証券取引等監視委員会メ-ルマガジン (第31号)平成25年6月4日
証券監視委ホームページ http://www.fsa.go.jp/sesc/index.htm

<目次>

1.市場へのメッセージ

2.コラム


1.市場へのメッセージ


◆平成25年度証券検査基本方針及び証券検査基本計画について◆

証券取引等監視委員会(証券監視委)は、証券検査を計画的に実施し管理するため、証券検査基本方針及び証券検査基本計画を策定しており、平成25年度は4月16日に公表しました。

PDFhttp://www.fsa.go.jp/sesc/news/c_2013/2013/20130416-2/01.pdf

以下、その概要についてご説明します。

今日、証券検査を巡る環境については、金融商品取引法(金商法)施行を含む制度改正により、検査対象業者は多様化するとともにその数も大幅に増加し、全体で延べ約8,000社の規模となっており、金融関連のイノベーションの進展や市場参加者の国際的活動の日常化により、金融商品・取引も多様化・複雑化しています。こうしたなか、AIJ問題、増資インサイダー問題などの重大な問題を踏まえ、個別の法令違反の検証だけでなく、法令遵守意識・職業倫理の向上による投資者の信認の回復が課題となっています。

こうした環境や課題に適切に対応していくためには、限られた人的資源を的確かつ有効に活用し効率的・効果的で実効性ある検査を実施していく必要があります。具体的には、検査実施の優先度の判断を適切に行うために、業態の特性、顧客の特性及び金融商品・取引の特性を踏まえたリスク感度を一層高め、これらの特性に対応した形で情報の収集・分析能力を強化していきます。その上で、実際の個別業者の優先度の判断に際しては、業態、規模その他の特性等に応じて、検査対象業者に関する様々な情報を収集・分析し、個別業者の問題点等を総合的に勘案して、リスク・ベースでの検査対象先の選定を行います。

平成25年度の具体的な取組みとしては、第一種金商業者、特に大規模な証券会社グループについて、常日頃からグループ全体の状況を把握していくことにしています。

投資運用業者に対しては、昨年度に引き続き、金融庁による一斉調査の内容等も踏まえ、投資一任業者に係る集中的な検査を継続します。併せて、外部から重要性・有用性の高い情報を収集する専門の窓口である「年金運用ホットライン」についても、専門家による、情報の提供者等に対する積極的な働きかけや、対話型の情報収集と質の高い分析といった取組みを強化していきます。

自己運用を行う投資運用業者、第二種金商業者、適格機関投資家等特例業務届出者を含むファンド業者に対しては、多数の法令違反事例等が認められている状況に鑑み、業務運営の適切性や分別管理の状況を含む法令等遵守状況について検証します。このうち、特に、適格機関投資家等特例業務届出者については、金商法違反行為等を行う悪質な事例が引き続き認められていることから、証券検査及び裁判所への禁止命令等の申立てに係る調査の権限を適切に活用し、金商法違反の行為や投資者保護上問題のある行為が認められた場合には、必要に応じ、禁止命令等の申立て、検査・調査対象先の名称等の公表を行っていきます。無登録業者に対しても、同様に裁判所への禁止命令等の申立てなどの取組みを行っていきます。

また、特に財務の健全性等に関して、第一種金商業者等に係るこれまでの検査において、顧客分別金信託や顧客区分管理信託を不正に流用している状況や、純財産額及び自己資本規制比率が法定の基準を下回っている状況等、財務の悪化等に起因するとみられる事例が認められたことから、監督部局、日本証券業協会及び日本投資者保護基金との緊密な連携を図りながら、このような疑いのある業者については重点的に検証を行っていきます。このほか、法人関係情報の管理等も引き続き重点的に検証を行うこととしています。

効率的・効果的で実効性ある検査の実施として、特に中小の金商業者(第二種金商業者、投資助言・代理業者)については、長期間にわたって検査が行われていないことが投資者保護上のリスクとなっているとの指摘を踏まえ、検査対象業者数に対する検査を実施する業者数の割合(カバレッジ)を増加させる必要があることから、平成25年度では、第二種金商業者と投資助言・代理業者に対して、新たに、登録後できるだけ早期に、業務運営体制の整備状況を把握する取組みを実施します。

証券監視委としては、こうした内容を含む本基本方針及び基本計画に則して証券検査等を実施することにより、引き続き、市場の公正性・透明性の確保及び投資者の保護に努めていきます。


2.コラム
[日本証券業協会からの寄稿]


◆本協会の協会員に対する監査結果について◆

今般、平成24年度の協会員に対する監査結果を取りまとめました。

平成24年度の監査は、金融商品の説明及び勧誘状況の検証等を重点項目に掲げ、会員(証券会社)87社、特別会員(銀行等)53機関に対して監査を実施し、会員86社、特別会員51機関に対し監査結果を通知いたしました。

その結果、会員に対する通知では、法令違反として自己資本規制比率の算出に係る不備や、投資信託の乗換え勧誘に際し重要な事項について説明を行っていない状況が認められたほか、協会規則違反として勧誘開始基準等に係る不備が認められました。また、特別会員に対する通知では、法令違反として業務に関する帳簿書類に係る不備が認められたほか、内部管理態勢の問題として投資信託の乗換え勧誘に係る管理態勢の不備が認められました。

なお、平成25年度の監査におきましても、金融商品の投資勧誘・販売態勢の検証等を重点項目に掲げる監査を実施することとしています。

詳細の内容につきましては、本協会ホームページにおける『協会員への監査について』をご確認ください。

http://www.jsda.or.jp/katsudou/kansa/index.html新しいウィンドウで開きます

本件に関するお問い合わせ先:日本証券業協会 監査1部

(TEL 03-3667-8455)


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