会議であるかを審査するものとし、当該合議機関に経営責任者が同席する場合には、当該経営責任者が実質的に営業に従事している者かどうかを含め具体的な漏洩防止措置及び責任者の独立性の確保について厳格に審査する必要があることに留意する。 |
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当該証券会社及び当該銀行の職員が兼職する場合、内部管理に関する業務を担当する部門について法第45条ただし書に基づく承認を得た場合を除き、法第65条(若しくは銀行法第12条)に抵触するおそれがあることに留意し、また、兼職がない場合には、当該銀行が当該証券会社の(若しくは当該証券会社が当該銀行の)具体的業務について実質的に意思決定していると認められる場合(当該目的での人事権の行使等を含む。)にも同様であることに留意する。 |
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法第59条に規定する持株会社又は銀行持株会社について内部管理に関する業務を行うにあたり、法第45条ただし書の承認申請があった場合には、当該持株会社の子会社であって、当該申請の対象外となっている子会社がある場合には、証券会社等から入手した非公開情報の持株会社からの当該子会社への漏洩防止措置についても厳格に審査するものとする。 |
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法令遵守管理に関する業務についての審査にあたっては、当該業務が法的助言・判断、法律事務等を含む場合には、弁護士法等その他の法令に抵触しない様、また、税務に関する業務についての審査にあたっては、当該業務が財政・会計に関する調査、立案又は財務・会計に関する助言・判断、税務に関する書類の作成、助言・判断等を含む場合には、税理士法等その他の法令に抵触しない様、業務遂行の形態等に配慮する必要があることに留意する。 |
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内部管理に関する業務について、証券会社より法第34条第4項に基きその他業務の承認申請があった場合において、当該業務の兼業に伴い証券会社の行為規制等に関する命令第12条第7号又は第8号に該当する行為が行なわれる場合には、同条第7号又は第8号に抵触するため、同業務は「公益に反する」ものと認められることから、法第34条第5項の規定により、兼業の承認を行わないことに留意する。なお、内部管理に関する業務について法第45条の適用除外の承認と法第34条第4項によるその他業務の承認とは7−1−2に規定する基本理念の趣旨から両立しないことに留意する。 |
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証券会社等の内部管理に関する業務を行う部門間における非公開情報の授受については、当該承認により顧客に対して負っている守秘義務が免除されるわけではないことに留意する。 |
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リスク管理業務の一環として証券会社における有価証券の引受を審査する部門と銀行における法務コンプライアンス部門及び与信の審査を行っている部門との間においての法第45条ただし書の承認申請があった場合には、非公開情報の営業を行う部門への漏洩の禁止及び法65条の趣旨から承認を行わないことに留意する。 |
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銀行と証券会社の間(持株会社経由を含む。)でリスク管理部門において(2)の承認を受けて非公開情報の授受が行われており、銀行が保有する非公開情報を当該証券会社のリスク管理部門に供与することにより、当該証券会社の顧客についてリスクの評価及び判断を行っている際に、当該証券会社が通常の取引の条件と著しく異なる条件で当該顧客と取引を行っている場合には、非公開情報が営業部門に漏洩している疑いがあることに留意する。
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