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IMPAXアセットマネジメント株式会社 インタビュー(2024年5月)

代表取締役
聞き手:金融庁(2024年2月)
会社概要
会社名:IMPAXアセットマネジメント株式会社
設立:2023年2月7日
主要業務:金融商品取引業(投資助言・代理業)
金融商品取引業者:関東財務局長(金商)第3398号
ウェブサイト:https://impaxam.com/

1. このたびは投資助言・代理業ライセンスの取得、おめでとうございます。あらためて貴社の事業内容について教えてください。
このたび、Impax アセットマネジメントグループが日本にIMPAXアセットマネジメント株式会社(以下、「Impaxジャパン」)を設立し、投資助言・代理業の登録を完了しました。このライセンスにより、Impax ジャパンは、Impax アセットマネジメントグループ内の代理・媒介業務を行う仲介会社として活動することで、日本の投資家により良いサービスを提供することが可能になります。また、グループ会社に対して日本株式に関する投資助言サービスを提供することも可能になります。この業登録の完了から始まるImpaxの日本市場への新たなステージを非常に楽しみにしています。
Impax アセットマネジメントは、より持続可能な世界経済への移行から生じる機会への投資を専門とする資産運用会社です。日本の投資家向けに約2,700億円(2023年12月現在)の運用を行っています。投資家は、当社の日本国内の販売パートナーであるBNPパリバ・アセットマネジメント・ジャパン株式会社(以下「BNPPAMジャパン」)が運用するファンドを通じて投資をします。グローバルに展開するImpax アセットマネジメントは、約7兆円の運用資産と約310人の従業員を擁する、持続可能な投資機会に特化した投資運用会社として世界最大級です。
当社が持続可能な世界経済への移行に向けた投資に注力していることは、ESGリスクやSDGs関連投資への関心の高まりなど、日本のアセットオーナーの間でこの分野に対する需要が高まっていることと整合しており、日本でのビジネスを成長させる大きな機会があると考えています。
香港以外のアジア拠点の検討を開始した際は、シンガポールも候補に挙がっていましたが、最終的に日本拠点の設置を決定しました。そのことが、Impaxが日本を市場規模や安定性の観点から投資家の資産を呼び込む可能性はもちろん、投資先としても魅力的な市場であると認識していることを示しています。

2. 金融庁・財務局の拠点開設サポートオフィス(FMEO)を利用した英語での業登録のプロセスおよび「金融創業支援ネットワーク(モデル事業)」のサポートを利用した感想を聞かせて下さい。
このプロジェクトを開始したときには、日本にはImpaxの従業員がおらず、本社に日本語を話せる従業員もいなかったため、手続きが複雑になるのではないかと心配していました。しかし驚いたことに、私たちは想像していた以上のタイムラインでライセンスを取得することができました。2024年3月に少なくとも日本支社の法人設立ができれば良いと思っていたところ、2023年12月に業登録の完了まで到達することができました。FMEOと一緒に仕事をすることによって、英語で書類を確認することができたので、私たち本社の従業員も内容を理解することができ、社内の関係者にもそのまま共有することができました。FMEOのおかげで、このプロセスは非常にスムーズだったと感じました。
事前相談面談および登録審査が英語で行われたことには大変感謝をしています。金融商品取引法の登録要件の詳細を本社に説明することは非常に難しく、翻訳に係る負担の軽減は非常に大きかったです。更に、ライセンス取得に係る費用の払い戻しが含まれるモデル事業の存在を知ったときは驚きました。オフィスを開設し、ライセンスを取得するために必要なサポートを得ることができました。
「資産運用立国」の実現に向けた政府の取り組みには大きな期待を抱いています。海外メディアでも取り上げられ、日本株式にもポジティブな影響を与えており、日本の存在感を高める絶好の機会であることから、引き続き政府の取り組みを応援したいと思います。

3. Impaxジャパンの将来のビジョンを教えてください。
近年、国内投資家からの投資額が増加していることに加え、当グループの投資方針(グローバル化、ESG/SDGsやコーポレートガバナンスの向上)に適合する日本企業が増加していることから、国内投資家へのマーケティングと日本資産への投資の双方の機会を捉えるために投資助言・代理業への登録を目指す決定をしました。当グループ全体の運用資産残高は7兆円ですが、日本への投資は約2,700億円であり、今後も増加が見込まれます。また、持続可能な経済への移行という当社の投資哲学に合致した興味深い日本企業がまだまだ多くあると考えています。
日本拠点では、2024年1月より株式調査アナリスト1名を新規採用するとともに、2024年には顧客サービス・媒介の担当を採用する予定です。


岩佐 泰光
IMPAXアセットマネジメント株式会社
代表取締役
ゴールドマン・サックスで12年間、デリバティブとストラクチャリングの分野でキャリアを積んだ後にPIMCOで法人部門の事業開発を担当。2023年3月に当社入社前は、テマセク・グループの資産運用部門であるフラトン・ファンド・マネジメントの日本代表を務めるなど、約30年にわたる投資銀行業務とファンドマネジメントの経験を有する。米コロンビア大学で国際経済学の修士号を、英エセックス大学で学士号を取得。