アクセスFSA 第124号(2013年10月)

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第31回金融審議会総会・第19回金融分科会
合同会合にて挨拶する麻生大臣(9月9日)

トピックス

(1)車座ふるさとトークin宮崎の開催について

安倍内閣では、大臣、副大臣、政務官が地域に赴き、テーマを決めて、現場の方々と少人数で車座の対話を行い、生の声をつぶさに聞いて、政策にいかすとともに、重要政策について説明する「車座ふるさとトーク」を開催しています。

金融庁においては、平成25年10月9日(水)に福岡内閣府大臣政務官(金融担当)が宮崎県宮崎市を訪問し、「投資詐欺対策」をテーマに、宮崎市の消費者トラブルの相談員や教育関係者等の計14名の方々と「車座ふるさとトーク」を行いました。参加者から多くの御意見をいただきました。

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車座ふるさとトークの様子 トーク後の記念撮影

※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「広報報道」の中の「車座ふるさとトーク」にアクセスして下さい。


(2)次世代EDINETの稼働開始(9月17日)について

金融庁では、平成25年9月17日よりEDINET(有価証券報告書等の開示書類に関する電子開示システム)の新システム(以下、「次世代EDINET」という。)の稼動を開始しました。

次世代EDINETは、「有価証券報告書等に関する業務の業務・システム最適化計画」(平成23年3月31日改定)等に基づき開発されたもので、開示書類の二次利用性の向上、検索機能等の向上等を目的としたものです。

次世代EDINETに接続する際のURLは、次のとおりです。

提出用:http://submit.edinet-fsa.go.jp/新しいウィンドウで開きます

閲覧用:http://disclosure.edinet-fsa.go.jp/新しいウィンドウで開きます

※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「広報報道」の中の「報道発表資料」から「次世代EDINETの稼働開始(9月17日)について」(平成25年9月17日)にアクセスしてください。


(3)「オフサイト検査モニターの集計結果」の公表について

  • 1.概要

    金融庁では、「金融検査に関する基本指針」の適切な運用を確保し、検査マニュアルの機械的・画一的な運用を防止する等の観点から、検査モニターを実施しています。

    検査モニターには、検査局や財務局の各幹部が検査先の金融機関へ赴き、検査の実施状況などについて直接御意見を伺う「オンサイト検査モニター」と、それを補完するものとして、アンケート方式により御意見を受け付ける「オフサイト検査モニター」とがあります。

    いずれの検査モニターも、金融機関から金融検査に対する忌憚のない御意見を伺うことのできる有用な機会であると考えています。

    今般、平成24検査事務年度に実施した検査に関する「オフサイト検査モニター」のアンケート結果を取りまとめ、平成25年9月6日に公表いたしました。

  • 2.アンケート要領

    アンケートは、以下の2種類について、「1(妥当)」「2(概ね妥当)」「3(あまり妥当ではない)」及び「4(妥当ではない)」の4肢択一方式で回答していただくものです。

    <アンケート(1)> 検査執行状況等に関する事項

    <アンケート(2)> 検査結果通知に関する事項

    (参考) 対象先、回収率

    <アンケート(1)> 

    対象先:309先(平成24年7月以降平成25年6月末日までの間に立入検査を終了した先)

    回収率:99.0%(306先)

    <アンケート(2)> 

    対象先:319先(平成24年7月以降平成25年6月末日までの間に検査結果を通知した先)

    回収率:99.7%(318先)

  • 3.アンケート(1)結果(総括)

    アンケート結果は、項目全体として、「1(妥当)」とする割合が65.8%(昨年65.0%)、「2(概ね妥当)」とする割合が32.5%(同33.3%)となりました。

    また、「1(妥当)」と「2(概ね妥当)」を合わせた割合は98.3%(昨年98.3%)と、98%を超えていることを勘案すると、金融検査はほぼ適切に実施されたものと考えています。

  • 4.アンケート(1)結果(項目ごとの状況)

    アンケート結果を項目別にみると、全29項目のうち25項目で、「1(妥当)」と「2(概ね妥当)」を合わせた割合が97%を超えています。

    一方で、「3(あまり妥当ではない)」と「4(妥当ではない)」を合わせた割合が比較的高い項目も認められます。「3」と「4」を合わせた割合が3%を超えている項目について、付記された意見の内容と併せて、金融庁としての考え方や対応を御紹介します。

    • (1)「検査期間」・・・「3」と「4」を合わせた割合4.0%

      金融機関から、金融機関の規模・特性に比べて、検査期間が長いという意見がありました。

      この意見に対しては、今後オン・オフ一体の検証を中心に進める中で、オフサイトモニタリングによる事前分析を充実させることにより、検証分野を絞り込むなど、金融機関の規模・特性等を踏まえた一層メリハリのある金融検査を進めていきたいと考えています。

    • (2)「検査の時期」・・・「3」と「4」を合わせた割合12.8%

      金融機関から、検査の時期が決算期末や年末・年始などの繁忙期と重なり、負担感を感じたとの意見がありました。

      これらの意見に対しては、今後とも、決算期末、株主総会(総代会)や年末・年始の時期などに跨って検査を実施する場合には、金融機関の負担にできるだけ配慮するよう、本庁検査官や各財務局に指示してまいります。

    • (3)「執務時間の考慮」・・・「3」と「4」を合わせた割合4.5%

      「資料の提出期限の設定に当たっての配慮」・・・「3」と「4」を合わせた割合3.3%

      金融機関から、検査官の退出時刻が遅いといった意見や、資料の提出期限が短く事務負担であったという意見がありました。

      これらの意見に対しては、今後はオン・オフ一体の検証を中心に進めるほか、内部研修において、金融機関の負担にできるだけ配慮するよう、本庁検査官や各財務局に指示したところでありますが、引き続き、研修等の機会を通じて指導を徹底してまいります。

  • 5.自由記載欄における意見について

    自由記載欄における意見については、以下のような意見が寄せられています。

    • 評定制度について、「双方の認識を合わせていく上で、有効な制度である」などといった評価する意見が42先あり、「レベル感がわかりにくい」などといった改善を求める意見が8先ありました。
    • 検査マニュアルについて、「経営をより良い方向へ導くものとして非常に有効である」などといった評価する意見が43先あり、「規模・特性等に応じた判断基準をどのように捉えればよいか分かりづらい」などといった改善を求める意見が6先ありました。
    • 検証範囲や資料の提出等について、「限定された範囲・項目についての検査であり、内容等にメリハリがあった」などといった評価する意見が59先あり、「複数の検査官から、同じ質問を受けるケースや、同じ資料を複数回求められるケースが散見され、効率的な実施の観点等から改善をお願いしたい」などといった改善を求める意見が23先ありました。
    • 双方向の議論等について、「双方向の議論が十分に行われたことで、今後に活かすべき問題提起を頂き、改善に向けた方向性がより明確となった」などといった評価する意見が92先あり、「検査官からの一方的な発言があった」などといった改善を求める意見が14先ありました。
  • 6.アンケート(2)結果(検査結果通知書について)

    アンケート結果を項目別にみると、「通知書の内容」については、「1(理解しやすい)」とする割合が70.4%(昨年69.6%)、「2(概ね理解しやすい)」とする割合が28.0%(同29.1%)となり、「通知書の交付までの期間」については、「1(適当)」とする割合が74.2%(同67.4%)、「2(概ね適当)」とする割合が23.9%(同29.5%)となりました。

    また、2項目とも「1」と「2」を合わせた割合が98%を超えていることを勘案すると、検査結果通知については、全体としてはほぼ適切に行われたものと考えています。

  • 7.終わりに

    検査局では、平成25事務年度の金融モニタリング基本方針を踏まえ、今後はオン・オフ一体の検証を中心に進めてまいります。併せて、一層適切な検査の実施に努めてまいりますので、各金融機関におかれましては、検査モニターを含めた金融モニタリングのあり方について、忌憚のない御意見をお寄せください。

    今後とも検査モニターについての皆様の御理解と御協力をお願いいたします。

※ 詳しくは、金融庁ホームページの「広報報道」の中の「報道発表資料」から「「オフサイト検査モニターの集計結果」の公表について」(平成25年9月6日)にアクセスしてください。


(4)情報伝達・取引推奨規制に関するQ&Aについて

第183回通常国会において、金融商品取引法等の一部を改正する法律が成立しました(平成25年6月12日成立、平成25年6月19日公布)。本改正では、公募増資インサイダー取引事案を踏まえ、会社関係者による一定の情報伝達・取引推奨行為が禁止されました(金融商品取引法第167条の2)。

金融庁では、本改正の趣旨を明確化する観点から、平成25年9月12日に「情報伝達・取引推奨規制に関するQ&A」(全7問)を公表しました。

※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「広報報道」の中の「報道発表資料」から「情報伝達・取引推奨規制に関するQ&Aについて」(平成25年9月12日公表)にアクセスしてください。


(5)平成24年度有価証券報告書レビューの実施結果について

金融庁は、有価証券の発行者が提出する有価証券報告書の記載内容について、より深度ある審査を行うため、平成24年3月30日に「有価証券報告書の作成・提出に際しての留意事項と有価証券報告書レビューの実施について」を公表し、財務局等と連携して、「法令改正関係審査」、「重点テーマ審査」、「情報等活用審査」を柱とした有価証券報告書レビューを実施しました。その実施結果を平成25年9月6日に公表しました。主な概要は、以下のとおりです。

  • 法令改正関係審査

    平成24年3月31日を決算期末とするすべての有価証券報告書の提出会社(計2,818社)に対して、法令改正に関する審査を実施した結果、概ね新たな開示制度への対応がなされていることが確認されました。

  • 重点テーマ審査、情報等活用審査

    平成24年3月31日から平成25年3月30日までを決算期末とする有価証券報告書の提出会社(4,042社)のうち、一定の条件に該当する会社(328社:重点テーマ審査319社、情報等活用審査9社)に対して、審査を実施しました。この結果、概ね適切な開示がなされていることが確認されたものの、一部の会社において、のれんの計上・減損損失等に関する不明瞭な記載や、関連当事者取引に関する記載漏れ等、適切な開示がなされていない事例が確認されました。

※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「広報報道」の中の「報道発表資料」から「平成24年度有価証券報告書レビューの実施結果について」(平成25年9月6日)にアクセスしてください。

なお、平成25年度有価証券報告書レビューについては、現在実施中です。


(6)中小企業の業況等に関するアンケート調査結果の概要

中小企業金融の実態把握の一環として、平成25年8月に、全国の財務局等を通じて、各都道府県の商工会議所47先を対象に、会員企業の業況や資金繰りの現状と先行き等について聴き取り調査を実施したところ、その調査結果の概要は以下のとおりとなりました。

  • 1.中小企業の業況感は、現状D.I.のマイナス幅が前回調査に比べ12ポイント縮小しているものの、引き続き厳しい状況にあります。なお、先行きD.I.のマイナス幅は、現状D.I.に比べ2ポイント小さくなっています。

    悪いと判断した場合の要因としては、「売上げの低迷」の割合が最も大きく、次いで、「仕入原価の上昇等」となっています。

    中小企業の業況感
    (クリックすると拡大されます)

  • 2.中小企業の資金繰りは、現状D.I.のマイナス幅が前回調査に比べ6ポイント縮小しているものの、引き続き厳しい状況にあります。なお、先行きD.I.のマイナス幅は、現状D.I.に比べ1ポイント小さくなっています。

    悪いと判断した場合の要因としては、「販売不振・在庫の長期化等、中小企業の営業要因」の割合が大半を占めています。

    中小企業の資金繰り
    (クリックすると拡大されます)

※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「広報報道」の中の「報道発表資料」から「中小企業の業況等に関するアンケート調査結果の概要」(平成25年9月27日)にアクセスしてください。


(7)保険会社に対するERMヒアリングの実施とその結果概要について

保険会社を取り巻くリスクが多様化・複雑化している中、保険会社においては、将来にわたり財務の健全性を確保していくため、規制上求められる自己資本等の維持や財務情報の適切な開示に加えて、保険会社が自らの経営戦略と一体で、全てのリスクを統合的に管理し、事業全体でコントロールする統合的リスク管理(ERM:Enterprise Risk Management)態勢を整備・高度化していくことが課題となっています。

保険会社のERMについては、標準的な枠組みが確立されている状況にはありませんが、各保険会社における態勢整備に向けた取組みの参考にしていただくこと等を目的として、金融庁では、昨年に続きリスク管理の現状についてヒアリングを実施し、その結果を取りまとめ、公表しました。

  • 1.主な実施内容

    今回のヒアリングでは、会社の規模や事業・リスク特性等を踏まえて抽出した保険会社・保険持株会社22社を対象としました。

    【主なヒアリング項目】

    • (1)リスク選好(アペタイト)に関するフレームワーク

      • リスクプロファイル(リスクの全体像)の把握
      • リスク選好(アペタイト)とリスク許容度の設定
    • (2)リスクとソルベンシーの自己評価

      • 各リスクカテゴリーのリスク計測
      • ソルベンシー評価
    • (3)ERMの活用状況

      • リスク調整後指標の収益性評価への活用
      • ERMの商品開発及び商品別収益管理への活用
      • ERMの中期経営計画への活用
    • (4)その他

      • グループベースのERM
      • 内部監査態勢
    • (5)低金利下における金利急騰リスクへの対応

    • (6)自然災害リスクへの対応

  • 2.ヒアリングの結果概要

    多くの保険会社において、計量化困難なエマージングリスク等を含む網羅的なリスクの洗い出しに取り組んでいることが確認できました。さらに一部の保険会社においては、網羅的なリスクの洗い出しによって把握したリスクプロファイルを前提に、リスク選好によりどのリスクをどの程度とって収益を獲得するかを設定し、リスクに見合った収益事業を行い、その事業の実施状況を財務の健全性と収益性の観点からモニタリングする、という一連のプロセスを経営計画と一体で展開しているなど、ERMの高度化に向けて取り組んでいることが確認できました。

    一方で、グループとしての統一的なリスクの把握や、内部監査における専門的知識を有する人材の確保、内部モデルの論理的妥当性の検証など、引き続き取り組むべき課題も確認できました。

  • 3.今後の取組み

    金融庁としては、国際的な監督動向も踏まえつつ、保険会社のERMの現状と課題を定期的に確認し、必要に応じて高度なリスク管理態勢の構築を促すことで、保険業界全体のERM高度化を図ってまいります。

※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「広報報道」の中の「報道発表資料」から「保険会社に対するERMヒアリングの結果について」(平成25年9月4日)にアクセスして下さい。


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