証券取引等監視委員会メ-ルマガジン(第52号) 平成27年3月2日
証券監視委ウェブサイト http://www.fsa.go.jp/sesc/index.htm

<目次>

1.市場へのメッセージ

2.お知らせ


1.市場へのメッセージ


◆最近の不公正取引事案に係る課徴金納付命令勧告について◆

証券監視委では、平成17年4月に課徴金制度が導入されて以降、金融商品取引法上の権限に基づき、風説の流布・偽計、相場操縦、及び内部者取引といった不公正取引について取引調査を行ってきています。調査の結果、金融商品取引法に違反する行為が認められた場合には、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して課徴金納付命令を行うことを勧告することとなります。

本稿においては、平成26年度期末間近になってきたことから、現時点での状況を速報として説明していきます。

1.平成26年4月から27年2月までの勧告状況

平成26年4月から27年2月まで(以下、「当期」という)に勧告を行った不公正取引事案に係る課徴金納付命令勧告(国際取引等調査結果に基づくものを除く)は20件(対象者24名)であり、前年同期の23件(対象者30名)と比べ概ね横ばいとなっております。違反行為別では、内部者取引が13件(対象者17名)、相場操縦が7件(対象者7名)となっております。

内部者取引を重要事実別にみると、前年同期には多く見られた新株等発行(対象者6名)、業務提携・解消(5名)が、当期はそれぞれ1名、0名と大幅に減少した反面、公開買付けが4名から9名と大幅に増加し、その結果、当期における内部者取引に係る事案のうち過半を公開買付けに係る事案が占める状況となっています。

また、相場操縦事案には、個人に対する課徴金額としてはこれまでで最高の4,367万円を課した事案が含まれています。

2.公開買付けに係る事案について

公開買付けに関しては、関係者が多岐に亘ることや、最終的な合意・公表に至るまでに時間を要することなどから、他の重要事実に比べても内部者取引が行われやすいといわれており、証券監視委も従来から注意喚起をしてきたところです。

こうした状況を踏まえ、上場企業等においても、一定の内部者取引を未然防止するための一定の管理態勢の構築が進んでいるところですが、当期に勧告した事案の中には、(1)情報伝達者が職務に関し公開買付け実施の事実を伝えられる際に情報の取扱いに十分留意する旨の誓約書を提出していたにもかかわらず、親しい知人に公開買付け事実を伝達し内部者取引が行われた事案、(2)内部者取引未然防止を指導する立場にある者が借名口座を利用して内部者取引を行った事案などが認められています。

このような違反行為が発生していることも踏まえると、関係者の皆様にはより実効性のある管理態勢の整備に努めていただく必要があると考えております。

証券監視委では、市場を取り巻く状況の変化に対応した市場監視の実現のため、課徴金制度の特性を活かした迅速・効率的な調査を行うことにより、違反行為に適切に対応し、市場の公正性・透明性の確保及び投資者の保護に努めてまいる所存であります。市場参加者の皆様におかれましても、証券監視委の活動へのご理解とご協力を引き続きお願いいたします。


2.お知らせ

[日本取引所自主規制法人]


◆上場会社セミナー(講演会)のお知らせ◆

日本取引所自主規制法人では、上場会社の役員やコンプライアンス担当の方等を対象に、「企業価値の向上のためのコーポレートガバナンス」をテーマとして、以下のセミナーを実施します(東京及び大阪にて開催)。

  • 1.講演テーマ:「資本市場の品格とプリンシプル」((東京)日本取引所自主規制法人理事長 佐藤隆文、(大阪)日本取引所自主規制法人常任理事 川本哲也)、「監査法人検査を通じて見えてくる上場会社の課題」(金融庁検査局審議官兼公認会計士・監査審査会事務局長 佐々木清隆氏)、「プリンシプル・ベース規制の意義と課題-コーポレートガバナンス・コードとエクイティ・ファイナンスのプリンシプルを中心に-」(野村総合研究所未来創発センター主席研究員 大崎貞和氏)

  • 2.開催日時:(東京開催)2015年3月11日(水)13時30分~16時45分(会場:よみうりホール)

    (大阪開催)2015年3月13日(金)13時30分~16時45分(会場:大阪市中央公会堂)

日本取引所自主規制法人 上場管理部

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