投資家との意見交換会概要
(6月20日(木)13時30分~15時30分 於北海道財務局)


 意見交換会の冒頭、証券取引等監視委員会川岸委員より、監視委員会のこれまでの活動状況及び活動方針等について、具体的な事例を交えながら、概要以下のとおり説明(当委員会ホームページに掲載の証券取引等監視委員会パンフレット参照本文付録[PDF])。


1.監視委員会は何をするところか
(1) 委員会の目的と活動目標
(2) 具体的な組織と活動
 現在の証券市場にある「三つの不信」を紹介し、個人投資家の証券市場に対する不信感を解消するために、個人投資家の保護に全力を尽くすこと、悪質な証券会社等の徹底摘発、市場の公正性を損ねる証券犯罪の一掃、抑止力を高めるための監視委員会のプレゼンス向上を活動目標としていることを説明。また、委員会にある課・部門とその所掌する仕事の概要を説明した。

2.監視委員会は何をしてきたか
(1) 犯則事件の告発
(2) 検査、勧告
(3) 取引審査
 それぞれ、犯則事件の調査、告発、検査等の結果に基づく勧告、取引審査、一般からの情報受付について、概要、件数実績などを説明。インサイダー取引、相場操縦、有価証券報告書の虚偽記載について、具体的な事例を紹介した。

3.個人投資家が陥りやすい“取引三つの罠”
(1) 取引一任勘定の罠
(2) 高利回り商品の罠
(3) 乗り換え商法の罠
 それぞれ、取引一任勘定取引契約を締結する行為、EB(他社株券償還特約付社債券)等の高利回りをうたう新たな金融商品の販売にかかる問題、投資信託の乗換、断定的判断を提供して勧誘する行為等について、具体的な事例を挙げて、投資家に対して注意を呼び掛けた。

4.体制・機能の充実
(1) 情報収集・分析能力の向上
(2) 国際化への対応
 現在取り組んでいる、コンピュータシステムの活用、民間専門家の登用、外国の証券監視当局との協力関係の強化、金融庁や自主規制機関との連携強化等について説明した。


 参加者から出された主な意見・要望等は以下のとおり。


主に監視委員会に関するもの

○ 委員会の存在はある程度知っていたが、実際にどのような活動をしているのかは知らなかった。委員会の存在そのものが不正な取引の抑止力になるので、もっとアピールした方がよい。

○ 監視委員会は公正透明なマーケットのために大変重要な機関だと思う。監視委員会もアメリカのようにスタッフを充実させて、取締を厳しくしていってほしい。犯則事件の調査でインサイダー取引の告発件数が少なく、氷山の一角にすぎないように感じる。


主に証券会社等に関するもの

○ 投資家の中には、難しい商品を理解していないで買わされているケースが多々ある。

○ 事業会社の有価証券報告書は、専門的すぎて一般の投資家の方が理解するのは難しい。目論見書も分厚い。上場会社、事業会社は、もっと明瞭簡潔な情報公開をするよう努力すべきである。

○ 証券会社の営業が十分な知識がないまま商品を売っている。証券会社の営業員に対する教育が必要である。

○ 債券の安全性を示す格付について複数の格付機関のものを並記してほしい。

○ 客に渡す資料を分かり易くしてもらいたい。リスクの所在など、小さな文字で記載されており分かりにくい。

○ 営業員からの株式乗換えの勧誘が多いのに困っている。株式投資は長期保有してはいけないかのように言われ疑問に感じている。

○ 海外の企業は、配当も高いし、お願いすればすぐに視覚的に優れたアニュアルレポートを送付してくれる。日本では企業の側が本当に個人投資家を必要と感じているのか疑問に思う。


その他

○ 資産運用に当たって、元本保証ではないと言っただけで途端に引いてしまう人が多い。安心して投資を考えてもらうには、投資教育が必要だと思う。

○ ネットがかなり普及しているが、ネットを見れば情報は入手できるからということで営業員が十分な情報提供を顧客に行わなくなっては問題である。

○ 手数料体系が分かりにくい。商品の手数料等を明確に説明してほしい。

○ 日本は、パチンコや競馬が盛んなように必ずしもリスクを好まない国民性ではないので、株式についても、色々経験して勉強していくとよい。

○ 若い人たちの中にも株式投資をやってみたいという人はたくさんいるが、恐いというイメージがどうしてもあるようだ。株式投資について気軽に勉強できるような場を提供してほしい。

○ 証券会社の店頭登録や新規公開の時の配分は、大口の客にだけ配分されることなく正当に行われているのか。

○ 投資家をもっと市場に呼び込むべきである。現在の市場は、海外や国内の機関投資家などのプロにより形成されており、個人投資家が出ていけばババを引かされるような状態なので、個人投資家が安心して参加できる市場環境の整備が必要だと思う。

○ 証券税制が改正されたが、複雑で理解できない。キャピタルゲインの非課税とか、ドイツのように持株投資への推奨金とかいろいろできると思う。

(以上)

 

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