アクセスFSA 第133号(2014年7月)

アクセスFSA 第133号  (2014年7月)

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トピックス

(1)NISA口座の利用状況等に関する調査結果の公表について

金融庁では、NISA(少額投資非課税制度)について、今般、「NISA口座の開設・利用状況等調査」及び「FP・証券営業員等の方々に対するNISA利用者の意識等に関するアンケート調査」を実施し、6月23日、その結果について公表しました。

【調査結果の概要】

  • ○総口座数(平成26年3月31日現在)は、650万3,951口座

    • 制度導入時点(平成26年1月1日)から、約175万口座、約37%増加
    • 年代別の内訳の割合は、20~30歳代10.9%、60歳代以上59.8%
  • ○総買付額(制度導入時点~平成26年3月31日)は、1兆34億4,608万円

    • 商品別の内訳の割合は、上場株式36.3%、投資信託61.9%、ETF0.9%、REIT0.9%
    • 年代別の内訳の割合は、20~30歳代8.5%、60歳代以上64.9%

NISAは、広く国民のみなさまに投資への関心を持っていただき、長期的視点からの資産形成を促進していくとともに、成長資金の供給拡大を図り、日本の経済成長につなげることを目的として、平成26年1月から導入されました。

こうした中、制度導入から3ヶ月後の3月末時点で、NISAの総口座数は約650万件となり、総買付額は1兆円に上るなど、NISAの普及は着実に進んでいると考えられます。

NISAの口座を開設した顧客の年齢層を見ると、3月末時点では、20~30歳代の割合が約1割、60歳代以上の割合が約6割となっています。この背景としては、制度開始当初は、高齢者層の既存顧客による口座開設が先行したことが考えられます。

一方で、制度開始後の3ヶ月間において、20~30歳代の若年層の口座数は高い伸び率を示しているなど、徐々に若年層の比率が高まってきています。

(※制度導入時点からの口座数の増加率:20~30歳代54.9%、60歳代以上24.8%)

金融庁としては、今後とも投資家のすそ野を拡大していくため、若年層をはじめとした、投資未経験者等によるNISAの利用を促進するための取組みをしっかりと進めていきたいと考えています。

NISA口座開設数(平成26年3月31日現在)
(クリックすると拡大されます)

NISA口座における買付額(平成26年3月31日現在)
(クリックすると拡大されます)

※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトのトップページ「NISA(少額投資非課税制度)が始まりました!」の中から「NISA口座の利用状況等に関する調査結果の公表について」にアクセスしてください。


(2)金融モニタリングレポートの公表について

金融庁では、昨年9月に公表した金融モニタリング基本方針において、検査と検査との間の経済金融情勢の変化や金融機関に共通する課題に対し適切に対応することや、金融機関がより優れた業務運営(ベスト・プラクティス)を目指す動きにつながることを念頭に置いた、新たな金融検査(金融モニタリング)の基本的方向性を明らかにしました。

金融庁では、このモニタリング方針に基づき、新しい金融モニタリングを実施してきました。金融モニタリングレポートは、1年間の金融モニタリングを通じて得られた検証結果や課題を取りまとめたものであり、主な内容は、以下のとおりとなっています。

  • 1.第I章では、金融システムとの関係が深いマクロ経済や金融市場など金融セクターを取り巻く状況を概観し、こうした状況変化を受け、金融機関がバランス・シートをどのように変化させているかを確認しています。さらに、経済・市場環境やバランス・シートの変化が、金融機関の収益・リスク・健全性に与える影響や留意点について整理しています。

  • 2.第II章では、3メガバンクグループ、地域銀行、外国銀行、保険会社に対して実施した金融モニタリングの検証結果を、業態別に「本事務年度のモニタリング内容」、「経営概況」、「モニタリング結果」、及び「今後の課題」に整理し、記載しています。

    例えば、3メガバンクグループについては、業務の多様化・国際化が進む中での経営管理や融資管理のあり方、また、地域銀行については、人口減少や高齢化が進む中での持続可能なビジネスモデルの観点や地域経済の安定と地域銀行の役割等について、モニタリングを実施し、その結果や今後の課題等を記載しています。

  • 3.第III章では、昨事務年度実施した水平的レビュー(類似の複数の金融機関を比較対象として捉え、重要なテーマについて統一的目線で実態把握を行うモニタリング)において取り上げた4つのテーマ(「経営管理」、「反社会的勢力、マネー・ロンダリングへの対応」、「投資信託販売業務態勢」、「ITガバナンス」)についての業態横断的なモニタリング結果や今後の課題等を記載しています。

    例えば、経営管理については、ガバナンスの担い手である各機関のうち、特に社外取締役を含む取締役会及び執行部門、監査役及び監査役会並びに内部監査の機能発揮状況等について、また、投資信託販売業務態勢については、投資信託販売に係る営業現場のインセンティブや提供商品選考の考え方等について、モニタリングを実施し、その結果や今後の課題等を記載しています。

  • 4.第IV章では、金融モニタリング方針で掲げたモニタリング手法の見直しと課題等に関して、主な取組みや今後の課題について記載しています。

※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「広報報道」の中の「報道発表資料」から「金融モニタリングレポートの公表について」(平成26年7月4日)にアクセスしてください。


(3)「責任ある機関投資家」の諸原則≪日本版スチュワードシップ・コード≫~投資と対話を通じて企業の持続的成長を促すために~の受入れを表明した機関投資家のリストの公表(第1回)について

金融庁に設置された「日本版スチュワードシップ・コードに関する有識者検討会」は、平成26年2月27日に「『責任ある機関投資家』の諸原則≪日本版スチュワードシップ・コード≫~投資と対話を通じて企業の持続的成長を促すために~」(以下、「コード」という。)を策定・公表しています。

同コードにおいては、機関投資家によるコードの受入れは任意ではありますが、「受入れ表明」をしていただいた機関投資家については金融庁がリスト化して公表し、3ヶ月毎に更新する仕組みとなっています。

これを受け、本年5月末までに「受入れ表明」をしていただいた機関投資家のリスト(第1回)を、平成26年6月10日に公表いたしました。

今回、「受入れ表明」をしていただいた機関投資家について、業態別に分類した結果は、以下のとおりです。

  • 信託銀行等
6
  • 投信・投資顧問会社等
86
  • 生命保険会社
14
  • 損害保険会社
5
  • 年金基金等
12
  • 議決権行使助言会社等
4
(合計) 127

今後、金融庁では、当該リストを3ヶ月毎に更新・公表することを予定しています(具体的には、2、5、8、11月末までの状況について、翌月上旬に更新・公表する予定です)。


(4)「経営者保証に関するガイドライン」の活用に係る参考事例集の公表について

金融庁では、「経営者保証に関するガイドライン」を融資慣行として浸透・定着させていくことが重要であると考えており、金融機関等によるガイドラインの積極的な活用に向けた取組みを促しているところです。その一環として、ガイドラインの活用に関して、金融機関等により広く実践されることが望ましい取組みを事例集として取りまとめ、公表しました。

これにより、金融機関等によるガイドラインの積極的な活用に向けた取組みが促進され、ガイドラインが融資慣行として浸透・定着していくとともに、中小企業等の経営者の方々にとっても、思い切った事業展開や早期の事業再生等の取組みの参考としていただくこと、さらには、その他の経営支援の担い手の方々が行う経営支援の一助にしていただくことを期待しています。

<掲載事例>

本事例集は、「経営者保証に依存しない融資の一層の促進」、「適切な保証金額の設定」、「既存の保証契約の適切な見直し」、「保証債務の整理」の4項目で構成されています。

経営者保証に依存しない融資の一層の促進(11事例) 適切な保証金額の設定(4事例)

○経営者保証を求めなかった事例

○経営者保証の機能を代替する融資手法を活用した事例

○経営者保証以外の手段による保全状況等を考慮して、保証金額の設定、減額を行った事例

既存の保証契約の適切な見直し(6事例) 保証債務の整理(2事例)

○保証契約の期限到来に伴い、経営者保証を解除した事例

○経営者の交替に際し、前経営者の保証を解除し、新経営者から保証を求めなかった事例 等

○中小企業再生支援協議会を活用して保証債務を整理した事例

○事業再生ADRを活用して保証債務を整理した事例

※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「広報報道」の中の「報道発表資料」から「「経営者保証に関するガイドライン」の活用に係る参考事例集の公表について」(平成26年6月4日)にアクセスしてください。


(5)「主要行等向けの総合的な監督指針」等及び「金融検査マニュアル」等の一部改正(案)に対するパブリックコメントの結果等について

金融庁では、「主要行等向けの総合的な監督指針」等及び「金融検査マニュアル」等の一部改正(案)について、平成26年2月25日から3月26日にかけて公表し、広く意見の募集を行い、その結果等を平成26年6月4日に公表し、同日から適用しています。具体的な改正内容は、以下のとおりです。

  • 1.反社会的勢力への対応に係る監督指針等の改正

    金融庁では、平成25年12月26日、反社会的勢力との関係遮断に向けた取組み策を公表しました。これらの取組みを推進するため、「主要行等向けの総合的な監督指針」等につき、以下のような構成で、(a)反社会的勢力との取引の未然防止(入口)、(b)事後チェックと内部管理(中間管理)、(c)反社会的勢力との取引解消(出口)に係る態勢整備等についての検査・監督上の着眼点を追加する、所要の改正を行いました。

    • 【総論】

      • (1)組織としての対応

      • (2)反社会的勢力対応部署による一元的な管理態勢の構築

    • 【入口】

      • (3)適切な事前審査の実施

    • 【中間管理】

      • (4)適切な事後検証の実施

    • 【出口】

      • (5)反社会的勢力との取引解消に向けた取組み

      • (6)反社会的勢力による不当要求への対処

  • 2.上場銀行における社外取締役設置に係る監督指針の改正

    平成25年12月13日の「金融・資本市場活性化有識者会合」において、会社法改正や東京証券取引所の上場規則の改正の動きを踏まえ、上場している銀行及び銀行持株会社について、監督上、独立性の高い社外取締役の導入を促すことが必要との提言がありました。これを踏まえ、「主要行等向けの総合的な監督指針」等につき、上場銀行及び上場銀行持株会社における経営管理(ガバナンス)態勢について、少なくとも1名以上の独立性の高い社外取締役が確保されているかを検証することとする等、所要の改正を行いました。

※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「広報報道」の中の「報道発表資料」から、「「主要行等向けの総合的な監督指針」等及び「金融検査マニュアル」等の一部改正(案)に対するパブリックコメントの結果等の公表について」(平成26年6月4日)にアクセスしてください。


(6)「店頭デリバティブ取引等の規制に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令等(案)」に対するパブリックコメントの結果等について

金融庁では、「店頭デリバティブ取引等の規制に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令等(案)」について、平成26年5月2日から6月2日にかけて広く意見の募集を行い、その結果等を平成26年6月20日に公表しました。

本件の内閣府令は、平成26年6月20日に公布され、店頭デリバティブ取引等の規制に関する内閣府令第二条第三項及び第四項に係る部分については、12月1日から施行される予定であり、その他の規定に係る部分については6月20日より施行されています。

本件の告示は、平成26年6月20日に公布され、7月1日から施行されています。

本件内閣府令等の概要は、以下のとおりです。

  • 1.清算集中義務の対象者の拡大(内閣府令)

    金融商品取引法第156条の62第2号の取引に係る清算集中義務の対象者を、過年度の各月末日における店頭デリバティブ取引に係る想定元本の合計額の平均額が3,000億円以上(平成26年12月1日から平成27年11月30日までの間については、過年度の各月末日における店頭デリバティブ取引に係る想定元本の合計額の平均額が1兆円以上)の金商業者等とすることとしました。

    また、上記の対象となる金商業者等が当局に届出を行い、当局において、届出を行った金商業者等の名称を一覧にして公表することとしました。

    ※初年度については、施行日から2月以内に届出を行うこととしています。

  • 2.清算集中義務の対象商品の拡大(告示)

    清算集中義務の対象商品に、ユーロ円TIBOR3か月物(年限5年以内)、ユーロ円TIBOR6か月物(年限10年以内)を追加することとしました。

※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「広報報道」の中の「報道発表資料」から「「店頭デリバティブ取引等の規制に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令等(案)」に対するパブリックコメントの結果等について」(平成26年6月20日)にアクセスしてください。


(7)平成25年金融商品取引法等改正(1年半以内施行)等に係る政令・内閣府令等に対するパブリックコメントの結果等について

金融庁では、平成25年金融商品取引法等改正(1年半以内施行)等に係る政令・内閣府令案等について、金融商品取引法施行令等改正案を平成26年4月25日から5月26日にかけて広く意見の募集を行い、それらの結果等を平成26年6月27日に公表しました。

本件の政令は、平成26年6月27日に閣議決定され、内閣府令等と併せて、平成26年7月2日に公布されており、平成26年12月1日から施行されます(注)。

本件の政令・内閣府令等の主な改正内容は、以下のとおりです。

(注)金融商品取引業等に関する内閣府令の一部改正のうち「4.事業報告書記載事項の追加」については、平成27年4月1日以後に提出される事業報告書について適用されます。金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針の一部改正については、平成26年6月27日より適用されています。

  • ○金融商品取引法施行令の一部改正

    投資信託及び投資法人に関する法律(以下、「投信法」という。)における新投資口予約権に係る制度の創設及び自己投資口の取得禁止の緩和を踏まえ、金融商品取引法(以下、「金商法」という。)改正により、投資証券である上場等株券等の発行者が行うその売買に関する規制の導入等所要の措置が講じられたことに伴い、必要な事項を定めました。

  • ○投資信託及び投資法人に関する法律施行令の一部改正

    • 1.投資法人の資金調達・資本政策手段の多様化に伴う所要の規定の整備

      投信法改正により、新投資口予約権に係る制度が創設され、及び自己投資口の取得禁止が緩和されたことに伴い、自己の投資口を取得することができる投資法人が運用の目的とする特定資産の内容として不動産等を定める等、所要の規定の整備を行いました。

    • 2.金銭信託以外の委託者指図型投資信託の禁止の適用除外

      機関投資家向けの委託者指図型投資信託の設定・償還につき、有価証券等のうち時価評価が容易なものを用いる場合には、受益者保護に欠けるおそれが少ないことから、現物設定・現物償還を認めました。

    • 3.投資法人による他法人株式の過半取得禁止の例外

      投信法改正により、投資法人が行うことを禁止されている他法人の株式の過半取得に関し、外国の法令の規定その他の制限により当該国における不動産取引を行うことができない場合に限り、海外不動産を保有する法人(以下、「海外不動産保有法人」という。)の株式の過半取得が容認されました。これに伴い、過半取得が認められる場合について定めました。

  • ○特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令の一部改正

    • 1.「みなし有価証券届出書」制度の導入に伴う所要の整備

      金商法改正により、いわゆる「証券情報」のみを記載した書面(募集事項等記載書面)を有価証券報告書と併せて提出した場合に、これらを有価証券届出書とみなす制度が導入されました。これに伴い、当該制度の対象となる有価証券として「投資信託受益証券」等を定めるなど、所要の整備を行いました。

    • 2.報告書代替書面制度活用のための所要の整備

      報告書代替書面制度について、「金融商品取引所の規則」に類するものとして、金融商品取引業協会の規則を定めるなど、所要の整備を行いました。

    • 3.投資信託のリスク及び販売手数料・信託報酬等に関する説明の充実

      投資信託に係る有価証券届出書及び目論見書に、過去の基準価額の変動を他の代表的な投資資産と比較するための図表等を用いた投資リスクに関する説明、販売手数料・信託報酬等の対価として提供する役務に関する説明を記載しました。

    • 4.投資法人の資金調達・資本政策手段の多様化に伴う所要の整備

      投信法改正により、新投資口予約権に係る制度が創設され、及び自己投資口の取得禁止が緩和されたことに伴い、所要の整備を行いました。

    • 5.受益証券発行信託等に係る「受託者情報」等の記載の見直し

      受益証券発行信託等の受託者等が、有価証券報告書提出会社である場合には、有価証券届出書の「受託者情報」等の欄に財務諸表等を記載することに代えて、有価証券報告書等の継続開示書類を提出している旨の記載で足りることとするなど、所要の整備を行いました。

  • ○有価証券の取引等の規制に関する内閣府令の一部改正

    • 1.上場等株券等の発行者が行うその売買に関する規制の内容

      金商法改正により、投資証券である上場等株券等の発行者が行うその売買に関する規制が導入されたことに伴い、「上場等株券等の取引の公正の確保のため必要かつ適当であると認める事項」の具体的内容を定めました。

    • 2.上場投資法人等の機関決定に係る重要事実の軽微基準の追加

      金商法改正により、インサイダー取引規制の重要事実において新投資口予約権無償割当てが定められたことに伴い、その軽微基準を定めました。

  • ○投資信託及び投資法人に関する法律施行規則の一部改正

    • 1.運用報告書の二段階化

      投信法改正により、運用報告書に記載すべき事項のうち重要なものを記載した書面の作成・交付が義務づけられました。これに伴い、当該書面の作成・交付の頻度を定めました。

      また、運用報告書に記載すべき事項について、投資信託約款において定めている場合には、電磁的方法による提供が可能となりました。これに伴い、電磁的方法による提供の方法の内容を定めました。

    • 2.金銭信託以外の委託者指図型投資信託の禁止の適用除外の範囲拡充

      • (1)金銭と現物を混合した上場投資信託(ETF)の設定・交換の容認

        ETFの設定・交換において、運用の対象である各銘柄の有価証券の配当落ち又は権利落ちを跨ぐこととなる場合、当該各銘柄の有価証券現物に代えて、金銭をもって設定・交換を行うことを可能としました。

      • (2)機関投資家向けの委託者指図型投資信託の現物設定・現物償還の容認

        投資信托及び投資法人に関する法律施行令の一部改正のうち、上記2の改正に伴い、その受益証券の取得の申込みの勧誘が適格機関投資家私募の方法により行われる委託者指図型投資信託の設定・償還について所要の整備を行いました。

    • 3.指定資産の追加

      指定資産に、金融商品取引所に上場しているデリバティブ商品又は金融商品取引清算機関が取り扱うデリバティブ商品を店頭デリバティブ取引として行うものを追加しました。

    • 4.利益相反行為の受益者への開示時期、方法の見直し

      利益相反のおそれがある行為が行われた場合の受益者等への書面交付の手法について、その受益証券の取得の申込みの勧誘が公募の方法により行われた場合は、当該書面に記載すべき事項を公告し、かつ運用報告書に記載することにより、受益者への書面交付に代えることを可能としました。

    • 5.書面決議を要する投資信託約款変更の範囲の見直し

      投資信託約款の変更について、書面決議を要することとなる「その変更の内容が重大なもの」への該当基準を、「商品としての基本的な性格を変更させることとなるもの」に変更しました。

    • 6.書面決議を要する併合手続きの見直し

      投信法改正により、投資信託の併合において、受益者の利益に及ぼす影響が軽微なものに該当する場合には、書面決議を要しないこととされました。これに伴い、「受益者の利益に及ぼす影響が軽微なもの」の内容(併合の前後で商品としての基本的な性格に相違がないこと等)を定めました。

    • 7.反対受益者の受益権買取請求を適用しない投資信託の規定

      投信法改正により、重大な約款の変更等に反対した受益者の受益権買取請求権について、受益者の保護に欠けるおそれがない投資信託に限り、適用されないこととされました。これに伴い、受益者の保護に欠けるおそれがない投資信託の内容を定めました。

    • 8.運用財産相互間取引の禁止の適用除外拡充

      委託者非指図型投資信託における投資信託財産相互間取引について、「対象特定資産取引」に指定外国金融商品取引所に上場されている有価証券の売買を追加しました。

    • 9.委託者非指図型投資信託の信託財産の運用に関する禁止行為の追加

      委託者非指図型投資信託の信託財産の運用に関する禁止行為として、その受益証券の取得の申込みの勧誘が公募の方法により行われている委託者非指図型投資信託の信託財産に関し、信用リスクを適正に管理する方法としてあらかじめ定めた合理的な方法に反することとなる取引を行うことを内容とした運用を行うことを追加しました。

    • 10.規約の記載事項の細目の改正

      投信法改正により、投資法人が行うことを禁止されている他法人の株式の過半取得に関し、外国の法令の規定その他の制限により当該国における不動産取引を行うことができない場合に限り、海外不動産保有法人の株式の過半取得が容認されました。投資法人が主として不動産等資産に対する投資として運用する場合はその旨を規約に記載することとされているところ、当該不動産等資産に発行済株式の過半を取得する海外不動産保有法人の株式を追加しました。

    • 11.資産運用の制限の例外となる法人の要件

      投信法改正により、一定の場合に限り、投資法人による海外不動産保有法人の株式の過半取得が容認されました。これに伴い、当該法人が得た収益のうち配当可能な部分を投資法人に配当すること等、当該海外不動産保有法人の要件を定めました。

    • 12.利害関係人等との取引の制限の例外

      投信法改正により、投資法人と資産運用会社の利害関係人等との間で不動産等の特定資産に係る取引を行う場合、「登録投資法人の資産に及ぼす影響が軽微なもの」を除き、事前に投資法人の役員会において同意を得なければならないこととされました。これに伴い、「軽微なもの」の内容を定めました。

    • 13.利害関係人等の範囲の拡大

      監督役員の欠格要件に該当する者に、現行の資産運用会社の利害関係者に加えて、スポンサー企業(資産運用会社の親会社等)の利害関係者を追加しました。

    • 14.投資法人の資金調達・資本政策手段の多様化に伴う所要の整備

      投信法改正により、新投資口予約権に係る制度が創設され、及び自己投資口の取得禁止が緩和されたことに伴い、所要の整備を行いました。

  • ○投資信託財産の計算に関する規則の一部改正

    投信法改正により、運用報告書に記載すべき事項のうち重要なものを記載した書面の作成・交付が義務づけられました。これに伴い、当該書面の記載事項を定めるとともに、作成時期を定めました。

    また、運用報告書及び当該書面には、信託報酬等の対価として提供する役務に関する説明を記載することとしました。

  • ○投資法人の計算に関する規則の一部改正

    投信法改正により、新投資口予約権に係る制度が創設され及び自己投資口の取得禁止が緩和されたことに伴い、新投資口予約権の発行や行使に伴う処理や投資法人が自己投資口を消却する場合の出資総額等からの控除等、計算に関する所要の事項について定めました。

  • ○金融商品取引法第二条に規定する定義に関する内閣府令の一部改正

    投信法改正による新投資口予約権に係る制度の創設に伴い、「引受人」の定義に関連して、新株予約権証券に準ずるものとして新投資口予約権証券を追加する等所要の整備を行いました。なお、かかる追加により、引受証券会社による新投資口予約権の行使勧誘についての虚偽告知の禁止等、各種の行為規制が適用されることとなりました。

  • ○金融商品取引業等に関する内閣府令の一部改正

    • 1.運用財産相互間取引の禁止の適用除外拡充

      運用財産相互間取引について、「対象有価証券売買取引等」に指定外国金融商品取引所に上場されている有価証券の売買を追加しました。

    • 2.損失補てん禁止の例外

      金商法改正により、権利者と金融商品取引業者等との間で行われる有価証券の売買その他の取引に係る金銭の授受の用に供することを目的としてその受益権が取得又は保有される投資信託の元本に生じた損失の全部又は一部を補てんすることが、投資運用業に関する禁止行為である損失補てん禁止の例外とされました。これに伴い、かかる例外の対象となる投資信託をMRF(マネー・リザーブ・ファンド)と定めました。

    • 3.投資運用業者の禁止行為の追加

      投資運用業に関する禁止行為として、その受益証券の取得の申込みの勧誘が公募の方法により行われている委託者指図型投資信託に係る運用財産に関し、信用リスクを適正に管理する方法としてあらかじめ定めた合理的な方法に反することとなる取引を行うことを内容とした運用を行うことを追加しました。

    • 4.事業報告書記載事項の追加

      事業報告書において、投資助言・代理業者が行う投資助言業務の状況の記載事項を追加しました。

  • ○金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針の一部改正

    無登録による第一種金融商品取引業又は第二種金融商品取引業に該当する行為について明確化しました。

その他、所要の改正を行いました。

※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「報道発表資料」から、「平成25年金融商品取引法等改正(1年半以内施行)等に係る政令・内閣府令案等に対するパブリックコメントの結果等について」(平成26年6月27日)にアクセスしてください。


(8)「外国銀行代理業務に関するQ&A」の公表について

平成20年金融商品取引法等の一部を改正する法律により導入された外国銀行代理業務制度は、銀行が従前営めなかった外国銀行の業務の代理又は媒介を可能とすることにより、国際的に事業展開する企業への効率的な金融サービスの提供を促進することを図ったものです。

外国銀行代理業務制度が導入され5年が経過し、その間、銀行における外国銀行代理業務に関する実務等について、様々な照会が当庁に対して寄せられており、それらの照会を体系づけて整理し、Q&Aの形で公表することが、行政の透明性・予測可能性の向上にとって重要であるほか、銀行による上記のような金融サービスの提供の促進に寄与すると考えられることから、6月26日に「外国銀行代理業務に関するQ&A」を策定し、公表しました。

※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「広報報道」の中の「報道発表資料」から、「「外国銀行代理業務に関するQ&A」の公表について」(平成26年6月26日)にアクセスしてください。


(9)「インサイダー取引規制に関するQ&A」の追加について

昨年12月に公表された「金融・資本市場活性化に向けての提言」において、インサイダー取引規制に関して、「上場会社の役職員等が持株保有に過度に慎重になっているとの指摘もみられる」との言及があったことを踏まえ、Q&Aの問3を公表しました。

<概要>

上場会社の内部情報を知り得る特別の立場にある「会社関係者」が、未公表の「重要事実」を知って売買等を行うことは、一般の投資家と比べて著しく有利となって極めて不公平であり、そのような売買等が横行すれば、証券市場の公正性・健全性に対する投資家の信頼を損なうおそれがあります。インサイダー取引規制は、このような投資家の信頼を確保する観点から、「会社関係者」による一定の売買等を禁止しているものと考えられます。

しかしながら、投資家の信頼確保という観点からは、「会社関係者」が未公表の「重要事実」を知った後に売買等を行ったとしても、当該売買等が「重要事実」を知ったことと無関係に行われたことが明らかであれば、それにより証券市場の公正性・健全性に対する投資家の信頼性を損なうおそれは乏しく、インサイダー取引規制によって抑止を図ろうとする売買等には該当しないものと考えられます。

※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「広報報道」の中の「報道発表資料」から、「「インサイダー取引規制に関するQ&A」の追加について」(平成26年6月27日)をご覧下さい。


(10)中小企業の業況等に関するアンケート調査結果の概要

中小企業金融の実態把握の一環として、平成26年5月に、全国の財務局等を通じて、各都道府県の商工会議所47先を対象に、会員企業の業況や資金繰りの現状と先行き等について聴き取り調査を実施したところ、その調査結果の概要は、以下のとおりとなりました。

  • 1.中小企業の業況感は、現状D.I.は消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動等による影響により、前回調査に比べ24ポイント低下し、マイナスに転じています。業種別の現状D.I.では、特に小売業、建設業、サービス業が前回調査に比べ大幅な低下となっています。なお、先行きD.I.は前回調査に比べ9ポイント低下しています。

    悪いと判断した場合の要因としては、「売上げの低迷」の割合が最も大きく、次いで、「仕入原価の上昇等」となっています。

    中小企業の業況等に関するアンケート調査結果
    (クリックすると拡大されます)

  • 2.中小企業の資金繰りは、前回調査に比べ、現状D.I.は4ポイント、先行きD.I.は、2ポイント低下しています。

    悪いと判断した場合の要因としては、「販売不振・在庫の長期化等、中小企業の営業要因」のみとなっています。

    中小企業の業況等に関するアンケート調査結果
    (クリックすると拡大されます)

※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「広報報道」の中の「報道発表資料」から「中小企業の業況等に関するアンケート調査結果の概要」(平成26年6月27日)にアクセスしてください。


(11)証券決済リスク削減に向けた市場関係者の取組の進捗状況について

「金融・資本市場に係る制度整備について」(平成22年1月21日)(以下、「制度整備」という。)では、先般の世界金融危機において認識された重要な課題の一つとして、「国債取引・貸株取引等の証券決済・清算態勢の強化」が盛り込まれました。これを受け、市場関係者において、証券決済リスク削減に向けた各取組の実施時期・実行期限等を定めた工程表の作成や、工程表に沿った検討・対応が進められてきたところです。

金融庁としては、市場関係者による、かかる工程表の作成や、工程表に沿った取組みは、我が国市場全体の決済リスク削減の進展につながるとともに、ひいては、我が国金融システムの安定に資すると考え、今後も、工程表に沿った取組の実施を支援することとします。

工程表については、半年毎(平成22年12月、平成23年6月、平成23年12月、平成24年6月、平成24年12月、平成25年6月、平成25年12月)にアップデートしており、平成26年6月24日時点の進捗状況は、以下のとおりです。

  • 1.国債取引

    • (1)経緯及び進捗状況

      「制度整備」による要請を踏まえ、平成22年6月29日、日本証券業協会、(株)日本国債清算機関(現在の(株)日本証券クリアリング機構、以下、「JSCC」という。)及び信託協会により、「国債取引の決済リスク削減に関する工程表」(以下、「国債工程表」という。)が作成・公表されました。その後、上記3者をはじめとする市場関係者において検討が進められ、平成22年12月以降半年毎に検討結果が公表されているところです。

      昨年12月以降、更に検討を重ねた結果、今般、(2)の通り各種の対応・合意がなされてきたところであり、これを反映して更新された「国債工程表」が、6月24日に公表されました。

    • (2)検討結果

      • ○決済期間の短縮化

        • 市場関係者を対象とした市場の実態把握のための調査に係る報告書を踏まえ、国債アウトライト取引の決済期間のT+1化実現に向けた取引手法等について議論をしました。

        • 26年6月に「グランドデザイン」の暫定版をとりまとめました。

      • ○国債清算機関の態勢強化

        • 参加者の破綻を想定した資金調達スキームに係る検討等を踏まえて、業務方法書等の見直しを行い、本年6月から施行しました。

      • ○清算機関の利用拡大

        • 信託銀行は、投資家等への説明等を進め、本年6月にJSCCへの参加を開始しました。

  • 2.貸株取引

    「制度整備」による要請を踏まえ、平成22年12月に(株)証券保管振替機構、(株)ほふりクリアリング及び市場関係者(証券会社、日本証券金融、信託銀行)により構成される貸株取引専門部会より、「貸株取引に係る決済リスク削減に関する工程表」(以下、「貸株工程表」という。)が作成・公表されました。

    (注)「国債工程表」及び「貸株工程表」の本体については、下記の各機関のウェブサイトをご覧ください。

※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「広報報道」の中の「報道発表資料」から「証券決済リスク削減に向けた市場関係者の取組の進捗状況について」(平成26年6月24日)にアクセスして下さい。


(12)保険会社に対する統合的リスク管理態勢ヒアリングの実施とその結果概要について

保険会社を取り巻くリスクが多様化・複雑化している中、保険会社が将来にわたり財務の健全性を確保していくため、規制上求められる資本等の維持や財務情報の適切な開示に加え、保険会社が自らの経営戦略と一体で、全てのリスクを統合的に管理し、事業全体でコントロールする統合的リスク管理態勢を整備し、高度化していくことが重要です。

金融庁では、平成23年以降、ERM(Enterprise Risk Management)ヒアリングを実施して、保険会社における統合的リスク管理態勢の実態把握を行うと共に、保険業界全体の統合的リスク管理の促進を図るため、その結果概要を公表してきました。また、平成26年2月には、「保険会社向けの総合的な監督指針」を改定し、ORSA(Own Risk and Solvency Assessment)を含む統合的リスク管理態勢に関する項目を整備しました。

※ORSA:保険会社・グループが、現在及び将来のリスクと資本等を比較し、資本等の十分性の評価を自らが行うと共に、リスクテイク戦略等の妥当性を総合的に検証するプロセス。

こうした中、ORSAに関するプロセスをレポート化し、社内・グループ内で報告及び共有すると共に、監督当局に報告する制度の導入準備が欧米等において進められております。金融庁においても、試行的に、ORSAレポートの作成及び提出を求めると共に、当レポートに基づくヒアリングを実施し、保険会社における統合的リスク管理態勢の実態把握を行いました。

  • 1.主なヒアリング内容

    今回のヒアリングでは、会社の規模や事業・リスク特性等を踏まえて抽出した保険会社・保険持株会社25社を対象としました。

    • (1)要旨(全体の取り纏め)

    • (2)経営戦略及びリスクに対する認識

    • (3)ERMに関する組織体制

    • (4)リスク管理方針

    • (5)リスクプロファイルとリスクの測定

    • (6)リスクとソルベンシーの自己評価

    • (7)経営への活用

    • (8)ORSAの評価・検証

  • 2.ヒアリングの結果概要

    今回のヒアリングを通じて、損害保険会社に加え生命保険会社においても、リスク選好に基づくERMフレームワークの具体的な整備を実施又は検討を開始する社があり、ERM態勢の改善・充実が進展していることが確認できました。一方、リスクベースの収益性指標の事業戦略・経営計画への活用、グループ内各社のERM態勢の整備、ORSAの評価・検証の取り組みなど、多くの保険会社・グループに共通する課題もあり、引き続きERM態勢の整備に取り組んでいくことが重要です。

    金融庁としては、今後も、保険会社のERM態勢の現状と課題を定期的に確認し、必要に応じ高度なリスク管理態勢の構築を求めていくことで、保険業界全体のERM態勢の高度化を促してまいりたいと考えております。

  • 3.ORSAレポートについて

    保険会社に対してORSAレポートの作成及び提出を求めることは、金融庁としては初めての試みでしたが、ORSAレポートが、監督当局として各保険会社のERM態勢を、業界横断的に横串を通して把握するツールとして有用であることが確認できました。

    金融庁としては、国際的な保険監督動向なども踏まえつつ、ORSA報告の本格導入に向けて、引き続き検討を進めてまいります。

※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「広報報道」の中の「報道発表資料」から、「保険会社に対する統合的リスク管理態勢ヒアリングの実施とその結果概要について」(平成26年6月30日)にアクセスしてください。


(13)EDINET Award for Project Excellence受賞について

2014年6月9日から6月11日にかけて、XBRL International※1主催の第27回XBRL国際会議※2が米国オーランドで開催されました。

今回のXBRL国際会議のテーマは、XBRLデータの質の高度化と利用促進であり、各国より規制当局、証券取引所、情報ベンダー等が参加し、本テーマについて議論が行われました。

当庁のこれまでのEDINETにおけるXBRLへの取組み(平成25年9月からinline XBRL※3を導入したこと、対象範囲の拡大及び多くの投資家に利用されていること等)が評価され、XBRL Internationalから当庁に対し、Award for Project Excellenceが授与されました。

(※1)XBRL(eXtensible Business Reporting Language)の開発・普及を促進することを目的として設立された非営利組織(アメリカデラウェア州で登記)。40ヵ国以上、600を超える企業・団体が参加。

(※2)XBRLを導入済みあるいは導入を計画している国が持ち回りで開催。日本では2012年11月に横浜で開催された。

(※3)XHTMLにXBRLのタグを組み込む形式。一つの提出書類で、ブラウザー上の表示とXBRLデータとしての利用の両方を兼ねることができる。

※ 詳しくは、XBRL Internationalのホームページ新しいウィンドウで開きますをご覧ください。


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