神栄石野証券(株)に対する検査結果に基づく勧告について


平成11年5月19日
証券取引等監視委員会

1.勧告の内容
  近畿財務局長が神栄石野証券株式会社(兵庫県神戸市中央区、資本金64億円、東証・大証会員、役職員約450人)を検査した結果、下記のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、証券取引等監視委員会は、金融再生委員会及び金融監督庁長官に対して、金融再生委員会設置法第29条第1項の規定に基づき、行政処分及びその他の適切な措置を講ずるよう勧告した。


2.事実関係

○ 向い呑み及び呑行為並びに虚偽の取引報告書の交付

1.神栄石野証券(株)は、債券部長等の関与により、平成7年4月11日から同10年8月27日までの間、芦屋支店ほか15部店が多数の顧客から受託した転換社債の買付委託注文を市場に発注することなく、自己勘定で見込買付けを行っていた転換社債を顧客に付け替えて約定を成立させた。

2.神栄石野証券(株)は、東京支店第一営業部長の関与により、

(1) 平成10年8月27日、複数の顧客から受託した転換社債の買付委託注文を市場に発注することなく、他の顧客が既に市場で買い付けていた転換社債の一部を顧客に付け替えて約定を成立させた。

(2) この際、市場で転換社債を買い付けた顧客には、約定が成立している買付注文の一部が不出来であるとの報告を行い、虚偽の取引報告書を作成し、交付した。

 上記1及び2(1)の行為は証券取引法(平成10年法律第107号(平成10年12月1日施行)施行前のもの。)第47条に規定する「有価証券に関する同一の売買について、その本人となると同時に、その相手方の取次をなす者となる行為」及び同法第129条第1項に規定する「有価証券市場における売買取引の委託を受けた会員が、有価証券市場において買付をせず、自己がその相手方となって、売買を成立せしめる行為」に該当すると認められる。

 また、上記2(2)の行為は、同法第205条の2第4号に規定する「虚偽の記載をした取引報告書を顧客に交付する行為」に該当すると認められる。

 

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