日本への参入業者リスト

PE Investments Japan合同会社 (2024年2月)

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ボストン

ウォーレン・ナフタル
PE Investments Japan合同会社 エグゼクティブ・マネージャー
P/E Global LLC 社長兼最高投資責任者(CIO)

メアリー・スティーブンス・ナフタル
PE Investments Japan合同会社 エグゼクティブ・マネージャー
P/E Global LLC 最高執行責任者(COO)

ミシェル・シリロ
P/E Global LLC 最高法務責任者(CLO)

日本

大塚 文彦
PE Investments Japan合同会社 エグゼクティブ・マネージャー

八代 淳
PE Investments Japan合同会社 ヘッド・コンプライアンス・オフィサー

鈴木 元子
PE Investments Japan合同会社 クライアント・サービス・マネージャー

聞き手:金融庁 (2023年9月)

会社概要
会社名: PE Investments Japan合同会社
設立: 2022年11月9日
主要業務: 金融商品取引業(投資助言・代理業)
金融商品取引業者: 関東財務局長 (金商) 第3388号
ウェブサイト:https://www.peinvestments.com/

PE Investments Japan合同会社のロゴ。「P/E INVESTMENT」と記載されている。

1. 投資助言・代理業ライセンスの取得、おめでとうございます。あらためて貴社の事業内容について教えてください

P/Eの沿革と現況について(ウォーレン・ナフタル)

ありがとうございます。業登録が完了し、日本の投資家の皆様に弊社のサービスを提供できることを嬉しく思います。
2022年にP/E Global LLC (以下「P/E」)は、全額出資子会社としてPE Investments Japan 合同会社(以下「PEジャパン」)を設立しました。P/Eの設立は1995年に遡り、その年に3人のパートナーがマサチューセッツ州ウェストンの自宅の納屋を拠点としてP/Eを立ち上げました。そして納屋で創業した私たちは、世界中の投資家にサービスを提供するまでに成長しました。P/Eは米国証券取引委員会に投資アドバイザーとして、米国商品先物取引委員会に商品先物取引アドバイザー及び商品先物ファンド運用業者として登録されています。
P/Eのミッションは、機関投資家および適格投資家に対して、効率的でカスタマイズされたソリューションを提供することです。私たちは、これらの目標を達成するために、ファンダメンタルズに基づくシステマティックなアプローチによって、グローバルに様々なアセットクラスに投資を行います。
当社の専門家チームは、ポートフォリオ管理、アセットアロケーション、市場分析、およびリスク管理に関する豊富な経験を有しています。そして私たちは、効果的な分散投資、徹底した分析、一貫したリスク管理が優れた運用パフォーマンスにつながると考えています。2023年10月1日には、当社独自のFX戦略の20周年を祝いました。
P/Eの本社はボストンにありますが、当社はシンガポールとオーストラリアに長年拠点を置くグローバル・マネージャーです。最近では英国に拠点を開設し、今回日本にも拠点を開設しました。

このタイミングでの日本進出となった理由について(メアリー・スティーブンス・ナフタル)

当社の投資家基盤はグローバルですが、今までは主に英語圏の国々に拠点を置いてきました。私たちは、アルファの源泉の多様化を可能とするP/Eの戦略により、日本の機関投資家に貴重な投資機会を提供できると考えています。また、当社の投資プロセスは、競合他社とは一線を画するものであると私たちは考えています。
P/Eはグローバルな投資コンサルタントと強固な関係を構築しています。また当社はシンガポール・オフィスを拡大し、トレーディング・スタッフ及びオペレーション・スタッフを加え、それぞれボストンを拠点とするトレーディング・チーム及びオペレーション・チームと連携する24時間体制を確立しています。私たちは、このように、海外拠点の拡充によるグローバル体制構築を目指しています。そして当社は、日本の機関投資家に当社の投資戦略やサービスを紹介するライセンスを申請するためにPEジャパンを設立しました。日本進出・ライセンス申請のタイミングを検討する際の調査において、外国企業支援のための様々な施策があることを知り、国際金融センターとしての日本のコミットメントを感じました。英語での申請を可能とするために2021年に拠点開設サポートオフィスが設立されたことは、私たちが業登録のプロセスを開始する判断をするための重要なインセンティブとなりました。

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PEジャパンの位置付けについて(大塚 文彦)

P/Eは日本の機関投資家に価値のあるサービスを提供することにコミットしています。そのコミットメントの証として、PEジャパンを設立しました。P/Eは投資家と緊密に連携し、投資家固有のニーズと課題に対応するソリューションを提供しています。これらのサービスを提供するためには、日本の投資家と直接話ができ、ボストンのP/E担当者と連携ができる日本人専門家が必要です。このビジネスモデルは、シンガポール、オーストラリア、英国などの諸国でも機能しています。この新しい章を日本で始めることをとても嬉しく思うと同時に、日本の投資家に合わせたソリューションの提供のため、より一層努力していきたいと思います。

2.拠点開設サポートオフィス(FMEO)による英語での業登録プロセスの印象について教えてください。

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メアリー・スティーブンス・ナフタル

すべての手続きが英語で行われたことはとても助かりました。これにより、規制当局および弁護士との効率的なコミュニケーションが可能となりました。特にPE ジャパンのコンプライアンスマニュアルを英語で作成することが認められたことや、今後の監督も英語で行われることについては感謝しています。監督が英語で行われることにより、日本のコンプライアンスオフィサーの知見や経験を活かしたサポートを加えつつも、既存のグローバルなコンプライアンスの枠組みをより活用することができるからです。

ミシェル・シリロ

私は他の国でも新たなライセンス登録に関わる業務を経験していますが、英語圏以外でのライセンス登録は今回が初めてでした。2021年より金融庁が英語での業登録を開始したことを知り、嬉しく思いました。英語で書かれたFMEOの質問は、業登録の要件についての私たちの理解を深めるのに十分明確でありました。またビデオ会議での対話についても、金融庁スタッフの英語が流暢であったことに大変感謝しています。FMEOとP/Eの間で交わされた英語の電子メールはすべて代理人弁護士にも共有され、必要な相談が容易にできました。

八代 淳

FMEOの職員は、業登録プロセス全体を通じて、非常に専門的で、知識が豊富であり、丁寧なご指導を頂きました。一例として、最初のオンライン会議では、JIAA(日本投資顧問業協会)の入会申込書と協会規則の英語版がJIAAのホームページで入手できることをご教示頂きました。これにより、JIAAの規則をより効率的にPE ジャパンの社内規則に組み込むことができました。その結果、ライセンス登録後のJIAA入会手続きをより円滑に進めることができたと考えています。

3.金融庁とトライコー・ジャパンによる「金融創業支援ネットワーク(モデル事業)」を利用した印象について教えてください。

八代 淳

過去2年間、私は金融庁とトライコー・ジャパンが共催する金融創業支援ネットワーク(モデル事業)に関するセミナーに何度か参加し、モデル事業を含めた様々な情報を得ることができました。これらのセミナーは非常に参考になり、本プログラムをP/E本社に推薦することができました。セミナーでは参加者からの質問を受け付けており、規制面での最新情報も入手することができました。

メアリー・スティーブンス・ナフタル

「金融創業支援ネットワーク(モデル事業)」への申請をご承認頂き、業登録に伴う費用の一部について費用支援を頂くことができました。トライコー・ジャパンは、手続きを非常にスムーズに進めてくれました。

4. PEジャパンの将来のビジョンを教えて下さい。

ウォーレン・ナフタル

私たちの戦略は、顧客ポートフォリオの中でさまざまな形で活用されています。例えば、日本の機関投資家の為替リスク管理の改善やヘッジコストの削減をサポートできると考えています。加えて、このますます変動する市場環境において、当社の商品は標準的なポートフォリオに対して分散効果をもたらすことができると考えています。

メアリー・スティーブンス・ナフタル

P/Eのコア・バリューである誠実さ、リーダーシップ、チームワーク、コミットメントが、当社の企業文化を形成しています。私たちは、当社のリーダーの多くが新卒として入社し、当社の企業理念に適う貢献を果たしてきたことを誇りに思っています。私たちは教育と革新を信じています。例えば、ボストンの強力な学術インフラを活用し、従業員がフルタイムで2年間勤務した後の大学院での研究を支援しています。私たちは、私たちの価値観、そして人々に対する私たちのコミットメントが、私たちの日本人スタッフと日本の投資家の心に響くと信じています。この企業理念を礎として、PEジャパンが成長していくことを期待しています。

大塚 文彦

日本の機関投資家と、潜在的な投資機会やP/Eがどのように役に立てるか話しあえることを、とても嬉しく思っています。PEジャパンは、日本の資産運用会社、信託銀行および金融機関と協力して、彼らのニーズを満たすための知見の提供、また、戦略の開発を行っていきます。日本の投資家は何十年にもわたって低金利環境という課題に取り組み、その結果、彼らの海外資産は長年にわたって大幅に増加してきました。まさにこの投資環境において、通貨戦略は日本の投資家にとって極めて重要となっているのです。同様に重要なことは、通貨は他のアセットクラスと相関の低いアルファを提供することができ、それによって投資家のポートフォリオに多様なアルファの源泉をもたらすことができることです。ウォーレンが指摘したように、P/Eはファンダメンタルズに基づくシステマティックなアプローチによる投資を行うことで、為替リスクを適切に管理し、さらに、アルファを生み出すことができると考えています。

鈴木 元子

2023年6月にP/Eに入社した後、私は2カ月間の研修のためにボストンを訪れました。ボストン・オフィスにいた頃、私はP/Eが真にフラットな組織であり、チームが新しい同僚を親身にサポートし、経営者が従業員の健康、福祉、利益の促進に専心していることに感心しました。また、オフィスもとても整頓されていました。椅子や机はいつも清潔で、机の上にはコーヒーやクッキーのくずなどは一切なく、日本文化に似た規律が示されていました。P/Eは、誠実さ、リーダーシップ、チームワーク、コミットメントというコア・バリューを反映したグローバルな文化を浸透させるよう努めています。グローバルP/Eチームの一員として、日本の機関投資家に対して優れた顧客サービスを提供していきたいと思います。

八代 淳

P/Eがグローバルなコンプライアンス体制を構築し、意思決定のプロセスにおいてコンプライアンスを尊重し配慮している組織であることに感謝しています。P/Eグローバル・コンプライアンス・チームと協力し、FMEOからのご指導も活かしながら、当社の国内での継続的な成長のために、コンプライアンス・オフィサーとしての責務を全うしたいと願っています。

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ウォーレン・ナフタル
PE Investments Japan合同会社 エグゼクティブ・マネージャー

ポートフォリオ・マネジメントおよび証券トレーディング分野で豊富な経験を持つ。P/Eインベストメンツの共同創業者であり、社長兼最高投資責任者。1993年から1995年まで、パトナム・インベストメンツのシニア・バイス・プレジデント兼デリバティブ戦略チームのヘッドとして35億ドルの資産を運用。また、パトナム・インベストメンツのコモディティ投資および外国為替オーバーレイ分野の責任者として、米国および日本の主要顧客と幅広く関わった。 1989年から1993年まで、コンチネンタル・バンクのマネージング・ディレクターとして、グローバル・リスク・マネジメントの責任者及び自己勘定トレーディングの責任者、また、カーディナル・キャピタル・マネジメントのマネージング・パートナーを務めた。1987年から1989年まで、コンチネンタル・バンクのバイス・プレジデントとしてデリバティブ取引を担当。1987年にグレース・インベストメンツを共同設立。1983年にカリフォルニア大学バークレー校より土木工学の理学士号を取得。1985年にマサチューセッツ工科大学スローン校(COGME奨学生として就学)より理学修士号を取得。

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メアリー・スティーブンス・ナフタル
PE Investments Japan合同会社 エグゼクティブ・マネージャー
P/E Global LLC 最高執行責任者(COO)

戦略分析、オペレーション、マクロ経済リサーチの分野で専門知識を有する。1995年にP/Eインベストメンツを共同創業し、現在は最高執行責任者を務める。1991年から1994年まで戦略コンサルタントとして大手企業にアドバイスを提供。1986年から1991年までマッキンゼー・アンド・カンパニーで経営コンサルタント。それ以前はモルガン・スタンレー・アンド・カンパニーに勤務し、コーポレート・ファイナンスやM&A取引に携わる。1981年から1984年まで金融ソフトウェア業者であるハーパー・アンド・シューマンでクライアント・マネージャーを務めた。1981年、コロラド・カレッジを優等で卒業し、経済学士号を取得、1986年、マサチューセッツ工科大学スローン校を卒業し、理学修士号を取得。ファイ・ベータ・カッパのメンバーであり、ベッチャー奨学金を全額受けている。

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ミシェル・シリロ
P/E Global LLC 最高法務責任者(CLO)

2016年にP/E Investmentsに入社し、現在は最高法務責任者を務める。2014年から2016年まで、プライベートファンド、CLO、及び大手の機関投資家の投資アドバイザーを務める登録投資アドバイザーであるレジメント キャピタル アドバイザー エルピーのジェネラル・カウンセル兼チーフ・コンプライアンス・オフィサーを務める。その前は国際法律事務所であるビンガム マッカッチェン エルエルピーのインベストマネジメントプラクティス部門のパートナーを務める。14年間のビンガム在職中、投資アドバイザー、プライベートファンド、ミューチュアルファンド、クローズドエンド型ファンド、機関投資家、プレースメント・エージェントに対し、法律や規制に関する幅広い問題について助言を行った。ケー&エルゲイツ エルエルピーの弁護士も務めた。1997年にコーネル大学を全科目優等で卒業し、学士号を取得。2000年にボストン大学ロースクールを優等で卒業し、J.D.を取得。2021年ボストン大学ロースクールで税法のLL.M.を取得。

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大塚 文彦
PE Investments Japan合同会社 エグゼクティブ・マネージャー

2022年12月にP/E Investmentsに入社し、日本における投資ソリューション事業を統括。それに先立ち、2020年以降、日本資産運用基盤グループにおいて投資助言業務に従事すると同時に、Visual Alpha(フィンテック会社)取締役を兼務。2015年から2018年までマーサーの日本における委託運用ソリューションビジネスを統括。2000年から2009年までパトナム・インベストメンツ債券部門の機関投資家向けポートフォリオ・マネージャー兼マネージング・ディレクターを務める。1984年から2000年まで三菱UFJフィナンシャル・グループの投資運用子会社で様々な役職を歴任。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス・アンド・ポリティカル・サイエンスで数理経済学の理学士号、金融経済学の修士号を取得。日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)。

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八代 淳
PE Investments Japan合同会社 ヘッド・コンプライアンス・オフィサー

2022年10月にP/E Investmentsに東京拠点のコンプライアンス・オフィサーとして入社。1984年から2001年までの株式会社横浜銀行勤務を始めとして、30年以上にわたり日本の金融業界に携わる。2005年から2011年までマニュライフ・アセット・マネジメント株式会社、2011年から2014年までピラミス・グローバル・アドバイザーズ株式会社、2014年から2020年までマッコーリー・アセットマネジメント株式会社に勤務。2020年から2022年までKeyaki Capital株式会社勤務。1984年に東京大学法学部を卒業し、1993年にデューク大学より法学修士号(LL.M)取得。1994年にニューヨーク州法曹資格取得。

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鈴木 元子
PE Investments Japan合同会社 クライアント・サービス・マネージャー

2023年6月、日本の顧客サービスチームの一員としてP/E Investmentsに入社。2017年から2023年まで、農林中金バリューインベストメンツ(NVIC)で海外企業のアクセス/リレーションシップ構築に注力。1997年から2017年にかけて、野村證券、JPモルガン、バンク・オブ・アメリカ・セキュリティーズなどのセルサイド証券会社で機関投資家向け株式販売に関する豊富な経験を持ち、主に日本の金融機関に対する日本株以外の株式の販売/マーケティングに従事。1993年に野村證券でリサーチアナリストとしてキャリアをスタート。1993年上智大学比較文化学部国際ビジネス学科卒業。日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)。