【特集:金融庁の平成16年度機構・定員及び予算について】 |
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.はじめに 平成15年12月24日に閣議決定された平成16年度政府予算案における金融庁関連の機構・定員及び予算の概要について説明します。 金融を巡る内外の情勢変化に適切に対応し、金融庁の任務を引き続き的確に果たすため、より強固な金融システムの構築、証券市場の構造改革の推進など、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003」(6月27日閣議決定)に盛り込まれた諸施策等を迅速に実施することが喫緊の課題となる中、110名の増員及び総額約173億円の予算が認められました。 |
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.機構・定員 |
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上記の体制整備のため、総計110名の増員が認められました。この結果、金融庁の16年度末定員は1,202名となります。 (内訳) |
(注 | 1)中央省庁再編時の金融庁(金融再生委員会の廃止後、(平成13年1月))の定員は766名。 |
(注 | 2)公認会計士・監査審査会の16年度末定員には、総務企画局からの振替3名を含む。 |
(注 | 3)上記一般職の増員のほかに、特別職2名(公認会計士・監査審査会会長、同常勤委員)が認められた。 |
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.予算 |
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(単位:兆円) | |||||||||||||||||||||||||||
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平成16年度金融庁予算の概要(概算決定) |
(注)各々の計数を百万円未満で四捨五入したため、計数が符合しない場合がある。 |
(参 考) |
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(単位:百万円、%) | |
(注)1 | .各々の計数を百万円未満で四捨五入したため、計数が符合しない場合がある。 |
2 | .上記は(組織)金融庁の予算を部局等毎に整理したものである。 |
日本の金融資本市場の改革については、平成10年の金融システム改革関連法案の成立(日本版ビッグバン)により、フリー・フェア・グローバルの3原則の下、広範な分野にわたり総合的な改革が図られました。その後、平成14年の「金融システムと行政の将来ビジョン」により、新たな市場機能を中核とした複線的金融システムへの再構築に向けた方向性が示され、同年の「証券市場の改革促進プログラム」において、(a)誰もが投資しやすい市場の整備、(b)投資家の信頼が得られる市場の確立、(c)効率的で競争力のある市場の構築を掲げ、これらの視点に基づき、具体的な施策が盛り込まれました。 このように、着実に進めてきた改革について検証を行い、更に日本の金融市場の地位を向上させるために必要な制度問題について検討を進める観点から、金融審議会金融分科会第一部会において審議が行われてきました。審議は平成15年9月から再開され、取引所のあり方に関するワーキング・グループ及びディスクロジャー・ワーキング・グループにおける検討を並行的に進め、最終的に平成15年12月24日に報告「市場機能を中核とする金融システムに向けて」を取りまとめました。その柱となっている項目は以下の通りです。 1.市場間競争の制度的枠組み 2.ディスクロージャー制度の整備 3.市場監視機能・体制の強化 4.投資サービスにおける投資家保護のあり方 5.投資教育のあり方 6.銀行・証券の連携強化 この短期連載では、これらの項目につき、3回にわたって紹介をしていきます。初回は、「市場間競争の制度的枠組み」及び「ディスクロージャー制度の整備」について紹介します。 |
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.市場間競争の制度的枠組み |
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.ディスクロージャー制度の整備 |
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金融審議会金融分科会第一部会報告「市場機能を中核とする金融システムに向けて」の本文等をご覧になりたい方は、金融庁ホームページの「審議会など」から「金融審議会」の「答申・報告書等」のうち、平成15年12月24日「市場機能を中核とする金融システムに向けて」(金融審議会金融分科会第一部会報告)にアクセスしてください。 |
【ピックアップ:中小企業金融】 |
平成15年12月24日、「産業金融機能強化関係閣僚等による会合」(出席者:官房長官、金融担当大臣、経済財政政策担当大臣、法務大臣、財務大臣、経済産業大臣、日本銀行総裁)が開催され、「経済活性化のための産業金融機能強化策」がとりまとめられました。 これは、9月2日の経済財政諮問会議において、経済産業大臣から検討の提案があり、また、竹中大臣よりいわゆる「骨太の方針2003」を深化させる観点から、産業と金融に関し、関係閣僚等からなる議論の場を設けることが必要と発言されたことをきっかけに検討が始まったものです。 まず、9月9日に同会合が開催され、ここでは、経済活性化に資する観点から、政府の各施策を有機的に連携させつつ、産業金融機能を抜本的に強化するため、産業金融をいかに多様化していくかについて検討することとされました。これを受けて、金融庁、経済産業省をはじめとする関係省庁等の間で具体策の検討が行われました。 11月28日の経済財政諮問会議における「金融・産業再生」の集中審議において、竹中金融担当大臣から産業金融の機能強化に向けた金融庁の取組みの説明が行われました。 こうした関係省庁等の検討を経て、12月24日の同会合において、本強化策がとりまとめられ、12月25日の経済財政諮問会議に報告されました。 本強化策の考え方、取組みは以下をご覧下さい。 |
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(考え方) |
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(取組み) |
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「経済活性化のための産業金融機能強化策」について、詳しくは金融庁ホームページの「報道発表など」から「経済活性化のための産業金融機能強化策について」(平成15年12月24日)にアクセスしてください。
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昨年3月に公表した「リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラム」においては、金融庁において同プログラムに記載されている施策の進捗状況及び金融機関の取組み実績をとりまとめ、公表することとされています。 去る1月16日、金融庁では、施策の進捗状況及び金融機関の取組み実績について取りまとめ、金融審議会金融分科会第二部会に報告するとともに公表を行いました。 |
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リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラムの進捗状況(平成15年度上半期)について、詳しくは金融庁ホームページの「報道発表など」から「リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラムの進捗状況(平成15年度上半期)について」(平成16年1月16日)にアクセスしてください。 |
※ | アクションプログラムの本文をご覧になりたい方は、金融庁ホームページの「報道発表など」から「リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラム」(平成15年3月28日)にアクセスしてください。 |
※ | アクションプログラムに基づき、各金融機関は、平成15〜16年度の2年間(「集中改善期間」)に中小企業の再生と地域経済の活性化に向けた取組を進めるため、機能強化計画を作成して8月末に当局に提出しています。そのとりまとめ状況については、金融庁ホームページの「報道発表など」から「リレーションシップバンキングの機能強化計画の概要について」(平成15年10月7日)にアクセスしてください。 |
※ | その他、金融庁における中小企業金融の円滑化へ向けた取組みについては、金融庁ホームページの「政策ピックアップ」にある「中小企業金融特集」にアクセスしてください。 |
金融庁は、我が国の金融の機能の安定を確保し、預金者、保険契約者、有価証券の投資者等の保護を図るとともに、金融の円滑を図ることを任務としています。そのための手段の一つとして、銀行法などに基づき金融機関に対する立入検査を実施しており、検査における基本的な考え方及び具体的着眼点等を整理したものが「金融検査マニュアル」です。 金融検査マニュアルでは、中小・零細企業の経営実態の把握の向上による適切な検査の運用確保のため、別冊〔中小企業融資編〕を作成、公表しておりますが、今般、本別冊の内容がより中小・零細企業の実態に即したものとなるよう改訂することとしております。 そこでアクセスFSAでは、金融検査マニュアル別冊〔中小企業融資編〕の改訂の内容についてより多くの方々に知っていただくため、詳細な解説を連載いたします。 初回は、改訂の背景等について解説します。 |
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.金融検査マニュアル別冊の作成経緯 金融検査における中小企業の取扱いについては、平成11年7月に作成・公表された金融検査マニュアルの中において、「特に、中小・零細企業等については、当該企業の財務状況のみならず、当該企業の技術力、販売力や成長性、代表者等の役員に対する報酬の支払状況、代表者等の収入状況や資産内容、保証状況保証能力などを総合的に勘案し、当該企業の経営実態を踏まえて判断するものとする。」ということを明記しています。 金融検査マニュアルに則した検査を実施している中で、検査マニュアルにおける中小・零細企業等の債務者区分の記述が判りにくい、検査において金融検査マニュアルが機械的・画一的に適用されており、中小・零細企業の実態を踏まえた判断がなされていないとの意見も寄せられました。 このような中で、平成14年2月に政府から発表された「早急に取組むべきデフレ対応策」において、中小・零細企業の経営実態に応じた検査の運用確保策の一つとして、「中小・零細企業等の債務者区分の判断について、金融検査マニュアルの具体的な運用例を作成し、公表する」ことが盛り込まれました。 これを受け、当庁では検証ポイントと運用例からなる金融検査マニュアル別冊[中小企業融資編]の作成に取組み、平成14年6月に作成・公表することとなりました。 |
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.金融検査マニュアル別冊の改訂の背景 14年6月に別冊を公表しましたが、当庁ではこの別冊の定着を図るべく、検査官、金融機関のみならず債務者である中小企業者に対して、各種の研修や説明会を延べ300回以上開催し、その周知徹底を図ったところです。 このような中で、15年3月に当庁が発表した「リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラム」において、「中小企業の実情に即したきめ細かな実態把握に一層努めるため、別冊の定着状況等をモニタリングし、その内容が中小企業の実態による即したものとなるよう改訂する」ことが盛り込まれました。 当庁では、別冊の定着状況のモニタリングのため、金融機関、中小企業へのヒアリング(約250先)、また、別冊に関するアンケート調査(約4,000先)を実施しましたが、この中で多種・多様な意見をいただいております。 今回の改訂案を作成するに当たっては、いただいた意見を相当程度反映するとともに、最近の中小企業金融における環境の変化にも対応したものとなるよう改訂作業を進めました。そして、昨年12月22日に改訂案を公表しました(本年1月21日にパブリックコメントの受付を終了致しました)。 |
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.改訂の趣旨 今回の改訂案策定の背景として、金融機関が資金仲介機能を一層活発に発揮していくための環境整備を図っていくという狙いがあります。 金融技術の革新に伴い金融仲介の手法が非常に多様化していく中においても、預金取扱金融機関を通じた金融仲介機能は、引き続き重要な役割を果たしています。特に中小企業金融においては、地域に密着した長期安定的な取引関係が典型的です。金融機関は、このような日頃の取引関係の中で蓄積される情報をベースに、債務者のリスクを評価し、リスクテイクする形で金融仲介の機能を果たしています。 こうした金融仲介では、金融機関と債務者との間で質が高く、かつ密度の濃い意思疎通が図られる必要があり、「金融機関と債務者との間で中身のある意思疎通が行われているか」「意思疎通を通じて経営実態の把握や、債権管理の一環として債務者への経営指導等の働きかけが行われているか」といった点が重要となります。 このような考え方の下、今回の改訂では、より積極的に債務者とのかかわり合いを真摯に果たしている、あるいは果たそうとしている金融機関について、結果として、検査でも差が出るよう改訂案を作成しています。この結果、各金融機関の「本来の意味での」積極的なリスク評価、リスクテイクといった資金仲介機能にインセンティブを付与することにもつながると考えています。 しかしながら、あくまでもインセンティブの付与ですので、強制するものではありません。つまり、金融機関が様々なビジネスモデルの中で、独自性を発揮し積極的な金融仲介を果たそうとする際には、金融当局の関与が阻害要因になってはならない、という観点も今回の改訂案には含まれています。 今回の改訂に当たっては、本稿で簡単に触れた「債務者との意思疎通」のほか、「擬似エクイティへの対応」、「小口・多数の債権の分散効果」、「運用の改善」、「事例の大幅な拡充」という5つの柱を建てており、これらの詳細については、次回以降の連載において詳細に記載することを予定しております。 |
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「金融検査マニュアル別冊〔中小企業融資編〕」改訂案については、金融庁のホームページの「パブリック・コメント」から「金融検査マニュアル別冊〔中小企業融資編〕等の改訂(案)について」にアクセスしてください。また、「金融検査マニュアル別冊〔中小企業融資編〕」の基本的考え方等について、詳しくは金融庁ホームページの「政策ピックアップ」のコーナーにある「中小企業金融特集」の「金融検査マニュアル別冊(中小企業融資編)」にアクセスしてください。 |
※ | 金融検査については、アクセスFSA第10号の「金融便利帳:金融検査」で解説しておりますので、アクセスしてみてください。 |