投資家との意見交換会概要

(平成15年5月14日(水)13時30分~15時45分 於北陸財務局)
 


 意見交換会の冒頭、証券取引等監視委員会野田委員より、監視委員会のこれまでの活動状況及び活動方針等について、具体的な事例を交えながら、概要以下のとおり説明(当委員会ホームページに掲載の証券取引等監視委員会パンフレット参照)。


1.


 監視委員会の組織

 監視委員会の設置の経緯・趣旨及び組織の構成、定員などについて説明。


2.


 活動内容

 犯則事件の調査、告発、検査等の結果に基づく勧告、建議、取引審査、一般からの情報受付について、概要、件数などを説明した。


3.


 最近の活動事例

 


 (1)


 投資勧誘上の主な指摘事例
 取引一任勘定取引契約を締結する行為、投資信託の乗換、EB(他社株償還特約付社債券)等最近の金融商品の販売にかかる問題、断定的判断を提供して勧誘する行為等について、具体的な事例を挙げて、投資家に対して注意を呼び掛けた。


 (2)


 最近の告発事例
 虚偽の記載のある有価証券報告書等の提出、相場操縦、インサイダー取引について、具体的な事例を紹介した。


4.


監視委員会の活動方針

 個人投資家の証券市場に対する不信感を解消するために、個人投資家の保護に全力を尽くすこと。そのために、悪質な証券会社等の徹底摘発、市場の公正性を損ねる証券犯罪の一掃、抑止力を高めるための監視委員会のプレゼンス向上を活動目標としている旨を説明。
 また、現在取り組んでいる、民間専門家の登用、外国の証券監視当局との協力関係の強化、自主規制機関との連携強化等について説明した。


5.


その他

 最近の話題として、オンライン証券に対し、新しい法律(本人確認法違反)を根拠に勧告を行ったこと、社債やEBを取得する個人投資家を保護するルール整備を金融庁長官に建議したこと、不公正な取引を監視するため自主規制機関と市場監視連絡協議会を作って対応していること等について説明した。



参加者から出された主な意見・要望等は以下のとおり。

主に監視委員会に関するもの



 市場に参加することによって日本を支える企業に投資し、日本の復興に参加しているという気持ちで投資してきた。純粋な気持ちで投資している個人投資家のためにも、今後とも監視強化をお願いしたい。



 株価が低迷している要因として代行返上等様々なことが影響していると言われているが、ヘッジファンドの空売りや信用取引が水面下で行なわれて、不公正な事が行なわれているのではないか。最近の主要な市場参加者は外国人であり、外国人投資家に対する監視を強化してほしい。



 昔は四季報を見て業績がいいところを買っていたが、今は業績だけでは買えず、アメリカ市場の上下が大きく影響していて、証券投資が大変難しくなっている。個人投資家が安心して買えるように、監視活動を厳しくしていただきたい。



 テレビや新聞でたまに監視委員会の名前を見ることはあるが、監視委員会が何をしているのかは十分知らされていないのが現状だと思う。もっとPRしたほうがよいと思う。


主に証券会社等に関するもの



 株式、信用取引、オプションなど行ったが、証券会社と取引する毎に色々な書類を書かされるのが面倒である。



 目論見書は証券会社の立場で責任逃れのために色んなことが書いてあるようで、渡しさえすればいいという姿勢を感じる。冊子は非常に分厚く、内容を見てもうんざりさせられてしまうので、もっと投資家の立場に立って、素人の個人投資家でも利用しやすいように簡略化してほしい。



 決算書はマイカルやエンロンの事件などがあって半信半疑である。粉飾決算では公認会計士がグルになっていることもあり、監査が甘いのだと思う。証券会社は個人投資家を呼び込むためには、顧客のサイドに立って営業活動を行なうことが重要だと思う。
 


主に投資家教育に関するもの



 親からは「株式投資は博打だから絶対やるな」と教育されてきた。これについては実際に投資を行うことで払拭されたが、今まで株式投資をしなかったのは、きちんとした投資教育を受けて来なかったことが大きな原因だったと思う。証券市場に個人投資家を呼び込むためには、教育を行なっていくことが長い目で有効な手段だろう。



 自己責任を追及するには、まず投資家本人の意識を高める教育を行い、株式投資や資産運用等の知識を伝えるしくみを作らないといけないと思う。セミナーは証券会社の主催ではなく、公的機関が行なうほうが参加しやすくてよいと思う。



 日本の投資家の情報不足、消化能力不足は否めない。私どもの大学に中国からの留学生がたくさん来ているが、彼らは為替を中心に実際に投資をしており、日本人とのメンタリティや文化の違いを感じる。



 教育についてはある程度のものが整備される必要があるが、証券業協会でも行っているし、投資家はもっと自分で動いて探さないといけないと思う。投資に対するレポートはたくさん出ているが、投資家としては一社のものだけでなく複数見て判断すべきであり、勉強することが必要だと思う。


その他



 1998年12月に証券会社の設立が免許制から登録制になって、異業種からの参入が容易になったと言われているが、最低資本金が引き上げられたことは証券市場の活性化として裏目に出ているのではないか。



 新証券税制は確定申告をしない給与所得者にとって難解で面倒である。証券会社の専門家の話によると、外国では株式市場での損害が他の所得と損益通算され、税金はつかないようになっているという。日本は税制面で遅れていると思う。



 個人投資家の保護という立場から見ると、税制と情報のふたつが特に重要であると考える。個人投資家を育てるためには国が証券税制をしっかりしたものにすべきであり、また、インターネットの発達により情報が瞬時に伝達される時代においてディスクロージャーは大切だが、今後は情報の透明性がより重要になると思う。



 最近はリストラで会社内部の整理をしている時代だが、業績が低迷していてもいつまでも上場されている会社があり、株式市場全体の会社の整理も行ったらどうか。



 今の世の中に合った、現在頑張っている企業が上場できるように上場基準を整備すべきだと思う。ナスダックやマザーズといった市場があるが、区別はせず基準を下げて、例えば、成長力があり売上高10億円以上の会社であれば市場に出て行けるような形を作れば、もっと市場が活性化するのではないか。



 最近はネット取引が増加したせいか短期的な投機家が増えている。出来高の急増を伴う株価の急騰急落は明らかに異常現象であり、企業の実態とかけ離れて値動きすることには納得できない。このような市場では、一般の投資家にはリスクが高く、株を手放すほうに動くのが実情だと思う。不公正な取引が行われない健全な市場の育成が必要である。


(以上)

 

サイトマップ

ページの先頭に戻る