野畑証券(株)に対する検査結果に基づく勧告について


平成14年6月6日
証券取引等監視委員会

1.勧告の内容

 東海財務局長が野畑証券株式会社(愛知県岡崎市、資本金165百万円、役職員約40名)を検査した結果、下記のとおり当該証券会社の使用人に係る法令違反の事実が認められたので、本日、証券取引等監視委員会は、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、適切な処置を講ずるよう勧告した。


2.事実関係

(1) 取引一任勘定取引の契約の締結及び損失を補てんするため財産上の利益を提供する行為

 本店営業部営業員は、

マル1 平成8年2月26日及び同11年1月27日、顧客との間で、株式の売買及び有価証券オプション取引の受託につき、顧客の個別の取引ごとの同意を得ないで、売買の別(有価証券オプション取引の受託については、オプションを付与する当事者となるか又は取得する立場の当事者となるかの別)、銘柄、数及び価格(有価証券オプション取引の受託については、オプションの対価の額)の全部について定める ことができることを内容とする契約を締結した上で、平成8年2月26日から同10年3月11日まで及び同11年1月27日から同年4月21日までの間、取引を受託、執行した。

マル2 平成11年4月21日、上記顧客の有価証券オプション取引につき、当該取引について生じた顧客の損失の一部を補てんするため、顧客に立て替えていた資金に係る債権を放棄する方法により、約350万円の財産上の利益を提供した。

 当該使用人が行った上記マル1の契約の締結行為は、証券取引法第42条第1項第5号(平成10年11月30日以前の行為については、同年法律第107号による改正前の第50条第1項第3号)に規定する「取引一任勘定取引の契約を締結する行為」に、マル2の行為は、証券取引法第42条の2第1項第3号及び第198条の3に規定する「有価証券オプション取引について生じた顧客の損失の全部若しくは一部を補てんするため、当該顧客に対し、財産上の利益を提供する行為」にそれぞれ該当すると認められる。


(2) 投機的利益の追求を目的とした有価証券の売買

 本店営業部営業員は、平成9年10月9日から同11年10月15日までの間、複数の顧客の口座を使用して、自己の計算に基づく株式の売買を多数回にわたり行った。
 当該営業員が行ったこれらの取引は、専ら投機的利益の追求を目的とした有価証券の売買と認められる。

 当該使用人が行った上記行為は、証券取引法第42条第1項第9号(平成10年11月30日以前の行為については、同年法律第107号による改正前の第50条第1項第6号)に基づく証券会社の行為規制等に関する内閣府令第 4条第5号(平成12年総理府令第65号による改正前のもの。平成10年11月30日以前の行為については、同年総理府令・大蔵省令第33号による改正前の証券会社の健全性の準則等に関する省令第2条第5号)に規定する「投機的利益の追求を目的として有価証券の売買をする行為」に該当すると認められる。

 

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