日本への参入業者リスト
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アルファ・ファイナンシャル・アドバイザーズ合同会社(2024年10月)

場所: Signature日比谷ファースト
同社取締役CEO
インタビュアー:金融庁 (2024年7月)
場所: Signature日比谷ファースト
会社概要
会社名:アルファ・ファイナンシャル・アドバイザーズ合同会社
設立:2023年4月
主要業務:金融商品取引業 (投資助言・代理業)
金融商品取引業者 関東財務局長 (金商) 第3411号
ウェブサイト:https://www.alphafa.com/ja/

1. アルファ社の日本進出
投資助言・代理業の登録完了、おめでとうございます。貴社の概要と、今回日本市場への参入を決めた理由を教えていただけますか。
アルファ・ファイナンシャル・アドバイザーズ・エルエルシー (Alpha Financial Advisors, LLC) は、2002年に米国証券取引委員会 (SEC) の監督下にある登録投資アドバイザー (CRD#122545 SEC#:801-79666) として設立され、個人投資家向けにポートフォリオ・マネジメントやファイナンシャル・プランニングのサービスを提供しています。私は同社のビジネスを拡大するというビジョンを持って2011年に入社しました。同社の運用資産は当時の38百万米ドルから498百万米ドルに増加しました (2024年8月現在)。
アルファ社は、米国で構築した独立した投資助言プラットフォームを日本に導入するために日本へ参入しました。対象は、日本在住のエクスパットと日本の個人投資家を想定しています。このビジネスモデルは、資格を持った専門家による継続的な金融アドバイスにより、顧客と長期に渡る良好な関係を構築することに重点を置いており、一般的に個人に商品を販売する金融商品仲介業者または金融サービス仲介業者として機能する日本の独立ファイナンシャル・アドバイザー (IFA) とは異なります。
米国では、独立系のRIA (個人向け投資顧問業者) の市場シェアが引き続き拡大しており、過去30年間にわたって個人投資家に多大な利益をもたらしてきました。日本が金融サービスの近代化を進めている今、このビジネスモデルは日本の個人投資家にも利益をもたらす可能性があります。現在の日本の個人投資家の置かれている環境は、約30年前の米国と似ています。当時、米国の金融サービス業界の先駆者たちは分裂し、それぞれの独立したプラットフォームを通じて、顧客本位のアドバイスを提供する流れを作り出しました。日本でも、個人投資家の金融知識レベルの向上と共に、独立した登録投資アドバイザーである専門家からより包括的な助言を求める流れができ、同種のサービスに対する需要は増加すると予想されます。また、私たちは、同様のビジョンを共有する日本の独立したアドバイザーのリソースとしての役割を果たし、私たちの経験を共有することで、日本におけるこの独立した投資助言ビジネスモデルの影響力を高め、需要を創出したいと考えています。

2. 金融庁・財務局の「拠点開設サポートオフィス (FMEO)」を利用した英語での業登録手続きや、「金融創業支援ネットワーク」のサポートを利用した感想を聞かせて下さい。
FMEOを通じた英語での登録申請ができたことは私たちの日本進出において成功の鍵となりました。英語での登録申請が可能となる以前は、金融商品取引業を取得するのは困難だと感じていました。FMEOのサポートがなければ実現することはほぼ不可能だったと思います。英語でのコミュニケーション、英語で書類の提出ができたことは非常に助かりました。
「金融創業支援ネットワーク」によるサポートも、スムーズに業登録を完了することができた大きな理由の一つです。それがなければライセンス取得のためのコストと設立に関連するリーガル費用は、私たちのような小規模の企業にとって法外なコストとなり、参入の大きな障壁となっていたと思います。

場所: Signature日比谷ファースト
3. 「アンさん、日本への想いや日本ビジネスへの情熱について聞かせてください。」
私は若い頃から国際情勢に興味があり、好奇心に駆られて日本での大学留学プログラムに参加し、日本語と日本文化に魅せられました。その経験から、国際的なプロフェッショナルとしてのキャリアを築こうと決意しました。当時デロイト&トウシュと等松青木監査法人の合併に関する本を読んで感動し、それをきっかけとして公認会計士になり、デロイトのニューヨーク事務所の日本担当としてキャリアをスタートさせました。その間も私はずっと「日米の文化の架け橋」になりたいというビジョンを持ち続けていました。数年後、私は東京事務所に転勤になり、複数の金融機関の監査業務を経験しました。そして8年後、アメリカに帰国した際には、金融機関で働くよりも、直接個人のお金に関する不安を解消するほうがより影響力が高いと確信していました。そこで公認ファイナンシャル・プランナーの資格を取得し、2011年にアルファ・ファイナンシャル・アドバイザーズでAlphaのブランディング、つまり当時はまだアメリカ国内でもマイナーだったRIAビジネスモデルの認知を広めて顧客を獲得させるためのキャリアをスタートしました。
その過程で、日本で同じタイプのビジネスを始めようとしている日本人ファイナンシャル・アドバイザーたちと出会いました。私は彼らに米国のファイナンシャル・プランニングのカンファレンスに参加するように勧めました。そこで彼らはRIA(個人向け投資顧問業者)モデルと「顧客の最善の利益」に資する行動による投資家保護を学ぶことができました。そして彼らは私にアルファ・ファイナンシャルの日本拠点を設立すべきだと背中を押してくれました。その時、私は以前日本人のメンターと、文化の架け橋としての役割を果たすと約束したことを思い出しました。日本拠点は、個人投資家の資産管理とファイナンシャル・プランニングを通じて、日本に駐在するエクスパットや日本の個人投資家にサービスを提供するための扉を開くものです。日本進出を決めた後は、元デロイトの同僚で友人である権氏と堀口氏のサポートにより、銀行口座の開設や数年前に出会ったCFPアドバイザーの一人である吉岡氏の採用などの作業を順調に進めることができました。
今後のアルファ・ジャパンのビジョンを聞かせてください。
日本は個人向け金融サービスの近代化のまさに瀬戸際にあると私たちは信じています。アルファ・ジャパンは、文化的ギャップを埋め、日本の個人投資家の利益のために有益な変化をもたらすよう公共部門に影響を与えることができる、ユニークな立場にあると信じています。家庭にとって信頼できる独立したアドバイザーと長期に渡る関係を築き、経済的自立を目指せるよう、顧客の最善の利益を得られる機会の提唱者を求める強い潜在的ニーズがあると思います。私たちが先駆者となり、金融庁の顧客本位の業務運営に沿って業界を前進させる文化的架け橋となることを楽しみにしています。
※アン・マリー・レイリーは、2024年ウェルス・マネジメント・ドットコム・インダストリー・アワーズのイノベーター・オブ・ザ・イヤーにノミネートされました。これは、RIA (個人向け投資顧問業者) ビジネスの海外展開に尽力したことが評価されたものです。授賞式は2024年9月5日にニューヨークで行われました。
https://www.wealthmanagement.com/industry/wealthmanagementcom-celebrates-top-companies-executives-2024-industry-awards

アン・マリー・レイリー
アルファ・ファイナンシャル・アドバイザーズ合同会社
同社取締役CEO
米国Villanova Universityで会計および日本語の学位を取得した後、ニューヨークのデロイト&トウシュでキャリアをスタート。その後、東京に駐在し、ベアー・スターンズのアジア地域コントローラーを務める。米国シャーロットに戻った後、海外駐在員のクライアントが直面する複雑な税務・財務上の問題を解決するための支援をする必要を感じCFP®の称号を取得し、2011年にアルファ・ファイナンシャルに入社。Certified Financial Planner™ (CFP®) およびCertified Public Accountant (CPA) として、アンは各顧客固有のビジョン、価値、目標に沿ったカスタマイズされた資産計画の設計と実施を楽しんでいます。アンはアルファ・ファイナンシャルでのクライアントアドバイザーの役割に加え、アルファ社 (日本) の最高経営責任者を務める。