武蔵証券(株)に対する検査結果に基づく勧告について


平成14年2月26日
証券取引等監視委員会

1.勧告の内容

 関東財務局長が武蔵証券株式会社(埼玉県熊谷市、非会員、役職員約120名)を検査した結果、下記のとおり当該証券会社の使用人に係る法令違反及び外務員の職務に関する著しく不適当な行為の事実が認められたので、本日、証券取引等監視委員会は、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、適切な措置を講ずるよう勧告した。


2.事実関係

(1) 投機的利益の追求を目的とした有価証券の売買

 北本営業所営業員は、平成9年5月12日から同13年10月10日までの間、複数の顧客の口座及び他の証券会社に開設している当該営業員名義の口座を使用して、自己の計算に基づく株式の売買を多数回にわたり行った。
 当該営業員が行ったこれらの取引は、専ら投機的利益の追求を目的とした有価証券の売買と認められる。

 当該使用人が行った上記行為は、証券取引法第42条第1項第9号(平成10年11月30日以前の行為については、同年法律第107号による改正前の第50条第1項第6号)に基づく証券会社の行為規制等に関する内閣府令第4条第5号(平成12年6月30日以前の行為については、証券会社の行為規制等に関する命令第4条第5号、平成10年11月30日以前の行為については、同年総理府令・大蔵省令第33号による改正前の証券会社の健全性の準則等に関する省令第2条第5号)に規定する「投機的利益の追求を目的として有価証券の売買をする行為」に該当すると認められる。


(2) 外務員の職務に関する著しく不適当な行為

 本店営業部課長代理は、平成11年8月から同12年6月までの間、自己の利益を追求する目的で、複数の顧客の名義及び住所を使用し、当該複数の顧客口座で多数回にわたり新規公開株式のブックビルディングによる需要申告を行い、配分された複数の新規公開株式の取得及び売付け等を行った。
 また、同営業員は、複数の親族の利益を追求する目的で、当該親族に複数の顧客の名義及び住所を使用させ、一部親族には損益を共にすること又は配分された株式に係る取得資金を立て替えることを持ちかけ、上記と同様の方法による新規公開株式の取得及び売付けを行った。

 当該使用人が行った上記行為は、日本証券業協会公正慣習規則第8号「証券従業員に関する規則」第9条に定める禁止行為(顧客と損益を共にした取引、名義貸し、名義借り及び金銭貸借)に該当し、これら多数回にわたり反復して行われた一連の行為は、新規公開株式に係る投資者への公正な配分機会を損ねるものであり、その内容から判断すると、証券取引法第64条の5第1項第2号に規定する「外務員の職務に関する著しく不適当な行為」に該当すると認められる。

 

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