インスティネット証券会社東京支店に対する
検査結果に基づく勧告について


平成10年10月12日
証券取引等監視委員会

1 .勧告の内容
 証券取引等監視委員会は、インスティネット証券会社東京支店(以下「インスティネット証券」という。)を検査した結果、下記のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融監督庁長官に対して、金融監督庁設置法第18条第1項の規定に基づき、行政処分及びその他の適切な措置を講ずるよう勧告した。


2 .事実関係

○ 虚偽の記載をした取引報告書を交付する行為
 インスティネット証券は、平成10年5月18日に顧客から店頭株式の売付委託注文を受託し、取次母店に発注した。
 当該委託注文を執行したトレーディング部課長は、取次母店からの約定連絡を確認したところ、既に顧客に連絡した約定内容と実際の約定内容とが異なっていることに気付いたが、自分の誤りを顧客に知られたくない等の理由から、上司のトレーディング部長の了承を得た上で、顧客に訂正のための連絡を行うことなく、実際の約定内容と異なる内容で入力処理を行い、虚偽の取引報告書を作成し、顧客に交付している。

 トレーディング部課長により行われた上記行為は、外国証券業者に関する法律第37条第3号に規定する「虚偽の記載をした取引報告書を顧客に交付する行為」に該当すると認められる。


勧告の実施状況


勧告事案の法令違反等の内容別内訳一覧表


【参考3】

○ 外国証券業者に関する法律(抜粋)

第37条

 次の各号のいずれかに該当する者は、30万円以下の罰金に処する。

(中略)

3 第17条第1項において準用する証券取引法第48条の規定による取引報告書を交付せず、又は虚偽の記載をした取引報告書を交付した者

第17条(業務の規制)

 証券取引法(中略)第44条から第50条の2まで(名義貸しの禁止、社債管理会社等となることの禁止、取引の態様の明示、問屋の介入権の排除、説明書の交付、取引報告書の交付、誠実公正の原則、不公正取引の禁止及び親法人等又は子法人等が関与する行為)、(中略)の規定は外国証券会社の支店における業務について、それぞれ準用する。(以下略)

○ 証券取引法(抜粋)

第48条(取引報告書の交付)

 証券会社は、有価証券の売買、有価証券指数等先物取引、有価証券オプション取引又は外国市場証券先物取引が成立したときは、遅滞なく、総理府令・大蔵省令で定めるところにより、取引報告書を作成し、これを顧客に交付しなければならない。ただし、その取引に係る契約の内容その他の事情を勘案し、取引報告書を顧客に交付しなくても公益又は投資者保護のため支障を生ずることがないと認められるものとして内閣総理大臣の承認を受けたときは、この限りでない。

 

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