II.金融システム改革の目指すもの-活力ある国民経済への貢献
(1) 高齢化が急速に進む21世紀に向けて、豊かで創造的な経済社会を築いていくため、
我が国経済構造の改革を進めることが喫緊の課題である。このため、経済活動を支え
る基礎的なインフラである金融が、その基本的機能である金融仲介機能及び決済機能
を十二分に発揮することが必要であり、今般の金融システム改革を通じて、これらの
機能がより活性化し、国民経済の更なる発展に貢献することが求められている。
すなわち、資金調達面において、次代を担う成長産業及び世界の国々に対して資金
供給を円滑に行うとともに、資産運用面において、世界でも有数の1200兆円もの我が
国個人金融資産を最大限に活用していくことにより、資源の最適配分が図られる必要
がある。また、安全かつ効率的な決済サービスの提供は、信用制度の安定のために不
可欠なものである。
(2) 加えて、市場の活性化や金融機関の競争力強化を促す諸施策により、金融機能の充
実が図られる結果、我が国金融業の健全な発展、さらには、国際通貨としての円の地
位の向上にも資することが期待される。
[次に進む]
[「我が国金融システム改革について」目次に戻る]