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このコーナーは、とかく専門的でわかりにくい金融に関する用語や様々な疑問について、わかりやすく解説するものです。 今月のキーワードは「証券取引所」です。 |
証券取引所は、有価証券等の売買を行う取引所有価証券市場を開設して、投資者に取引の場を提供するという役割とともに、市場の公正性や透明性を確保するという自主規制機関としての役割を果たしています。具体的には、上場する会社の審査や有価証券の取引が公正に行われているかどうかの売買審査を行ったり、上場会社に適切なディスクロージャーを求めたりといった上場有価証券の管理、更に法令違反を犯した会員・取引参加者(証券会社)に対して処分を行ったりしています。 |
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証券取引所の歴史は古く、17世紀初めに設立されたアムステルダム取引所がはじまりと言われていますが、日本においては、明治11年、「株式取引所条例」に基づいて、東京と大阪に設立された株式取引所がはじまりとなります。 |
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その後、戦争中に一時閉鎖されたものの、昭和23年に制定された「証券取引法」のもとで、東京、大阪、名古屋、京都、神戸、広島、福岡、新潟及び札幌の9つの各証券取引所で株式の売買立会いが約3年ぶりに再開されました。その後、昭和42年、神戸証券取引所の解散、平成12年、広島証券取引所・新潟証券取引所の東京証券取引所との合併や平成13年、京都証券取引所の大阪証券取引所との合併を経て、現在は東京、大阪、名古屋、札幌、福岡の5つの証券取引所において取引が行われています。 |
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現在の証券取引所は非常に公共性の高い業務を行っているため、免許制がとられており、定款、業務規程等の規則の変更についても、内閣総理大臣(金融庁長官)の認可を要することとされており、取引所が法律違反等を行った場合には、内閣総理大臣(金融庁長官)から業務改善命令などの行政処分が行われることになります。 |
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また、戦後、再開された証券取引所は会員制の法人でしたが、国際的な市場間競争への対応、システム投資のための資金調達手段の多様化、株主を重視した意思決定の迅速化などを目的として、平成12年に証券取引法が改正され、証券取引所が株式会社形態を取ることが認められました。これにより5つの証券取引所のうち東京、大阪、名古屋の各取引所は株式会社に組織変更を行っております。 |
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東京、大阪、名古屋の各取引所には、市場第一部と市場第二部の区分があり、札幌、福岡の各証券取引所においてはそうした区分をせずに取引が行われてきましたが、各証券取引所は、そうした既存市場に加えて、平成11年以降、順次新興企業向けの新市場を開設しました。 |
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東京証券取引所は、平成11年に高い成長の可能性を有する新興企業の資金調達を円滑にし、新たな産業の育成に資するとともに、投資者に多様な投資機会を提供することを目的として、ベンチャー企業向け新市場「マザーズ」を創設しました。 |
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また、大阪証券取引所は、平成12年に米国ナスダックと業務提携し、ノウハウやコンセプトを導入したナスダック・ジャパン市場を開設しました(ナスダック・ジャパン市場は平成14年10月に米国ナスダックとの業務提携が解消されたことに伴い、平成14年12月よりニッポン・ニューマーケット「ヘラクレス」に名称が変更されています。)。 |
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更に名古屋証券取引所は平成11年に「セントレックス」を、札幌証券取引所は平成12年に「アンビシャス」を、福岡証券取引所は同じく平成12年に「Q−BOARD」をそれぞれ創設し、各証券取引所とも成長性が期待できる新興企業に資金調達の場を提供しています。 |
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また、補足になりますが、企業が株式等を公開する市場としては、証券取引所が開設する取引所有価証券市場のほか、日本証券業協会が開設する店頭売買有価証券市場(ジャスダック市場)があります。日本証券業協会は、全国の証券会社や外国証券業者そして証券業を行う登録金融機関を構成員(協会員)として組織されており、内閣総理大臣の認可を受けた法人です。 |
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各証券取引所について、以下にご案内します。 |
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○東京証券取引所 昭和24年に創設された東京証券取引所株式市場は、時価総額310兆円(平成15年末時点)、昨年の一日平均売買代金約9,900億円(平成15年)と、世界でも屈指の規模と流動性を誇る市場となっております。 また、東証は、国債先物・先物オプション市場とTOPIX先物・オプション市場に代表されるボンドとエクイティの両方の派生商品市場を開設しており、現物市場と派生商品市場とを有する総合取引所として、内外における資金運用及び資金調達を支える重要な機能を担っています。 ○大阪証券取引所 昭和24年に設立された大阪株式取引所は東京証券取引所と並び日本で最も古い証券取引所の一つです。 株価指数先物・オプション取引など株式デリバティブの分野においては、大きなシェアを有し、日本の中心市場となっています。特に主力商品である日経225を対象とした先物・オプション取引は、海外でも取引されるなど高い認知度を得ています。現物市場においては、新興企業向けの市場作りに20年以上前から取り組んでおり、ベンチャー企業やニュービジネス企業の育成・支援に力を注いでいます。 ○名古屋証券取引所 名古屋証券取引所は、昭和24年に設立され、平成14年に証券会員制法人から株式会社へ組織変更し、株式会社名古屋証券取引所となりました。 現在、市場は、市場第一部、市場第二部、新興企業向け市場であるセントレックスに分かれており、中部地方の地元企業を中心に415社(2月10日現在)が上場しています。 また、平成6年から独自のIRイベントである「名証IRエキスポ」を毎年開催するなど、以前から上場会社のIRサポートに力を入れています。 ○札幌証券取引所 札幌証券取引所は、北海道における地域産業の振興及び地域経済の発展に資するため、地元証券界などの協力により、昭和24年に戦後新たに設立された証券取引所です。北海道の企業に直接金融による資金調達の機会を提供するとともに、投資家への資産運用の場としての投資物件の提供など、その機能を発揮し、開所以来延べ269社の企業が上場を果たし、北海道経済の発展に寄与しています。 ○福岡証券取引所 福岡証券取引所も、昭和24年に設立され、これまで九州の地元企業を中心に、その資金調達の場として、地域経済の発展に大いに貢献しており、現在においても会員・投資家・上場企業のニーズに応え、魅力ある市場となるよう、種々の施策に取り組んでいます。最近では、平成10年6月には九州の財界を中心に「福岡証券取引所活性化推進協議会」が設立されるなど、取引促進・新規上場促進のための活動がなされています。 |
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<証券市場一覧> | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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<証券取引所の概要>(平成15年12月現在) |
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〇 国家公務員I種試験志望者のための霞が関官庁探訪の実施について 金融庁においては、平成17年度採用予定I種職員の募集にあたり、「国家公務員I種試験志望者のための霞が関官庁探訪」を以下の要領で実施します。多くの志望者の皆様にご参加をいただければ幸いです。 |
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〇 大臣・副大臣への質問募集中 本号では休載させていただきましたが、アクセスFSAでは、読者の皆様から寄せられた金融を巡る大臣や副大臣へのご質問に、大臣・副大臣が直接お答えする【竹中大臣に質問!】、【伊藤副大臣に質問!】のコーナーを設けております。「金融庁のやっている金融行政って、よくわからないんだけれど、大臣・副大臣にこんなことを、是非、直接聞いてみたい!」というご質問がございましたら、金融庁ホームページの「ご意見箱」にお寄せください。その際、ご意見箱の件名の欄には、必ず「大臣に質問」あるいは「副大臣に質問」とご記入ください。また、本文の欄にご質問の内容をご記入下さい。ご意見箱のコーナーには、「45行以内」とありますが、「大臣に質問」、「副大臣に質問」の場合には、ご質問の趣旨を明確にさせていただくために、恐縮ですが100字以内に収めていただきますようお願いいたします。お寄せいただきましたご質問の中から1問選定させていただき、「アクセスFSA」において大臣または副大臣の回答を掲載させていただきます。大臣・副大臣へのご質問がございます方は、「ご意見箱」へどうぞ。また、「大臣・副大臣への質問募集中」にもアクセスしてみてください。 |
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