証券取引等監視委員会メ-ルマガジン (第85号) 平成28年12月9日
証券監視委ウェブサイト http://www.fsa.go.jp/sesc/index.htm

<目次>

1.新着情報

2.市場へのメッセージ

最近の取引調査に基づく勧告について

3.コラム

本協会の協会員に対する監査結果について[日本証券業協会からの寄稿]


1.新着情報


  • ◎株式会社ハナテン役員からの情報受領者2名による内部者取引違反行為及び当該役員による公開買付けの実施に関する事実に係る伝達違反行為に対する課徴金納付命令の勧告について

    http://www.fsa.go.jp/sesc/news/c_2016/2016/20161209-1.htm


2.市場へのメッセージ


◆ 最近の取引調査に基づく勧告について ◆

証券取引等監視委員会(以下「証券監視委」といいます。)は、取引調査の結果に基づいて、以下の事案について課徴金納付命令勧告を行いました。

  • H28.11.22
クロス・マーケティンググループ株式外1銘柄に係る相場操縦
http://www.fsa.go.jp/sesc/news/c_2016/2016/20161122-1.htm

【事案の概要】

本件は、インターネットで株取引を行っていた個人投資家が、(株)クロス・マーケティンググループ株式及び(株)スペースシャワーネットワーク株式の売買を誘引する目的をもって、直前の約定値より高指値の買い注文を発注して株価を引き上げたり、下値買い注文を大量に入れるなどの方法により、上記2銘柄の買付けの委託を行う(いわゆる買い見せ玉)とともに、上記2銘柄の売買が繁盛であると誤解させ、かつ、上記各株式の相場を変動させるべき一連の売買及び委託をし、上記2銘柄につき7取引日において、合計約417万円の売買差益を得たという事案です。

【事案の特色等】

本年9月27日勧告のテクノホライゾン・ホールディングス株式外2銘柄に係る相場操縦事案と同様に、本件も見せ玉等を用いた個人投資家による相場操縦事案です。本件課徴金納付命令対象者(以下「対象者」といいます。)は、いずれも信用取引で、安値で買い建てた後、直前の約定値より高指値の買い注文を発注したり、重層的な買い見せ玉を用いたりして、株価を人為的に引き上げたところで売り返済を行って、利益を確定しています。対象者は、見せ玉などの取引手法について、本件取引以前から受託証券会社の注意を受けておりますが、対象者は自身の取引手法はそれほど悪質なものではないと勝手に解釈し、同じような取引を続けました。そして、最終的に新規取引を停止されると、今度は別の証券会社に口座を開設するといった同様の取引手法を繰り返しており、悪質性が高いものと考えています。

また、本件においては、一般的な短時間で行われる見せ玉とは異なる取引形態が認められたほか、証券会社からの注意を逃れるための細工をしていましたが、このような一般的ではない形態の取引についても、関係各方面との意見交換を通じ、周知を図るとともに厳正に対処してまいります。

証券監視委は、これまでに相場操縦規制違反について多数の告発・勧告を行ってきたところですが、相場操縦規制違反は後を絶たない状況にあり、その要因・背景としては以下のようなものが考えられます。

  • インターネット取引の普及及び発注システムの進歩等により、個人投資家であっても、迅速かつ大量の発注・取消が可能となっているため、見せ玉等の手法を用いて人為的に相場を変動させれば、容易に売買差益を稼げる、又は損失回避を図ることができるとの誘惑

  • 市場では膨大な取引が行われているため、個人が行う小規模の相場操縦行為までは市場監視の目も届かないだろうとの誤解

相場操縦行為は証券市場の公正性・健全性を損なうものであり、証券監視委は、証券市場に対する投資家の信頼を確保するため、厳正な調査を実施しており、調査の結果、法令違反が認められた場合には、課徴金勧告や刑事告発を行っています。

本件が広く周知されることにより、相場操縦の抑止効果が発揮されることを期待しています。


3.コラム


◆ 本協会の協会員に対する監査結果について ◆[日本証券業協会からの寄稿]

今般、平成28年度上半期の協会員に対する監査結果を取りまとめました。

平成28年度上半期の監査は、金融商品の説明及び勧誘状況の検証等を重点項目に掲げ、会員(証券会社)35社、特別会員(銀行等)19機関に対して監査を実施し、会員31社、特別会員20機関に対し監査結果を通知いたしました。

監査結果について簡単にご紹介しますと、会員においては、法令違反として差金決済取引や、取引時確認に係る不備が認められたほか、協会規則違反として売買管理体制に係る不備が認められました。また、特別会員においては、協会規則違反として役職員による有価証券の売買等に係る管理不備が認められております。

なお、法令・諸規則違反等の指摘に、重大な違反は認められておりません。

平成28年度下半期の監査におきましても、引き続き、金融商品の投資勧誘・販売態勢の検証等を重点事項に掲げ監査を実施することとしています。

詳細の内容につきましては、本協会ホームページにおける『協会員への監査について』をご確認ください。

http://www.jsda.or.jp/katsudou/kansa/index.html新しいウィンドウで開きます

本件に関するお問い合わせ先:日本証券業協会 監査1部

(TEL 03-3667-8455)


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