高木証券(株)に対する検査結果に基づく勧告について


平成13年2月19日
証券取引等監視委員会

1.勧告の内容
 近畿財務局長が高木証券株式会社(大阪市、資本金110億円、役職員約450名)を検査した結果、下記のとおり当該証券会社の使用人に係る法令違反等の事実が認められたので、本日、証券取引等監視委員会は、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、適切な措置を講ずるよう勧告した。


2.事実関係

(1) 取引一任勘定取引の契約の締結及び外務員の職務に関する著しく不適当な行為

マル1 本店営業部課長代理は、平成11年3月、顧客との間で、

イ.株式の売買の受託につき、顧客の個別の取引ごとの同意を得ないで、売買の別、銘柄、数及び価格の全部について定めることができることを内容とする契約を締結した上で、平成11年4月8日から同12年8月9日までの間、取引を受託、執行した。

ロ.投資信託の受益証券の取引の受託につき、顧客の個別の取引ごとの同意を得ないで、取得の申込み又は解約の別、銘柄及び数の全部について定めることができることを内容とする契約を締結した上で、平成11年4月19日から同12年9月25日までの間、取引を受託、執行した。

マル2 東京支店営業部課長代理は、平成9年2月13日、顧客との間で、

イ.株式の売買の受託につき、顧客の個別の取引ごとの同意を得ないで、売買の別、銘柄、数及び価格の全部について定めることができることを内容とする契約を締結した上で、平成9年2月20日から同12年9月18日までの間、取引を受託、執行した。

ロ.投資信託の受益証券の取引の受託につき、顧客の個別の取引ごとの同意を得ないで、取得の申込み又は解約の別、銘柄及び数の全部について定めることができることを内容とする契約を締結した上で、平成9年2月20日から同12年3月8日までの間、取引を受託、執行した。
 当該使用人が行った、上記の契約の締結行為のうち、マル1イ及びマル2イの行為は、証券取引法第42条第1項第5号(平成10年11月30日以前の行為については、同年法律第107号による改正前の第50条第1項第3号)に規定する「取引一任勘定取引の契約を締結する行為」に該当し、マル1ロ及びマル2ロの行為は、証券取引法第42条第1項第5号の規定の趣旨に反し、その内容から判断すると、同法第64条の5第1項第2号(平成10年11月30日以前の行為については、同年法律第107号による改正前の第64条の3第1項第2号)に規定する「外務員の職務に関する著しく不適当な行為」に該当すると認められる。

(2) 有価証券の売買その他の取引に関し、虚偽の表示をする行為
 東京支店機関投資家部次長(当時)は、平成12年4月21日、株式の委託注文の執行に際し、誤って受託数量以上の数量を執行し約定が成立したが、顧客への約定連絡に当たり本来顧客に帰属させるべき約定内容とは異なる内容の連絡をした。
 しかし、その後当該連絡内容が誤りであることに気付いたにもかかわらず、これを顧客に告げないことにより、虚偽の表示を行った。
 当該使用人が行った上記行為は、証券取引法第42条第1項第9号に基づく証券会社の行為規制等に関する内閣府令(平成12年総理府令第65条による改正前のもの)第4条第1号に規定する「有価証券の売買その他の取引に関し、虚偽の表示をする行為」に該当すると認められる。

 なお、今回の(1)の問題は、同社に対する過去の検査においても同様の指摘を行っているところであるが、これまでの同社における改善策は十分でないと認められる。

 

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