シー・アイ・ビー・シー・ワールド・マーケッツ(ジャパン)
インク東京支店に対する検査結果に基づく勧告について


平成13年3月6日
証券取引等監視委員会

1.勧告の内容
 証券取引等監視委員会は、シー・アイ・ビー・シー・ワールド・マーケッツ(ジャパン)インク東京支店(東京都千代田区内幸町、非会員、役職員14名、以下「CIBC証券」という)を検査した結果、下記のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、行政処分を行うよう勧告した。


2.事実関係

○ 特別の利益を提供することを約して勧誘する行為

(1) CIBC証券は、法人顧客から、当該顧客が保有するほとんど無価値の債券に生ずる損失を表面化させずに、長期間かけて回復することができないかとの依頼を受けた。
 このため、CIBC証券は、平成9年11月、当該顧客に対し、顧客の保有するほとんど無価値の債券に生ずる損失を専ら先送りすることを目的として、顧客の追加資金を導入した上で、当該損失を転嫁する新たな債券を取得するスキームを提示し、顧客が実現損を表面化させないことを可能にすることを約束して、有価証券の取引の勧誘を行った。
 またこの際、新たに取得する債券については、顧客が負担した追加資金に海外にあるCIBC証券グループの金融機関が一定額を負担して追加することにより、顧客の追加資金よりも実質価値を高くした債券を取得させるという財産上の利益を提供することも約束して、上記の勧誘を行った。

(2) CIBC証券は、法人顧客との債券の取引について、同証券の要請による前受金の受入れに当たり、当該顧客から前受金に運用目標としている利息相当分を付けてほしい旨の依頼を受けた。
 このため、CIBC証券は、平成10年10月、当該顧客の債券の取引に際し、前受金として当座預金口座に入金させ、当該債券の取引を実行するために、前受金の預入期間について当該債券の利息相当額を支払うことを当該顧客に対し約束して、当該債券の取引の勧誘を行った。

 上記行為は、外国証券業者に関する法律(平成10年法律第107号(平成10年12月1日施行)施行前のもの)第17条第1項において準用する証券取引法(平成10年法律第107号(平成10年12月1日施行)施行前のもの)第50条第1項第6号に基づく外国証券業者に関する省令(平成10年総理府令・大蔵省令第37号(平成10年12月1日施行)施行前のもの)第21条第4項において準用する証券会社の健全性の準則等に関する省令(平成10年総理府令・大蔵省令第33号(平成10年12月1日施行)施行前のもの)第2条第2号に規定する「有価証券の売買その他の取引につき、顧客に対して特別の利益を提供することを約して勧誘する行為」に該当すると認められる。

 

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