東海丸万証券(株)に対する検査結果に基づく勧告について


平成10年12月21日
証券取引等監視委員会

1.勧告の内容

 証券取引等監視委員会は、東海財務局長が東海丸万証券株式会社(愛知県名古屋市中区栄、東証・大証・名証会員)を検査した結果、下記のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、金融再生委員会及び金融監督庁長官に対して、金融再生委員会設置法第29条第1項の規定に基づき、行政処分及びその他の適切な措置を講ずるよう勧告した。

2.事実関係

(1) 実勢を反映しない作為的相場を形成させるべき一連の有価証券の売買等

 東海丸万証券(株)は、平成9年5月16日、株式部長の関与により、顧客が決算対策のため行った、自己との対当取引による株価指数オプション取引の売り建てを買い戻す際、当社と顧客との双方に損益を発生させずに、自己の計算による売付けと顧客の買付けを一定価格で対当させるため、自己の計算による一連の高い指値の売付け及び買付けの対当取引を行う方法により、当該銘柄の価格を当該一定価格まで引き上げる目的をもって、午前9時33分から同10時57分までの間、当該一連の取引を行った。
 上記行為は、証券取引法(平成10年法律第107号(平成10年12月1日施行)施行前のもの。)第50条第1項第6号に基づく証券会社の健全性の準則等に関する省令(平成10年総理府令・大蔵省令第33号(平成10年12月1日施行)施行前のもの。)第2条第3号に規定する「実勢を反映しない作為的相場を形成させるべき一連の有価証券の売買等をする行為」に該当すると認められる。

(2) 損失を補てんするため、財産上の利益を提供する行為

 東京支店営業部一課営業員は、平成8年4月3日、顧客の投資信託の受益証券の取引につき、当該取引について生じた顧客の損失の全部を補てんするため、当該営業員が親族から借り入れた資金を顧客口座に入金する方法により、約368千円相当の財産上の利益を提供した。
 当該営業員が行った上記行為は、証券取引法(平成9年法律第117号(平成9年12月1日施行)施行前のもの。)第50条の3第1項第3号及び第199条第1号の6に規定する「有価証券について生じた顧客の損失の全部を補てんするため、当該顧客に対し、財産上の利益を提供する行為」に該当すると認められる。
 また、上記行為は会社の行為と認められる。

 

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