金融庁設置法第21条の規定に基づく建議について

平成18年4月14日
証券取引等監視委員会

 証券取引等監視委員会は、金融庁設置法第21条の規定に基づき、本日、金融庁長官に対して、下記のとおり建議を行った。




プレ・ヒアリング(事前需要調査)に係る情報管理体制の整備について



. 上場会社が株式や新株予約権付社債(以下「株式等」という。) を発行しようとする際、主幹事証券会社又はその関連会社が、発行体による当該株式等の発行に係る情報(以下「発行情報」という。)の公表前に、国内外の機関投資家に対して当該株式等に係る需要動向の調査 (以下「プレ・ヒアリング」という。) を行うことがある。このようなプレ・ヒアリングの過程で発行情報を入手した海外の投資家が、発行情報の公表前に、当該株式等の発行体に係る上場普通株式を売り付けている事例が認められた。

  当委員会では、このような事例が認められた場合、内部者取引を行ったものと認められる海外投資家に関して、海外当局に対する調査依頼を行っており、これを受けて、海外当局において当該投資家に対する処分が行われるに至っている。



. 他方で、証券会社の検査の結果、

 

(1)

プレ・ヒアリングの過程で発行情報を外部に伝達することに関して手続規程を整備していない

(2)

発行情報を外部に伝達する際に、その対象者に対し、伝達される発行情報が公表前の重要事実に該当することを伝達するなどの適切な注意喚起を行っていないことが疑われる

(3)

プレ・ヒアリングをいつ、誰に対して、どのような方法で実施し、その過程でどのような発行情報を外部の者に伝達したかについて記録を残していない

会社が存することが認められた。

 このような情報管理体制を放置することは内部者取引を誘発しかねない。



. ついては、証券会社がプレ・ヒアリング等において公表前の発行情報等を外部に伝達する行為により内部者取引が誘発されることを防止し、もって証券取引の公正を確保するため適切な措置を講じる必要がある。

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