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平成16年12月24日
金融庁

ディスクロージャー制度の信頼性確保に向けた対応(第二弾)について

10月中旬以降、証券取引法上のディスクロージャーをめぐり、不適正な事例が相次いで判明したことを受け、金融庁では、本年11月16日、「ディスクロージャー制度の信頼性確保に向けた対応」をとりまとめ公表した。その後、約1ヶ月が経過した、この機会をとらえ、これまでの作業の進捗状況や全開示企業による自主的点検の回答状況等を踏まえ、今般、「ディスクロージャー制度の信頼性確保に向けた対応(第二弾)」をとりまとめ、公表することとした。金融庁においては、以下の方策を、引き続き強力に推進していくものとする。

1.全開示企業による自主的点検を受けた対応

  • (1)自主的点検に関し、これまで訂正報告書の提出がなく、また、訂正の必要がない旨の回答も行われていない開示企業に対しては、各財務局を通じて点検状況の照会を行う。その上で、ディスクロージャー・ホットラインに寄せられた情報等も参考に、必要に応じ、報告徴求・立入検査等を実施する。

  • (2)今回の訂正報告書の提出により訂正された開示内容について分析を行い、これを踏まえ、関係府令に規定された有価証券報告書の「記載上の注意」の明確化等所要の対応を行う。

  • (3)上記の分析結果等を踏まえ、全開示企業に対して文書を送付し、開示上の留意点につき周知を図るとともに、適正なディスクロージャーに向けて経営者の継続的な取組みを求める。

  • (4)有価証券報告書の記載要領等に係る広報・研修活動を強化する。このため、関係団体と連携し、平成17年3月期の有価証券報告書の作成時期にあわせて、有価証券報告書作成に関するセミナー等を全国で開催する。

2.有価証券報告書等の審査体制

  • (1)有価証券報告書等の虚偽記載等や不公正な証券取引の問題に的確に対応するため、平成17年度予算において、証券取引等監視委員会事務局に課徴金調査・有価証券報告書等検査室(定員40名)を設置するとともに、総務企画局にディスクロージャーをめぐる問題を専担する企業開示課を設置する。

  • (2)証券取引等監視委員会新しいウィンドウで開きますにおいては、有価証券報告書等の虚偽記載等について、来年7月以降すみやかに効率的かつ重点的な検査を実施するため、資料・情報の分析手法の開発・研究など所要の準備を進める。

  • (3)開示企業に係る分析能力の向上等を図るため、EDINET(有価証券報告書等の開示書類に関する電子開示システム) 新しいウィンドウで開きますの機能充実、特に、XBRL(財務情報を効率的に処理するためのコンピュータ言語)化に向けた具体的な作業計画を、関係諸団体で構成する「EDINETの高度化に関する協議会」において検討し、来年春を目処に取りまとめる。

3.開示制度の整備

本日とりまとめられた金融審議会第一部会報告を踏まえ、以下の対応を行う。

  • (1)財務報告に係る内部統制の有効性に関する経営者による評価と公認会計士等による監査

    現在任意の制度として導入されている経営者による確認書制度の活用を促すとともに、経営者による評価の基準及び公認会計士等による検証の基準の明確化を企業会計審議会に要請し、当該基準に示された実務の有効性等を踏まえ、評価及び検証の義務化につき検討する。

  • (2)継続開示義務違反に対する課徴金制度の導入

    証券取引法改正法案の次期通常国会提出を目指し、法制面の検討を早急に進める。

  • (3)コーポレート・ガバナンスに係る開示の充実

    関係府令の改正を行い、平成17年3月期から、有価証券報告書において、以下の事項の開示を義務づける。

    • 内部監査及び監査役(監査委員会)監査の組織、人員、手続。内部監査、監査役(監査委員会)監査及び会計監査の相互連携

    • 社外取締役及び社外監査役と会社との人的関係、資本的関係又は取引関係その他の利害関係

    • 関与公認会計士の氏名、監査法人への所属及び監査継続年数。会計監査業務に係る補助者の構成。監査証明を個人会計士が行っている場合の審査体制

  • (4)親会社が継続開示会社でない場合の親会社情報の開示の充実

    関係府令の改正を行い、平成17年3月期から、継続開示会社である子会社の有価証券報告書において、親会社に係る以下の事項の開示を義務づける。

    • 株式の所有者別状況及び大株主の状況

    • 役員の状況

    • 商法に基づく貸借対照表、損益計算書、営業報告書及び附属明細書(会計監査人の監査を受けている場合には、監査報告書を添付)

4.公認会計士等に対する監督

  • (1)会計監査をめぐる最近の非違事例等を踏まえ、審査体制、業務管理体制など監査法人の内部統制に重点を置いた公認会計士・監査審査会新しいウィンドウで開きますによるモニタリング及び立入検査を実施する。

    また、公認会計士・監査審査会は、引き続き、○個人会計士が行う監査が品質管理という観点から問題を生じていないか、○長期間監査を継続している監査人について、独立性、品質管理の観点から問題を生じていないか等に留意したモニタリング等を実施する。

  • (2)会計監査をめぐる最近の非違事例やモニタリングの結果等を踏まえ、監査法人における内部統制の強化や品質管理の向上等に向けて、監査基準や実務指針の見直しなど所要の検討を企業会計審議会及び日本公認会計士協会に要請する。

5.市場開設者に対する要請

金融庁の要請を受け、現在、各証券取引所において会社情報の適時適切な開示等に向け上場規則の見直し等が予定されているが、これらの措置が着実に講じられるとともに、今後とも、必要に応じ、的確な措置が講じられていくよう市場開設者に要請する。

問合せ先

金融庁 Tel:03-3506-6000(代表)
総務企画局市場課企業開示参事官室
課長補佐 尾崎(内線3651)、係長 高橋(内線3665)

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