(株)エヌシーエス証券に対する検査結果に基づく勧告について


平成11年12月3日
証券取引等監視委員会

1.勧告の内容
 近畿財務局長が株式会社エヌシーエス証券(大阪市中央区、資本金25億円、大証会員、役職員約50人)を検査した結果、下記のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、証券取引等監視委員会は、金融再生委員会及び金融監督庁長官に対して、金融再生委員会設置法第29条第1項の規定に基づき、行政処分及びその他の適切な措置を講ずるよう勧告した。


2.事実関係

(1) 実勢を反映しない作為的相場が形成されることとなることを知りながら一連の有価証券の売買を受託する行為

 (株)エヌシーエス証券は、平成10年7月30日、当社取締役(当時)等の関与により、特定の店頭登録銘柄の株式について、同取締役が代表取締役となっている法人と他の顧客との売買を、一定の価格で成立させることが可能な価格まで当該銘柄の株価を引き上げる目的をもって、当該取締役が他に経営する法人に一連の高い指値の買付注文を連続して発注させ、当該一連の買付注文を受託、執行した。
 上記行為は、証券取引法(平成10年法律第107号(平成10年12月1日施行)施行前のもの)第50条第1項第6号に基づく証券会社の健全性の準則等に関する省令(平成10年総理府令・大蔵省令第33号(平成10年12月1日施行)施行前のもの)第2条第3号に規定する「実勢を反映しない作為的相場が形成されることとなることを知りながら一連の有価証券の売買の受託をする行為」に該当すると認められる。

(2) 損失を補てんするため財産上の利益を提供する行為

 (株)エヌシーエス証券は、平成9年10月20日、当社代表取締役社長(当時)等の関与により、特定の顧客の株式の売買につき、当該売買について生じた顧客の損失の一部を補てんするため、当該代表取締役社長の自己の資金2百万円を顧客に支払うことで財産上の利益を提供した。
 上記行為は、証券取引法(平成9年法律第117号(平成9年12月30日施行)施行前のもの)第50条の3第1項第3号及び第199条第1号の6に規定する「有価証券について生じた顧客の損失の一部を補てんするため、当該顧客に対し、財産上の利益を提供する行為」に該当すると認められる。

 

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