【金融ここが聞きたい!】


 このコーナーは、記者会見における質疑・応答(Q&A)などの中から、金融を巡る時々の旬な情報をセレクトしてお届けするものです。もっと沢山ご覧になりたい方は、是非、金融庁ホームページの「記者会見概要」のコーナーにアクセスしてください。
 
Q:金融担当大臣任命にあたり、小泉総理から3つのテーマを与えられたそうですが、それぞれどのように取り組みたいと考えていますか?


:小泉総理から3つの点に留意して金融行政にあたって欲しいというお話がございました。
 1つ目は、「金融再生プログラム」に基づいて不良債権問題を終結し、ペイオフ解禁拡大を予定通り実施をしていく、そのための金融システムの改革にしっかり取り組んで欲しいということであります。
 2つ目は、地域経済の活性化や、中小企業の再生という問題が大変大きな経済構造改革の課題にもなっているわけです。こうしたことを実現していくためにも金融面から、特に地域や中小企業の金融の円滑化ということは非常に重要でありますので、こうした取組みもしっかりやって欲しいということでありました。
 3つ目は、国際的にもレベルの高い最高の水準の金融機能を利用者のニーズに対応して提供できるような金融行政を行って欲しいということでした。こうしたことを踏まえて利用者の方々の利便性を向上し、利用者の方々のニーズに応えられるような金融システムを構築すると共に金融システムの安定強化に向けての施策ということも今まで以上にしっかりと対応しながら経済構造改革を強固に支える金融システムというものを構築していきたいと思います。

 

Q:今後、金融行政において、どのように伊藤大臣の個性を発揮したいと考えていますか?


:これから私共と致しましては、ポスト「金融再生プログラム」作り、つまり「金融重点強化プログラム(仮称)」を作成する予定になっております。この中で、金融システムの安定・強化と多様な金融機能、或いは高度な金融機能というものを利用者のニーズに対応した形で提供をしていく、そういう方向性を持ちながら、金融行政を展開していくためのプログラムをまとめさせていただきたいと思っているところであります。このことが、構造改革を支える強固な金融システムを築き上げていくということに繋がっていかなければいけませんので、そうした目的に向かって邁進をしていきたいと思っているところでございます。更に今、経済構造改革の中で、やはり地域の活性化、或いは中小企業の再生というものは極めて重要な課題でもあります。私は今まで経済産業政策でありますとか中小企業政策にも取り組んでまいりました。金融と、そして産業政策、中小企業政策がより以上に連携をして、そして今お話をさせていただいた課題に具体的に応えていけるような、そういう展開をしていかなければいけないと思っております。地域の中にも中小企業においても、潜在的に素晴らしい力があります。また、失ってはいけない価値というものもたくさんあります。そうしたものを引き出していく、そうした価値を磨き上げていく、そのために金融行政としてやるべきことがあるならば、それに対してしっかり応えていきたいと思っております。

平成16年9月27日(月)初閣議後記者会見 抜粋)

 
Q:来年4月のペイオフ実施に向けた方針について、聞かせてください。


:ペイオフの問題については予定通り実施をさせていただきたいと思っております。これは預金者の方々の選択を通じて金融機関の経営者の皆様方が一層経営改革の努力をしていただく、そのことが金融システム全体の効率化を高めていくという観点から、予定通りの実施をさせていただきたいと考えているところであります。これに向けて今「金融再生プログラム」或いは「リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラム」の諸施策を展開させていただいているところでございますので、私どもとしてはこうした諸施策のフォローアップをしっかりやりながらペイオフの解禁拡大を向かえていきたいと思います。

平成16年10月1日(金) 閣議後記者会見 抜粋)

 


【金融便利帳】


 このコーナーは、とかく専門的でわかりにくい金融に関する用語や様々な疑問について、わかりやすく解説するものです。
 今月のキーワードは「初等中等教育段階における金融経済教育」です。


「初等中等教育段階における金融経済教育」


 近年の金融経済環境の変化の中で、国民が、様々な金融商品・サービスなどの内容を十分理解した上で、自らの判断と責任で主体的に選択するためには、金融の仕組みや取引ルールなどの知識・理解を深めることが求められています。
 このような観点から、金融庁としては、早い段階から児童・生徒に、金融の仕組みや働きなどについて基礎的な知識が得られるようにするとともに、自分たちの身近な生活における金融との結び付きを理解してもらうことや、金融取引による被害にあわないようにするためにも、特に、初等中等教育段階における金融経済教育を推進することが大変重要であると考えています。


 金融経済教育とは、以下のような事項に関する授業のことをいいます。
 

 (1)小 学 校
地域の人々の生産や販売、我が国の産業の様子、産業と国民生活との関連など(社会科)
金銭の使い方など(家庭科)
金銭を大切にする、働くことの意義など(道徳)
金融や経済、消費などに関する体験的・問題解決的な学習体験(総合的な学習の時間)

 (2)中 学 校
経済活動の意義、市場経済の基本的な考え方、生産の仕組みのあらまし、金融の働き、社会における企業の役割と社会的責任、消費者の保護など(社会科)
販売方法の特徴や消費者保護、生活に必要なサービスの適切な選択など(技術・家庭科)
勤労の尊さや意義など(道徳)
金融や経済、消費などに関する体験的・問題解決的な学習活動(総合的な学習の時間)

 (3)高等学校
企業の働き、金融機関の働き、個人と企業の経済活動における社会的責任など(現代社会)
国民経済における家計、企業・政府の役割、市場経済の機能、資金の循環と金融機関の働き、経済活動の在り方、為替相場の仕組み、消費者問題と消費者保護など(政治・経済)
社会の変化と消費生活、消費者の権利と責任(契約、消費者信用)、家庭の経済生活など(家庭科)
金融や経済、消費などに関する体験的・問題解決的な学習活動(総合的な学習の時間)金融経済教育について

 なお、今後は、(1)中学生・高校生向け副教材の改訂及びホームページへの掲載、(2)同副教材を全国の中学・高校へ配布(1.8万部)、(3)高校卒業生向けパンフレットの作成及びホームページへの掲載 を予定しています。


【お知らせ】

〇 大臣・副大臣・政務官への質問募集中

 本号では休載させていただきましたが、アクセスFSAでは、読者の皆様から寄せられた金融を巡る大臣・副大臣・政務官へのご質問に、大臣・副大臣・政務官が直接お答えする【大臣に質問!】【副大臣に質問!】【政務官に質問!】のコーナーを設けております。「金融庁のやっている金融行政って、よくわからないんだけれど、大臣・副大臣・政務官にこんなことを、是非、直接聞いてみたい!」というご質問がございましたら、金融庁ホームページの「ご意見箱」にお寄せください。その際、ご意見箱の件名の欄には、必ず「大臣に質問」「副大臣に質問」「政務官に質問」とご記入ください。また、本文の欄にご質問の内容をご記入下さい。ご意見箱のコーナーには、「45行以内」とありますが、「大臣に質問」、「副大臣に質問」、「政務官に質問」の場合には、ご質問の趣旨を明確にさせていただくために、恐縮ですが100字以内に収めていただきますようお願いいたします。お寄せいただきましたご質問の中から1問選定させていただき、「アクセスFSA」において大臣・副大臣・政務官の回答を掲載させていただきます。大臣・副大臣・政務官へのご質問がございます方は、「ご意見箱」へどうぞ。また、「大臣・副大臣・政務官への質問募集中」にもアクセスしてみてください。


〇 新着情報メール配信サービスへのご登録のご案内

 金融庁ホームページでは、新着情報メール配信サービスを行っております。皆様のメールアドレス等を予めご登録いただきますと、毎月発行される「アクセスFSA」や日々発表される各種報道発表など、新着情報を1日1回、電子メールでご案内いたします。ご登録をご希望の方は、「新着情報メール配信サービス」へどうぞ。


○ 「金融庁 電子申請・届出システム」ご利用のお願い

 トピックス「電子政府利用促進への取組みについて」にも掲載しましたが、現在、政府は電子政府の構築について推進しています。
 金融庁においても、1年365日24時間受付可能な「金融庁 電子申請・届出システム」を運用しており、パソコン等において作成した申請書類を、電子データのまま、職場等からインターネットを利用して申請・届出することができます。現在、当庁が扱う1,398手続について、このシステムによる利用が可能です。
 日常的・定例的に発生する申請・届出に「金融庁 電子申請・届出システム」を利用していただくことは、申請・届出をされる皆様にとっては利便性の向上、行政当局側にとっては事務の効率化に資するという相互のメリットがあります。システムの積極的なご利用をお願いします。


 金融庁の電子政府「金融庁 電子申請・届出システム」について、詳しくは金融庁ホームページの「電子申請・届出システム」にアクセスしてください。


【9月の主な報道発表等】
 
3日(金) タリバーン関係者等と関連すると疑われる取引の届出について(追加要請その25)
  オーストラリア証券投資委員会との証券分野の情報交換取極の署名等について
 
6日(月) 検査情報受付窓口の設置
  金融審議会金融分科会特別部会開催
 
7日(火) バンコ・イタウ・エッセ・アー(イタウ銀行)東京支店への銀行業の営業免許
 
10日(金)   金融トラブル連絡調整協議会開催
 
16日(木) 主要行における自己査定と検査結果の格差公表
「金融庁の1年(平成15事務年度版)」公表
 
17日(金) キャンターフィッツジェラルド証券会社東京支店に対する行政処分
シティバンク、エヌ・エイ在日支店に対する行政処分(銀行法関連)
シティバンク、エヌ・エイ在日支店に対する行政処分(証券取引法関連)
シービーアールイー・レジデンシャル・マネジメント株式会社に対する投資法人資産運用業の認可
 
22日(水) エー・シー・イー・インターナショナル株式会社に対する行政処分(関東財務局)
 
24日(金) 株式会社紀陽銀行に対する行政処分(近畿財務局)
株式会社UFJホールディングスの「経営の健全化のための計画」の変更計画の公表
 
28日(火) 東京海上日動火災保険株式会社に係る合併の認可
株式会社西日本シティ銀行に係る合併の認可
  金融審議会金融分科会第一部会開催
 
29日(水)   金融審議会金融分科会特別部会開催
   
マークのある項目につきましては、から公表された内容にアクセスできます。