アクセスFSA 第73号(2008年12月)

アクセスFSA 第73号(2008年12月)

東京証券取引所を視察する中川大臣(12月8日) 臨時財務局長会議で挨拶する谷本副大臣(12月15日)
東京証券取引所を視察する中川大臣(12月8日) 臨時財務局長会議で挨拶する谷本副大臣(12月15日)

目次


【フォトギャラリー】

※ 大臣、副大臣、大臣政務官が出席された会議等の写真を掲載し、皆さんに情報をお届けするものです。

東京証券取引所にて(12月8日)

東京証券取引所にて(12月8日)

臨時財務局長会議で挨拶する宇野大臣政務官(12月15日)

臨時財務局長会議で挨拶する宇野大臣政務官(12月15日)

年末金融の円滑化に向けた意見交換会で挨拶する中川大臣(12月17日)

年末金融の円滑化に向けた意見交換会で挨拶する中川大臣(12月17日)


【特集】

金融審議会金融分科会第一部会報告等の公表について

平成20年12月17日、金融審議会金融分科会第一部会(部会長 池尾和人 慶應義塾大学経済学部教授)において、「金融審議会金融分科会第一部会報告~信頼と活力ある市場の構築に向けて~」がとりまとめられました。

金融審議会金融分科会第一部会では、米国のサブプライムローン問題に端を発する金融・資本市場の混乱がもたらす教訓を踏まえつつ、我が国金融・資本市場の国際的な競争力の一層の強化を図っていくとの観点に立ち、公正・透明で、かつ、多様で利便性の高い市場インフラを整備すべく、

  • 格付会社に係る規制の枠組み

  • 金融商品取引所と商品取引所の相互乗入れ

  • 開示制度の見直し

等の諸課題について、昨年10月から5回にわたり審議が行われました。

なお、開示制度の見直しについては、第一部会の下に設置されている「ディスクロージャー・ワーキング・グループ」において、専門的な観点から検討が行われました。

「金融審議会金融分科会第一部会報告~信頼と活力ある市場の構築に向けて~」は、第一部会における検討結果をとりまとめたものです。

金融庁としては、第一部会報告の内容を十分に踏まえ、関係制度の整備に、早急に取り組んでいきます。

«報告の概要»

  • (1)格付会社に係る規制の枠組み

    • 格付会社の金融・資本市場における情報インフラとしての役割の重要性に鑑み、また指摘されている様々な問題への対応や、国際的な規制の導入・強化の動向を踏まえ、格付会社に対する公的規制を導入する必要

    • 格付会社の独立性確保・利益相反回避、格付プロセスの品質と公正性の確保、投資者等の市場参加者に対する透明性の確保の観点から、以下のような登録制度に基づく新たな規制の枠組みを導入することが適当

      • 登録を受けた格付会社について、○誠実義務、○格付方針等の情報開示、○利益相反防止等の体制整備、○格付対象の証券を保有している場合の格付の禁止等を義務付け

      • 金融商品取引業者等が無登録業者による格付を利用して勧誘を行うことを制限

      • 登録を受けた格付会社に対する報告徴収・立入検査、業務改善命令等を導入

  • (2)金融商品取引所と商品取引所の相互乗入れ

    • 金融商品及び金融取引は金融商品取引法で規制し、商品デリバティブ取引は商品取引所法で規制するとの枠組みの下、取引所の相互乗入れを可能とするため、今後、政府部内において具体案がすみやかに策定されていくことが求められる

    • その際には、以下の基本的な考え方が踏まえられる必要

      • 取引所の本体・子会社形態・持株会社形態での相互参入を容認するなど柔軟な参入形態を可能に

      • 両法の立法趣旨を適切に確保しつつ、重複の排除等により規制・監督を合理化

      • 両市場にまたがる不公正取引等に対し、金融行政当局と商品行政当局の連携強化

  • (3)開示制度の見直し

    • 有価証券取引の実務や投資者、発行者等のニーズを踏まえ、投資者にとって分かりやすく、真に必要な投資情報が、投資者の必要なときに、利用しやすい方法により提供されるよう、以下のような制度整備等を行うことが適当

      • 「発行登録制度」について、利用適格要件である格付要件を見直すとともに、利便性向上のための制度を整備

      • 投資信託証券に係る「交付目論見書」について、投資判断に重要な情報が投資者に理解できるよう、分かりやすく簡潔に記載されたものとするとともに、投資者への電子交付手続を簡素化

      • 「売出し」概念について、有価証券取引がクロスボーダー化、複雑化、多様化する現状を踏まえ、「均一の条件」の要件を撤廃し、有価証券取引の実務等を踏まえ、情報提供に係る規制を柔構造化

  • (4)その他

    金融商品取引法上の特定投資家(プロ)と一般投資家(アマ)の間の移行手続きについて、プロからアマへの移行の効果が、投資家から申出があるまで持続すること等を検討することが適当

※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「審議会・研究会等」から「金融審議会」に入り、「答申・報告書等」の「「金融審議会金融分科会第一部会報告」等の公表について」(平成20年12月17日)にアクセスしてください。

池尾部会長から報告書を受け取る中川大臣(12月17日

池尾部会長から報告書を受け取る中川大臣(12月17日


金融審議会金融分科会第一部会・第二部会合同会合報告の公表について

金融審議会金融分科会第一部会(部会長 池尾和人 慶應義塾大学経済学部教授)及び第二部会(部会長 岩原紳作 東京大学大学院法学政治学研究科教授)の合同会合は、平成20年11月より、計3回にわたり、金融分野における裁判外紛争解決制度(金融ADR)について審議を行ってきました。

その審議結果を踏まえ、同年12月17日、合同会合報告として、「金融分野における裁判外紛争解決制度(金融ADR)のあり方について」が取りまとめられ、公表されました。

本報告では、苦情・紛争解決における利用者の信頼感・納得感を高め、金融商品・サービスに関する利用者の信頼性の向上を図る観点から、公正・中立でかつ実効性のある金融ADRの法的枠組みを設けることが望ましいとの提言がなされています。

金融庁としては、本報告の内容を踏まえ、所要の制度整備に向けた検討を行っていきます。

  • 報告の要旨

  • 横断的・包括的な金融ADR機関の設置は将来的な課題として位置付け、業界団体・自主規制機関等による苦情・紛争解決の自主的な取組みを活用。

  • 金融ADRの実施体制・能力等を有する者について行政庁が確認(指定等)を行うことにより、金融ADR機関の中立性・公正性を確保することが適当。

  • 金融ADR機関相互の連携の強化に加え、利用者利便の向上のため、振分けを行う窓口の共通化について実務上検討が必要。

  • 業態において金融ADR機関が設立されている場合には、紛争解決にあたって、金融機関に金融ADR機関に対する手続応諾義務、事情説明・資料提出義務、結果尊重義務等を課すことが適当。

  • 業態において金融ADR機関が設立されていない場合には、金融機関に苦情・紛争解決に関する一定の義務を課すことが適当。

  • 金融ADRの中立性・公正性及び実効性を確保するため、金融機関及び金融ADR機関に対する行政庁の関与等が必要。

  • 実効性のある金融ADR制度を構築するため、金融商品・サービスの内容、相談・苦情等の状況、利用者の状況、業態における金融機関数又は業界における苦情・紛争解決への取組状況等の業態の実態を十分に踏まえる必要。

  • 金融ADRの改善・発展のため、今後も、金融トラブル連絡調整協議会は、推進役として重要な役割を果たしていく必要。

※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「審議会・研究会等」から「金融審議会」に入り、「答申・報告書等」の「金融審議会金融分科会第一部会・第二部会合同会合報告の公表について」(平成20年12月17日)にアクセスしてください。


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