投資家との意見交換会後の野田委員記者会見概要
(平成14年5月30日(木)16時30分~17時00分)


 野田委員より意見交換会開催の趣旨及び意見交換会の概要について説明した後、記者からの質問に答えた。概要は以下のとおり。

(問)説明事項の中で、監視委員会の態勢機能強化への取り組みについてという部分があるが、詳しく教えていただきたい。

(答)お配りしたパンフレットに一項設けてありますが、それに沿って、人員の増強や情報収集・分析能力の向上を図っていること、関係当局(金融庁や財務局、自主規制機関など)との連携、外国当局(米国SEC、英国FSA、IOSCOなど)との連携において、相互に検査や調査について協力しあう申し合わせができていること、さらに、個人投資家との連携も行っていくこと等の内容を説明しました。

(問)第4回目だと聞いているが、この時期に意見交換会を行った狙いなどはあるのか教えていただきたい。

(答)特別な意味はありません。昨年の12月に名古屋で第1回目を行って以来、1月に福岡、4月に大阪、5月に今回の仙台、次回は6月に札幌で開催する予定になっています。

(問)全国の他の地域と比較した観点で、今後東北において投資が活発になるには、どういった要件が必要だと思うか、感じたことを聞かせていただきたい。

(答)先程行った意見交換会では、大変示唆に富んだ建設的な意見が多く、監視委員会として得るところ大きな会だったと思います。豊かな土地柄なので、証券投資に対してあるいは消極的であるかもしれないと聞いていましたが、そういう感じは受けませんでしたので、インフラが整えば、活発になるのではないでしょうか。監視委員会側から見たインフラとは、証券市場への不信を取り除くこと、自己責任原則の自覚、その前提となる制度やルールの整備、発行体のディスクローズ、証券会社のリスク説明、監視機関の強力な監視や投資家保護、などが揃って、証券市場への信頼が回復することであると考えています。それらが整った上で、投資家の方々が勉強して、企業側のIRを参考に、自己の責任で取引できるようになればよいと思います。
  投資家の方々も同じ認識でしたが、直接金融が発達しているのが経済として自然な形なので、そういう方向に向けて皆が努力していかなければいけないと思いました。

(付言)今日の意見交換会では、まず証券投資に対する関心が皆強かったことを感じました。その中で、証券投資の方法に慣れがなく、若干の怖さを感じており、自己責任の前提となる、情報へのアクセスへの環境を整備してほしいとの声が何名かの方から聞かれました。また、何かイレギュラーな取引があったときに、監視委員会がきちんと監視をして見ているということが投資家の皆さんにも理解され、最後の安心感と言いますか、信頼感を与えることが必要で、従って監視委員会の今後の活動について、是非もっとプレゼンスを高めて欲しいとの声が多かったと感じました。

(司会)それでは、これを持ちまして記者会見を終わらさせていただきます。本日はどうもありがとうございました。

(以上)

 

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