日本への参入業者リスト

HOKU株式会社(2024年6月)

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松本 リードさま HOKU株式会社
代表取締役 CIO

聞き手:金融庁(2024年2月)

会社概要
会社名:HOKU株式会社
設立:2017年2月9日
主要業務:金融商品取引業 投資運用業
金融商品取引業者 関東財務局(金商)3008号

HOKU株式会社のロゴ。「HOKU」と記載されている。

1. この度は適格投資家向け投資運用業から、投資運用業への変更登録完了おめでとうございます。貴社の概要を教えてください。

HOKU株式会社(以下、HOKU)は2017年2月に設立、同年8月に特定投資家向け投資運用業ライセンス登録を完了後、日本株式ロング/ショートトレーディング戦略の運用を始めました。その後2020年に入り業容拡大に着手した直後、コロナパンデミックのタイミングと重なってしまい計画を一旦ストップした経緯がありました。国地域ビジネスを問わず非常に困難な時期でしたが、コロナ渦中もHOKUでは一貫してアルファ値・リスク調整後リターンを出すことに集中しました。投資プロセスの再確立や業務体制の見直しなどの経営努力を続けたことも功を奏し、幸いにも安定した収益率を重ねることができました。その甲斐もあり、コロナ渦明けには多くの潜在投資家からHOKUへの興味を示していただき始めました。海外投資家が日本市場ファンダメンタルズとバリュー投資機会に魅力を見出し始めたことも大きな追い風となりました。

昨年からの資本効率の改善にかかる諸改革も好感され、海外投資家の日本株式市場への視線は更に熱く、日本の投資運用業者やヘッジファンド業界は極めて良いポジションにあると思います。HOKUではきめ細やかな運用により堅実な運用成績を出すことを第一としながら、この好機に業容拡大も進めてきました。その中で重要なステップとして、従来の適格投資家向け投資運用業から、預かり資産の上限制限のない投資運用業への登録変更を行いました。

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2.「拠点開設サポートオフィス」を通じての英語での投資運用業の変更登録を行いましたが、その手続きについてどう思われましたか。

はじめに、「拠点開設サポートオフィス」の皆様のサポートに感謝いたします。英語でのコミュニケーションが取れることはありがたく、通常業務とは違う登録手続きにおいては大きな助けとなりました。

HOKUでは国際色豊かな多様性のあるチームが日本拠点で日本株式運用を行っています。メンバーはそれぞれ国内外で日本株式関連業務に携わってきた長い業務経験を持ち、内外の市場関係者や機関投資家とのコミュニケーションなども含め、使用言語は英語です。内部規程や関係書類は従来から業容拡大に併せて英語化を含め修正を行ってきていましたが、今回の登録申請のプロセスで今後の組織の成長を念頭において全体を見直すことができました。

結果として、海外投資家から求められる国際標準としての英語による諸規定の包括的な見直しできたことは大きなプラスとなりました。

日本市場と政府の施策についてのお考えをお聞かせください

HOKUではこれまで一貫した姿勢で投資運用を行ってきました。市場を理解することに努め、少しずつでもアルファ値・収益率を積み重ねることにより投資家からの信頼もよせられここまで来られたと思います。日本株式を投資対象とする単一戦略・単独CIO体制の投資運用業者・ヘッジファンドは日本にはまだまだ少数です。それに対して、税制優遇や業登録が比較的簡単に行えることからだと思いますが、香港やシンガポールには多数の投資運用業者やヘッジファンドが見られるようですが、HOKUにとっては、日本株式市場の中心である東京にいることは必要不可欠で、これ以外の選択肢はありません。拠点サポートオフィスをはじめとする金融庁と財務局のサポートと日本政府による資産運用立国実現プランなどの働きかけにより、今後は日本の資産運用業者は増えてくることと期待しています。資産運用業界の活性化は素晴らしい動きです。業者間の競合は進むでしょうが、業界の成長と分配の好循環による恩恵は更に大きくなるでしょう。HOKUはこのダイナミックな改革を体感しており、また投資運用業者全体がこの機会をうまくとらえ、次の大きなステージに進められるよう業界の一員として良いプレッシャーを感じています。

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左から、アンダーソン・ミカエル(ヴァイスプレジデント)、ガスティン・コリー(投資部門 取締役)、松本 リード(代表取締役 CIO)、門田 裕美子(取締役 COO)、リード・ロドニー(シニアアナリスト)

3. HOKUの今後の展望をお聞かせください

2024年に入りHOKUは設立から7周年を迎えました。適格投資家向け投資運用業登録時は3名での小さなチームでしたが、預かり資産の増額もあり徐々にメンバーを増やし、現在は5名になりました。今回の投資運用業登録を大きな礎として今年は更に採用を続け、業容拡大を進めていきます。また、投資助言・代理業の申請登録も考慮に入れていく所存です。

繰り返しになりますが、投資家にアルファ値で貢献することがHOKUの大命題です。投資運用に加え、投資助言にて投資家に貢献できる体制を作りたいと思っております。

HOKUの名前の由来について教えてもらえますか

HOKUはハワイ語で「星」という意味を持ちます。日本語ではご存じの通り「北」と読めます。私自身はハワイ生まれ育ちの日系4世で、投資運用会社を設立するときは自分のルーツに関するハワイ語で名前をつけたいと思っていました。古くから航海の指標となった北極星のように、HOKUはぶれない姿勢を貫くことで、投資家また運用業界の発展にも長く貢献できるようチーム一丸となって努力を続けていく所存です。

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松本 リード
HOKU株式会社
代表取締役 CIO

大学卒業後ゴールドマンサックス社ニューヨーク本店に就職、日本株式トレーダーとして従事。リーマンブラザーズ証券での勤務後、Envison Asset Managementを設立、共同CEO/CIOとして従事。2010年から2017年はクレディスイス証券株式トレーディング部門責任者として従事。2017年2月にHOKU株式会社を設立、代表取締役兼CIOとして就任。 米プリンストン大学卒業