(株)南都銀行に対する検査結果に基づく勧告について


平成10年8月27日
証券取引等監視委員会

1.勧告の内容

 証券取引等監視委員会は、金融先物取引法の規定に基づき、近畿財務局長が株式会社南都銀行を検査した結果、下記のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融監督庁長官に対して、金融監督庁設置法第18条第1項の規定 に基づき、行政処分を行うよう勧告した。

2.事実関係

○  取引一任勘定取引の契約の締結
 (株)南都銀行は、平成4年2月から同6年11月にかけて、資金証券部の行員の関与により、6顧客の金融先物取引の受託につき、種類(日本円短期金利先物)、件数(取引枚数)等については事前に同意を得ているものの、期限(取引対象の限月)、約定数値(価格)、売買の別及び期限前に決済すること(転売・買戻し)について、顧客の同意を得ないで定めることができることを内容とする契約をそれぞれ締結した上で、平成4年2月から同9年8月までの間、取引を受託、執行した。

 上記行為は、金融先物取引法第74条第3号に規定する「取引一任勘定取引の契約を締結する行為」に該当すると認められる。


【参考1】

勧告の実施状況

1.勧告件数

  委員会発足以降 81 (うち 9検査事務年度(9.7~) 40)
 うち 会社勧告 24 (うち 9検査事務年度(9.7~) 14)


2.勧告実施件数一覧表

(単位:件)
勧告実施件数一覧表

(注) 平成9検査事務年度の勧告には、検査結果及び犯則事件の調査に基づくものを一つの勧告として行っていたものがあり、これについては両方に計上したため合計数と一致しない。


勧告事案の法令違反等の内容別内訳一覧表


【参考3】

○ 金融監督庁設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律による改正前の金融先物取引法(抜粋)

(禁止行為)

第74条 金融先物取引業者は、次に掲げる行為をしてはならない。

(中略)

3 件数、対価の額その他の大蔵省令で定める事項について、顧客の同意を得ないで定めることができることを内容とする受託契約を締結すること。

(以下略)


○ 金融監督庁設置法等の施行に伴う関係大蔵省令等の整備に関する命令による改正前の金融先物取引法施行規則(抜粋)

(顧客の同意が必要な事項)

第26条 法第74条第3号に規定する大蔵省令で定める事項は、次の各号に掲げるものとする。
1 金融先物取引等の種類、取引対象通貨等及び期限
2 金融先物取引等の件数
3 金融先物取引等の対価の額又は約定数値
4 金融先物取引等の売買の別その他これに準ずる事項
5 既に成立している金融先物取引等を期限前に決済すること。(委託者の事由により当該金融先物取引等に係る委託者の債務が履行されない又は履行されないおそれがある場合に、当該金融先物取引業者が期限前に決済することを除く。)
6 金融先物取引等の申込みが行われる金融先物市場又は海外金融先物市場を開設する者の名称
7 受託契約に係る金融先物取引等に基づき発生する債務の履行の方法
8 委託者が当該受託契約に係る金融先物取引等に関し預託すべき委託証拠金その他の保証金の種類及び価額並びに委託者が当該委託証拠金その他の保証金を預託し、及びその返還を受ける方法
9 金融先物取引業者が委託者から徴収する手数料の額及び徴収の方法

 

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