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平成15年9月期の全国銀行の不良債権(金融再生法開示債権ベース)は31.6兆円であり、15年3月期の35.3兆円と比べて▲3.7兆円の減少となっています。 不良債権の増減を内訳別にみると、要管理債権については、▲2.9兆円と大幅な減少となり、危険債権及び破産更生等債権についても▲0.8兆円の減少となりました。 不良債権が減少した主な要因としては、要管理債権について、新規発生が抑制される一方、業況改善、企業再生の進展等に伴う健全債権化が進んだこと(▲2.2兆円)等が挙げられます。 |
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15年9月期の不良債権の状況等を含めた過去の状況等について、詳しくは、金融庁ホームページの「報道発表など」から、不良債権の状況等について(平成12年3月期〜平成15年9月期)にアクセスしてください。 |
いわゆる「外国為替証拠金取引」に関しては、金融庁として、昨年12月2日に、証券会社の監督上の事務ガイドラインを改正し、証券会社がこの取引を取り扱うに際して留意すべき事項を定めた規定を策定しました。また、これに併せて、この取引を行う者に対する注意喚起として、この取引を行う場合の注意点を整理し、金融庁ホームページにおいて公表したところです(こうした金融庁の取組みについては、「アクセスFSA第13号」をご覧下さい)。 こうした取組みに加え、今般、金融商品の販売等に関する法律(以下、「金融商品販売法」と言います。)施行令を改正し、この取引を証券会社以外の業者が取り扱う場合においても、金融商品販売法の対象とすることにしました。 |
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.金融商品販売法施行令の改正の趣旨 外国為替証拠金取引は、一般には約定元本の一定率の証拠金を取扱業者に預託し、差金決済(現物の受渡しを行わず反対売買による差額の授受により決済を行うもの)による外国為替の売買を行う取引とされますが、証券会社が取り扱う場合の取引の実態が、証券取引法等に規定する金融等デリバティブ取引の一つである「直物為替先渡取引」に該当すると考えられます。証券会社は同法の規定により兼業業務として当該取引を行うことができますが、金融商品販売法は、従来、こうした業法(銀行法や証券取引法等のように業者に対する許認可、監督等を規定している法律)の規定により業務として行うことができる金融等デリバティブ取引を対象としてきました。 しかしながら、外国為替証拠金取引が、証券会社等、業法の規定に基づいて行う業者以外の様々な業者においても広く行われるようになってきたことを踏まえ、顧客保護の観点からは、「直物為替先渡取引」と同様の形態でこの取引を行っているのであれば、業法の規定により行われる取引に限らず金融商品販売法の対象することが適当と考えられます。 このため、金融商品販売法施行令を改正し、業法の規定に基づかないで業者が取り扱う場合においても、この法律の対象とすることとしました(平成16年2月4日公布、平成16年4月1日施行)。 |
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.外国為替証拠金取引を金融商品販売法の対象することに当たっての留意点 金融商品販売法は、いわゆる業法ではなく、金融商品の販売に際して、顧客保護を図ることを目的に、金融商品販売業者等にリスク等の重要事項について顧客に説明する義務を課し、説明をしなかったことにより顧客が損害を被った場合に当該業者等に損害賠償責任を負わせるもので、不法行為に関する民法の特則を定めているものです。 この法律では、業者に説明義務があることが明らかにされていますので、説明義務の存在についての争いがなくなり、また、説明がなかったのでリスクを認識せずに購入したことや、元本割れとなっている額が損害額であることが推定されますので、こうした点において、裁判での顧客側の立証負担は軽減されることとなります。 また、業者が金融商品を販売するに際して、あらかじめ勧誘方針を策定し、公表することが義務付けられます。 このように、この法律は、私人間の金融商品の取引における救済のための損害賠償責任を金融商品販売業者等に課すことにより顧客保護を図ることを目的とするものですので、この法律の性格上、以下のような点について留意が必要です。 |
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今回の金融商品販売法施行令の改正により、外国為替証拠金取引を取り扱うすべての業者が、金融商品販売業者等として、この法律の適用対象となります。したがって、すべての取扱業者は、重要事項の説明義務や勧誘方針の策定・公表義務の履行などこの法律を遵守し、適正な勧誘の確保に努めることが求められます。 |
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金融商品販売法の概要については、金融庁ホームページの「金融サービス利用者コーナー」から「金融サービスの利用者の保護の制度の概要 金融商品販売法の概要」にアクセスしてください。 |
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欧州連合(EU)では、2005年の欧州域内金融市場の統合を目指し、「金融サービス行動計画」(FSAP)に基づき、市場基盤の整備が急速に進められています。 それら最近の基盤整備のうち、「目論見書指令」や「透明性指令案」では、EU域内で証券の公募・上場を行ってきている、または今後行うEU域外の証券発行者に対し、IAS(国際会計基準)またはIASと同等の会計基準にしたがって財務諸表を作成するよう定められています。 また、英国においても、欧州金融市場における主要市場(シティー)として、EU全体の動きに沿い、2003年10月に英国FSAが上場規則見直しに関する提案を行いました。提案では、EU域外の外国企業に対し、投資家にとっての情報の比較可能性を高めるため、IASまたは米国基準の使用を義務づけるべきかどうかについて、パブリック・コメントが求められております。 英国を含む欧州におけるこのような動きに対して、我が国の市場関係者の間で、日本の会計基準が将来的に欧州で利用できなくなる可能性が懸念されています。 |
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欧州の資本市場(特にロンドン市場)は、我が国の証券発行者にとって重要な市場です。欧州市場で我が国会計基準が受け容れられない場合、我が国証券発行者がEU域外市場にシフトする可能性も指摘されています。欧州資本市場が引き続きその開放的かつグローバルな性格を維持することは互いの利益となると考えられます。 また、いわゆる会計ビッグバンなどを通じて、我が国の会計基準は、米国会計基準や国際会計基準(IAS)のような国際的な会計基準と整合的なものとなっています。今後とも、会計基準が世界的に収斂していくという大きな方向を見据えながら、基準の整備・改善に努めることになります。 |
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金融庁としては、英国を含む欧州に対し、我が国会計基準を引き続き受け容れるよう、これまで重ねて要請してきています。例えば、昨年11月の「日・EU財務金融ハイレベル対話」において欧州委員会(EC)に対し指摘したほか、個別訪問やレターの発出をしています。また、1月27日には英国FSAにパブリック・コメント・レターを出しました。 こうした問題に対しては、米国企業会計改革法への対応の際と同様、官民の関係者が協調して対応することが重要となりますが、英国FSAに対しては、日本経済団体連合会、東京証券取引所や全国銀行協会もパブリック・コメント・レターを出しております。 このような取組みもあって、世界の主要金融センターであるロンドン市場(シティー)を擁する英国関係者の間では、問題の所在が十分認識されているようです。実際、ロンドン証券取引所が英国FSAに出したパブリック・コメント・レターでは、米国基準と日本基準を認めるよう要請されているようです。 金融庁としては、今後とも、関係者と協調しつつ、この問題に取り組んでいく考えです。 |
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金融庁のパブリック・コメント・レターの詳細については、金融庁ホームページの「国際機関関連情報」の「その他」から「平成16年2月12日「国際会計基準委員会(IASC)財団の定款見直しに関する協議へのパブリック・コメント・レターの発出について」にアクセスしてください。 |
金融庁では、昨年5月に成立した「証券取引法等の一部を改正する法律(平成15年法律第54号)」に盛り込まれた項目の大部分が、本年4月1日から施行されることや、新たに国債の入札前取引が開始されることなどに伴い、改正が必要となった証券会社の監督にかかる事務ガイドラインにつき、去る1月30日付で改正し、その旨を公表しました。なお、主な改正内容は以下のとおりです。 |
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.証券仲介業者の監督等に関する留意事項 |
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.証券会社の主要株主規制に関する留意事項 証券会社の主要株主制度が創設されたことに伴い、各財務局が証券会社の主要株主からの議決権保有に係る届出を受理した際には、当該証券会社を監督する財務局長等へ届出書を送付するなど、事務処理について留意すべき事項を追加しました。 |
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.国債の入札前取引を行う際の留意事項 国債の入札前取引を行った場合の取扱いについて留意すべき事項を追加しました。具体的には、約定時点では確定しない銘柄、単価、利率等の項目について、入札が実施され取引条件が確定した後に、顧客に対し、当該取引条件を通知することなどを定めています。 |
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事務ガイドラインの改正内容の詳細については、金融庁ホームページの「報道発表など」のコーナーから「事務ガイドライン(「証券会社、投資信託委託業者及び投資法人並びに証券投資顧問業者等の監督等にあたっての留意事項について」)の一部改正について」(平成16年1月30日)にアクセスしてください。 |
バーゼル銀行監督委員会(以下、「バーゼル委員会」。)は、本年1月14〜15日にスイス・バーゼルにて、新BIS規制案の部分的な修正案(注)に関する市中協議の結果等を踏まえて議論を行い、その結果をプレス・リリースとして公表しました。 |
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今回のプレス・リリースにおいて、バーゼル委員会は、昨年10月にマドリッドで定めた予定に従い、銀行の自己資本に関する国際合意の改訂作業に引き続き進展がみられたとして、新BIS規制案について本年(2004年)央までに決着を図るとの決意を改めて明らかにしています。このプレス・リリースの主な内容は以下の通りです。 |
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今回のプレス・リリースには、これらのうち(i)、(ii)に関する説明が添付されています。また、同プレス・リリースの中で、いくつかの技術的な論点に関し詳細を追って公表することとしていたものについても、バーゼル委員会の提案等が1月30日に公表されています。 なお、バーゼル委員会は、次回5月の会合において、同委員会の下に設置された各作業部会が行う提案を踏まえ、残された論点について所要自己資本の水準調整の問題と併せて検討を行う予定です。 我が国としては、新BIS規制案の公表まで、引き続きバーゼル委員会の場で十分に議論をするとともに、国内実施に向けての準備も全力で進めていきたいと考えています。 (参考)今後の予定 |
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本稿の中で紹介されているバーゼル委員会の公表文書は、いずれも金融庁(または日本銀行)のウェブサイトにおいて、原文、仮訳とも入手することができます(ただし、仮訳は一部概要のみ)。 金融庁ホームページの「インフォメーション」のコーナーから「国際関連情報」の「バーゼル銀行監督委員会」にアクセスしてください。 |