インターネット・サーフ・デイの実施について

平成12年5月16日
証券取引等監視委員会


 証券取引等監視委員会を含めた、証券監督者国際機構(IOSCO)の法務執行及び情報交換に関するワーキング・パーティ(WP4)等に所属する18ヶ国、21の証券規制当局等は、去る3月28日をインターネット・サーフ・デイとし、国際的に連携して一斉にインターネット上の証券取引に係る不正行為の実態把握を行った。

 インターネットは、証券市場に大きな変革をもたらし、投資者にとっては豊富な情報をより容易に入手できること、手軽で効率的な投資の機会が増大すること、などのメリットがある一方で、市場における不正行為に対しても新たな手段や機会を与えるものである。IOSCO WP4等に所属する各国の証券規制当局等は、各国一斉にインターネット上 の証券取引に係る不正行為の実態を把握するため、今回の試みを行ったところである。

 グローバル化した今日の証券市場を適切に監視していくためには、各国の証券規制当局等が国際的に連携することが求められているが、今回のこの試みは、インターネットという新たなテクノロジーによってもたらされた問題について、各国の証券規制当局等が国際的に連携して取り組んでいくことを証明できたと評価している。

 今回のインターネット・サーフ・デイは、各国が任意に選定したサーチエンジンに、同じく任意に選定したサーチタームを入力し、それにより検索されたサイトについて実態を把握するという方法で行うこととされた。監視委員会における結果等の概要は別添のとおり。
(注)全体の結果については、本日(5月16日)、IOSCO専門委員会より公表されている。

(参 考 1)
 IOSCO(International Organization of Securities Commissions)は、米国SECや英国FSAなど、世界各国、地域163の証券・先物監督当局により構成されており、我が国からは、大蔵省金融企画局が普通会員、金融監督庁及び証券取引等監視委員会等が準会員、東京証券取引所等が協力会員となっている。

(参 考 2)
 インターネット・サーフ・デイには、以下のIOSCO WP4メンバーに、アメリカ先物協会を含めた18ヶ国、21機関が参加した。


 ・ オーストラリア証券投資委員会

・ オランダ証券委員会
 ・ カナダ・オンタリオ州証券委員会 ・ ノルウェー銀行保険証券委員会
 ・ カナダ・ケベック州証券委員会 ・ ポーランド証券取引委員会
 ・ フランス証券取引委員会 ・ ポルトガル証券取引委員会
 ・ ドイツ証券取引監督庁 ・ スペイン証券取引委員会
 ・ ギリシャ資本市場委員会 ・ スウェーデン金融監督局
 ・ 香港証券先物委員会 ・ スイス連邦銀行委員会
 ・ イタリア証券取引委員会 ・ イギリス金融サービス機構
 ・ 証券取引等監視委員会 ・ アメリカ商品先物委員会
 ・ メキシコ銀行証券監督委員会 ・ アメリカ証券取引委員会

(別添)インターネット・サーフ・デイの結果等について

1.実態把握の方法
 インターネット・サーフ・デイの実施に当たって、証券取引等監視委員会は、不公正取引への悪用が懸念されるような複数のサーチタームを予め選定した上で、これらを複数のサーチエンジンに入力し、検索を行った。

2.結果の概要
 監視委員会は、上記1.の方法により検索されたサイトのうち、336サイトについて実態把握を行い、そのうち、クロスボーダー取引が関連すると考えられる9サイトを含めた、25サイトを今後監視委員会としてフォローアップすべきサイトとしてIOSCOへ報告した。なお、敢えて当該サイトをその特徴ごとに分類すると、概ね以下のとおり。

(1) 不正取引行為の疑いがあるもの
○ オフショアファンドを含めた、高利回り商品、元利保証商品の勧誘に関するもの
   →12件(クロスボーダー取引が関連すると考えられる9サイトを含む)


(例)1.

年利率15%以上で最高2.5倍になるという高利率ファンドを勧誘しているもの。
2. 絶対安全確実な金融情報として年利30%以上の運用方法があるとしているもの。
3. 預託金100%保証、リターン年間10%保証等のファンドを勧誘しているもの。

○ 未公開株、新規公開株を将来値上がりするなどとして勧誘しているもの
   →7件


(例)1.

未公開株式を、現在の売買価格の半値程度で譲渡するという情報を掲載しているもの。
2. 会員同士で協力して新規公開株の公募に申し込む団体(公募の必要資金や値下がりの際のリスクは当該団体が負う等)についての情報を掲載しているもの。

(2) 個別銘柄に関する噂や個別銘柄の推奨など風説の流布等の疑いがあるもの
   →6件


(例)1.

仕手株に投資して利益を上げるとして個別銘柄に関する情報提供を行っているもの。
2. 「某社の株価が大物政治家の解散総選挙の政治資金作りで暴騰する」との情報が掲載されているもの。
3. 「某社が同業他社に吸収される」との情報が掲載されているもの。

 

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