「金融サービス利用者相談室」における相談等の受付状況等（期間：平成23年７月１日～９月30日）

【今期の特徴】

• ○金融サービス利用者相談室に寄せられた相談件数は10,121件と、前期（平成23年4月1日から6月30日までの間：以下同じ）に比べてやや減少（▲491件）している（２．）。

  分野別に見ると、次のとおり。

  • 預金・融資に関する相談等は、個別取引・契約の結果などに関する件数が減少したことから、2,999件（前期比▲270件）となっている（３.（１））。

  • 保険商品に関する相談等及び貸金等に関する相談等は、一般的な照会・質問などに関する件数が減少したことから、それぞれ2,270件（前期比▲83件）、958件（前期比▲93件）となっている（３．（２）、（４））。

  • 投資商品に関する相談等は、個別取引・契約の結果などに関する件数が増加したことから、3,539件（前期比＋71件）となっている（３．（３））。

• ○東日本大震災関係の相談は、分野を問わず全般的に減少し、150件（前期比▲354件）となっている。

• (1)金融庁では、金融サービス利用者の利便性の向上を図るとともに、寄せられた情報を金融行政に有効活用するため、金融サービス等に関する利用者からの電話・ウェブサイト・ファックス等を通じた質問・相談・意見等に一元的に対応する金融サービス利用者相談室（以下、「相談室」という。）を開設しています。

• (2)利用者からの相談等については、専門の相談員が電話で対応しています。相談員からは、問題点を整理するためのアドバイスを行ったり、業界団体が開設している紛争解決機関等を紹介しています。なお、寄せられた相談等の内容や処理状況等については、金融庁内の関係部局に回付し、検査・監督等の参考として活用しています。

• (3)相談室に寄せられた利用者からの相談件数や主な相談事例等のポイント等については、四半期毎に公表しています。平成23年7月1日から9月30日までの間（以下、「今期」という。）における相談等の受付状況及び特徴等は、以下のとおりです。

• (1)相談等の類型

  質問・相談として寄せられたものが8,443件（84％）、意見・要望として寄せられたものが1,012件（10％）、情報提供として寄せられたものが433件（4％）、その他が233件（2％）となっています。

• (2)相談等の方法

  電話による相談等が8,923件（88％）、ウェブサイトによる相談等が692件（7％）、手紙による相談等が307件（3％）、ファックスによる相談等が143件（1％）、その他が56件（1％）となっています。

• (3)相談等の分野

  投資商品等に関するものが3,539件（35％）、預金・融資等に関するものが2,999件(30％)、保険商品等に関するものが2,270件（22％）、貸金等に関するものが958件（9％）、金融行政一般・その他が355件（4％）となっています。

• (1)預金・融資等に関する相談等の受付件数2,999件のうち、個別取引・契約の結果に関するものが1,382件（46％）、一般的な照会・質問に関するものが633件（21％）、態勢・手続に関するものが436件（15％）等となっています。

  業態別では、銀行に関するものが1,621件（54％）、信用金庫・信用組合等の協同組織金融機関に関するものが436件（15％）、その他が942件（31％）となっています。

  業務別では、融資業務に関するものが1,480件（49％）、預金業務に関するものが721件（24％）、その他が798件（27％）となっています。

  今期の全体の受付件数は、個別取引・契約の結果の相談等が減少したことから、前期に比べてやや減少(3,269件→2,999件)しています。

  また、銀行協会等の業界団体を紹介した相談等は233件ありました。

• (2)保険商品等に関する相談等の受付件数2,270件のうち、個別取引・契約における顧客説明及び個別取引・契約の結果に関するものが合計1,271件（56％）（うち保険金の支払に関するもの995件）、金融機関の態勢・各種事務手続に関するものが355件（16％）（うち保険金請求時等における保険会社の対応に関するもの239件）等となっています。

  業態別では、損害保険会社に関するものが1,319件（58％）、生命保険会社に関するものが614件（27％）、その他が337件（15％）となっています。

  今期の全体の受付件数は、一般的な照会・質問に関する相談等が減少したことから、前期に比べてやや減少（2,353件→2,270件）しています。

  また、保険協会等の業界団体を紹介した相談等は514件ありました。

• (3)投資商品等に関する相談等の受付件数3,539件のうち、一般的な照会・質問に関するものが1,469件（42％）、個別取引・契約の結果に関するものが1,119件（32％）等となっています。

  業態別では、個別法人・団体に関するものが1,109件（31％）、証券会社（第一種業）に関するものが556件（16％）、無登録業者に関するものが348件（10％）、その他が1,526件（43％）となっています。

  商品別では、未公開株に関するものが635件（18％）、社債に関するものが440件(12％)、上場株式に関するものが233件（7％）、ファンドに関するものが222件（6％）等となっています。

  今期の全体の受付件数は、投資信託やFX（外国為替証拠金）関連の個別取引・契約の結果に関する相談等が増加したことから、前期に比べてやや増加（3,468件→3,539件）しています。

  また、証券業協会等の業界団体を紹介した相談等は132件ありました。

• (4)貸金等に関する相談等の受付件数958件のうち、一般的な照会・質問に関するものが461件（48％）、個別取引・契約の結果に関するものが184件（19％）、業者の態勢・各種事務手続に関するものが69件(7％)等となっています。

  今期の全体の受付件数は、法令・ガイドラインの解釈等、一般的な照会・質問に関する相談等が減少したことなどから、前期に比べてやや減少（1,051件→958件）しています。

  また、｢貸金相談デスク｣（平成22年7月26日開設）の受付件数は73件ありました。

  なお、貸金業協会等の業界団体を紹介した相談等は69件ありました。

• (5)金融行政一般・その他に対する意見・要望等の受付件数355件のうち、一般的な照会・質問に関するものが57件（16％）、行政に対する要望等に関するものが30件（8％）等となっています。

• (6)預金口座の不正利用に関する情報提供は48件寄せられています（金融庁及び全国の財務局等より金融機関及び警察当局への情報提供については、金融庁公表の「預金口座の不正利用に係る情報提供件数等について」をご参照ください）。

• (7)貸し渋り・貸し剥がしに関する情報提供は、17件寄せられています。（「貸し渋り・貸し剥がしに関する情報の受付・活用状況について」は、別紙２（PDF：105KB）をご参照ください。）

• (8)金融円滑化ホットラインに寄せられた金融の円滑化に関する情報提供は、7件となっています。（「金融円滑化ホットラインに寄せられた情報の受付・活用状況について」は、別紙３（PDF：138KB）をご参照ください。）

• (9)（７）の貸し渋り・貸し剥がしに関する情報及び（８）の金融円滑化ホットラインに寄せられた情報の受付件数の推移（再掲）については、別紙４（PDF：62KB）をご参照ください。

• (1) 預金取扱金融機関によるリスク性商品等の販売時における顧客への説明態勢に関するもの

• (2) 預金取扱金融機関による広告等の不適正な表示に関するもの

• (3) 預金取扱金融機関における不適切な顧客対応に関するもの

• (4) 預金取扱金融機関の融資業務における担保の取扱いに関するもの

• (5) 預金取扱金融機関の個人情報の取扱いに関するもの

• (6) いわゆる貸し渋り・貸し剥がしや貸出条件変更に関するもの

• (7) 保険会社の不払い等（付随的な保険金の支払漏れ、第三分野商品に係る保険金の不払い等）に関するもの

• (8) 保険募集人等の不適正な行為（重要事項の不十分な説明、手続に関する不適切な案内・対応、不告知の教唆、無断契約、名義借り、保険料の立替等）に関するもの

• (9) 貸金業者による法令違反のおそれのある行為（取立行為規制違反等）に関するもの

• (10)貸金業者による顧客への不適切な説明に関するもの

• (11)システム障害に関するもの

• (12)外国為替証拠金取引業者の不適正な行為に関するもの

• (13)外国為替証拠金取引業者とのインターネット経由での取引に関するもの

• (14)無登録営業に関するもの

• (15)金融商品取引業者の不適正行為（ホームページを閉鎖し電話に出ない、無断売買、高齢者に対する勧誘等）に関するもの

• (16)金融商品取引業者によるリスク性商品等の販売時における顧客への説明態勢に関するもの

• (17)いわゆる集団投資スキームを利用した法令違反のおそれのある行為に関するもの

前期における情報の活用状況は以下のとおりです。

• 監督において行った198金融機関等に対するヒアリング等に際して、相談室に寄せられた情報を参考としています。

• 金融庁が着手した20金融機関の検査等に際して、相談室に寄せられた情報を参考としています。

また、預金口座の不正利用に関する情報については、金融機関及び警察当局へ20口座の情報提供を行っています。

５． 利用者からの相談事例等と相談室からのアドバイス等

寄せられた相談等のうち利用者の皆様に注意喚起する必要がある事例等について、以下のとおり「利用者からの相談事例等と相談室からのアドバイス等」として公表していますのでご参照ください。

• (1)預金・融資等に関する相談事例及びアドバイス等

  • 「免許の確認、預金保険制度に関する相談等」
  • 「本人確認に関する相談等」
  • 「盗難・偽造キャッシュカードに関する相談等」
  • 「振り込め詐欺救済制度に関する相談等」
  • 「特約付定期預金等に関する相談等」
  • 「融資に関する相談等」

• (2)保険商品等に関する相談事例及びアドバイス等

  • 「保険内容の顧客説明に関する相談等」
  • 「告知義務に関する相談等」
  • 「保険契約に関する相談等」
  • 「保険金の支払に関する相談等」
  • 「少額短期保険業者に関する相談等」
  • 「保険契約者の保護に関する相談等」

• (3)投資商品等に関する相談事例及びアドバイス等

  • 「金融商品の購入に関する相談等」
  • 「投資信託の購入に関する相談等」
  • 「外国為替証拠金取引に関する相談等」
  • 「未公開株式の取引に関する相談等」
  • 「自社発行未公開株に関する相談等」
  • 「ファンドに関する相談等」
  • 「金融商品取引業者（旧証券取引法上の証券会社）との取引に関する相談等」
  • 「金融商品取引業の登録に関する相談等」
  • 「株券の電子化に関する相談等」
  • 「投資者保護制度に関する相談等」
  • 「社債に関する相談等」

• (4)貸金等に関する相談事例及びアドバイス等

  • 「違法な金融業者からの借入れに関する相談等」
  • 「強引な取立てに関する相談等」
  • 「取引履歴の開示に関する相談等」
  • 「返済条件の変更に関する相談等」
  • 「金利引下げに関する相談等」
  • 「総量規制に関する相談等」
  • 「都道府県登録業者に関する相談等」
  • 「完済後の書面交付に関する相談等」