地域密着型金融(リレーションシップバンキング)の機能強化
~地域密着型金融の一層の強化~
I .「地域密着型金融の機能強化の推進に関するアクションプログラム(平成17~18年度)」(17年3月29日)に基づく取組み
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(1)16年末に公表した「金融改革プログラム」(16年12月24日)では、17年度以降の地域金融について、新たなアクションプログラムを策定することとなり、金融審議会の「リレーションシップバンキングのあり方に関するワーキンググループ」(以下「ワーキンググループ」)における議論及び2回の地方懇談会(福岡市、大阪市)を経て、「『リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラム』の実績等の評価等に関する議論の整理(座長メモ)」(17年3月28日)が取りまとめられ、公表されました。
平成17年3月、金融庁では、ワーキンググループにおける議論等を踏まえ、平成15年度及び16年度の2年間(「集中改善期間」)を対象とした「リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラム」(15年3月28日)(以下「旧アクションプログラム」)を承継する、17年度及び18年度の2年間(「重点強化期間」)を対象とした「地域密着型金融の機能強化の推進に関するアクションプログラム(平成17~18年度)」(17年3月29日)(以下「新アクションプログラム」)を策定・公表しました。
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(2)これを受け、各金融機関は、新アクションプログラムに基づき、地域密着型金融の機能強化を確実に図るため、地域の特性等を踏まえた個性的な「地域密着型金融推進計画」(計画期間は17~18年度)を策定・公表(詳しくは「『地域密着型金融の機能強化の推進に関するアクションプログラム(平成17~18年度)』に基づく『地域密着型金融推進計画』の概要について」(17年10月26日)をご覧ください)し、各種の取組みを推進してきました。
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(3)平成15年度から18年度にかけての、地域金融機関における地域密着型金融の機能強化の進捗状況については、各種取組み実績(件数・金額)をみると、総じて着実に実績は上がっているものと考えられます。また、利用者アンケート調査においても、地域密着型金融の機能強化の取組み全体に関する評価は、積極的な評価が半数を超える一方、事業再生や担保保証に過度に依存しない融資の推進、地域貢献など、消極的評価が上回っているものもみられます。
これらは、19年4月に金融審議会でとりまとめられた報告書(「地域密着型金融の取組みについての評価と今後の対応について」)の前提となった現状認識とも共通しており、同報告書では、このような認識を踏まえ、
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○事業再生をはじめとした取引先企業の支援強化
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○事業価値を見極める融資手法はじめ中小企業に適した資金供給手法の徹底
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○地域の情報集積を活用した持続可能な地域経済への貢献
の3項目について、各地域金融機関に対して、引き続き取組みを求めています。今後、これらを踏まえ、各地域金融機関の一層の取組みが期待されます(詳しくは「地域密着型金融(平成15~18年度 第2次アクションプログラム終了時まで)の進捗状況について」(19年7月12日)をご覧ください)。
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(4)【参考】地域密着型金融の機能強化の推進に関するアクションプログラム(平成17~18年度)」に沿った各中小・地域金融機関の取組みを進めるため、金融庁は以下の措置を講じました。
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○新アクションプログラムの策定に伴い、中小企業金融の再生の促進等に関し、「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」を一部改正・公表(17年4月1日)
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○「『リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラム』に基づく取組み実績と総括的な評価について」を公表(17年6月29日)
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○「中小企業金融データリンク集」を金融庁ホームページに掲載(17年6月末)
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○「『利用者満足度向上に向けた懇談会』の概要」を公表(17年8月9日)
「利用者の満足度を重視した金融機関経営の確立について」を各業界団体等に要請(17年8月10日)
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○「17年5月に実施した『中小企業金融モニタリング』の取りまとめ結果について」を公表(17年8月12日)
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○「『人材ネットワーク』の構築について」を公表(17年8月26日)
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○「地域密着型金融の推進に向けた金融機関の取組みに対する意見・要望窓口」を各財務局のホームページに設置(17年9月)
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○「金融行政アドバイザリー制度の導入について」を公表(17年9月14日)
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○「『地域密着型金融の機能強化の推進に関するアクションプログラム(平成17~18年度)』に基づく『地域密着型金融推進計画』の概要について」を公表(17年10月26日)
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○「17年8月に実施した『中小企業金融モニタリング』の取りまとめ結果について」を公表(17年10月26日)
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○各財務局において「地域密着型金融に関するシンポジウム」を開催(17年11月~18年2月)
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○「『中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針』の改正について」を公表(17年12月22日)
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○「『地域密着型金融の機能強化の推進に関するアクションプログラム(平成17~18年度)』の進捗状況について(平成17年度上半期)」を公表(18年1月31日)
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○「17年11月に実施した『中小企業金融モニタリング』の取りまとめ結果について」を公表(18年1月20日)
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○「主要行等向けの総合的な監督指針、中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針、保険会社向けの総合的な監督指針の一部改正について」を公表(18年3月31日)
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○信用金庫法施行規則等の改正(協同組織金融機関のディスクロ誌について7月末までの開示を義務付け)(18年4月1日施行)
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○「18年2月に実施した『中小企業金融モニタリング』の取りまとめ結果について」を公表(18年4月11日)
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○「『地域密着型金融の機能強化の推進に関するアクションプログラム(平成17~18年度)』の進捗状況について(平成17年度)」を公表(18年7月4日)
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○「18年5月に実施した『中小企業金融モニタリング』の取りまとめ結果について」を公表(18年7月4日)
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○「18年8月に実施した『中小企業金融モニタリング』の取りまとめ結果について」を公表(18年10月12日)
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○「『地域密着型金融の機能強化の推進に関するアクションプログラム(平成17~18年度)』の進捗状況について(平成18年度上半期)」を公表(18年12月21日)
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○「18年11月に実施した『中小企業金融モニタリング』の取りまとめ結果について」を公表(19年1月19日)
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○「金融行政アドバイザリー連絡会議について」を公表(19年1月29日)
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○「19年2月に実施した『中小企業金融モニタリング』の取りまとめ結果について」を公表(19年4月25日)
上記の措置を講じたほか、以下の取組みについて定期的に実施しています。
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地域金融円滑化会議
貸し渋り・貸し剥がしに関する情報の受付を通じて寄せられた情報や、各中小・地域金融機関等に寄せられた苦情・相談等に関し、財務局・金融機関・関係団体間で意見交換を実施しています。
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中小・地域金融機関の主な経営指標の取りまとめ
中小・地域金融機関の利用者に対する情報提供の充実を図るため、各中小・地域金融機関の財務上の主要な諸指標を取りまとめています。
※ 詳しくは「中小・地域金融機関の主な経営指標」をご覧ください。
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中小・地域金融機関に対する利用者等の評価に関するアンケート調査
中小・地域金融機関の利用者利便の向上を促すため、利用者等の評価に関するアンケート調査を実施し、その結果を取りまとめています。
※ 詳しくは「中小・地域金融機関に対する利用者等の評価に関するアンケート調査結果」をご覧ください。
II .平成15~16年度における取組み
-「リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラム」(15年3月28日)-
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(1)15年3月、金融庁は、中小・地域金融機関について、中小企業の再生と地域経済の活性化を図ることで不良債権問題も同時に解決していくことを目指し、15年度及び16年度の2年間(「集中改善期間」)を対象とした「リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラム」(15年3月28日)を策定・公表しました。
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(2)これを受け、各中小・地域金融機関は15年度及び16年度の「集中改善期間」における中小企業金融の再生と地域経済の活性化に向けた取組みについての「リレーションシップバンキングの機能強化計画」を策定し(詳しくは「リレーションシップバンキングの機能強化計画の概要」(15年10月7日)をご覧ください)、各種の取組みを推進しました。
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(3)各中小・地域金融機関の機能強化計画の進捗状況は半期毎に金融庁に報告されましたが、15~16年度の「集中改善期間」における金融機関の取組み実績をみると、総じて、地域密着型金融の機能強化に向けた取組みは、着実に進捗しているものと考えられます。他方、創業・新事業支援や早期事業再生などの分野をはじめ、その効果が顕在化するまでには一定の時間を要する取組みが少なくないことを踏まえれば、今後ともこうした取組みを継続していく必要があると考えられます。(詳しくは「リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラム」に基づく取組み実績と総括的な評価について(17年6月29日)をご覧ください)。
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(4)【参考】「リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラム」に沿った各中小・地域金融機関の取組みを進めるため、金融庁は以下の措置を講じました。
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○各財務局で「産業クラスターサポート金融会議」を立上げ(15年5月~6月)
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○各財務局・財務事務所で「地域金融円滑化会議」を立上げ(15年6月)
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○取引先企業への支援業務に係る銀行法上の取扱い等に関し、事務ガイドラインを改正・公表(15年6月30日)
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○「新しい中小企業金融の法務に関する研究会報告書」を公表(15年7月16日)
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○与信取引に関する顧客への説明態勢及び相談苦情処理機能に関し、事務ガイドラインを改正・公表(15年7月29日)
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○「リレーションシップバンキングの機能強化計画の概要について」を公表(15年10月7日)
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○近畿財務局(15年10月21日)、東海財務局(15年10月23日)において、中小企業金融をテーマとしたシンポジウムを開催
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○「リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラムの進捗状況(平成15年度上半期)について」を公表(16年1月16日)
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○検査マニュアル別冊(中小企業融資編)を改訂(16年2月26日)
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○「中小・地域金融機関の主な経営指標」を金融庁ホームページへ掲載(16年4月2日)
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○「中小・地域金融機関に対する利用者等の評価に関するアンケート調査結果」を公表(16年4月27日)
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○「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」(監督ハンドブック)を策定(16年5月31日)
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○「リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラムの進捗状況(平成15年度)について」を公表(16年6月30日)
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○「リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラムの進捗状況について(平成15年度~16年度上半期)」を公表(16年12月27日)
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○「『リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラム』に基づく取組み実績と総括的な評価について」を公表(17年6月29日)
III .アクセスFSAでの解説記事
第50号
第48号
第46号
第45号
第42号
第41号
第39号
- 地域密着型金融の機能強化に推進に関するアクションプログラム(平成17~18年度)の進捗状況について(平成17年度上半期)
- 平成17年11月に実施した「中小企業金融モニタリング」の取りまとめ結果の公表について
第38号
第36号
- 「地域密着型金融の機能強化の推進に関するアクションプログラム(平成17~18年度)」に基づく「地域密着型金融推進計画」の概要について
- 「中小企業金融モニタリング(平成17年8月実施)」の取りまとめ結果について
第35号
第34号
第33号
- 「リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラム」に基づく取り組み実績と総括的な評価ついて(第2回:「金融機関の取組みに対する総括的な評価」)
- 「平成17事務年度 中小・地域金融機関向け監督方針」について
第32号
第29号
第28号
第26号
第22号
第21号
第20号
第19号
第18号
第17号
第14号
第12号
- 「地域経済再生シンポジウム」の開催について(関東財務局)
- 「中小企業金融に関するシンポジウム イン 大阪」の開催について(近畿財務局)
- 「中小企業金融に関するシンポジウム イン 名古屋」の開催について(東海財務局)
第11号
第10号
第9号
第8号
第7号
第6号
第5号
- 「リレーションシップバンキングの機能強化に向けて(金融審議会金融分科会第二部会報告書)」
- 「堀内昭義金融審議会第二部会長インタビュー」
* 第二部会報告「リレーションシップバンキングの機能強化に向けて」のポイントや中小・地域金融機関の将来展望などについてお話をお伺いしています。
- 「金融ここが聞きたい!」(Q&A)
* 「中小・地域金融機関の不良債権処理について、主要行のような数値目標を設けないということですが、これで中小・地域金融機関の健全化は図られるのでしょうか?」「『アクションプログラム』では、こと細かに中小・地域金融機関の経営に注文を付けていますが、これは規制緩和の流れに逆行するものではありませんか?」といった疑問に、竹中大臣の記者会見の中から該当する部分を抜き出してお答えしています。