アクセスFSA 第129号(2013年12月)

アクセスFSA 第129号  (2014年3月)

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写真1 写真2
年度末金融の円滑化に関する意見交換会
にて挨拶する麻生大臣(3月4日)
年度末金融の円滑化に関する意見交換会
にて挨拶する岡田副大臣(3月4日)
写真3
年度末金融の円滑化に関する意見交換会
にて発言する福岡大臣政務官(3月4日)
 

トピックス

(1)振り込め詐欺等の撲滅に向けた注意喚起活動について

平成25年における振り込め詐欺等の被害の発生につきましては、11,998件・486億円と、前年の8,693件・364億円を上回る状況となっており、被害の拡大に歯止めがかからない状況です。

金融庁及び警察庁では、振り込め詐欺等の撲滅に向けて、これまでも注意喚起活動を実施してきましたが、依然として当該詐欺等が多発している状況を踏まえ、改めて対応が必要と考えており、未然防止に向けた対策として、子供や孫世代から両親や祖父母に対して、詐欺等にあわないように注意喚起を行うことが効果的であると考えています。

振り込め詐欺等の未然防止を図るため、リーフレット『「家族の絆」で振り込め詐欺を予防!』を作成しています。当該リーフレットを活用して、振り込め詐欺等が身近な危険であることを家族間で共有し、振り込め詐欺等の未然防止にご協力ください。

また、金融機関においては、高額の振込をされるお客様及び高額の現金をお持ち帰りになるお客様へのお声かけのほか、最寄りの警察署への連絡等の取組を実施しています。

金融機関の当該取組は、警察からの要請に基づき、振り込め詐欺等の未然防止のために行われています。金融庁としても、これまで金融機関に対して、顧客への声かけ等、未然防止に向けた取組を要請しているところであり、金融機関の当該取組について、皆様のご理解とご協力をお願いします。

※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「広報報道」の中の「報道発表資料」から「振り込め詐欺等の撲滅に向けた注意喚起活動について」(平成26年2月10日)にアクセスしてください。


(2)年度末金融の円滑化に関する意見交換会の開催について

年度末の資金需要期を迎えることを踏まえ、金融庁は、平成26年3月4日に金融機関等の代表者を招き、「年度末金融の円滑化に関する意見交換会」を開催しました。

その際、麻生金融担当大臣から金融機関等の代表者に対して、経済の好循環の実現に向けた取組み、年度末、更には、それ以降の資金繰り、今般の大雪等の被災者への対応等について、万全の対応に努めるよう要請するとともに融資動向等について意見交換を行いました。

併せて、同日付で、関係金融機関団体に対し、中小企業・小規模事業者に対する金融の円滑化について、書面で要請を行うとともに、当該要請文を公表し、要請内容の周知徹底を図りました。

<意見交換会参加機関等>

全国銀行協会、全国地方銀行協会、第二地方銀行協会、信託協会、全国信用金庫協会、全国信用組合中央協会、全国労働金庫協会、農林中央金庫、日本政策金融公庫、沖縄振興開発金融公庫、商工組合中央金庫、日本政策投資銀行、全国信用保証協会連合会、住宅金融支援機構

※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「広報報道」の中の「報道発表資料」から「中小企業・小規模事業者に対する金融の円滑化について(要請)」(平成26年3月4日)にアクセスしてください。


(3)「責任ある機関投資家」の諸原則≪日本版スチュワードシップ・コード≫~投資と対話を通じて企業の持続的成長を促すために~の確定について

平成25年6月に、いわゆる「第三の矢」としての成長戦略を定める「日本再興戦略」において、「機関投資家が、対話を通じて企業の中長期的な成長を促すなど、受託者責任を適切に果たすための原則(日本版スチュワードシップ・コード)について検討し、取りまとめる」ことが閣議決定されました。これを踏まえた検討の場として、同年8月に金融庁に「日本版スチュワードシップ・コードに関する有識者検討会」(以下、「本検討会」という。)が設置されました。

本検討会は、同年8月から計6回にわたり議論を重ね、平成26年2月26日に「『責任ある機関投資家』の諸原則≪日本版スチュワードシップ・コード≫~投資と対話を通じて企業の持続的成長を促すために~」(以下、「本コード」という。)を策定・公表いたしました(※1)

  • (※1)本コードの取りまとめに当たっては、和英両文によるパブリックコメントを実施し、和文については26の個人及び団体から、英文については19の個人及び団体からご意見をいただきました。本検討会では、これら寄せられたご意見についても議論を行い、本コードの取りまとめに反映させていただきました。

本コードの概要は、以下のとおりです。

  • ○スチュワードシップ責任

    本コードにおける「スチュワードシップ責任」とは、「機関投資家が、投資先企業やその 事業環境等に関する深い理解に基づく建設的な『目的を持った対話』(エンゲージメント)を通じて、当該企業の企業価値の向上や投資先企業の持続的成長を促すことにより、『顧客・受益者』(最終受益者を含む。)の中長期的な投資リターンの拡大を図る責任」を意味します。

    本コードは、「機関投資家が、顧客・受益者と投資先企業の双方を視野に入れ、『責任ある 機関投資家』として当該スチュワードシップ責任を果たすに当たり有用と考えられる原則を定めるもの」です。

  • ○本コードの枠組み

    本コードでは、機関投資家が各自の置かれた状況に応じて対応できるよう、以下の枠組みが設定されています。

    • 1.機関投資家がコードを受け入れるかどうかは「任意」。

      その上で、コードの受け入れを表明した機関投資家のリストを金融庁が公表(※2)

      • (※2)今後、平成26年5月末までにコードの受入れを表明した機関投資家について、金融庁において6月初めにそのリストの公表を行い、その後も3ヶ月毎に見直し、公表を行うことを予定しています。

        「コードの受入れ表明」に当たっては、機関投資家がスチュワードシップ責任を果たすための方針など「コードの各原則に基づく公表項目」も合わせて公表することを予定しています。

        なお、初回の公表に限っては、まずはコードの受入れ表明のみを行い、「コードの各原則に基づく公表項目」については、次回(9月初め)のリスト更新時までに公表を行うことも可能です。

    • 2.機関投資家が取るべき行動について、詳細に規定するのではなく、「基本的な原則」を提示する「プリンシプルベース・アプローチ」(※3)の手法を採用。

      • (※3)「プリンシプルベース・アプローチ」の意義は、「一見、抽象的で大掴みな原則(プリンシプル)について、関係者がその趣旨・精神を確認し、互いに共有した上で、各自、自らの活動が、形式的な文言・記載ではなく、その趣旨・精神に照らして真に適切か否かを判断すること」にあります。

        機関投資家が本コードを踏まえて行動するに当たっては、こうした「プリンシプルベース・アプローチ」の意義を十分に踏まえていただくことが期待されます。

    • 3.法令のように一律に義務を課するのではなく、機関投資家に対して、個別の原則ごとに、「原則を実施するか、実施しない場合には、その理由を説明するか」を求める「コンプライ・オア・エクスプレイン」の手法を採用。

    なお、本コードについては、その更なる定着を図る観点から、3年毎の見直しを実施する予 定です。

  • ○本コードの7原則の概要

    本コードは、7つの原則で構成されています。7原則の概要は、以下のとおりです。

機関投資家は、

  • 1.「基本方針」を策定し、これを公表すべき。

  • 2.「利益相反」を適切に管理すべき。

  • 3.投資先企業の状況を的確に把握すべき。

  • 4.建設的な対話を通じて投資先企業と認識を共有し、問題の改善に努めるべき。

  • 5.「議決権行使」の方針と行使結果を公表すべき(議案の主な種類ごとに整理・集計して公表)。

  • 6.顧客・受益者に対して定期的に報告を行うべき。

  • 7.投資先企業に関する深い理解に基づき、適切な対話と判断を行うべき。


(4)企業会計審議会による「監査基準の改訂に関する意見書」の公表について

これまでの監査基準では、幅広い利用者に共通するニーズを満たすべく一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成された財務諸表、いわゆる「一般目的の財務諸表」に対して、公認会計士が監査を行う場合を想定してきており、そのような場合には「適正性に関する意見」が表明されています。

一方で、近時、公認会計士に対して、特定の利用者のニーズを満たすべく特別の利用目的に適合した会計の基準に準拠して作成された財務諸表、いわゆる「特別目的の財務諸表」に対しても、監査という形で信頼性の担保を求めたい、との要請が高まってきています。

特別目的の財務諸表は、一般目的の財務諸表と異なり、利用目的が限定されていることに加え、追加的な開示要請の規定が会計の基準にないことが多い等、適正性に関する意見を表明することが馴染まない場合が多いものと考えられます。このような場合、財務諸表が当該財務諸表の作成に当たって適用された会計の基準に準拠して作成されているかどうかについての意見、いわゆる「準拠性に関する意見」を表明することが、より適切であると考えられます。

以上のことから、企業会計審議会は、平成26年2月18日に「監査基準の改訂に関する意見書」を取りまとめ、従来の適正性に関する意見の表明の形式に加えて、準拠性に関する意見の表明の形式を監査基準に導入し、併せて、監査実務における混乱や財務諸表利用者の誤解等を避けるため、特別目的の財務諸表に対する監査意見の表明の位置付けを明確にすることとしました。

改訂監査基準の実施時期は、平成27年4月1日以後に開始する事業年度又は会計期間に係る監査から適用されます。ただし、平成26年4月1日以後に発行する監査報告書から適用することを妨げません。

※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「広報報道」の中の「報道関係資料」から「「監査基準の改訂に関する意見書」の公表について」(平成26年2月25日)にアクセスして下さい。


(5)平成25年金融商品取引法等改正(1年以内施行)等に係る内閣府令案等に対するパブリックコメントの結果等について

金融庁では、平成25年金融商品取引法等の一部改正(1年以内施行)等に係る内閣府令案等について、平成25年11月21日から12月20日にかけて公表し、それらの結果等を平成26年2月14日に公表しました。

本件の内閣府令は、平成26年2月14日に公布され、平成26年4月1日から施行されることとなっています。

本件の内閣府令の主な改正内容は、以下のとおりです。

  • ○金融商品取引法令に違反する行為を行った者の氏名等の公表に関する内閣府令の新設

    金融商品取引法(以下、「法」という。)改正により、公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるときは、金融商品取引法令に違反する行為を行った者の氏名等を公表することができることとしました。これに伴い、公表する際の方法及び手続を本府令において定めました。

  • ○金融商品取引法第六章の二の規定による課徴金に関する内閣府令の一部改正

    • 1.課徴金の対象の追加に伴う改正

      法改正により、情報伝達・取引推奨行為を行った者を課徴金の対象とすることとしました。これに伴い、仲介関連業務又は募集等業務に関して、情報伝達・取引推奨行為が行われた場合の課徴金額の計算に必要な、「仲介関連業務の対価の額に相当する額」等の内容等を定めました。

    • 2.「自己以外の者の計算」による違反行為に対する課徴金額の計算方法の改正

      法改正により、運用対象財産の運用として、自己以外の者の計算において不公正取引をした者に賦課される課徴金額を引き上げることとしました。これに伴い、自己以外の者の計算で不公正取引が行われた場合の課徴金額の計算に必要な、資産運用業者の業務の種類ごとの「運用対象財産」及び「運用の対価に相当する額」の内容等を定めました。

  • ○有価証券の取引等の規制に関する内閣府令等の一部改正

    • 1.公開買付け等事実の情報受領者に係るインサイダー取引規制の適用除外

      法改正により、他者の公開買付け等の実施に関する事実の伝達を受けた者が、自ら公開買付けを行うに際して、当該事実を公開買付開始公告において明らかにし、かつ、当該事実を記載した公開買付届出書が公衆縦覧に供された場合は、インサイダー取引規制の適用除外となることとしました。これに伴い、当該事実の内容として公開買付届出書に記載すべき具体的内容を定めました。

    • 2.重要事実の軽微基準及び重要基準

      法改正により、投資法人の発行する投資証券等の取引にインサイダー取引規制を導入することとし、投資法人及び資産運用会社に関する重要事実を定めました。これに伴い、各決定事実及び発生事実に関して類型的に投資判断に及ぼす影響が軽微なものを定める軽微基準並びに決算情報に係る重要事実に関して類型的に投資者の投資判断に及ぼす影響が重要なものを定める重要基準の内容を定めました。

    • 3.特定関係法人の範囲

      法改正により、投資法人の発行する投資証券等の取引に関するインサイダー取引規制の対象となる会社関係者の範囲に特定関係法人(いわゆるスポンサー)の役職員等を追加することとしました。このうち、資産運用会社の利害関係人等について、「特定資産の価値に重大な影響を及ぼす取引」を行った場合に特定関係法人に該当するとされているところ、当該取引の具体的内容を定めました。

    • 4.持投資口会に対するインサイダー取引規制の適用除外

      投資法人の発行する投資証券等の取引のうち、投資法人の資産運用会社及び特定関係法人の役員又は従業員が行う一定の類型のもの(持投資口会に係る取引)を株式会社における持株会と同様に一定の類型に限りインサイダー取引規制等の適用除外とすることとしました。

  • ○特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令の一部改正

    特定有価証券について臨時報告書の提出が必要な場合として、新たに「投資法人の合併の決定」があった場合を加えるなど、特定有価証券の臨時報告書に係る整備を行いました。

  • ○金融商品取引法第二条に規定する定義に関する内閣府令の改正

    出資対象事業に係る収益の配当等を受領する権利から除かれるものとして持投資口会に係る権利を追加することとしました。

  • ○投資信託及び投資法人に関する法律施行規則の改正

    • 1.規約の記載事項の細目の追加

      投資法人が資産を主として不動産等資産に対する投資として運用することを目的とする場合は、その旨を記載事項とすることとしました。

    • 2.資産運用会社の利害関係人等の範囲の追加

      法改正により、インサイダー取引規制の対象となる会社関係者の範囲に特定関係法人(いわゆるスポンサー)の役職員等を追加することとしました。これに伴い、資産運用会社の利害関係人等の範囲を見直し、資産運用会社の主要株主を利害関係人等の範囲に追加することとしました。

  • ○金融商品取引業等に関する内閣府令の改正

    • 1.金融商品取引業者の禁止行為の追加

      金融商品取引業者等が、法人関係情報に基づいて顧客に売買等をすることを勧めつつ、当該有価証券の売買等を顧客に対して勧誘する行為を禁止行為とすることとしました。

    • 2.契約締結前交付書面の記載事項の追加

      金融商品取引業者等が事業型出資対象事業持分(事業型ファンド持分)の販売を行う際に顧客にあらかじめ交付する契約締結前書面において、ファンドの資金の流れ等を記載事項とすることとしました。

    • 3.事業報告書記載事項の追加

      事業報告書において、金融商品取引業者が販売を行ったファンドの一覧及び各ファンド別の詳細等を記載事項とすることとしました。

  • ○保険業法施行規則の一部改正

    保険業法改正により、従来、保険会社の業務運営に関する措置として求めていた運用実績連動型保険契約に係る運用報告書の作成・交付について、保険会社に対する行為規制として直接義務付けることとしました。

    これに伴い、運用実績連動型保険契約に係る運用報告書の記載事項等について、保険業法第100 条の5に基づく保険業法施行規則に規定し直すこととしました。

  • ○信託業法施行規則の一部改正

    信託業法改正により、信託の目的に照らして受益者の利益に適合することが明らかな場合として内閣府令で定める場合には計算期間より短い期間ごとに信託財産状況報告書の交付を行うことが可能となりました。これを受け、年金基金が顧客である場合には、四半期毎に同報告書の交付を行うこととする等その具体的な内容を定めました。

  • ○金融庁組織規則の一部改正

    法改正により、官公署への照会権限を追加することとしたことに伴い、所要の規定の整備を行いました。

※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「広報報道」の中の「報道発表資料」から、「平成25年金融商品取引法等改正(1年以内施行)等に係る内閣府令案等に対するパブリックコメントの結果等について」(平成26年2月14日)にアクセスしてください。


(6)「平成24年金融商品取引法等改正(総合取引所関係)に係る政令・内閣府令案等(行為規制に係る部分を除く)について」の公表について

金融庁では、「平成24年金融商品取引法等改正(総合取引所関係)に係る政令・内閣府令案等(行為規制に係る部分を除く)」について、平成25年12月13日から平成26年1月14日にかけて広く意見の募集を行い、その結果等を平成26年2月21日に公表しました。

本件の政令・内閣府令等は、平成26年2月26日に公布され、平成26年3月11日から施行されました。

主な改正内容は、以下のとおりです。

  • 1.金融商品取引法施行令の改正

    • (1)金融商品の定義の追加

      「金融商品」となる「商品」の定義として、「商品先物取引法の「商品」のうち、一 定の要件を満たすと認められるものとして金融庁長官が商品市場所管大臣と協議して指定するもの」を定めました。

    • (2)金融商品取引清算機関の最低資本金の額の特例

      金融商品取引清算機関の最低資本金の額について、商品関連市場デリバティブ取引のみについて金融商品債務引受業を行おうとする金融商品清算機関の最低資本金を5億円としました。

      • (注)金融商品清算機関の最低資本金は、原則10億円。

    • (3)課徴金関連規定の整備

      課徴金に関する規定に関し、商品関連市場デリバティブ取引が加わったことに伴う所要の改正を行いました。

    • (4)商品市場所管大臣への協議等

      商品市場所管大臣へ協議する事項を定めました。

  • 2.投資者保護基金に関する命令の改正

    商品関連市場デリバティブ取引に関する顧客資産の範囲を指定しました。

  • 3.金融商品取引業等に関する内閣府令の改正

    • (1)商品関連市場デリバティブ取引に関する有価証券及び金銭の区分管理について定めました。

    • (2)商品関連市場デリバティブ取引に関する帳簿書類について定めました。

  • 4.金融商品取引所等に関する内閣府令の改正

    金融商品取引所・清算機関における取引証拠金の分別管理方法として、国債の保有等を追加しました。

※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「広報報道」の中の「報道発表資料」から、「平成24年金融商品取引法等改正(総合取引所関係)に係る政令・内閣府令案等(行為規制に係る部分を除く)に対するパブリックコメントの結果等について」(平成26年2月21日)にアクセスしてください。


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