【金融ここが聞きたい!】 |
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このコーナーは、記者会見における質疑・応答(Q&A)などの中から、金融を巡る時々の旬な情報をセレクトしてお届けするものです。もっと沢山ご覧になりたい方は、是非、金融庁ホームページの「記者会見概要」のコーナーにアクセスしてください。 |
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:今般、新たに「大口与信管理態勢検査」を実施することといたしましたのでお知らせいたします。 これは、今般の特別検査におきます再建計画の検証結果及びこれに続く銀行法24条に基づく報告に対するヒアリングを踏まえまして、大口与信管理態勢に問題があると認められた主要行を対象として行うものであります。 本検査においては、銀行による大口与信先の実態把握の状況、再建計画の策定・見直しへの銀行の関与の状況等に着眼しまして、大口与信管理態勢の観点から適切な対応が行われているか否か検証を行うこととしております。本検査は、あくまでも銀行の与信管理態勢の検証を行うものでありまして、特定の大口債務者そのものの処理や再建の在り方を直接方向づけるといった性格のものではありません。 |
(平成16年4月27日(火) 竹中大臣記者会見抜粋) | |
これまでも申し上げていたと思いますけれども、我々としては資産査定をしっかりと行っていただくということの一環として、再建計画の検証チームというのを作って、それを具体的にしっかりと今まで行ってきたわけであります。その延長として、再建計画をしっかりと検証していただくような、我々としては検証するわけですけれども、その大口与信先について、そうした管理態勢が整っているかどうかというのを見ていくことは、「金融再生プログラム」の延長線上でやはり必要なことというふうに思っております。今回、不良債権問題が全体として目標に向かってしっかりと進捗していく中で、しかしやはり越えなければいけない最後の山というものもあるだろうと。そうした中での金融再生プログラムをしっかりと適用するという本来の趣旨から、今回の検査を行うことにしたという趣旨であります。 |
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(平成16年5月7日(金) 竹中大臣記者会見抜粋)
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:特別検査を始める時に申し上げたと思いますけれども、大きく枠組みを変えているわけではありません。継続性に大変重要な意味があると思っておりますので、そうした意味では枠組みを変えているわけではありませんが、問題意識としては、やはりバランスシート調整、銀行の不良債権処理が最終段階の大変重要な局面を迎えているということでありますので、金融当局も努力するし、銀行にも努力していただきたい、そういう思いで行っております。 |
(平成16年4月27日(火) 竹中大臣記者会見抜粋) |
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平成16年3月期を対象とした特別検査の結果について、詳しくは金融庁ホームページの「報道発表など」から「特別検査の結果について」(平成16年4月27日)をご覧ください。
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:我々としては、法令に則って粛々と検査・監督の体制の中で、我々の責務を果たしてきたつもりであります。結果的に、それが日本の政策運営能力に対する前向きな姿勢を評価して頂く1つのきっかけにはなっていると私自身も思っています。 まだ、りそなそのものは再生の途上でありますから、これは正にご指摘のとおり1年になるわけでありますから、この間の成果も踏まえて、更にしっかりと対応して欲しいと思います。 |
(平成16年5月14日(金) 竹中大臣記者会見抜粋) |
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りそな銀行に対する資本増強の必要性の認定及び同行に対する資本増強の決定について、詳しくはアクセスFSA第7号の「トピックス」の「りそな銀行に対する預金保険法第102条に基づく金融危機に対応するための措置(資本増強)の必要性の認定及び同行に対する資本増強の決定について」にアクセスしてください。
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:これはもう何度も国会答弁等々でもさせていただいていますけれども、基本的には構造改革がフルに効果を発揮するには非常に長い時間がかかると思います。しかし、少なくとも不良債権が減少して、金融不安という言葉が消えて、金融の基盤が強くなって、それによって前向きの銀行の融資等々が見られたという意味で、金融面では不良債権処理を加速するという小泉改革の政策がやはり効果をあらわしているというふうに考えられると思います。 それと、企業部門が強くなっているということの背景には、これは内閣府が行った構造改革レビューで、かなり数値的なことも含めて、精緻な分析を既になされておりますけれども、企業のM&A等々が画期的に増えていると、その背後には企業にかかる法制の整備、税制の連結納税等々の制度の整備がある。M&Aを行った企業は収益率が、そうではない企業に比べて圧倒的に高くなっている、そうした点の構造改革の効果があらわれつつある。いわゆる1円企業等の新しい起業に関しましても、制度利用が1万社であり、年間の通常ベースでの新規スタートアップが8万社から9万社ぐらいのベースでありますから、その意味ではその中で1万ぐらいが政策によって増えているというのは、やはりそこは効果があらわれつつあるということだと認識をしております。 繰り返しますが、フルに効果があらわれるには、かなりの時間が更にかかりますが、少なくとも今申し上げたような点については、構造改革が経済の活性化にかなり結びつきつつあるというふうに認識をしております。 |
(平成16年5月11日(火) 竹中大臣記者会見抜粋) |
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このコーナーは、とかく専門的でわかりにくい金融に関する用語や様々な疑問について、わかりやすく解説するものです。 今月のキーワードは「貸出債権の流動化」です。 |
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貸出債権流動化の意義 日本の個人金融資産の半分以上は、現預金であるといわれるように、日本の資金は現預金に吸収される傾向があります。そのため、その裏返しである貸付金が流動性をもつことは、銀行間での信用リスク移転手法の充実につながり、我が国における国内資金の循環の円滑化に大きく寄与するものと考えられています(貸出債権市場協議会報告書 平成15年3月 全国銀行協会(以下、「全銀協」という。))。 例えば、既に金融機関が保有している既存の貸出債権を売却する段階(セカンダリー)においては、金融機関が貸出債権を売却することにより、金融機関の融資余力が生まれ、企業金融の円滑化にも資する等の意義があると考えられます。また、貸付を実行する段階(プライマリー)においては、企業が多額の資金を借入により調達したいにも関わらず、従前の取引金融機関だけではその資金ニーズに対応できない場合であっても、他の金融機関を募集し、これらと協調して一つの融資(シンジケート・ローン)を行うことにより、多額の資金を調達することが可能となります。 金融庁としても、こうした貸出債権流動化の意義を踏まえ、金融再生プログラム(14年10月)において貸出債権取引市場の創設をうたうなど、貸出債権市場を活性化していくことは重要であると考えています。 |
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現状 日本銀行では、2003年4月より、四半期毎の貸出債権市場取引動向の統計をとり、これを公表しています。この統計によると、2003年4月から2004年3月における貸出債権売買実績(ローン・パーティシぺーションは除く)は、約7.2兆円、うち不良債権の売買実績は、約4.1兆円となっています。 また、シンジケート・ローンの組成実績は、約19.0兆円となっています。 近年、このような貸出債権市場取引が増加してきており、特に、セカンダリーにおける不良債権取引の増加が顕著であると言われています。 (貸出債権市場取引動向の詳細については、日本銀行のホームページ(http://www.boj.or.jp/type/stat/boj_stat/syn/syn0403.htm)をご参照ください。) |
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セカンダリー取引増加の要因と金融庁の取組み 貸出債権市場取引(中でも不良債権取引)が増加している要因の一つとしては、企業再生ファンドの設立増加、民間投資家の新規参入の増加など不良債権取引参加者の多様化が挙げられます。金融庁としても、金融再生法の改正等による整理回収機構(RCC)の機能拡充等、取引参加者の多様化に資する方策のほか、オフバランス化につながる措置(信託等)や貸出条件緩和債権の開示基準、不良債権処理に係る基準を明確化する等、貸出債権市場活性化に向けた取組みを行ってきています。 更に、民間においても、金融庁からの要請をうけた全銀協が貸出債権市場協議会報告書を取りまとめ、貸出債権市場活性化のために必要な論点の洗い出しを行ったり(平成15年3月)、日本ローン債権市場協会(JSLA)において、貸出債権譲渡契約やシンジケート・ローン組成契約の雛形を作成するなど、貸出債権市場の活性化に向けた取組が進められています。 |
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今後の課題 しかしながら、貸出債権市場が活性化するためには、未だいくつかの課題が残されていると言われています。 まず、貸出債権市場活性化のためには、取引実績や機会情報の集約・提供やデューディリジェンス(債権価値の精査)を基にした参考価格の提示などが重要であると言われています。最近、その環境整備のために、民間における積極的な取組みが始められたところであり、今後の発展が期待されます。 更に、貸出債権の取引やシンジケート・ローンの組成においては、取引対象たる債権の価格評価や当該債務者に対する融資条件を決定するため、一定の情報が必要となります。ところが、金融機関は債務者に対して守秘義務を負っているため、いかなる条件のもとでどのような情報を開示することができるのか、その関係が曖昧であると言われています。全銀協が会員行を対象に行ったアンケート(16年4月)によると、回答銀行の半数以上が、守秘義務と情報開示の関係が曖昧であることが貸出債権市場の発展の阻害要因となっていると回答しており、この問題が貸出債権市場活性化に向けた大きな課題であることが分かります。 この点につき、金融庁からの要請を受けて開催された全銀協の「貸出債権市場における情報開示に関する研究会」の報告書が本年4月に策定・公表され、一定の考え方(注)が提示されました。今後は、市場参加者が同報告書に示された考え方を参考に、具体的な取引事例を積み上げ、債務者企業も含めた共通認識や商慣習を確立し、健全な市場慣行を形成していくことが望まれます。 冒頭に述べましたように、金融庁としては、貸出債権市場活性化は重要な課題と考えております。今後ともこうした民間における取組みに協力していきたいと考えています。 |
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〇 登録貸金業者情報検索サービスの機能拡充について |
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〇 金融庁ホームページの案内板として「トップページガイド」を設けました。 金融庁ホームページでは、トップページのコーナーについて、どこにどういう情報が掲載されているのかを分かりやすくご案内するための案内板として、「トップページガイド」を設けました。どうぞご利用ください。 |
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〇 大臣・副大臣への質問募集中 本号では休載させていただきましたが、アクセスFSAでは、読者の皆様から寄せられた金融を巡る大臣や副大臣へのご質問に、大臣・副大臣が直接お答えする【竹中大臣に質問!】、【伊藤副大臣に質問!】のコーナーを設けております。「金融庁のやっている金融行政って、よくわからないんだけれど、大臣・副大臣にこんなことを、是非、直接聞いてみたい!」というご質問がございましたら、金融庁ホームページの「ご意見箱」にお寄せください。その際、ご意見箱の件名の欄には、必ず「大臣に質問」あるいは「副大臣に質問」とご記入ください。また、本文の欄にご質問の内容をご記入下さい。ご意見箱のコーナーには、「45行以内」とありますが、「大臣に質問」、「副大臣に質問」の場合には、ご質問の趣旨を明確にさせていただくために、恐縮ですが100字以内に収めていただきますようお願いいたします。お寄せいただきましたご質問の中から1問選定させていただき、「アクセスFSA」において大臣または副大臣の回答を掲載させていただきます。大臣・副大臣へのご質問がございます方は、「ご意見箱」へどうぞ。また、「大臣・副大臣への質問募集中」にもアクセスしてみてください。 |
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