ウェストエルビー・セキュリティーズ・
パシフィック・リミテッド東京支店に対する
検査結果に基づく勧告について


平成12年9月12日
証券取引等監視委員会

1 .勧告の内容
 証券取引等監視委員会は、ウェストエルビー・セキュリティーズ・パシフィック・リミテッド東京支店(東京都千代田区内幸町、東証・大証会員、役職員約110名、以下「ウエストエルビー証券」という)を検査した結果、下記のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、金融再生委員会及び金融庁長官に対して、金融再生委員会設置法第31条第1項の規定に基づき、行政処分を行うよう勧告した。


2 .事実関係

○ 特別の利益を提供することを約して勧誘する行為

 ウェストエルビー証券は、複数の法人顧客(保険会社)からソルベンシー・マージン比率向上のための劣後ローンの供与の斡旋依頼を受けたが、劣後ローン融資を行う金融機関が見つからなかった。
 このため、ウェストエルビー証券は、平成10年3月及び平成11年3月、支店長(当時)、金融商品部部長(当時)等の関与により、当該顧客に対し、当該顧客が金融機関から劣後ローンを借り入れると同時に、当該劣後ローンの信用リスクに元本等の支払が連動する債券を顧客が取得することにより、劣後ローンの信用リスクを顧客自身に還流させることとなるセットの取引スキームを提示した。
 当該取引スキームは、実質的には、当該劣後ローンの借入れが、当該顧客の保険金支払能力の充実にはつながらず、当該顧客のソルベンシー・マージン比率を見かけ上嵩上げすることとなるものであるが、ウェストエルビー証券は、当該スキームに基づいて取引を実行することを約して、有価証券取引の勧誘を行ったものである。

 上記行為は、外国証券業者に関する法律第14条第1項(平成10年11月30日以前の行為については、同年法律第107号による改正前の第17条第1項)において準用する証券取引法第42条第1項第9号(平成10年11月30日以前の行為については、同年法律第107号による改正前の第50条第1項第6号)に基づく外国証券業者に関する総理府令(平成12年総理府令第65号による改正前のもの)第24条第15項(平成10年11月30日以前の行為については、同年総理府令・大蔵省令第37号による改正前の第21条第4項)において準用する証券会社の行為規制等に関する総理府令(平成12年総理府令第65号による改正前のもの)第4条第2号(平成10年11月30日以前の行為については、同年総理府令・大蔵省令第33号による改正前の第2条第2号)に規定する「有価証券の売買その他の取引につき、顧客に対して特別の利益を提供することを約して勧誘する行為」に該当すると認められる。

 

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